実施の形態1.
図1及び図2を参照して、本実施の形態1における海底地質探査システム100の全体的な構成例について説明する。なお、以下の各図では、煩雑化を避けるため、適宜符号の一部を省略する。海底地質探査システム100は、震源から発生され、海底下の物性境界で反射した弾性波をストリーマケーブルで検知し、検知した振動を電気信号に変換して海底下の地層や地質構造などを探査する、いわゆる三次元物理探査を実現するものである。
図1に示すように、海底地質探査システム100は、船舶500の左右の舷のうちの少なくとも一方に設けられる震源ユニット50と、船舶500によって曳航されるストリーマケーブル60と、を有している。本実施の形態1において、海底地質探査システム100は、2つの震源ユニット50を有しており、これらはそれぞれ船舶500の左右の舷に1つずつ設けられている。
震源ユニット50は、船舶500における舷の前後方向における中央の箇所に取り付けられる棒状の支持部材51と、支持部材51の一端部に取り付けられる震源装置52と、を有している。支持部材51は、船舶500の上下方向と平行になるよう取り付けられる。三次元物理探査のためのデータ収集を行う際(以下、探査時ともいう。)、震源装置52は海中に配置される。以降では、船舶500における舷のことを単に「舷」ともいう。震源ユニット50の詳細については後述する。なお、図1及び図2の例では、震源ユニット50の支持部材51と後ろ側の深度保持部材10とのそれぞれに、GNSS(Global Navigation Satellite System/全球測位衛星システム)に係るGNSSアンテナ66が取り付けられている。
ストリーマケーブル60は、一端部が船舶500の船尾側に連結されるリードインケーブル61と、リードインケーブル61の他端部に接続され、複数の受振器62aを備えたアクティブケーブル62と、を有している。受振器62aは、例えば、音圧変化を電圧変化などに変換するハイドロフォンにより構成される。アクティブケーブル62において、複数の受振器62aは、水平分解能等をもとに設定された間隔をあけて配置されている。
ここで、図2に示すように、船舶500により曳航されている状態のアクティブケーブル62において、リードインケーブル61側の端部から他方の端部に向かう方向、つまりアクティブケーブル62の中心軸が延びる方向のことを軸方向という。アクティブケーブル62では、複数の受振器62aが、軸方向に沿って連なっている。以降では、アクティブケーブル62の、リードインケーブル61側の端部を前端部ともいい、他方の端部を後端部ともいう。以下、アクティブケーブル62の軸方向を単に「軸方向」ともいう。
海底地質探査システム100は、ストリーマケーブル60におけるアクティブケーブル62の海中での深度を調整し保持する深度保持部材10を有している。本実施の形態1の海底地質探査システム100は、1本のストリーマケーブル60に対し、2つの深度保持部材10が設けられる。図1のように、船舶500によって2本のストリーマケーブル60が曳航される場合、海底地質探査システム100は、計4つの深度保持部材10を有する。1本のストリーマケーブル60に対応する2つの深度保持部材10は、該アクティブケーブル62の両端部に設けられる。ここで、アクティブケーブル62の前端部は、最も前側に搭載された受振器62aの前端からリードインケーブル61との接続箇所までの所定の部分である。アクティブケーブル62の後端部は、最も後ろ側に搭載された受振器62aの後端から終端62zまでの所定の部分である。アクティブケーブル62は、前端部及び後端部のそれぞれに深度保持部材10が取り付けられた状態で海中に投入されると、その全域が目標深度まで沈む。
図3及び図4に例示するように、深度保持部材10は、本体部11と、ウエイト12と、垂直翼13と、2つの水平翼14と、を有している。図3及び図4において、x軸方向はアクティブケーブル62の軸方向に対応する。深度保持部材10について、x軸正側を前側とし、x軸負側を後ろ側とすると、深度保持部材10の前後方向は、アクティブケーブル62に取り付けられた状態において軸方向と一致する。また、深度保持部材10について、y軸方向を左右方向ともいい、z軸方向を上下方向ともいう。
本体部11は、アクティブケーブル62に固定され、内部にウエイト12が設けられている。本体部11は、例えば繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)により形成される。本体部11は、ABS樹脂などの他の樹脂により形成されてもよい。本体部11は、中空構造であってもよく、全体が密な構造であってもよく、中空構造と密な構造とを組み合わせたものであってもよい。
本体部11は、少なくとも前側の部分が前方に向けて先細りとなるように形成されている。より具体的に、本体部11は、少なくとも前側の部分の、前後方向に垂直な断面における面積(中空構造の場合は中空部分も含む)が、前方に向けて徐々に小さくなるように形成されている。かかる構成を採ることにより、本体部11が海水から受ける抵抗を低減させることができるため、水中での針路安定性が高まり、直進性の向上を図ることができる。図3では、長球状に形成された本体部11を例示している。ここで、長球状とは、長球又は長楕円体もしくは偏長楕円体(楕円をその長軸を回転軸として回転させたときに得られる回転体)と呼ばれる形状のことである。そして、本体部11は、長球状における長軸が、アクティブケーブル62の軸方向と平行になるように取り付けられている。なお、長球状における長軸は、長球状の元となる楕円の長軸と等しいものとする。本体部11の具体的な構造については、図6を参照して後述する。
垂直翼13は、本体部11から軸方向に対し垂直に延伸するよう配設されている。垂直翼13が延伸する方向を延伸方向ともいう。垂直翼13の延伸方向はz軸方向に対応する。垂直翼13は、深度保持部材10の浮力を調整する部材の1つである。垂直翼13は、延伸方向の長さが、アクティブケーブル62の目標深度をもとに設定されている。本実施の形態1において、垂直翼13の延伸方向の長さは、本体部11の大きさとアクティブケーブル62の目標深度とに基づき、本体部11とは反対側の端部である先端部13aが海面よりも上方に配置されるように設定される。
垂直翼13は、本体部11とは反対側の端部が閉口した中空構造としてもよい。このようにすれば、深度保持部材10における浮心を上方に位置させることができることから、ウエイト12の存在と相俟って、浮心と重心との距離を大きくすることができるため、海中での安定性の向上を図ることができる。そして、垂直翼13は、延伸方向に垂直な断面における面積が、本体部11側から反対側に向けて徐々に小さくなるように形成してもよい。垂直翼13が中空構造の場合、延伸方向に垂直な断面における面積には、中空部分も含まれるものとする。つまり、延伸方向に垂直な断面における面積は、該断面における外周の内部の面積に相当する。
より具体的に、図3に例示する垂直翼13は、本体部11に接続され、本体部11側から反対側(先端部13a側)の端部に向けて徐々に細くなる円筒状の延伸部13mと、延伸部13mの先端部13a側を塞ぐ閉塞部13nと、を有している。つまり、延伸部13mは、延伸方向に垂直な断面における面積(中空部分も含む)が、本体部11側から反対側へ向けて徐々に小さくなるように形成されている。特に、図3の延伸部13mは、延伸方向に垂直な断面の形状(x−y平面による断面形状)が楕円状となっている。そして、延伸部13mは、該断面の楕円状における長軸が前後方向と平行になるよう配設されている。延伸部13mの延伸方向の長さは、アクティブケーブル62の目標深度をもとに設定される。
このように、垂直翼13は、先端部13a側の水線面積が相対的に小さくなるように形成されている。ここで、水線面積とは、物体が浮いている水面と該物体が交差する部分の面積のことである。図3に例示するように、垂直翼13の水線面積Sは、海面(水面)で切られる断面の面積(中空部分も含む)に相当する。垂直翼13における水線面積Sが小さくなるようにすれば、波浪の影響による浮力の変動が小さくなるため、アクティブケーブル62の深度を安定的に保持することができる。
垂直翼13は、少なくとも前側の半分が前方に向けて先細りとなるように形成されている。より具体的に、垂直翼13は、少なくとも前側の半分における左右方向の幅が、前方に向かって徐々に短くなるように形成されている。よって、海水から受ける抵抗が低減されるため、水中での針路安定性が高まり、直進性の向上を図ることができる。垂直翼13は、図3及び図4に例示するように、後ろ側の半分も、後方に向けて先細りとなるように形成してもよい。このようにすれば、水線面積Sを更に小さくすることができるため、波浪の影響による浮力の変動が抑えられ、アクティブケーブル62の深度保持の安定性を高めることができる。
垂直翼13は、例えば繊維強化プラスチック(FRP)により形成される。垂直翼13は、ABS樹脂などの他の樹脂により形成されてもよい。垂直翼13は、例えば樹脂系の接着剤により本体部11に固定される。垂直翼13は、ボルトなどを用いて本体部11に固定してもよい。なお、垂直翼13は、全体が密な構造であってもよく、中空構造と密な構造とを組み合わせたものであってもよい。
2つの水平翼14は、本体部11の側面に、アクティブケーブル62を介して互いに対向するように接続される。つまり、2つの水平翼14は、本体部11に対する接続面が互いに対向するように配置されている。そして、2つの水平翼14は、本体部11から垂直翼13の延伸方向に対し垂直に延びるように配設されている。つまり、各水平翼14は、本体部11から左右方向に延びるように配設されている。
図3及び図4に例示する各水平翼14は、前後方向の長さが、本体部11側の端部から反対側の端部に向けて徐々に短くなるように形成されている。図4では、平面視で直角台形状に形成された水平翼14を例示しているが、これに限定されない。また、各水平翼14は、垂直翼13の延伸方向に沿った幅、つまり上下方向の幅が、本体部11側の端部から反対側の端部に向けて徐々に短くなるように形成されている。各水平翼14は、後方から前方に向けて徐々に細くなるように形成してもよい。すなわち、各水平翼14は、上下方向の幅が、前方に向かって徐々に短くなるように形成してもよい。
各水平翼14は、例えば繊維強化プラスチック(FRP)により形成される。各水平翼14は、ABS樹脂などの他の樹脂により形成されてもよい。各水平翼14は、全体が密な構造であってもよく、中空構造と密な構造とを組み合わせたものであってもよい。各水平翼14は、例えば樹脂系の接着剤により本体部11に固定される。各水平翼14は、ボルトなどを用いて本体部11に固定してもよい。
ここで、図4の右側面図に示すように、船舶500による曳航開始と同時に、アクティブケーブル62に固定された本体部11の前端部には、ストリーマケーブル60の曳航に起因した張力Tが作用する。一方、深度保持部材10には、海水の抵抗に起因した抗力Dが、張力Tとは反対向きに作用する。この張力Tは、特に、本体部11から延伸する垂直翼13に作用する。したがって、深度保持部材10には、後方に傾けようとする力、すなわちアクティブケーブル62への取付箇所を中心に後方へ回転させようとする転覆モーメントが働くことも想定される。また、船舶500の甲板との高さの違いによる分力も考慮する必要がある。
そのため、各水平翼14は、図5のように、前後方向に対し予め設定された傾斜角θだけ傾けた状態で本体部11に取り付けてもよい。傾斜角θは、探査時の船舶500の速度及び深度保持部材10全体の海水に対する抵抗等をもとに設定される。このように、各水平翼14を、前後方向に対し傾斜角θだけ傾けて取り付けることにより、深度保持部材10には、アクティブケーブル62への取付箇所を中心に前方へ回転させようとする力、すなわち上記の転覆モーメントとは反対側のモーメントが働く。よって、深度保持部材10の後方への傾斜を抑制し、海面に対する垂直翼13の鉛直性を保つことができるため、アクティブケーブル62の深度と目標深度との乖離を減らすと共に、アクティブケーブル62のたわみを低減することができる。
各水平翼14は、前後方向に対する傾斜角θが可変な構成としてもよい。この場合、各水平翼14は、本体部11に対し、ボルトなどによって取り付けられる構成としてもよい。また、各水平翼14は、複数の角度設定が可能となるように、予め決めた角度ピッチに合わせて嵌合穴を設け、該嵌合穴にピン等を差し込んで傾斜角θを調整するようにしてもよい。各水平翼14は、遠隔操作により傾斜角θの調整が可能な構成としてもよい。この場合、後述する探査制御装置70を使用して各水平翼14の傾斜角θを調整するようにしてもよく、各水平翼14の操作用のリモートコントローラを用いて各水平翼14の傾斜角θを調整するようにしてもよい。なお、図4のように、各水平翼14に前後方向に対する傾斜をつけなくても、外的要因等により、深度保持部材10の水平性を保てる場合もある。本体部11及び垂直翼13の形状、ウエイトの形状や配置などを調整することにより、深度保持部材10の水平性を保持してもよい。(傾斜がなくても成立することを示す確認的な記載)
図3〜図6に示すように、本実施の形態1の本体部11は、垂直翼13が設けられる第1本体11aと、ウエイト12が設けられる第2本体11bと、を有している。図3〜図5に示すように、第1本体11aと第2本体11bとは、2つの締結部材18により締結される。締結部材18は、例えば、ステンレスなどの金属製の結束バンドにより構成するとよい。結束バンドとしては、緩み防止用の溝が付いたものが好ましい。図6に示すように、第1本体11aと第2本体11bとは、ヒンジなどの連結部材11xにより連結してもよい。なお、図6では、ウエイト12、垂直翼13、及び2つの水平翼14の図示を省略している。
第1本体11aと第2本体11bとは同形状であり、これらは、本体部11を軸方向を含む平面で切断した場合の一方の部材と他方の部材に相当する。第1本体11aと第2本体11bとの当接部分Cは、図4及び図5の正面図などからも分かるように、ウエイト12及び垂直翼13の位置やサイズ等が考慮され、x−z平面よりもy軸方向に傾斜している。
図6に示すように、第1本体11a及び第2本体11bは、それぞれ、アクティブケーブル62が嵌められるケーブル溝1mと、ケーブル溝1mの両側に形成される一対の対向壁1nと、を備えた内壁部1pを有している。ケーブル溝1mは、図4の正面図に示すように、本体部11の左右方向における中央部に、前後方向に沿って形成されている。ケーブル溝1mには、少なくとも1つの補助部材1hが取り付けられている。補助部材1hは、シリコンゴムやブルチゴム等からなるシート状あるいは薄板状の部材であり、配置される場所に応じた変形が可能となっている。補助部材1hは、接着剤等によりケーブル溝1mに貼り付けられる。図6では、2つの補助部材1hが取り付けられたケーブル溝1mを例示している。補助部材1hは、アクティブケーブル62の位置ずれを抑制するための滑り止め用の部材であり、アクティブケーブル62を第1本体11aと第2本体11bとで挟持する際のグリップ力を高め、本体部11の前後方向への位置ずれを抑制する。
図6に示すように、第1本体11a及び第2本体11bのそれぞれの外壁部1rには、締結部材18を安定的に締結するための2つのバンド溝1vを形成してもよい。2つのバンド溝1vは、前後方向に沿った前側の領域と後ろ側の領域とにバランスよく配置するとよい。第1本体11aと第2本体11bとは、ケーブル溝1mにアクティブケーブル62が嵌められ、一対の対向壁1n同士が当接した状態で、2つの締結部材18により締結されて、図3〜図5のような状態となる。
ここで、深度保持部材10は、本体部11の前後方向への位置ずれを防ぐため2つの固定具(図示せず)とにより深度保持ユニットを構成してもよい。一方の固定具は、本体部11の前端部に対応づけてアクティブケーブル62に取り付け、他方の固定具は、本体部11の後端部に対応づけてアクティブケーブル62に取り付けるとよい。各固定具は、本体部11の前端部又は後端部に接する位置に設けるとよい。また、ケーブル溝1mの代わりに又はこれと共に、外壁部1rにおける前側のケーブル溝1mの前端近傍、又は後ろ側のケーブル溝1mの後端近傍に、締結部材18の位置ずれを防ぐための突起(図示せず)をもうけてもよい。突起は、ケーブル溝1mに沿ってひとつながりに形成してもよく、ケーブル溝1mに沿って複数並べて形成してもよい。
図3〜図6では、長球又は長楕円体もしくは偏長楕円体と呼ばれる形状の本体部11を例示しているが、これに限定されない。例えば、本体部11は、扁球又は偏楕円体もしくは扁平楕円体(楕円をその短軸を回転軸として回転させたときに得られる回転体)と呼ばれる形状であってもよい。本体部11は、海水から受ける抵抗を低減させる上記以外の流線形状を採ってもよい。例えば、本体部11は、前側の部分が前方に向けて先細りとなる、角錐状や円錐状などの形状としてもよい。
ウエイト12は、本体部11の内部における垂直翼13とは反対側の領域に設けられる。ウエイト12は、鉛などにより形成される。ウエイト12の重さは、本体部11の浮力、垂直翼13の浮力、及び2つの水平翼14の浮力に基づき、アクティブケーブル62の深度が目標深度となるように設定される。目標深度は、震源装置52の震源52sとの位置関係及び探査領域の水深などに基づいて設定される。本実施の形態1では、目標深度を1m〜2m程度に設定した上で、ウエイト12の重さや垂直翼13の形状等が調整されている。
ここで、浮力は、水中にある物体に働く上向きの力であり、物体の空気中での重さと水中での重さとの差である。つまり、ウエイト12の重さは、本体部11、垂直翼13、及び2つの水平翼14の空気中での重さと、本体部11、垂直翼13、及び2つの水平翼14の海中での重さとに基づいて設定される。その際、海水の比重も考慮される。浮力の大きさは、物体の水中にある体積によって変化し、具体的には、物体の水中にある体積が大きいほど浮力は大きくなる。すなわち、ウエイト12の重さには、本体部11、垂直翼13、2つの水平翼14の形状及び構造などが反映される。構造には、中空などの構造の他、比重なども含まれる。ウエイト12の重さを設定する際、本体部11と垂直翼13との接続手法、本体部11と水平翼14との接続手法によっては、これらを接続する接続部材(ボルト等)の浮力も考慮される。
海底地質探査システム100は、船舶500の船尾と前側の深度保持部材10とをつなぐロープ(図示せず)を有していてもよく、アクティブケーブル62と後ろ側の深度保持部材10とをつなぐロープ(図示せず)を有していてもよい。各ロープは、深度保持部材10における垂直翼13の先端部13aに締結するとよい。この場合、先端部13aにロープ締結用の溝や固定具を設けるとよい。このようにすれば、各ロープからの張力が、深度保持部材10にかかる抗力Dとは反対側に作用するため、深度保持部材10の状態の安定化を図ることができる。海底地質探査システム100は、ストリーマケーブル60の終端62zに取り付けられるシーアンカー65を有していてもよい。ストリーマケーブル60の後端部にシーアンカー65を設けることにより、曳航時のストリーマケーブル60には、シーアンカー65にかかる抵抗に起因した後ろ向きの張力が働く。そのため、ストリーマケーブル60のたわみを抑制し、曳航時のストリーマケーブル60の直進性をより精度よく保持することができる。
次に、図7を参照して、図1及び図2の震源ユニット50とその周辺構成について具体的に説明する。支持部材51の一端部には、固定部材53を介して震源装置52が取り付けられている。震源装置52は、海洋環境にやさしい非爆破型の震源52sを含み、連続波を発生させる機能を有する。震源52sは、圧電素子(ピエゾ素子)、超磁歪素子、水中スピーカ、電磁バイブレータ、又は油圧式バイブレータなどを含んで構成される。特に圧電素子型の震源装置52は、エアガンなどの爆破型震源に比べ、小型かつ軽量に構成できる。震源52sは、周波数、位相、及び振幅のうちの少なくとも1つが連続的に或いはランダムに変化する波(非パルス波)を出力するものであってよい。各震源ユニット50のそれぞれの震源52sは、互いに同じ、又は異なる波形の音波を出力するように構成される。各震源52sは、同時に音波を発振する設定にしてもよく、所定の時間差で音波を発振する設定にしてもよい。
海底地質探査システム100は、舷の前後方向における中央の箇所に設けられ、該箇所に支持部材51を連結する連結部材55を有している。つまり、支持部材51は、連結部材55によって舷に取り付けられる。支持部材51は、上下方向に延伸するように配置される。連結部材55の構造及び形状は、図7の例に限らず、種々の構造及び形状を採ることができる。連結部材55は、例えばクランプのような構成としてもよい。また、海底地質探査システム100は、複数の連結部材55を有する構成としてもよい。この場合、例えば舷に、上下方向に沿って複数の連結部材55を設けてもよい。このようにすれば、震源ユニット50を舷に対し、より強固に固定することができる。
ここで、探査時の船舶500は比較的低速であるが、海域移動時には、時間節約のため、船舶500の船速を巡航速度まで増速する。よって、震源装置52にかかる負担軽減や安全性の観点から、海域移動時には震源装置52を上甲板に引き上げる。この点、海底地質探査システム100は、震源ユニット50を支持部材51と震源装置52とにより構成すると共に、連結部材55によって支持部材51を舷に固定するようにしたため、震源ユニット50の舷への取り付け及び舷からの取り外しが容易となり、作業効率を高めることができる。
連結部材55は、支持部材51の連結箇所を中心として、該支持部材51を回動可能に連結する構成を採ってもよい。すなわち、連結部材55は、震源ユニット50を連結箇所を中心として回動させる回動機構を有していてもよい。より具体的に、連結部材55は、図7の船尾側の白抜き矢印の向き、もしくは図7の船首側の白抜き矢印の向き、又はこれら双方の向きに、震源ユニット50を回動可能に連結する構成を採ってもよい。この場合、連結部材55は、回動機構による震源ユニット50の回動を停止させるロック機構を有するようにしてもよく、他の部材により回動機構による震源ユニット50の回動を停止し、震源ユニット50を船舶500の舷に固定させてもよい。
例えば、海底地質探査システム100が2つの連結部材55を有する場合、一方の連結部材55を、自在型クランプと同様の回動機構を有するように構成し、他方の連結部材55を、図7のような固定する機能だけをもつものにしてもよい。このように、連結部材55に回動機構を採用すれば、曳航時には支持部材51を海面に垂直な状態とすることで、震源装置52を海中に沈めることができ、移動時には支持部材51を回動させて海面に平行な状態等にすることで、震源装置52を海中から容易に上げることができる。すなわち、かかる構成を採ることにより、作業性の更なる向上を図ると共に、三次元物理探査の効率を高めることができる。
海底地質探査システム100は、複数の受振器62aが受振する反射波に解析処理を施す探査制御装置70を有している。図8を参照して、図1の探査制御装置70の機能的な構成例について説明する。図8に示すように、探査制御装置70は、通信部71と、制御部72と、記憶部73と、入力部74と、表示部75と、を有している。通信部71は、複数の受振器62aなどの外部機器との間で制御部72が有線又は無線により通信を行うためのインタフェースである。記憶部73には、制御部72の動作プログラムの他、種々の情報が記憶される。記憶部73は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、又はHDD(Hard Disk Drive)などにより構成される。入力部74は、例えば、キーボードと、マウス又はトラックボールなどのポインティングデバイスと、を含んで構成される。入力部74は、ユーザによる入力操作を受け付け、受け付けた操作の内容に応じた操作信号を制御部72へ出力する。表示部75は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)からなり、制御部72からの指示により種々の情報を表示する。
制御部72は、三次元物理探査に関連する処理を実行するものである。制御部72は、入力処理手段72aと、出力処理手段72bと、発振処理手段72cと、解析処理手段72dと、を有している。入力処理手段72aは、入力部74から取得する操作信号に応じた処理を実行する。例えば、入力処理手段72aは、ユーザによる入力操作に応じて、操作の内容を示す制御信号を出力処理手段72b、発振処理手段72c、及び解析処理手段72dのうちの少なくとも1つに出力する。出力処理手段72bは、入力処理手段72aからの制御信号に応じて表示部75に種々の情報を表示させる。例えば、出力処理手段72bは、表示部75の表示画面への情報の追加や、表示画面上の情報の変更を行ったり、表示画面を遷移させたりする。ユーザは、表示部75の表示画面を視認しながら、入力部74を介してデータ入力や設定処理などを行うことができる。出力処理手段72bは、解析処理手段72dが生成した三次元データを表示部75に表示させる機能を有していてもよい。
発振処理手段72cは、2台の震源装置52の震源52sから、交互に一定間隔で音波を発振させる機能を有している。発振処理手段72cは、ユーザによる操作に応じて、あるいは設定されたタイミングで、震源装置52の震源52sから連続波を発振させ、その発振を停止させる。発振処理手段72cは、各震源装置52それぞれの震源52sから異なる波形の音波を発振させてもよく、同じ波形の音波を発振させてもよい。発振処理手段72cは、各震源52sから同時に音波を発振させてもよいが、この場合は、各震源52sから異なる波形の音波を発振させるとよい。
解析処理手段72dは、複数の受振器62aの受振波から震源装置52に対応する反射波を抽出する。受振器62aの受振波は、震源装置52の震源から出力され、海底面又は地層境界面等で反射された音波成分以外に、船舶500の推進装置などから発せられる音波成分、波浪やストリーマケーブル60の曳航時の雑音成分などの周囲環境成分を含む合成波となっている。本実施の形態1の海底地質探査システム100は、震源装置52の震源52sからチャープ波を発振しており、解析処理手段72dは、受振波とチャープ波の相互相関処理により、受振した合成波から反射波成分を抽出する。
より具体的に、解析処理手段72dは、ストリーマケーブル60における受振器62aが受振した合成波の波形信号を取得すると、該波形信号と震源装置52から出力された発振波との相互相関を演算する相互相関処理により、該発振波の反射波を抽出する。本実施の形態1では、船舶500に設けられたストリーマケーブル60に対し、右舷側又は左舷側に設けられた震源装置52からの発振波に対応する反射波を、左右両方のストリーマケーブル60における受振器62aの合成波から抽出する。そして、 解析処理手段72dは、抽出した反射波をもとに、海底地質に係る三次元データを生成する。制御部72は、CPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)などの演算装置と、こうした演算装置と協働して上記の各種機能を実現させるプログラムとにより構成することができる。探査制御装置70は、デスクトップ型PC(Personal Computer)もしくはノートPCなどにより構成される。
以上のように、本実施の形態1の深度保持部材10は、アクティブケーブル62に取り付けられる本体部11と、本体部11の内部に設けられたウエイト12と、本体部11から延伸する垂直翼13と、を有している。そして、垂直翼13は、延伸方向の長さがアクティブケーブル62の目標深度をもとに設定され、本体部11の内部に設けられたウエイト12の重さは、本体部11及び垂直翼13の浮力に基づき、アクティブケーブル62の深度が目標深度となるように設定される。このように、深度保持部材10の全体の浮力が目標深度をもとに調整されているため、ストリーマケーブル60におけるアクティブケーブル62の深度を調整し保持することができる。
すなわち、従来の構成において、ストリーマケーブル60の深度調整を行うには、深度制御機能をもつ複数の制御装置(バード等)をストリーマケーブル60に装着する必要がある。このような制御装置は、複雑な構成であると共に煩雑な処理を伴い、コストもかさむため、簡易な構造の部材により、アクティブケーブル62の深度を調整し保持することが望まれている。この点、本実施の形態1の深度保持部材10は、上記のような構成を採っていることから、アクティブケーブル62の深度を調整し保持することができるため、ユーザの作業負担を軽減し、コストを抑えることができる。
本体部11は、少なくとも前側の部分が前方に向けて先細りとなるように形成してもよい。このようにすれば、曳航時に海水から受ける抵抗を低減させることができるため、水中での針路安定性が高まり、船舶500への追従性及び直進性の向上を図ることができる。また、本体部11の構造に起因した造波や泡の発生を抑制することができるため、合成波のノイズ成分を低減することができる。
垂直翼13は、中空構造とし、延伸方向に垂直な断面における面積が、本体部11側から反対側に向けて徐々に小さくなるように形成してもよい。そして、垂直翼13の延伸方向の長さ及びウエイト12の重さは、垂直翼13の先端部13aが海面より上方に位置するよう設定してもよい。このようにしても、垂直翼13における水線面積Sが小さくなることから、波浪の影響による浮力の変動が小さくなるため、曳航時の安定性が高まり、アクティブケーブル62の深度保持の精度向上が可能となる。また、ウエイト12が本体部11の内部における垂直翼13とは反対側の領域に設けられているため、深度保持部材10の重心は下方に位置している。一方、垂直翼13が中空構造となっているため、深度保持部材10の浮心は上方に位置している。このように、浮心と重心との距離(BG)を大きくとることにより、海中での安定性の向上を図ることができる。深度保持部材10は、浮心と重心とが上下方向と平行になるように形成するとよい。
垂直翼13は、少なくとも前側の半分が前方に向けて先細りとなるように形成してもよい。このようにすれば、船舶500に対する追従性、直進性、及び波浪による影響を低減することができると共に、造波や泡の発生を抑制することができるため、合成波のノイズ成分を低減することができる。
深度保持部材10は、本体部11の側面に、アクティブケーブル62を介して互いに対向するように接続され、本体部11から垂直翼13の延伸方向に対し垂直に延びる2つの水平翼14を有していてもよい。この場合、ウエイト12の重さは、2つの水平翼14の浮力も考慮して設定するとよい。すなわち、ウエイト12の重さは、本体部11の浮力、垂直翼13の浮力、及び2つの水平翼14の浮力に基づき、アクティブケーブル62の深度が目標深度となるように設定するとよい。深度保持部材10が2つの水平翼14を有するように構成すれば、これらの抵抗により上下方向の安定性が高まるため、深度保持力を強化することができる。
水平翼14は、本体部11側の端部から反対側の端部に向けて徐々に細くなるように形成されている。すなわち、水平翼14は、上下方向の幅が、本体部11側の端部から反対側の端部に向けて徐々に短くなるように形成されている。これにより、曳航時の深度保持部材10の安定性を高めることができる。水平翼14は、後方から前方に向けて徐々に細くなるように形成してもよい。このようにすれば、船舶500に対する追従性、直進性、及び波浪による影響を低減することができると共に、造波や泡の発生を抑制することができるため、合成波のノイズ成分を低減することができる。さらに、各水平翼14は、図3〜図5の例のように、左右の先端部が丸みを帯びた形状となるようにしてもよい。
水平翼14は、前後方向に対し傾斜角θだけ傾けた状態で本体部11に取り付けてもよい。この場合、傾斜角θは、船舶500の船速などに応じて設定するとよい。深度保持部材10に、アクティブケーブル62への取付箇所を中心に前方へ回転させようとする適切な力を加えることができるため、深度保持部材10の後方への傾斜を精度よく抑制することができる。よって、アクティブケーブル62のたわみを減らすと共に、アクティブケーブル62の深度と目標深度とが異なる状況を回避することができる。水平翼14は、前後方向に対する傾斜角θが可変な構成としてもよい。このようにすれば、船舶500の速度や波浪の状況などに応じて、水平翼14の取り付け角度である傾斜角θを船舶500上で調整することができるため、曳航時におけるストリーマケーブル60及び深度保持部材10の浮き上がりなどを高精度に抑制することができる。
本実施の形態1の本体部11は、垂直翼13が設けられる第1本体11aと、ウエイト12が設けられる第2本体11bと、を有している。そして、第1本体11a及び第2本体11bは、それぞれ、アクティブケーブル62が嵌められるケーブル溝1mを有している。よって、本体部11は、アクティブケーブル62をケーブル溝1mに合わせ、第1本体11aと第2本体11bで挟むことにより、容易に取り付けることができる。すなわち、本体部11を第1本体11aと第2本体11bとの二分割構造にすることで、アクティブケーブル62への取り付け及びアクティブケーブル62からの取り外しが容易となるため、作業性の向上を図ることができる。
本実施の形態1における海底地質探査システム100は、船舶500の左右の舷のうちの少なくとも一方に設けられる震源ユニット50と、上記のうちの何れかの構成を採った2つの深度保持部材10と、を有している。2つの深度保持部材10は、アクティブケーブル62の両端部に設けられる。よって、アクティブケーブル62の深度を前端部と後端部との双方で調整し保持することができるため、アクティブケーブル62の全体の深度を、より確実に目標深度に近づけることができる。
そして、震源ユニット50は、舷の前後方向における中央の箇所に取り付けられる棒状の支持部材51と、支持部材51の一端部に取り付けられる震源装置52と、を有している。よって、舷に設けられた連結部材55を用いることで、支持部材51を舷に容易に取り付け、舷から容易に取り外すことができるため、作業の効率化を図ることができる。また、震源ユニット50は、船舶500の種類や大きさにかかわらず、取り付け及び取り外しを容易に行うことができるため、利便性の向上を図ることができる。さらに、震源ユニット50は、支持部材51の連結部材55との連結箇所を調整することにより、震源52sの上下方向の位置が可変となるため、探査海域の水深やアクティブケーブル62の目標深度などに応じて、震源52sの水深位置を柔軟に調整することができる。そして、震源ユニット50は、舷から簡単に取り外すことができるため、震源装置52の洗浄やメンテナンスなどの作業を容易に且つ安価で行うことができる。さらに、船舶500に震源装置52を固定することにより、震源52sの位置が確実に決まる。すなわち、従来のような船尾から震源を曳航する方式と比べ、震源52sの位置が安定するため、解析時の演算処理を減らし、探査精度の向上を図ることができる。そして、ノイズの原因となる、プロペラ後流などによる気泡の影響を低減することができる。
図1のように、船舶500によって2本のストリーマケーブル60が曳航される場合、船舶500の左右の舷の双方に震源ユニット50を設け、各ストリーマケーブル60それぞれのアクティブケーブル62の両端部に深度保持部材10を取り付けてもよい。船舶500の前後方向における中央部の、横方向に広がった位置に一対の震源52sを配置し、アクティブケーブル62の深度が調整し保持された一対のストリーマケーブル60の各々が、船尾の左右から間隔をあけて海中に投入されることにより、探査原理上、一度の計測幅を増大させることができる。
海底地質探査システム100は、浅海(探査海域の水深が100m以浅程度)用としても使用可能であることから、狭い海域において、比較的短いストリーマケーブル60を曳航することも想定される。よって、深度保持部材10及び震源ユニット50には、作業性や運用コスト等の観点からも、全体構成の簡便さが求められる。この点、本実施の形態1の深度保持部材10及び震源ユニット50は、上記のように簡易な構成を採っているため、作業性を高め、運用コスト等の低減を図ることができる。
<変形例1>
図9を参照して、本実施の形態1の変形例1に係る深度保持部材10について説明する。本変形例1において、本体部11は、図9(a)に示すように、正面視で円形状となっており、図9(b)に示すように、側面視で長丸形状となっている。本体部11は一体的に形成されており、本体部11の下端部には、アクティブケーブル62が、締結部材18により前後方向に沿って取り付けられる。本体部11は、中空構造であってもよく、全体が密な構造であってもよく、中空構造と密な構造とを組み合わせた構造であってもよい。
本体部11は、側面視で長丸形状となっていることから、図3等に示す実施の形態1の本編の構成とは異なり、アクティブケーブル62に接触させる箇所が多くなる(長くなる)ため、二分割構造を採らなくても、アクティブケーブル62を安定的に取り付けることができる。もっとも、本体部11の他端部に、前後方向に沿って外側溝を形成し、アクティブケーブル62を外側溝に合わせて固定するようにしてもよい。このようにすれば、アクティブケーブル62の位置決めが容易になると共に、アクティブケーブル62の位置ずれを防ぐことができる。
本変形例1の本体部11には、その内部における垂直翼13とは反対側の領域に、2段状に形成されたウエイト12が配設されている。ウエイト12は、下方に向けて断面積が段階的に小さくなるように形成されている。もっとも、ウエイト12は、2段状に限らず、3段以上の複数段状に形成されてもよく、板状のものであってもよい。
また、本変形例1の垂直翼13は、左右方向の幅が、本体部11側から反対側に向けて徐々に狭くなるように形成されている。このようにすれば、垂直翼13における水線面積Sが小さくなることから、波浪の影響による浮力の変動が小さくなるため、曳航時の安定性が高まり、アクティブケーブル62の深度保持の安定化を図ることができる。他の構成、代替構成、及び作用効果等は、上述した実施の形態1の本編と同様である。本変形例1における本体部11の形状、ウエイト12の形状、及び垂直翼13の形状は、それぞれ、上述した実施の形態1の本編の構成に適用してもよい。
<変形例2>
図10を参照し、本実施の形態1の変形例2に係る深度保持部材10について説明する。本変形例2において、本体部11は、図10に示すように、正面視で半円状となるように形成されている。本体部11は、図示は省略しているが、側面視で矩形状となるように形成されている。
本体部11は、左右方向における中央部に、前後方向に沿って、アクティブケーブル62が嵌められるケーブル溝10mが形成されている。また、本体部11には、ケーブル溝10mに嵌められたアクティブケーブル62を固定するための固定部材2が設けられている。図10に例示する固定部材2は、ケーブル溝10mの蓋となる板状の蓋部2aと、例えばヒンジからなる開閉機構部2bと、蓋部2aを本体部11に固定するための固定部2cと、を有している。固定部材2の構成は図10の例に限定されない。例えば、図10では、固定部2cとしてボルトとナットとの組み合わせを例示しているが、これに限定されず、同様に蓋部2aの固定を可能とする周知な他の構成を採ってもよい。また、ケーブル溝10mの下端部に、前後方向に沿うレール状のガイド溝を設けると共に、板状の固定部材2の両側端部に、ガイド溝内を摺動可能なスライド部を形成してもよい。そして、固定部材2を、前方又は後方から、ガイド溝にスライド部を合わせた状態で摺動させることにより、ケーブル溝10mに蓋をし、本体部11をアクティブケーブル62に取り付けてもよい。
本変形例2の本体部11には、その内部における垂直翼13とは反対側の領域に、ケーブル溝10mの箇所をかわすように湾曲した形状を有するウエイト12が配設されている。もっとも、ウエイト12の形状は図10の例に限定されない。例えば、本体部11の左右の領域のそれぞれに、同形状のウエイト12を設けるようにしてもよい。本変形例2の深度保持部材10は、ケーブル溝10mと固定部材2とを有するため、本体部11を二分割構造としなくても、アクティブケーブル62を安定的に取り付けることができる。他の構成、代替構成、及び作用効果等は、上述した実施の形態1の本編及び変形例1と同様である。
<変形例3>
図11を参照して、本実施の形態1の変形例3に係る深度保持部材10について説明する。本変形例3においても、垂直翼13は、延伸方向に垂直な断面における面積が本体部11側よりも反対側の方が小さくなるように形成されている。具体的には、図11に示すように、垂直翼13は、浮力調整用の翼部3mと、棒状に形成された棒状部3nと、を有している。翼部3mは、上述した変形例1及び2の垂直翼13と同様の構造であるが、延伸方向の長さ及び形状が異なる場合がある。垂直翼13の延伸方向の長さ及びウエイト12の重さは、垂直翼13の先端部、すなわち棒状部3nの一部が海面より上方に位置するよう設定される。棒状部3nは、棒状に形成されていることから、垂直翼13の水線面積は相対的に小さくなる。よって、波浪の影響による浮力の変動が抑えることができるため、曳航時の安定性が高まり、アクティブケーブル62の深度保持の安定化を図ることができる。
以上のように、垂直翼13は、延伸方向に垂直な断面における面積が、本体部11側よりも反対側の方が小さくなるように形成されている。そして、垂直翼13の延伸方向の長さ及びウエイト12の重さは、垂直翼13の先端部13aが海面より上方に位置するよう設定されている。かかる構成により、垂直翼13における水線面積Sが小さくなることから、波浪の影響による浮力の変動が小さくなるため、曳航時の安定性が高まり、アクティブケーブル62の深度を精度よく保持することができる。また、先端部13aが海面より上方に位置するように、垂直翼13の延伸方向の長さ及びウエイト12の重さを設定すれば、先端部13aを船舶500等から視認することができるため、ストリーマケーブル60の深度や捻れなどの状態を随時把握することができ、必要に応じて迅速な対処を講じることができる。他の構成、代替構成、及び作用効果等は、上述した実施の形態1の本編、変形例1、変形例2と同様である。
<変形例4>
図12を参照して、本実施の形態1の変形例4に係る深度保持部材10について説明する。図12では、ウエイト12、垂直翼13、及び2つの水平翼14の図示を省略している。本変形例4の本体部11は、第1本体11a及び第2本体11bのそれぞれのケーブル溝1mに設けられ、アクティブケーブル62に対し本体部11を回動自在とする回動部材4を有している。回動部材4は、断面が円状である複数の棒状の部材により構成されたローラー部4aと、ローラー部4aを構成する各棒状の部材の両端部を回動自在に固定する一対の回動固定部4bと、を有している。本体部11は、ケーブル溝1mに嵌められたアクティブケーブル62が、ローラー部4aを構成する各棒状の部材にだけ接し、回動固定部4b及びケーブル溝1mには接触しないように構成されている。
ストリーマケーブル60を船舶500へ搭載する前後では、ストリーマケーブル60の捩れを取る作業が行われる。ただし、捻れを完全に解消することは困難であり、ストリーマケーブル60が長尺になると尚更である。そして、捻れが残ったストリーマケーブル60を海中に入れると、曳航時に捻れの分布が変化し、特定の箇所に集中することも考えられる。そのため、深度保持部材10がストリーマケーブル60の捻れトルクに起因した方向に傾くことも想定される。この点、変形例4における深度保持部材10は、回動部材4を有することから、アクティブケーブル62に取り付けた本体部11が、アクティブケーブル62を中心に回動自在となる。よって、ストリーマケーブル60に捩れが残っていたとしても、その捻れに起因して本体部11に加わる力を、回動部材4の作用により逃がすことができる。したがって、深度保持部材10の向きを、垂直翼13が真っ直ぐに向いた状態で維持することができる。そのため、アクティブケーブル62の深度をより安定的に保持することができる。
回動部材4の前後方向の長さ、つまりローラー部4aを構成する各棒状の部材の長さは、図12の例に限らず、適宜変更することができる。そして、本体部11は、複数の回動部材4を有するように構成してもよく、回動部材4間の距離は任意に変更可能である。他の構成、代替構成、及び作用効果等は、上述した実施の形態1の本編と同様である。なお、本変形例4の構成は、変形例2及び変形例3の構成にも適用可能である。
<変形例5>
図13を参照して、本実施の形態1の変形例5に係る深度保持ユニット150について説明する。図13では、ウエイト12、垂直翼13、及び2つの水平翼14の図示を省略している。深度保持ユニット150は、第1本体11aと第2本体11bとを有する本体部11を備えた深度保持部材10と、アクティブケーブル62に設けられ、アクティブケーブル62に対し本体部11を回動自在とする回動部材5と、を有している。
回動部材5は、例えば分割型のベアリングにより構成される。回動部材5は、二つ割れの構造となっているため、アクティブケーブル62の任意の箇所に容易に取り付けることができる。回動部材5は、アクティブケーブル62に固定される内輪部5aと、内輪部5aとの間に設けられた複数のローラ又はボール(図示せず)により内輪部5aの周りを回転可能な外輪部5bと、を有している。
第1本体11aと第2本体11bとは、回動部材5を挟むようにアクティブケーブル62に取り付けられる。本体部11をアクティブケーブル62に取り付けると、外輪部5bがケーブル溝1mに当接し、本体部11が外輪部5bの動きに連動する状態となる。すなわち、アクティブケーブル62に取り付けた本体部11が、アクティブケーブル62を中心に回動自在となる。よって、ストリーマケーブル60に捩れが残っていたとしても、その捻れに起因して本体部11に加わる力を、回動部材5の作用により逃がすことができる。したがって、深度保持部材10の向きを、垂直翼13が真っ直ぐに向いた状態で維持することができるため、アクティブケーブル62の深度をより安定的に保持することができる。
第1本体11a及び第2本体11bは、図13に示すように、ケーブル溝1mに回動部材5と同数の補助部材1hを設けるとよい。そして、回動部材5は、補助部材1hに対応づけて配置するとよい。補助部材1hは滑り止め機能を有することから、回動部材5に対し、本体部11をより強固に連結することができる。また、補助部材1hのグリップ力により、深度保持部材10の前後方向の位置ずれを抑制することができる。
図13では、2つの回動部材5を有する深度保持ユニット150を例示したが、これに限定されない。深度保持ユニット150は、1つの回動部材5を有する構成としてもよく、3つ以上の回動部材5を有する構成としてもよい。なお、回動部材5としては、一体型のベアリングを採用してもよい。ただし、ストリーマケーブル60の両端にコネクタなどが取り付けられている点などを踏まえると、取付容易性の観点から、分割型のベアリングの方が好ましい。他の構成、代替構成、及び作用効果等は、上述した実施の形態1の本編と同様である。本変形例5の構成は、変形例1〜変形例3の構成にも適用可能である。
実施の形態2.
図14及び図15を参照して、本発明の実施の形態2に係る深度保持部材110の構成例について説明する。上述した実施の形態1と同様の構成部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
本実施の形態2の本体部11において、第1本体11aと第2本体11bとは、何れも中空構造となっている。そして、第1本体11aは、少なくとも1つのエア抜き穴111が設けられており、第2本体11bは、少なくとも1つの入出穴112が設けられている。第1本体11aにおいて、エア抜き穴111は、垂直翼13が設けられる側の領域、つまり上側に設けられる。エア抜き穴111は、本体部11の内部への吸気及び本体部11の内部からの排気を行うための穴であり、入出穴112への海水の流入と入出穴112からの海水の排出を促進するためのものである。エア抜き穴111は、第1本体11aの極力上方に設けるとよく、最上部に設けることが望ましい。第2本体11bにおいて、入出穴112は、ウエイト12が設けられる側の領域、つまり下側に設けられる。入出穴112は、本体部11の内部に海水を流入させ、本体部11の内部から海水を排出するためのものである。入出穴112は、極力下方に設けるとよく、最下部に設けることが望ましい。
また、第1本体11aと第2本体11bとは、互いに連通するように構成されている。例えば、第1本体11aは、上側の対向壁1nに少なくとも1つの上部連通穴115aが形成され、下側の対向壁1nに少なくとも1つの下部連通穴115bが形成される。同様に、第2本体11bは、上側の対向壁1nに少なくとも1つの上部連通穴116aが形成され、下側の対向壁1nに少なくとも1つの下部連通穴116bが形成される。図15では、上部連通穴115a、下部連通穴115b、上部連通穴116a、及び下部連通穴116bが、それぞれ1つずつ形成された例を示しているが、これらは、それぞれ複数設けられてもよいし、各穴の形状は問わない。このように、第1本体11aと第2本体11bとは、内部で連通しているため、少なくとも1つのエア抜き穴111を第1本体11aに設け、少なくとも1つの入出穴112を第2本体11bに設けることで、深度保持部材110を海中に投入すれば、入出穴112から本体部11の内部へ海水が侵入し、深度保持部材110を海中から引き上げる際は、入出穴112から本体部11の外部へ海水が排出される。
図14では、第1本体11aに2つのエア抜き穴111が設けられた例を示しているが、これに限らず、第1本体11aは、1つのエア抜き穴111を有するものであってよく、3つ以上のエア抜き穴111を有するものであってもよい。エア抜き穴111の大きさは、適宜に変更することができる。図14では、第2本体11bに1つの入出穴112が設けられた例を示しているが、これに限らず、第2本体11bは、複数の入出穴112を有するようにしてもよい。入出穴112の大きさは、適宜に変更することができる。
本体部11を中空構造にすると、アクティブケーブル62の深度を目標深度とするには、比較的重たいウエイト12を本体部11に設ける必要がある。また、全体が密な構造の本体部11では、その重量が比較的重くなる。したがって、運搬、海中への投入、海中からの引き上げなどの作業を人力で行うことが困難になる可能性がある。この点、本実施の形態2における深度保持部材110は、本体部11の上方にエア抜き穴111が設けられ、本体部11の下方に入出穴112が設けられている。よって、深度保持部材110を海中に投入すると、本体部11の内部に海水が侵入するため、本体部11の内部の比重が海水の比重と等しくなる。よって、深度保持部材110を沈めるためのウエイト12の重量を軽くすることができるため、運搬時や投入時の作業負担を軽減することができる。また、深度保持部材110を海中から引き上げる場面では、本体部11の内部から入出穴112を介して海水が排出されることから、本体部11が本来の重さに戻るため、引き上げ作業の負担を軽減することができる。入出穴112を大きくする、あるいは入出穴112の数を増やす等により、入出穴112を通じた海水の流入と排出が迅速化されるため、作業効率の向上及び作業負担の軽減が可能となる。加えて、ウエイト12の軽量化により、深度保持部材110の小型化を図ることができる。
図14のように、本体部11は、第2本体11bの上方に、少なくとも1つのエア抜き穴111を有していてもよい。また、本体部11は、第1本体11aの下方に、少なくとも1つの入出穴112を有していてもよい。図15では、第1本体11aの上側の対向壁1nに上部連通穴115aが形成され、第2本体11bの上側の対向壁1nに上部連通穴116aが形成された例を示したが、これに限定されない。第1本体11aは、上部連通穴115aを設けずに構成し、第2本体11bは上部連通穴116aを設けずに構成してもよい。
本体部11は、第1本体11aと第2本体11bとが互いに連通しない構成としてもよい。この場合、第1本体11aと第2本体11bとの双方に、少なくとも1つのエア抜き穴111と、少なくとも1つの入出穴112と、を設けるとよい。本体部11が一体的に構成され、かつ中空構造の場合は、垂直翼13側の領域に少なくとも1つのエア抜き穴111を設け、ウエイト12側の領域に少なくとも1つの入出穴112を設けるとよい。
以上のように、本実施の形態2の深度保持部材110は、入出穴112から本体部11の内部に流入させる海水を、アクティブケーブル62の深度調整及び深度保持に利用する。すなわち、深度保持部材110は、本体部11にエア抜き穴111と入出穴112とを設けたことから、海水中では海水が本体部11の内部に流入し、本体部11の比重が海水の比重と同程度になる。つまり、本体部11の比重を海水の比重に近づけることができるため、ウエイト12の重量を減らすことができる。よって、深度保持部材110の運搬時、海中への投入時、海中からの回収時の作業負担を軽減することができる。すなわち、深度保持部材110は、クレーン装置などを使用ぜずに、人力で揚収することができる。また、ウエイト12の軽量化により、深度保持部材110の小型化を実現することができる。他の構成、代替構成、及び作用効果等は、上述した実施の形態1と同様である。なお、実施の形態1の各変形例の構成は、実施の形態2の構成にも適用することができる。
実施の形態3.
図16及び図17を参照して、本発明の実施の形態3に係る深度保持ユニット250の構成例について説明する。上述した実施の形態1及び2と同様の構成部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図16に示すように、深度保持ユニット250は、エア抜き穴111に開閉弁220が設けられた本体部11を含む深度保持部材210を有している。開閉弁220は、例えば空気弁により形成される。深度保持ユニット250は、開閉弁220を介して本体部11に空気を供給する空気源300を有している。空気源300としては、小型又は大型のエアコンプレッサの他、圧縮空気が充填され、持ち運びが容易なエアボトルなどを採用することができる。
深度保持ユニット250は、一端が開閉弁220に接続されると共に、他端が空気源300に接続されたエアチューブ240を有している。エアチューブ240は、空気源300から吐出される空気を本体部11に供給するためのものである。なお、図16では、入出穴112に、例えば空気弁からなる開閉弁230が設けられた例を示しているが、入出穴112には開閉弁230を設けなくてもよい。深度保持ユニット250は、空気源300の動作を制御する排水制御装置80を含んで構成してもよい。
図17を参照して、排水制御装置80の機能的な構成例について説明する。図17に示すように、排水制御装置80は、排水処理部82と、記憶部83と、操作部84と、を有している。記憶部83には、排水処理部82の動作プログラムの他、種々の情報が記憶される。記憶部83は、RAM及びROM、フラッシュメモリ、SSD、又はHDDなどにより構成される。操作部84は、例えば、空気源300を駆動させるための駆動ボタン(図示せず)を含んで構成され、ユーザが駆動ボタンを押下したとき、排水処理部82へ駆動信号を出力する。
排水処理部82は、操作部84から出力される駆動信号に応じて空気源300を駆動させる駆動処理手段82aを有している。駆動処理手段82aは、操作部84から駆動信号が出力されたとき、本体部11の容量をもとに設定された駆動時間の間、空気源300を動作させるようにしてもよい。排水処理部82は、CPU又はGPUなどの演算装置と、こうした演算装置と協働して上記の各種機能を実現させるプログラムとにより構成することができる。
以上のように、本実施の形態3における深度保持ユニット250は、本体部11のエア抜き穴111に設けられた開閉弁220と、開閉弁220を介して本体部11に空気を供給する空気源300と、を有している。よって、深度保持部材110を海中から引き上げる際に、空気源300から吐出される空気を、開閉弁220から本体部11の内部に供給することができる。よって、入出穴112からの排水を促進することができるため、深度保持部材110の引き上げ作業の迅速化を図ることができる。
図16及び図17では、深度保持ユニット250がエアチューブ240を有する例を示したが、これに限定されない。例えば、空気源300として、持ち運びが容易なエアボトル等を用いる場合、直接的に空気源300から本体部11へ空気を供給してもよい。上記の説明は、開閉弁220が空気弁である想定で説明したが、開閉弁220は、例えば電磁弁などの他のバルブであってよい。この場合、排水処理部82が開閉弁220の動作を制御するようにしてもよい。
本体部11に複数のエア抜き穴111が形成されている場合、全てのエア抜き穴111に開閉弁220を設けなくてもよい。すなわち、この場合は、少なくとも1つのエア抜き穴111に開閉弁220を設けるようにしてもよい。ただし、開閉弁220が設けられていないエア抜き穴111が存在すると、空気源300から空気を供給する際に、これらのエア抜き穴111から空気漏れが生じる。そのため、開閉弁220を設けないエア抜き穴111を小さく形成するとよく、全てのエア抜き穴111に開閉弁220を設けるとより好ましい。他の構成、代替構成、及び作用効果等は、上述した実施の形態1及び2と同様である。なお、実施の形態1の各変形例の構成は、実施の形態3の構成にも適用することができる。上記の説明では、海底地質探査システム100が、探査制御装置70とは別に排水制御装置80を有する例を示したが、これに限定されない。例えば、探査制御装置70の制御部72に駆動処理手段82aを設け、探査制御装置70に排水制御装置80と同様の機能をもたせてもよい。
ここで、上述した各実施の形態は、深度保持部材、深度保持ユニット、及び海底地質探査システムの具体例であり、本発明の技術的範囲は、これらの態様に限定されるものではない。例えば、深度保持部材10は、2つの水平翼14を設けずに構成してもよい。また、ウエイト12の形状は、上記各図の形状に限らず、種々の形状を採ることができる。ウエイト12の平面視における形状は、矩形状に限らず、円形状又は楕円形状の他、矩形以外の多角形状等であってもよい。本体部11に設けるウエイト12の数も、適宜変更することができる。垂直翼13は、先端に視認しやすい色彩等を付してもよい。また、垂直翼13は、先端にLEDなどの発光素子を含む発光装置を設けてもよい。なお、図9、図10、図11、図14、及び図16には、前後方向に対し傾斜させた水平翼14を例示しているが、これらの深度保持部材10、110、210についても、図4と同様、水平翼14を傾斜させなくてもよい。
上記の各実施の形態では、探査制御装置70が船舶500に設置された例を示したが、これに限定されない。探査制御装置70は、陸上の施設内などに設けられてもよい。この場合、複数の受振器62aと探査制御装置70とが中継器などを介して無線による通信を行うようにしてもよい。もっとも、探査制御装置70は、クラウドコンピューティングに基づくクラウドサーバ、もしくはオンプレミス型の物理サーバ、又はこれらを組み合わせたシステムなどにより構成してもよい。解析処理手段72dは、合成波から反射波を抽出する抽出機能だけを有するものであってよい。この場合、陸上の施設内などに設けられたデータ生成装置により、海底地質に係る三次元データを生成するとよい。データ生成装置は、デスクトップ型PC、ノートPC、タブレット端末のようなモバイル端末などにより構成するとよい。海底地質探査システム100は、ストリーマケーブル60を含めずに構成してもよい。なお、ストリーマケーブル60は、探査制御装置70の抽出機能を実行するマイコンなどを実装したもの、或いはA/D変換器を内蔵したデジタルストリーマーなどであってもよい。