JP2869857B2 - 船舶における水中えい航体の揚収装置及び展開器 - Google Patents

船舶における水中えい航体の揚収装置及び展開器

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JP2869857B2
JP2869857B2 JP7230506A JP23050695A JP2869857B2 JP 2869857 B2 JP2869857 B2 JP 2869857B2 JP 7230506 A JP7230506 A JP 7230506A JP 23050695 A JP23050695 A JP 23050695A JP 2869857 B2 JP2869857 B2 JP 2869857B2
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隆男 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中探査船の如き
船舶における水中えい航体の揚収装置及び複数本の水中
探査用のケーブル状センサを展開させるための展開器に
関する。
【0002】
【従来の技術】海洋において水中音響や海底鉱物等の探
査を行なう場合、複数本の水中探査用ケーブル状センサ
を所定の間隔を置いて平行に配置し、これを水中探査船
等の母船によりえい航する必要があるが、そのケーブル
長は、数百メートルにもなる。また、このケーブル状セ
ンサは、母船の影響が及ばない位置でのえい航が必要な
ため、母船から相当な距離をとった後方でのえい航とな
る。
【0003】したがって、複数本の水中探査用ケーブル
状センサを展開する場合には、展開器の後部に水中探査
用ケーブル状センサを所定の間隔を置いて取り付けた水
中えい航体を母船から繰り出したえい航ケーブルに取り
付けてえい航することが考えられている。ところで、係
る展開器と水中探査用ケーブル状センサからなる水中え
い航体は、必要に応じて母船に水中から揚収したり、水
中に投入する作業が必要になる。
【0004】一般に、水中えい航体の揚収装置として
は、母船の後部に設けたクレーンにより水中えい航体を
吊り上げる方式、或いは、母船の後部に設けた回収アー
ムにより水中えい航体を水際で把持して回収する方式等
が考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前者の場合
は、揚収装置が大型で、重量が嵩み、加えて、水中えい
航体を吊り上げる時に、揺れが生ずると、周辺での作業
が危険になるという問題がある。また、後者の場合も揚
収装置が大型で、重量が嵩むばかりでなく、波やうねり
が大きい場合には、展開器の把持が困難になるという問
題がある。
【0006】本発明は、係る問題を解消するためになさ
れたものであり、その目的は、特殊な形状を有する水中
えい航体を損傷することなく、能率的に投入及び揚収す
ることのできる船舶における水中えい航体の揚収装置を
提供することにある。本発明の他の目的は、複数本のケ
ーブル状センサを牽引しても抵抗が少なく、かつ、横安
定性に富み、しかも、カルマン渦等の渦の発生の少ない
展開器を提供することにある。
【0007】本発明の更に他の目的は、展開器の初期ロ
ールを矯正し、展開器に接続してえい航するケーブル状
センサ同士の絡み合いを防止することができる展開器を
提供することにある。本発明の更に他の目的は、本体が
高深度の圧力に耐えると共に、水平翼両端及び本体前端
部が強力な引張り力に耐え、更に、揚収及び投入時の強
力な引揚げ力にも耐えることのできる展開器を提供する
ことにある。
【0008】本発明の更に他の目的は、えい航ケーブル
と本体とのジョイント部において渦やノイズの発生が抑
制され、かつ、ジョイント部におけるえい航ケーブルの
運動を制約しないケーブルカバーを有する展開器を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明に係る船舶
における水中えい航体の揚収装置は、円筒状の本体の後
部に水平翼を設けた展開器と、前記水平翼の後部に所定
の間隔を置いて取り付けた複数本のケーブル状センサと
よりなる水中えい航体をえい航する船舶において、該船
舶の後部に複数本の水平ローラを側面から見て円弧状に
なるように配置し、かつ、横方向への脱落を防止する縦
ローラを配置した第1の案内装置と、前記船舶の後部に
突出し、かつ、第1の案内装置に連接すると共に前記展
開器の本体をガイドする第1のガイドと水平翼をガイド
する第2のガイドとより構成された第2の案内装置とよ
りなり、前記展開器の本体の前方に巻取機に巻回された
えい航ケーブルを取り付けたことを特徴とするものであ
る。
【0010】一方、本発明に係る展開器は、円筒状の本
体の後部に上下対称翼型で、かつ、アスペクト比の小さ
い水平翼を配設すると共に、左右の水平翼にそれぞれ垂
直翼を配設することを特徴とするものである。この展開
器は、水平翼内にスライド自在に配設した一組の小翼
と、該小翼同士を連結する小翼駆動軸と、本体のロール
角を検出するロール角検出器と、該ロール角検出器から
の入力信号により本体の回転する側の水平翼から小翼を
突出させる姿勢制御装置を備えることが好ましい。
【0011】また、耐圧性を有する円筒状の本体の前面
を形成する鏡板にえい航ケーブル取付金具を装着すると
共に、本体の後面を形成する鏡面に十字状のリブを介し
てケーブル状センサ取付金具を装着し、更に、補強部材
で補強した前記十字状リブを外板で覆って本体後部を形
成し、該本体後部に水平翼の骨格部を構成する三角フレ
ームを固着し、かつ、三角フレームの先端部に夫々ケー
ブル状センサ取付金具を取り付けることが好ましい。
【0012】また、本体先端に、本体先端と本体先端に
連結したえい航ケーブルを覆う円錐形のカバーを装着す
ると共に、該カバーの先端にえい航ケーブルの回動を許
容するスリットを設け、更に、該スリットにえい航ケー
ブル損傷防止用の保護体を取り付けることが好ましい。
更に、水平翼とケーブル状センサをジョイント部を介し
て連結すると共に、該ジョイント部を流線形の上下2つ
のカバーにより覆い、かつ、これらの上下カバーを水平
翼に固定させた固定部と、該固定部に枢着され、かつ、
前記ケーブル状センサの上下動に追従する可動部とによ
り構成することが好ましい。
【0013】上記のように、円筒状の本体の後部に水平
翼を設けた展開器と、前記水平翼の後部に所定の間隔を
置いて取り付けた複数本のケーブル状センサとよりなる
水中えい航体をえい航する船舶の後部に複数本の水平ロ
ーラを側面から見て円弧状になるように配置し、かつ、
横方向への脱落を防止する縦ローラ配置した第1の案内
装置と、前記船舶の後部に突出し、かつ、第1の案内装
置に連接すると共に前記展開器の本体をガイドする第1
のガイドと水平翼をガイドする第2のガイドとより構成
された第2の案内装置とよりなり、前記展開器の本体の
前方に巻取機に巻回された曳航ケーブルを取り付けるこ
とにより、特殊な形状を有する水中えい航体を損傷する
ことなく、能率的に投入及び揚収することのできる。
【0014】一方、円筒状の本体の後部に上下対称翼型
で、かつ、アスペクト比の小さい水平翼を配設すると共
に、左右の水平翼にそれぞれ垂直翼を配設することによ
り、複数本のケーブル状センサを牽引しても抵抗が少な
く、かつ、横安定性に富み、しかも、カルマン渦等の流
れの乱れによる横揺れの発生が少なくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係る水中え
い航体揚収装置の側面図、図2はその平面図、図3は、
本発明に係る水中えい航体揚収装置を備えた母船により
水中えい航体をえい航している様子を示す説明図であ
り、船体10の後部には、第1の案内装置11と第2の
案内装置12が設けられ、巻取装置13に巻回されたえ
い航ケーブル14により展開器15及びケーブル状セン
サ16よりなる水中えい航体17をえい航するようにな
っている。
【0016】展開器15は、図8に示すように、円筒状
の本体18と水平翼19及び水平翼19上に夫々立設さ
せた垂直翼19aから構成されている。そして、本体1
8及び水平翼19の後端に、複数本(図では3本)のケ
ーブル状センサ16を所定の間隔を置いて着脱自在に取
り付けるようになっている。また、本体18の先端にえ
い航ケーブル14を接続するようになっている。このえ
い航ケーブル14は、ケーブル状センサ16と電気的に
接続している。
【0017】この第1の案内装置11及び第2の案内装
置12について、詳細に説明すると、図1及び図2に示
すように、第1の案内装置11は、数本の水平ローラ2
0と縦ローラ21から構成されている。そして、水平ロ
ーラ20は、側面から見て円弧状に、より具体的には、
ケーブル状センサ16の許容半径となるような円弧状に
配置され、その両側には、数本の縦ローラ21が放射状
に配設されている。この水平ローラ20及び縦ローラ2
1の表面は、例えば、ゴム等の弾性体で被覆され、展開
器15やケーブル状センサ16およびえい航ケーブル1
4の損傷を防止するようになっている。
【0018】第2の案内装置12は、パイプ又は棒体等
で形成された数本(図示の場合2本)の縦方向の第1の
ガイド22と第2のガイド23により構成されている。
この第2の案内装置12は、船体10の後方へ突出する
よう配置されると共に、第1のガイド22及び第2のガ
イド23は、船体後方に向かって凸になるように形成さ
れると共に、横材24により連結されている。そして、
図4のように、第1のガイド22は、展開器15の本体
18をガイドし、第2のガイド23は、展開器15の水
平翼19をガイドするようになっている。
【0019】一方、25はガイドレール26上に展開器
15を搭載するようにした架台であり、この架台25
は、図示しない昇降装置によって昇降するようになって
いる。27はえい航ケーブル14のガイド金物、28は
軸29を中心にして回動可能なアーム30に取り付けら
れたガイドローラ、31は水平軸32に沿って移動可能
な移動ローラ、34は水平ガイドローラ、35はセンサ
ー保持具である。
【0020】このセンサー保持具35は、図5乃至図7
に示すように、船体10に取り付けられた固定具36に
クランプ37を取り付けたロープ38を係合させて構成
されている。そして、クランプ37は、蝶型ナット等の
締付具39を取り外し、その口を二点破線で示すように
開いてケーブル状センサ16を嵌入させた後、その口を
閉じることによりケーブル状センサ16の嵌合部40
(図15参照)をクランプすることができるようになっ
ている。
【0021】係る構成において、図1乃至図3に示すよ
うに、船体10によりえい航されている水中えい航体1
7を揚収する場合について説明する。巻取装置13を作
動させてえい航ケーブル14を巻き込むと、水中えい航
体17は、船体10に引き寄せられる。このとき、えい
航ケーブル14は、水平軸32に沿って中心に移動させ
た移動ローラ31により左右への揺れが防止されてい
る。
【0022】そして、展開器15が第2の案内装置12
に達すると、円筒状の本体18が第1のガイド22に当
接し、次いで、水平翼19が第2のガイド23に当接
し、夫々、摺動する如く、揚収される。この状態におい
て、移動ローラ31は、水平軸32の両端へ移動され
る。そして、この展開器15は、この第2の案内装置1
2から第1の案内装置11上に達し、ここからガイドレ
ール26に沿って架台25上に引揚げられる。
【0023】この展開器15は、架台25の所定位置よ
り多少、前方の位置まで引揚げられ、ここで、センサー
保持具35によりケーブル状センサ16の嵌合部40を
保持した後、このセンサ16を展開器15より取り外
す。そして、図示しない巻取装置等によりセンサ16を
揚収すると共に、展開器15を後退させて架台25上の
所定の位置に格納するようになっている。
【0024】勿論、水中探査を行なう場合において、ケ
ーブル状センサ16と展開器15とを水中に投入する時
は、上記の揚収手順と逆の手順により、水中えい航体1
7を損傷させることなく、容易に水中に投入することが
できる。次いで、上記の展開器について詳細に説明する
と、展開器15は、図8のように、本体18の後部に水
平翼19を有している。この水平翼19は、上下対称翼
型になっており、水に対する抵抗が少なく、かつ、上方
及び下方に均等に力が発生し、外乱の変化に対して敏感
に応答しないようになっている。
【0025】上記のように、水平翼19を本体18の後
部に設け、えい航ケーブル14によるえい航点を水平翼
19のある重心点、揚力中心点、浮心からできるだけ離
すと、姿勢安定性を向上させることができる。また、水
平翼19のアスペクト比を小さくすると、翼端渦を抑止
することができる。また、水平翼19の左右両翼にそれ
ぞれ垂直翼19aを立設すると、横方向の安定性のう
ち、特に、ダッチロールを防止することができると共
に、展開器15を船体10上に揚収する時に垂直翼19
aが邪魔にならない。
【0026】上記のように、本発明の展開器15は、本
体18と、本体15の後部に取り付けた左右一対の水平
翼19と、水平翼19上にそれぞれ立設させた垂直尾翼
19aから構成されているが、初期ロールを矯正するに
は、図9に示すように、水平翼19の先端に小翼51を
設けるとよい。即ち、この展開器15は、図9のよう
に、左右の水平翼19内に、小翼51がそれぞれ左右に
スライド可能に設けられている。これらの小翼51は、
本体18を貫通して左右の水平翼19内に達する小翼駆
動軸52によって連結されており、小翼駆動軸52が中
立位置、即ち、初期位置に位置する時は、左右の小翼5
1が水平翼19内に格納されるようになっている。
【0027】小翼51は、揚力を発生するように、予
め、所定の仰角が付与されている。更に、この小翼51
は、横方向安定制御に不必要なスウェイ方向の横力を発
生しないように配置されている。また、本体18内に
は、図示しない圧力容器によって保護された電動モータ
ー53が設けられており、図10に示すように、電動モ
ーター53の歯車54は、ピニオン55を介して小翼駆
動軸52のほぼ中央に設けたラック56に噛み合ってい
る。
【0028】更に、本体18内には、ジャイロセンサー
57及びマイクロコンピューター58を設けている。マ
イクロコンピューター58は、ジャイロセンサー57か
ら入力した本体18のロール角に基づいて電動モーター
53を作動させ、下方に傾きつつある水平翼15から小
翼51を突出させて展開器15の所期ロールを制御する
ようになっている。
【0029】なお、電動モーター53、ジャイロセンサ
ー57及びマイクロコンピューター58への給電は、え
い航ケーブル14内に配した電力ケーブル(図示せず)
を通って行なわれるようになっている。上記のロール角
検出装置は、本体のロール角を検出できるものであれ
ば、例えば、傾斜計等でもよい。
【0030】上記の展開器15の構造について更に詳し
く説明すると、図11に示すように、展開器の本体18
は、円筒形の前部胴体59と円錐台形の後部胴体60か
ら構成されており、後部胴体60に水平翼19が取り付
けられている。水平翼19内には、展開器15を中性浮
力化するための図示しない浮力材が充填されている。ま
た、後部胴体60の外板の一部は、取外し可能になって
おり、ケーブル状センサ16のメンテナンスが可能にな
っている。
【0031】前部胴体59は、円筒形の耐圧容器61で
形成され、高深度の水圧に耐えるようになっている。ま
た、軽量化のため、耐圧容器自体の肉厚を薄くする一
方、補強用の多数のウエブ62を有している。前部胴体
59の前面に取り付けた鏡板63は、図示しないボルト
で接合され、耐圧容器内のメンテナンスが可能である。
また、その接合部は、高深度の水圧に耐えられる水密機
構を有する。接合ボルトは、曳航中の流れを乱さないよ
うに鏡板63の外側より突出しないように取り付けられ
ている。
【0032】また、本体18の前面に取り付けた鏡板6
3には、えい航ケーブル14を連結するためのえい航ケ
ーブル取付金具64を装着し、図示しない母船から水中
えい航体17を投下する時や母船に揚収する時の荷重に
耐えられるようになっている。更に、本体18の後面に
取り付けた鏡板65には、台形の2枚の板を十字に組み
つけて形成した十字状のリブ66を介してケーブル状セ
ンサ16を連結するためのケーブル状センサ取付金具6
7を装着し、ケーブル状センサ16の引張力に十分、耐
えられるようになっている。
【0033】更に、図12に示すように、多数の補強部
材68で補強した十字状のリブ66の外側を外板69で
覆って円錐台形の後部胴体60を形成すると共に、この
後部胴体60に水平翼19の骨格部を構成する三角フレ
ーム70を固着し、その先端部に取り付けるケーブル状
センサ16の引張力にも耐えられるようになっている。
【0034】三角フレーム70は、2本の翼骨71によ
る骨格構造となっており、その先端部には、ケーブル状
センサ16を連結するためのケーブル状センサ取付金具
67を取りつけている。翼骨71aは、張力に抗し、翼
骨71bは、圧縮に抗する。翼骨71bは、水平翼19
の後縁部と同一線上に配してあり、水平翼19の左右両
端にケーブル状センサ16を取り付けて曳航する時に圧
縮力を打ち消し合うようになっている。
【0035】次いで、本体先端部の構造について説明す
ると、図13のように、本体18の先端に固定されてい
るジョイント部72には、えい航ケーブル14の後端部
がピン73を介して上下回動自在に取付けられている。
本体18の先端には、円錐形のえい航ケーブルカバー7
4が装着されている。このえい航ケーブルカバー74
は、その先端部に曳航ケーブル14の上下回動運動を許
容するようなスリット75が設けられている。また、え
い航ケーブルカバー74の後端部は、ビス76によって
本体18の先端に密着固定されているので、両者はメタ
ルタッチでシールされた状態になっている。
【0036】上記のように、えい航ケーブルカバー74
と本体18の間に隙間を作らないと、一旦、えい航ケー
ブルカバー74内が水で満たされると、えい航ケーブル
カバー74内での水の流動は生じない。このため、えい
航ケーブルカバー74の周辺では、渦やノイズの発生が
抑制されることになる。更に、スリット75の縁部に硬
質ゴム製の保護体77を取り付けているので、えい航ケ
ーブル14の擦過やノイズの発生が防止される。
【0037】最後に、水平翼19におけるケーブル状セ
ンサカバーについて説明すると、図14に示すように、
水平翼19の後端部に設けた切欠き部78の後壁部79
に固定されているジョイント部としてのブラケット80
には、ケーブル状センサ16の先端部が枢着されてお
り、図示しないピンを軸にして上下に回動可能になって
いる。
【0038】このケーブル状センサカバー81は、水平
翼19とケーブル状センサ16のジョイント部で水流を
乱さないように流線形に形成された上部カバー82と下
部カバー83から構成されている。更に、上側カバー8
2は、固定部82aと可動部82bから構成されてお
り、固定部82aは、切欠き部78の前方に位置する水
平翼19の上面にボルト84により固定され、固定部8
2aと可動部82bは、可動部82bのブラケット85
と固定部82aのブラケット86をボルト87及びナッ
ト88によって連結されている。
【0039】なお、下側カバー83は、上部カバー82
と同様に、固定部83aと固定部83aに揺動自在に連
結された可動部83bとから形成されているので、詳し
い説明は省略する。上記のように、上下のカバー82,
83は、固定部82a(83a)と、固定部82a(8
3a)に揺動自在に連結された可動部82b(83b)
とにより構成されているから、ケーブル状センサ16の
上下運動に円滑に追従する。
【0040】なお、上下の可動部82b,83bを環状
の弾性体で束ねておけば、水中えい航時に、図示しない
ケーブルコネクタを保護するほか、その周囲の流れの剥
離を防止し、ノイズの発生を抑制することができる。な
お、上記カバーは、本体18の後端部に取り付けたジョ
イント部のケーブル状センサカバーとしても使用でき
る。
【0041】
【発明の効果】上記のように、本発明は、円筒状の本体
の後部に水平翼を設けた展開器と、前記水平翼の後部に
所定の間隔を置いて取り付けた複数本のケーブル状セン
サとよりなる水中えい航体を曳航する船舶において、該
船舶の後部に複数本の水平ローラを側面から見て円弧状
になるように配置し、かつ、横方向への脱落を防止する
縦ローラを配置した第1の案内装置と、前記船舶の後部
に突出し、かつ、第1の案内装置に連接すると共に前記
展開器の本体をガイドする第1のガイドと水平翼をガイ
ドする第2のガイドとより構成された第2の案内装置と
よりなり、前記展開機の本体の前方に巻取機に巻回され
たえい航ケーブルを取り付けたから、特殊な形状を有す
る水中えい航体を損傷することなく、能率的に投入及び
揚収することができる。
【0042】一方、本発明に係る展開器は、円筒状の本
体の後部に上下対称翼型で、かつ、アスペクト比の小さ
い水平翼を配設すると共に、左右の水平翼にそれぞれ垂
直翼を配設するので、水中での抵抗が少なく、かつ、横
方向の安定性が格段に向上するようになった。しかも、
カルマン渦発生が少なくなり、横ゆれが格段に減少する
ようになった。
【0043】特に、本発明の展開器は、水平翼の翼端か
らケーブル状センサを索引しても安定した索引ができ、
精度の高い計測を行なうことができるようになった。更
に、本発明は、水平翼内にスライド自在に配設した一組
の小翼と、該小翼同士を連結する小翼駆動軸と、本体の
ロール角を検出するロール角検出器と、該ロール角検出
器からの入力信号により本体の回転する側の水平翼から
小翼を突出させる姿勢制御装置を備えるから、初期ロー
ルを矯正し、展開器に接続したケーブル状センサ同士の
絡まりを未然に防止できるようになった。
【0044】また、本発明の展開器は、耐圧性を有する
円筒状の本体の前面を形成する鏡板にえい航ケーブル取
付金具を装着すると共に、本体の後面を形成する鏡面に
十字状のリブを介してケーブル状センサ取付金具を装着
し、更に、補強部材で補強した前記十字状リブを外板で
覆って本体後部を形成し、該本体後部に水平翼の骨格部
を構成する三角フレームを固着し、かつ、三角フレーム
の先端部に夫々ケーブル状センサ取付金具を取り付ける
から、高深度に耐えられるようになった。
【0045】更に、水平翼及び本体が夫々強力な引張力
にも耐えられるようになった。更に、母船から吊り降ろ
す時や母船に揚収する時も自重を含め機体垂直方向の強
力な荷重に耐えられるようになった。また、本発明の展
開器は、本体先端に、本体先端と本体先端に連結したえ
い航ケーブルを覆う円錐形のカバーを装着すると共に、
該カバーの先端にえい航ケーブルの回動を許容するスリ
ットを設け、更に、該スリットにえい航ケーブル損傷防
止用の保護体を取り付けるから、展開器先端の水流が整
流される。その結果、渦やノイズの発生が抑えられるば
かりでなく、えい航ケーブルの上下回動運動を抑制しな
いようになった。
【0046】更に、本発明の展開器は、水平翼とケーブ
ル状センサをジョイント部を介して連結すると共に、該
ジョイント部を流線形の上下2つのカバーにより覆い、
かつ、これらの上下カバーを水平翼に固定させた固定部
と、該固定部に枢着され、かつ、前記ケーブル状センサ
の上下動に追従する可動部とにより構成するから、渦や
ノイズの発生が抑えられるばかりでなく、ケーブル状セ
ンサの上下回動運動を抑制しないようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水中えい航体揚収装置の側面図で
ある。
【図2】本発明に係る水中えい航体揚収装置の平面図で
ある。
【図3】本発明に係る水中えい航体揚収装置を備えた母
船により水中えい航体を曳航している様子を示す説明図
である。
【図4】第2の案内装置による展開器のガイド説明図で
ある。
【図5】センサー保持具の斜視図である。
【図6】センサー保持具の正面図である。
【図7】クランプの正面図である。
【図8】展開器の斜視図である。
【図9】展開器の他の一例を示す斜視図である。
【図10】小翼の駆動系を示す斜視図である。
【図11】展開器の骨格構造を示す一部断面を含む平面
図である。
【図12】展開器後部の一部断面を含む斜視図である。
【図13】曳航ケーブルカバーの斜視図である。
【図14】ケーブル状センサカバーの分解斜視図であ
る。
【図15】ケーブル状センサの要部拡大側面図である。
【符号の説明】
11 第1の案内装置 12 第2の案内
装置 13 巻取機 14 えい航ケー
ブル 15 展開器 16 ケーブル状
センサ 17 水中えい航体 18 本体 19 水平翼 20 水平ローラ 22 第1のガイド 23 第2のガイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤司 茂 東京都目黒区中目黒2−2−30−A308 (72)発明者 宗田 敏行 東京都港区虎ノ門1−7−12 沖電気工 業株式会社内 (72)発明者 小暮 洋次 東京都港区虎ノ門1−7−12 沖電気工 業株式会社内 (72)発明者 加藤 洋一 東京都港区虎ノ門1−7−12 沖電気工 業株式会社内 (72)発明者 渡辺 三千夫 東京都港区虎ノ門1−7−12 沖電気工 業株式会社内 (72)発明者 鈴木 隆男 東京都中央区築地5丁目6番4号 三井 造船株式会社内 (72)発明者 松成 勇 岡山県玉野市玉3丁目1番1号 三井造 船株式会社玉野事業所内 (72)発明者 上入佐 光 東京都昭島市つつじが丘1−1−50 株 式会社三井造船昭島研究所内 (56)参考文献 実開 平3−44097(JP,U) 実開 昭58−55115(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B63B 21/66 B63B 35/00 B63B 35/40 B63C 11/48 B63G 8/39 B63G 8/42 G01S 7/52

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の本体の後部に水平翼を設けた展
    開器と、前記水平翼の後部に所定の間隔を置いて取り付
    けた複数本のケーブル状センサとよりなる水中えい航体
    をえい航する船舶において、該船舶の後部に複数本の水
    平ローラを側面から見て円弧状になるように配置し、か
    つ、横方向への脱落を防止する縦ローラを配置した第1
    の案内装置と、前記船舶の後部に突出し、かつ、第1の
    案内装置に連接すると共に前記展開器の本体をガイドす
    る第1のガイドと水平翼をガイドする第2のガイドとよ
    り構成された第2の案内装置とよりなり、前記展開器の
    本体の前方に巻取機に巻回されたえい航ケーブルを取り
    付けたことを特徴とする船舶における水中えい航体の揚
    収装置。
  2. 【請求項2】 円筒状の本体の後部に上下対称翼型で、
    かつ、アスペクト比の小さい水平翼を配設すると共に、
    左右の水平翼にそれぞれ垂直翼を配設することを特徴と
    する展開器。
  3. 【請求項3】 水平翼内にスライド自在に配設した一組
    の小翼と、該小翼同士を連結する小翼駆動軸と、本体の
    ロール角を検出するロール角検出器と、該ロール角検出
    器からの入力信号により本体の回転する側の水平翼から
    小翼を突出させる姿勢制御装置を備えた請求項2記載の
    展開器。
  4. 【請求項4】 耐圧性を有する円筒状の本体の前面を形
    成する鏡板にえい航ケーブル取付金具を装着すると共
    に、本体の後面を形成する鏡面に十字状のリブを介して
    ケーブル状センサ取付金具を装着し、更に、補強部材で
    補強した前記十字状リブを外板で覆って本体後部を形成
    し、該本体後部に水平翼の骨格部を構成する三角フレー
    ムを固着し、かつ、三角フレームの先端部に各々ケーブ
    ル状センサ取付金具を取り付けた請求項2又は3記載の
    展開器。
  5. 【請求項5】 本体先端に、本体先端と本体先端に連結
    したえい航ケーブルを覆う円錐形のカバーを装着すると
    共に、該カバーの先端にえい航ケーブルの回動を許容す
    るスリットを設け、更に、該スリットにえい航ケーブル
    損傷防止用の保護体を取り付けた請求項2、3又は4記
    載の展開器。
  6. 【請求項6】 水平翼とケーブル状センサをジョイント
    部を介して連結すると共に、該ジョイント部を流線形の
    上下2つのカバーにより覆い、かつ、これらの上下カバ
    ーを水平翼に固定させた固定部と、該固定部に枢着さ
    れ、かつ、前記ケーブル状センサの上下動に追従する可
    動部とにより構成した請求項2、3又は4記載の展開
    器。
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