JPS6338084B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は例えば作業台船等の係留に使用される
ワイヤロープの定位置検出方法に関するものであ
る。

例えばセミサブ式作業台船など、大型の作業船
を係留する多くの場合には、アンカーを確実に固
定するために、また風力および波力による作業船
の動揺をワイヤロープに吸収させるために、作業
船からは数千メートルというきわめて長いワイヤ
ロープが繰り出される。

したがつて前記ワイヤロープの巻き取りには、
当然長時間を要することになる。このため作業船
においては、作業の合理化をはかるために、ワイ
ヤロープの巻き取りを自動化することが要望され
てくる。

ところで、自動化するためにはワイヤロープの
定位置を検出することが必要で、従来、ウインチ
ドラムの回転数、あるいはワイヤロープに添接し
ている滑車の回転数を利用して定位置を検出して
いた。

しかるに従来のこの種ワイヤロープの定位置検
出方法においては、ワイヤロープの定位置が必ず
しも正確には検出できないという不具合があつ
た。これは周囲の温度変化によりワイヤロープ自
身が伸縮するのみならず、ウインチドラムを利用
する方法においては、ドラムの巻き始めと終わり
におけるドラム１回転に対するワイヤロープ巻き
取り長さが異なり、滑車を利用する方法において
は、この滑車に添接するワイヤロープのスリツプ
等が発生するからである。

これらを解決するために、ワイヤロープ外周に
被検出物を取付け、これを検出することも考えら
れるが、フエアリーダなどを挿通させることがで
きないという使用上の問題があつた。

本発明はこのような事情に鑑みなされたもの
で、ワイヤロープの内部に人体に悪影響を与えな
いと言うことで法的にその使用を許可された微弱
放射性物質を内装し、これを検出する放射線検出
装置を前記ワイヤロープに近接させるように設け
るというきわめて簡単な構成により、ワイヤロー
プの定位置を正確に検出できるワイヤロープの定
位置検出方法を提供するものである。以下その構
成等を図に示す実施例により詳細に説明する。

第１図は本発明に係るワイヤロープの定位置検
出方法を実施したセミサブ式作業台船の作業中の
係留状態を示す概略図で、同図において符号１で
示すものはセミサブ式作業台船を示す。この作業
台船１は、作業台となるアツパーハル２と、作業
中は水面WL下に潜水して作業台船１の安定化を
はかるロワーハル３とが脚部４により連結されて
いる。５は前記作業台船１を係留するためのワイ
ヤロープで、このワイヤロープ５はウインチ６の
ドラムから滑車７に添接し、フエアリーダ８を挿
通して数千メートルあまり繰り出され、先端には
アンカー９が連結されている。

前記ワイヤロープ５の定位置、例えば第２図に
セミサブ式作業台船のワイヤロープ５の巻き取り
状態を示すように、アンカー９からアンカーレス
ト１０までの距離Ｄが数メートルとなるのを検出
できるような定位置Ｍには人体に害を与えない微
弱放射性物質が内装されている。これについて詳
述すれば、例えばコバルト60、セシウム273など
前記微弱放射性物質を、図示しないがステンレス
あるいはプラスチツクなどのチユーブ内に封入
し、これを第３図において拡大して示すワイヤロ
ープ５の心綱５ａと２本の子縄５ｂ，５ｂとによ
つて形成された空間１１内に挾持させるように内
装するのである。また前記チユーブの外周には麻
ひもなどが巻回され、心綱５ａおよび子縄５ｂ，
５ｂとの間の摩擦力を増大させることにより、そ
の移動が防止されている。

１２は前記微弱放射性物質を検出する例えば、
ガイガーカウンタあるいはシンチレーシヨンカウ
ンタなどの放射線検出装置で、この放射線検出装
置１２は検出が確実に行なえるようにワイヤロー
プ５に近接するように設けられている。また前記
放射線検出装置１２は、図示しない警報を発生す
る警報装置あるいはウインチ６を停止させるウイ
ンチ制御装置などに接続されている。

このように構成されたワイヤロープの定位置検
出方法においては、定位置Ｍに移動が防止された
状態で、ワイヤロープ５内に内装された微弱放射
性物質が放射線を発生する。そしてこの放射線を
ワイヤロープ５に近接するように設けられた放射
線検出装置１２により直接検出することができ
る。したがつて、ワイヤロープ５の定位置Ｍを正
確に検出することができる。

このため上述のセミサブ式作業台船１において
は、ワイヤロープ５の巻き取りを自動化し作業の
合理化をはかることができる。すなわち、連続的
に巻き取られるワイヤロープ５の定位置Ｍを検出
し、第２図に示すような状態でウインチ６を停止
させるようにできるからであり、その後ウインチ
６を手動操作してアンカー９をアンカーレスト１
０に納めればよい。

このように本発明は、被検出媒体を、ワイヤロ
ープ内に直接に内装し、これを検出することをそ
の内容とするものであるから、上記実施例に示す
セミサブ式作業台船のほか、一般の作業船や各種
クレーン、ロープウエイなどワイヤロープを使用
するあらゆる機器に適用することができる。また
微弱放射性物質としては、コバルト60、セシウム
273に限定されないのは勿論であり、これを封入
するチユーブ材としてもステンレス、プラスチツ
クのほか耐蝕性に優れた材質であればよいのはい
うまでもない。

以上説明したように本発明によれば、ワイヤロ
ープの心綱と子縄との間に微弱放射性物質を内装
し、放射線検出装置をワイヤロープに近接させて
設けたから、微弱放射性物質の放射線を放射線検
出装置によつて検出することができる。

したがつて従来の方法のように滑車やウインチ
ドラムなどを介するものではなく、ワイヤロープ
を直接検出できるから、温度変化などに影響され
ず、ワイヤロープの定位置を正確に検出できると
いう効果がある。また、ワイヤロープ自体によつ
て微弱放射性物質を保護することができ、何ら特
別な保護部材を必要としないから、ワイヤロープ
は微弱放射性物質が外れるのを防止できると共
に、滑車等を円滑に通過することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るワイヤロープ定位置検出
方法を実施したセミサブ式作業台船の作業中の係
留状態を示す概略図、第２図は同じくワイヤロー
プの巻き取り状態を示す概略図、第３図はワイヤ
ロープの拡大断面図である。 １……セミサブ式作業台船、５……ワイヤロー
プ、５ａ……心綱、５ｂ……子縄、１１……空
間、１２……放射線検出装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ワイヤロープ５の心綱５ａと子縄５ｂとの間
   に微弱放射性物質を内装し、この微弱放射性物質
   を検出する放射性検出装置１２を前記ワイヤロー
   プ５に近接させるように設けたことを特徴とする
   ワイヤロープの定位置検出方法。