JPS6338682Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は風騒音を低下させる送電線に関するも
のである。

第１図に示すように送電線本体１に風があたる
と、図示のように空気が流れ、渦２が周期的に発
生する。これがカルマン渦といわれるもので、騒
音及び微風振動の原因となる。

送電線の低風騒音対策として、送電線本体にア
ーマーロツド（線条体）を螺旋状に巻付ける方法
がとられている。しかしながら、このような低風
騒音化対策では、送電線の重量が増し、取付け工
事が面倒になる欠点がある。

本考案の目的は、重量増加を低減し、取付けが
容易で、低風騒音化を図ることができる送電線を
提供するにある。

本考案の送電線は、送電線本体の長手方向に沿
つて突出する突条部と、この突条部を送電線本体
に取付ける取付部とをもつ複数の低風騒音リング
を、送電線本体の長手方向に対して前記突条部が
送電線本体の上下に所定のパターンで存在するよ
うにして送電線本体に取付け、突条部でカルマン
渦の発生を防止するようにしたものである。

以下本考案の実施例を図面を参照して詳細に説
明する。本実施例の送電線においては、第２図
Ａ，Ｂに示すような低風騒音リング３を用いて低
風騒音化を図るものである。この低風騒音リング
３は、送電線本体の長手方向に沿つて突出する突
条部３Ａと、この突条部３Ａを送電線本体に取付
けるため突条部３Ａの両端に設けられている２つ
の取付部３Ｂとを備えて、プラスチツク又は金属
等にて形成されている。取付部３Ｂには掛け止め
部３Ｃが設けられていて、送電線本体に取付ける
ときはこれを開き、取付け終つたらこれを閉じて
開かないように保持させる構造となつている。

本実施例の送電線４においては、このような低
風騒音リング３を、第３図に示すように、送電線
本体１の長手方向に対して突条部３Ａが送電線本
体１の上下に１つづつ交互に存在するようにして
送電線本体１に間欠的に複数個取付けたものであ
る。なお、突条部３Ａを送電線本体１の上下に存
在させるパターンとしては、このほかに例えば複
数個づつ交互に、或は径間の中央部迄の半分を上
にし、残りの半分を下にする等のパターンでもよ
い。

送電線本体１の上面或は下面に突条部３Ａを設
けると、第４図に示すように送電線４の上下が非
対称となり、送電線本体１の上下に流れる空気が
突条部３Ａの側で乱されて上下非対称となり、カ
ルマン渦ができにくくなる。突条部３Ａは送電線
本体１の上下いずれかの側に存在すれば十分であ
ることが実験により確められている。このため、
突条部３Ａを送電線本体１の上下に順次取付けて
おくと、効果的に空気の流れを乱すことができ
る。

この場合、一方向にだけ突条部３Ａが存在する
ように低風騒音リング３を取付けると、翼効果が
起こり、空力的安定性がくずれ、送電線が捻れ易
くなり、ギヤロツピング等の異常振動を発生し易
くなり、好ましくない。

なお、突条部３Ａが或る程度長い場合には、取
付部３Ｂの数をふやせばよい。

送電線本体１に対する低風騒音リング３の取付
けは、新設線の場合は工場内で取り付けることが
でき、既設線の場合は宙乗り機等により取付ける
ことができる。

以上説明したように本考案に係る送電線におい
ては、送電線本体の上下に突条部が上下に所定の
パターンで存在するように低風騒音リングを取付
けたので、送電線本体の上下が非対称になり、空
気の流れを乱してカルマン渦の発生を抑制し、低
風騒音化を図ることができる。特に本考案によれ
ば、空気の流れを効果的に乱すので、低風騒音リ
ングの取付け数を減すことができ、重量の増加が
抑制され、且つコスト上昇が抑制され、好適であ
る。また、本考案によれば低風騒音化のための取
付けを容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の送電線に風が吹き付けられた状
態の説明図、第２図Ａ，Ｂは本考案で用いる低風
騒音リングの一例を示す正面図及び側面図、第３
図は本考案に係る送電線の一例を示す側面図、第
４図は本考案に係る送電線に風が吹き付けられた
状態の説明図である。 １……送電線本体、３……低風騒音リング、３
Ａ……突条部、３Ｂ……取付部、４……送電線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 送電線本体の長手方向に沿つて突出する突条部
   と、この突条部を送電線本体に取付ける取付部と
   をもつ複数の低風騒音リングを、前記送電線本体
   の長手方向に対して前記突条部が前記送電線本体
   の上下に所定のパターンで存在するようにして前
   記送電線本体に取付けられていることを特徴とす
   る送電線。