JPS6341840Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、入力交流電源の交流電力を直流電力
に変換し、この直流電力によつて直流電動機、あ
るいは前記直流電力を更に交流電力に変換して交
流電動機を制御する電動機の制御装置に関する。

〔考案の技術的背景〕

本考案に関する従来の電動機の制御装置の一例
を第１図に示す。この図で１１は入力交流電源、
１２は順側整流器、１３はフイルタコンデンサ、
１４はインバータ、１５は交流電動機、１６は逆
変換器、１７は直流リアクトルである。この図の
動作を次に説明する。入力交流電源１１の交流電
力を順側整流器１２で直流電力に変換し、この電
力をフイルタコンデンサ１３で平滑化した後イン
バータ１４で交流電力に逆変換して交流電動機１
５を運転する。また交流電動機１５よりインバー
タ１４を介して電力が回生される場合には一度回
生電力がフイルタコンデンサ１３に蓄わえられ、
次にこの電力を直流リアクトル１７及び逆変換器
１６を介して入力交流電源１１へ回生させる。

〔背景技術の問題点〕

以上のように構成された電動機の制御装置では
順側整流器１２の出力側に大容量のフイルタコン
デンサ１３が設けられている結果、交流電動機１
５の入力端子側の短絡事故や、インバータ１４の
転流失敗と呼ばれる直流短絡事故が発生すると非
常に大きな事故電流が流れ、インバータ１４のそ
れぞれの容量に対して順側整流器１２の容量が比
較的大きい場合、あるいは順側整流器１２の容量
そのものが大きい場合には前記事故電流から機器
を保護するための保護協調が極めて困難になる。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、前述の点に鑑みなされたもで
あつて、保護協調のとり易しい電動機の制御装置
を提供することにある。

〔考案の概要〕

本考案はこの目的を達成するために、順側整流
器の出力側の直流回路を少なくとも２組に分け、
各直流回路に共通に逆変換器を設けたことを特徴
とするものである。

〔考案の実施例〕

本考案の一実施例を第２図に示す。この図にお
いて第１図と図一番号を付した回路素子は第１図
と同一機能の回路素子であり、ここでは説明を省
く。１２₁と１２₂は順側整流器、１３₁と１３₂は
フイルタコンデンサ、１８₁と１８₂はダイオード
である。次にこの図の動作を説明する。入力交流
電源１１より交流電動機１５に電力が供給される
場合には、順側整流器１２₁と１２₂を介して第１
図と同様にそれぞれの交流電動機１５に電力を供
給する。他方任意の交流電動機１５より電力が回
生される場合には、一担回生電力をフイルタコン
デンサ１３₁又は１３₂に充電し、この回生電力を
フイルタコンデンサ１３₁又は１３₂よりダイオー
ド１８₁又は１８₂−逆変換器１６−直流リアクト
ル１７−フイルタコンデンサ１３₁又は１３₂のル
ープで直流電流を流して、回生電力を逆変換器１
６を介して入力交流電源１１に回生することがで
きる。

以上の如く動作する本考案の電動機の制御装置
では、フイルタコンデンサ１３₁及び１３₂が保護
協調の面より許容できる容量に分割して設けら
れ、それぞれのフイルタコンデンサ１３₁又は１
３₂に帰還された電力はダイオード１８₁又は１８
_２を介して１台の逆変換器１６によつて入力交流
電源１１へ回生することができる。この結果、本
考案によれば保護協調に優れた電動機の制御装置
を実現できることが出来る。

本考案の他の実施例を第３図に示す。この図で
第１図又は第２図と同一番号を付した回路素子は
同一機能の回路素子であるため説明を省く。１２
_３は順側整流器、１７₁と１７₂は直流リアクトル、
１８₃と１８₄はダイオード、１９は変圧器であ
る。次にこの図の動作を説明する。入力交流電源
１１の交流電力を直流電力に変換する順側整流器
１２₃はダイオードブリツジで構成され、逆変換
器１６の運転中も導通可能である。このため入力
交流電源１１の線間短絡を防止する目的で逆変換
器１６の交流端子側に変圧器１９が挿入されてい
る。順変換器１２₃の直流出力側にはダイオード
１８₃と１８₄を設けてフイルタコンデンサ１３₁
と１３₂を独立させて、第２図の場合と同様にフ
イルタコンデンサ１３₁と１３₂の容量を保護協調
の面より許容できる容量に分割している。またダ
イオード１８₁と１８₂に流れる電流をそれぞれ平
滑化する目的で直流リアクトル１７₁と１７₂が設
けられている。以上の如く動作する第３図の電動
機の制御装置では第２図の場合と同様な効果利点
が得られることが明らかである。

尚、本考案は、フイルタコンデンサで分離され
る直流回路の数を特に限定するものではなく、分
離された直流回路の数に対応してダイオード１８
_１及び１８₂に対応したダイオードを設ければ良
い。他方直流回路に接続される回路が第２図や第
３図のようなインバータ回路１４ではなく、チヨ
ツパ回路や直流電動機のような場合には例えば直
流電動機の内部インピーダンスが小さいので直流
電動機が直流電源として作用するためフイルタコ
ンデンサ１３₁や１３₂を設ける必要がなく、その
他本考案の要旨の範囲において種々の変形回路を
構成できるものである。

〔考案の効果〕

本考案よれば、電動機の制御装置の直流回路
を、制御装置の保護協調上容可能な容量に分割し
て複数個設け、入力交流電源より電力が供給さ
れ、逆変換器を介して入力交流電源へ電力を回生
する場合には、インバータ１４の運転効率や交流
電動機の運転効率及び機械損のために、逆変換器
１６の容量は順側整流器の総量より小さい１台の
逆変換器でよく、更に、直流回路を分割している
ため、事故発生時に流れる事故電流の容量は従来
のものに比較して小さくなるため十分な保護協調
のとれる極めて優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はインバータを介して交流電動機を速度
制御する従来の電動機の制御装置の構成図、第２
図は本考案の一実施例を示す構成図、第３図は本
考案の他の実施例を示す構成図である。 １１……入力交流電源、１２，１２₁，１２₂，
１２₃……順側整流器、１３，１３₁，１３₂……
フイルタコンデンサ、１４……インバータ、１５
……交流電動機、１６……逆変換器、１７，１７
_１，１７₂……直流リアクトル、１８₁，１８₂，１
８₃，１８₄……ダイオード、１９……変圧器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 交流入力電源の交流電力を順変換器で直流電力
   に変換し直流電動機を付勢あるいは前記直流電力
   を更に交流電力に変換し交流電動機を付勢するよ
   うにした電動機の制御装置において、前記順変換
   器の直流側を夫々ダイオードを介して少なくとも
   ２組の平滑コンデンサを有する直流回路に分割、
   もしくは少なくも２組の平滑コンデンサを有する
   直流回路にそれぞれ順変換器を設け、かつ直流入
   力側が前記各直流回路にダイオードを介して共通
   接続され交流出力側が前記交流入力電源に接続さ
   れる１台の逆変換器を具備したことを特徴とする
   電動機の制御装置。