JPS6337298Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、車輌用ペダル振動防止装置に関す
る。

たとえば、自動車のエンジンとトランスミツシ
ヨンとを連動させ、或いは、その連動を遮断する
クラツチの操作用マスタシリンダは、クラツチペ
ダルと振動防止装置を介して連結されるが、該振
動防止装置は、実公昭56−23137号公報にみられ
る如く、マスタシリンダ側のプツシユロツドとペ
ダル側のクレビスとの間に介在させるのが常法で
ある。

近年のように省燃費を目的として、車輌の軽量
化が進むと、車輌に発生する振動も多様となり、
その周波数の域も拡大している。

このため、前述した振動にも対応し、ペダルの
振動（或いは車室音）を防止する振動防止装置の
開発が望まれているが、この考案は、該要望を満
たすことを意図したもので、基本的には、複数の
弾性特性を示す弾性材を用いる。この考案によれ
ば、ペダルのロスストロークを減少させ、且つコ
ンパクトなペダル振動防止装置が提供される。

この考案の実施例を添付図面を参照して説明す
る。

ペダル振動防止装置１は、マスタシリンダ２側
のプツシユロツド３に螺着されるロツド部材４を
有し、ロツド部材４の端部には半径方向外方に延
出する環状フランジ５が設けられる。ペダル側の
クレビス６の端部に、前記フランジ５とほゞ同形
状のフランジ５′を形成し、両フランジ５，５′を
離間対向させる。尚、両フランジ５，５′の対向
面に互いに向き合う突部７，７′を設けるとよい。
対向する両フランジ５，５′間にドーナツツ形の
弾性材８を配し、この弾性材８をフランジ５，
５′に固定させる。フランジ５，５′の突部７，
７′は、弾性材８の中央孔内に挿入された形とな
る。

弾性材８を、両フランジ５，５′に固定される
小径部９とその間の大径部１０とで構成する。小
径部９と大径部１０の肉厚は、車種に応じた振動
を考慮して適宜選定する。一方のフランジに接触
しないように且つ他方のフランジに固定するよう
に、両フランジ５，５′の外周部にリテーナ１１
を配す。

前述した構成において、ペダル踏力は、クレビ
ス６を介して弾性材８に伝達されるが、この踏力
は、先ず、小径部９を弾性変形させてプツシユロ
ツド３に伝る。次いで、踏力の増加に伴い小径部
９の弾性変形から大径部１０の弾性変形に変り、
踏力がプツシユロツドに伝達されることになり、
弾性材８が２段特性を示し、振動吸収領域を拡大
させることができる。

このように複数の弾性特性を示す弾性材を有す
るペダル振動防止装置の使用は、周波数の小さい
振動から周波数の大きい振動迄、効果的に吸収可
能となるので、軽量車種やデイーゼルエンジンを
搭載する車輌に効果的である。特に、本案では、
弾性材の形状および取付位置を工夫して、複数の
弾性特性を得るようにしているので、装置そのも
のを大型とさせることはない。尚、弾性材８，１
２の破損時には、突部が互いに当接して、ペダル
踏力はクレビスからプツシユロツドに直接伝達さ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一例の断面図である。 図中：１……ペダル振動防止装置、３……プツ
シユロツド、４……ロツド部材、６……クレビ
ス、８……弾性材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. マスタシリンダ側のプツシユロツドに螺着した
   ロツド部材の環状フランジとペダル側のクレビス
   とに設けた環状フランジの間に、その外周面中央
   部に環状の凸部を設けることによつて複数の弾性
   特性を示すドーナツツ形の弾性材を前記両フラン
   ジの中央突部を対向離間するよう該弾性材の中央
   孔に挿入する形で介在させたことを特徴とする車
   輌用ペダル振動防止装置。