JPS6337686Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は自然光を屋内等に導く照明器具付採
光装置に関するものである。

〔背景技術〕

従来、屋外の光を内面が反射鏡からなる導光ダ
クトで屋内に導く採光装置において、雨天時や曇
天時の光量不足を補い、また夜間に屋内放光部が
暗く見える現象（以下〓ブラツクホール効果〓と
称す。）を防ぐために、導光ダクト内に照明器具
を設けたものが提案されている。第１図は照明器
具取付け位置、方法別の３つの態様を示してい
る。図において、１は導光ダクト、２は照明器具
である。この３態様(A)，(B)，(C)の簡単な構造説明
とその欠点について述べる。

(A)は、照明器具２を導光ダクト内部の中途に突
出させて設けたものである。この場合、照明器具
２の上部に入射した自然光は、照明器具２で反射
して上方へ戻り、屋内に採光される効率が低下す
る。

(B)は、照明器具２を導光ダクト１の周壁内面に
凹み状態に設けたものである。この場合、照明器
具２に入射した自然光（矢印ａ）は、照明器具２
の反射板２′で反射して上方へ戻り、屋内に採光
される効率が低下する。また照明器具２から放射
される人工光（矢印ｂ）の配光制御が困難で、特
に直下に放射できないために、屋内へ導かれる人
工光の効率が低下する。

(C)は、照明器具２を導光ダクト１の屋内放光口
３の周囲に設けたものである。この場合、ブラツ
クホール効果を防ぐことができない。

〔考案の目的〕

この考案は、照明器具の設置による自然光効率
の低下を減少でき、かつ人工光の効率の低下も減
少し、さらに夜間放光部が暗く見える現象を防ぐ
ことのできる照明器具付採光装置を提供すること
を目的とする。

〔考案の開示〕

この考案の照明器具付採光装置は、導光ダクト
の中途に設けられた照明器具の取付け付近に、回
動可能な可動反射板を設けたものである。

この考案の第１実施例を第２図ないし第６図に
示す。この照明器具付採光装置は垂直型としたも
のであり、屋根の上や屋上等の屋外に設置される
屋外採光部Ａと、屋根、天井裏、天井を貫き屋内
に達つする導光ダクト部Ｂと導光ダクト部Ｂより
導いてきた光を屋内に放射させる屋内ユニツト部
Ｃとから構成されている。屋根３に開口されてい
る開口部６の周囲に断面コ字形の取付枠７が配設
され、この取付枠７の上面に木枠８が取付けられ
ている。木枠８の開口部周縁の上面にドーム取付
具９、ガラス取付具１０が配設され、ガラス取付
具１０に透光性のガラス板１１が取着され、ドー
ム取付具９により透光性の採光ドーム１２がガラ
ス板１１の上方に設置されている。導光ダクト部
Ｂは主に角筒状の導光ダクト２から構成されてお
り、導光ダクト２の中途に照明器具１６が２台対
向する側面に設けられている。導光ダクト２は内
面が高反射鏡からなる。屋内ユニツト部Ｃはルー
バー１３と、天井板４の開口部に屋内側に臨ませ
ているルーバー枠１４等から構成されている。４
は天井板である。ルーバー枠１４を天井板４の開
口部に臨ませ、太陽光を導光ダクト２を介して屋
内に導いている。１５は天井板４を吊る吊りボル
トである。

第３図および第４図は、導光ダクト部Ｂ照明器
具取付個所の断面図である。導光ダクト２は、ダ
クト枠体１７と、４面の鏡１８と、照明器具１６
の全面を覆う範囲で鏡１８の代わりに設けた可動
反射板１９とで構成されている。この可動反射板
１９は、両面が高反射処理されたものであり、か
つその上端において回転軸２４で支持されており
回動可能に取付けられている。照明器具１６は、
導光ダクト２の外周に張出す形で照明器具取付枠
２０を介してダクト枠体１７に取付けられる。鏡
１８は、ダクト枠体１７に設けられたミラー取付
溝２１に、導光ダクト２の上部または下部からス
ライドさせて取付けられる。可動反射板１９は、
その回転軸２４の両端をダクト枠体１７に回転可
能に取付けて、照明器具１６の前面を覆うように
設けられている。またこの可動反射板１９は、例
えば照明器具１６の点灯回路と連動したモータ駆
動装置等（可動反射板１９の駆動方法はいずれの
方法によつてもかまわない）により、回転軸２４
を支点として導光ダクト２の内部に張出すように
可動を行なう。照明器具１６は、ランプ２２と反
射板２３とを有する。なおランプ２２は直管けい
光ランプ等いずれの種類のものでもよい。

このように、導光ダクト２の照明器具１６を設
けた部分の壁面を可動反射板１９で形成したの
で、つぎの利点が得られる。すなわち、昼間は第
５図に示すように可動反射板１９を導光ダクト２
の内面の一部を構成するように照明器具１６の前
面を覆うように回動させておく。すると照明器具
１６の取付け部に入射した自然光は可動反射板１
９で反射して屋内へ導かれる。そのため照明器具
１６による自然光の効率の低下を減少することが
できる。また夜間においては、第６図に示すよう
に可動反射板１９を開いて斜め下向きとする。す
ると、ランプ２２より放射された人工光は可動反
射板１９で導光ダクト直下へ反射して、屋内へ導
かれる。そのため、人工光の効率の低下を減少さ
せることができる。さらに照明器具１６が導光ダ
クト２の中途に設置されているため、ブラツクホ
ール効果を防ぐことができる。しかも、軽量物の
可動反射板１９が回動するので、安全であり、か
つ駆動装置で簡単に回動することができ、操作性
が良い。

第７図はこの考案の第２実施例である。この例
は、水平型の導光ダクト２ａを建物２７の天井２
８の上方に水平に設けたものである。さらに照明
器具１６ａをこの導光ダクト２ａの出口部３１の
上方に取付けて、その照明器具１６ａの前面を覆
うように可動反射板１９ａを設ける。３０は吊り
ボルトである。第８図はこの導光ダクト２ａの照
明器具取付け部付近の拡大図である。昼間におい
ては、同図Ａのように可動反射板１９ａを照明器
具１６ａの前面を覆うように回転軸２４ａにより
回動させる。また夜間においては、同図Ｂのよう
に可動反射板１９ａを導光ダクト２ａの導光部を
塞ぐように回動させる。このように構成した照明
器具付採光装置においても、第１の実施例と同様
な効果が得られる。

第９図はこの考案の第３実施例である。この例
は、垂直型の導光ダクト２ｂの中途に、その対向
する一対の周壁内面に凹み状態に照明器具１６ｂ
を設けて、かつその照明器具１６ｂの取付け付近
の導光ダクト２ｂ内部にルーバー状に分割、分散
配置させた複数個の可動反射板１９ｂを設けたも
のである。可動反射板１９ｂは、支軸１９b′回り
に回動可能に支持されており、両面が高反射処理
されている。昼間においては、同図Ａのように自
然光の通過を防げないように可動反射板１９ｂを
垂直方向に回動させる。また夜間においては、同
図Ｂのように可動反射板１９ｂを照明器具１６ｂ
の光を下方に導くように斜め下向きに回動させ
る。このように構成した照明器具付採光装置にお
いても、第１の実施例と同様な効果が得られる。

第１０図はこの考案の第４実施例である。この
例は、水平型導光ダクト２ｃの出口部３１′上方
に設けられた照明器具１６ｃの前面を覆うよう
に、ルーバー状に分割、分散配置させて支軸１９
c′回りに回動可能に支持された可動反射板１９ｃ
を複数個設けたものである。昼間においては、同
図Ａのように可動反射板１９ｃを照明器具１６ｃ
の前面を覆うように回動させる。また夜間におい
ては、同図Ｂのように照明器具１６ｃの補助反射
板となるように、可動反射板１９ｃを垂直方向へ
回動させる。このように構成した場合も、第１の
実施例と同様な効果が得られる。

〔考案の効果〕

この考案の照明器具付採光装置は、照明器具の
設置による自然光効率の低下を減少でき、かつ人
工光の効率の低下も減少でき、さらに夜間放光部
が暗く見える現象を防ぐことができるという効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の作用説明図、第２図はこの考
案の第１実施例の縦断正面図、第３図はその横断
平面図、第４図は同じくその部分拡大縦断面図、
第５図および第６図は同じくその動作説明図、第
７図はこの考案の第２実施例の縦断側面図、第８
図はその動作説明図、第９図はこの考案の第３実
施例の要部縦断面図、第１０図はこの考案の第４
実施例の要部縦断側面図である。 ２……導光ダクト、１６……照明器具、１８…
…鏡、１９……可動反射板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内面が高反射面に形成されて入口が屋外に出
   口が屋内に配置される導光ダクトと、この導光
   ダクト内に設けられた照明器具と、前記導光ダ
   クト内部の前記照明器具取付け位置付近に設け
   られて前記入口から入つた自然光を下方に導く
   角度と前記照明器具の光を直下に導く角度との
   間に回動可能に支持された可動反射板とを備え
   た照明器具付採光装置。 (2) 前記導光ダクトを垂直型とし、前記照明器具
   を前記導光ダクトの内壁面に埋込んで設け、前
   記可動反射板を前記照明器具を閉蓋して前記導
   光ダクトの内壁の一部となる角度と下向きに開
   いた角度との間に回動自在とした実用新案登録
   請求の範囲第(1)項記載の照明器具付採光装置。 (3) 前記導光ダクトを水平型とし、前記導光ダク
   トの内端下壁部に前記出口を設け、前記照明器
   具を前記導光ダクトの前記出口の上方に配置
   し、前記可動反射板を前記照明器具の近傍で前
   記導光ダクトの上壁に回動自在に取付けた実用
   新案登録請求の範囲第(1)項記載の照明器具付採
   光装置。 (4) 前記可動反射板を前記導光ダクト内部にルー
   バー状に分割、分散配置した実用新案登録請求
   の範囲第(1)項記載の照明器具付採光装置。