JPS6337203Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は柄体内に収納した鋸刃を柄体先端か
ら前方に移動突出させて使用する鋸刃格納形の鋸
に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、先端に鋸刃出入孔を有する柄体と、この
柄体内に収納され柄体先端の鋸刃出入孔から前方
に移動突出して使用される鋸刃と、この鋸刃を柄
体に締着固定する締着具とからなる鋸刃格納形の
鋸は知られている。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記従来の鋸は鋸刃の突出使用長さを任意に可
変させることができないので、使い難い問題があ
ること、鋸刃の突出使用長さを鋸刃締着具が挿通
される柄体長孔により可変できるようにした場合
には、強い鋸引き操作で鋸刃が締着固定位置から
前方または後方に移動してしまうという問題があ
り、特に最も多く使用される鋸刃最大限の突出使
用状態で鋸刃締着部に滑りが生じると、鋸引き時
に鋸刃が急に引込んで怪我をする危険性があつ
た。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は前記の課題を解決するために、先端
に鋸刃出入孔２を有する柄体１の両側に、鋸刃出
入方向に細長く開口した回転ねじ移動長孔６とナ
ツト摺動長孔７を設け、回転ねじ移動長孔６の上
下沿いに２条の突条８，９を平行に例設すると共
に、この突条８，９に長さ方向全体に渡つて摘み
締着係止用の凹凸面８ａ，９ａを形成したこと、
この柄体１内に収納される鋸刃３の締着固定具を
前記柄体１のナツト摺動長孔７に移動自在に回止
め嵌合される締着ナツト５と、前記柄体１の回転
ねじ移動長孔６から鋸刃基端孔３ａに嵌挿されて
前記ナツト５に螺合される摘み回転ねじ４（柄体
突条８，９の凹凸面８ａ，９ａに裏面部が圧着可
能なねじ回転摘み４ａを有する）とで構成したこ
と、前記柄体突条８，９の少なくとも前端部に鋸
刃最大突出限の使用状態でねじ回転摘み４ａの外
周部が係合される鋸刃後退防止用のストツパ面１
２を形成したことを特徴とするものである。

〔作用〕

鋸刃３を柄体１の先端から最大限突出させた状
態で使用する場合には、摘み回転ねじ４を緩め
て、この摘み回転ねじ４と締着ナツト５を回転ね
じ移動長孔６およびナツト摺動長孔７の前端側に
移動させ、その移動限位置で摘み回転ねじ４を締
着して、ねじ回転摘み４ａの外周部を柄体突条
８，９の前端ストツパ面１２に係合させる。この
ように状態に鋸刃３を締着固定することにより、
鋸刃最大突出限の使用状態で鋸刃３が柄体１内に
退入移動するのを確実に防止することができる。

また、前記鋸刃３を任意の突出長さ位置に出し
て使用する場合には、摘み回転ねじ４を緩めて、
この摘み回転ねじ４と締着ナツト５を回転ねじ移
動長孔６およびナツト摺動長孔７の任意の鋸刃出
し位置に移動させ、その位置で摘み回転ねじ４を
締着して、ねじ回転摘み４ａの裏面部を柄体突条
８，９の凹凸面８ａ，９ａに締着係止させる。こ
のような状態に前記鋸刃３を締着固定するとによ
り、鋸刃突出使用長さを任意に可変させた使用状
態においても、前記鋸刃３を前方または後方へ濫
りに滑り移動しないように確実に止着することが
できる。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を図面に従い説明す
ると、図中１は前端に鋸刃出入孔２を有する鋸刃
格納形の柄体で、この柄体１の両側には鋸刃出入
方向に細長く開口した回転ねじ移動長孔６とナツ
ト摺動長孔７が設けられ、且つ前記柄体片側の回
転ねじ移動長孔６の上下沿いには２条の突条８，
９が平行に列設されていると共に、この突条８，
９に摘み締着係止用の微細な凹凸面８ａ，９ａが
長さ方向全体に渡つて形成されている。

３は前記柄体１内に収納され柄体先端の鋸刃出
入孔２から前方に移動突出して使用される鋸刃、
５は前記柄体１のナツト摺動長孔７に移動自在に
回止め嵌合される締着ナツト、４は前記柄体１の
回転ねじ移動長孔６から鋸刃基端孔３ａに嵌挿さ
れて前記ナツト５に螺合される摘み回転ねじで、
この摘み回転ねじ４は柄体突条８，９の凹凸面８
ａ，９ａに裏面部が圧着可能なねじ回転摘み４ａ
を有している。

１２は鋸刃３を柄体１の先端部から最大限突出
させた使用状態で、ねじ回転摘み４ａの外周部が
第３図，第４図の如く係合される鋸刃後退防止用
のストツパ面で、このストツパ面１２は柄体突条
８，９の前端テーパ突起１０の端面で形成されて
いる。１３は鋸刃３を柄体１内に最大限退入させ
た格納状態で、ねじ回転摘み４ａの外周部が第１
図の如く係合される鋸刃格納係止用のストツパ面
で、このストツパ面１３は柄体突条８，９の後端
テーパ突起１１の端面で形成されている。

なお、前記柄体１はプラスチツク成形された両
側分割柄１ａ，１ｂを第５図のように嵌合接着し
て構成されるもので、この柄体１の内部には前記
鋸刃３を出入れ可能にガイドする、回転ねじ移動
長孔６およびナツト摺動長孔７のめぐりを取囲む
ように突設した内方突出ガイド１４，１５が設け
られている。

第１図は前記鋸刃３を柄体１内に収納し、摘み
回転ねじ４とナツト５により締着固定させた鋸刃
格納状態を示す縦断面図であつて、この鋸刃格納
状態で摘み回転ねじ４を緩め、その摘み４ａが柄
体突条８，９の後端テーパ突起１１を乗越える状
態にして、摘み回転ねじ４とナツト７を回転ねじ
移動長孔６およびナツト摺動長孔７に沿つて前方
へ移動させ、その移動途中の任意位置で摘み回転
ねじ４を締着すれば、ねじ回転摘み４ａの裏面部
が柄体突条８，９の凹凸面８ａ，９ａに締着係止
されて、前記鋸刃３を濫りに滑り移動しないよう
に任意の突出使用長さ位置に確実に移動係止させ
ることができる。

また、摘み回転ねじ４と締着ナツト５を回転ね
じ移動長孔６およびナツト摺動長孔７の前端位置
まで移動させ、その移動限位置で摘み回転ねじ４
を締着して、ねじ回転摘み４ａの外周部を柄体突
条８，９の前端ストツパ面１２に第３図，第４図
の如く係合させれば、鋸刃最大突出限の使用状態
で鋸刃３が柄体１内に退入移動するのを確実に防
止することができる。

〔考案の効果〕

この考案の鋸は、鋸刃最大突出限の使用状態で
ねじ回転摘み４ａの外周部が柄体突条８，９の前
端ストツパ面１２に係合するので、鋸刃突出限の
使用状態で前記鋸刃３が柄体１内に退入移動する
という問題は、摘み回転ねじ４が緩まない限り絶
対に起こらない。また、鋸刃３の突出使用長さを
任意に可変させた鋸刃出し状態においても、前記
柄体突条８，９の凹凸面８ａ，９ａにねじ回転摘
み４ａの裏面部が締着係止されることにより、前
記鋸刃３が前方または後方へ濫りに滑り移動しな
いように確実に止着させることができる。このた
め、本考案の鋸は子供等が工作用に安全使用する
ことができ、前記鋸刃３を柄体１内に格納した携
帯状態での安全性も確保し得る実用上の効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の鋸を鋸刃格納状態で示した縦
断面図、第２図は鋸刃を最大限突出させた使用状
態の正面図、第３図は第２図の平面図、第４図は
同背面図、第５図は第４図の−線に沿う断面
図である。 １……柄体、２……鋸刃出入孔、３……鋸刃、
３ａ……鋸刃基端孔、４……摘み回転ねじ、４ａ
……ねじ回転摘み、５……締着ナツト、６……回
転ねじ移動長孔、７……ナツト摺動長孔、８，９
……柄体突条、８ａ，９ａ……突条凹凸面、１２
……突条前端のストツパ面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端に鋸刃出入孔２を両側に鋸刃出入方向に細
   長く開口した回転ねじ移動長孔６とナツト摺動長
   孔７を有し回転ねじ移動長孔６の上下沿いに２条
   の突条８，９を平行に列設すると共に該突条８，
   ９に長さ方向全体に渡つて摘み締着係止用の凹凸
   面８ａ，９ａを形成した鋸刃格納形の柄体１と、
   この柄体１内に収納され柄体先端の鋸刃出入孔２
   から前方に移動突出して使用される出入れ可能な
   鋸刃３と、前記柄体１のナツト摺動長孔７に移動
   自在に回止め嵌合される締着ナツト５と、柄体突
   条８，９の凹凸面８ａ，９ａに裏面部が圧着可能
   なねじ回転摘み４ａを有し前記柄体１の回転ねじ
   移動長孔６から鋸刃基端孔３ａに嵌挿されて前記
   ナツト５に螺合される鋸刃締着固定用の摘み回転
   ねじ４とを具備し、前記柄体突条８，９の少なく
   とも前端部には鋸刃最大突出限の使用状態でねじ
   回転摘み４ａの外周部が係合される鋸刃後退防止
   用のストツパ面１２を形成していることを特徴と
   する鋸刃格納形の鋸。