JPS6337181Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、携帯用電気ハンマドリル等のよう
に、減速ギヤをもつ電動工具の工具軸トルクを制
限するためのスリツプ装置に関するものである。

ハンマドリ等では、工具がロツクした場合、作
業者の支持力を上まわるトルクが発生し、危険を
生ずる事がある。従つて回転伝達系にスリツプ装
置を設置し、一定のトルク以上で空転するように
してある。

スリツプ装置としては、サードピニオン軸に軸
移動可能で回転不能なスリツププレートと軸回転
可能なギヤに対向して設けた凹部にスチールボー
ルを係止させ、スリツププレートおよびスチール
ボールをスプリングで押し付けておき、ギヤに一
定の力を加えると、スリツププレート凹部がスチ
ールボールから乗り上がりギヤが空転する方式が
一般に用いられている。この方式では、スリツプ
プレート凹部がスチールボールを脱着するとき、
サードピニオン軸とスリツププレートの係止穴が
高速で摺動するため、カジリが生じ易い。スリツ
ププレートの構造上質量を軽く出来ずスチールボ
ール及びギヤに大きな打撃を繰り返し与え、損傷
させ易い。スリツププレートの凹部とギヤ凹部の
寸法がほぼ一致していなければならないため、加
工が面例である等の欠点を有していた。

本考案の目的は、上記した従来技術の欠点をな
くし、長寿命でかつ安価な、スリツプ装置を提供
することである。

本考案は、スリツププレートのスチールボール
の回転方向の保持とスチールボールの加圧転動案
内の機能に着目し、上記機能を別部品に分けて受
け持つように工夫したものである。

第１図において、１はサードピニオンで傘形歯
車が付いている。２，１１は玉軸受であり、サー
ドピニオン１に圧入され、サードピニオン１を回
転可能に支持する。３はギヤで内径はサードピニ
オン１に遊嵌されている。又一平面に同心かつ円
周同一ピツチの凹部４を多数個配設している。５
はスリツププレートで内径はサードピニオン１と
スプライン結合している。又平面部にはギヤ３と
同一寸法の同心かつ円周同一ピツチの穴１２が設
けてあり、スチールボール６が遊嵌される。７，
８はワツシヤ、９はテーパ状スプリングで軸Ｃト
メワ１０でサードピニオン１軸に圧縮して取り着
けられ、スチールボール６に所定の圧力を加えて
いる。

以上の構成において、ギヤ３に動力が加わつた
状態でサードピニオン１がロツクすると、スチー
ルボール６は、テーパ状スプリング９を押し下げ
ながら、凹部４を乗り上がる、このためギヤ３は
空転する。

スチールボールをワツシヤとテーパスプリング
により加圧する構成としたが、ワツシヤを板ばね
にしても同様効果は得られる。

本考案によれば、スプリングプレートの機能を
スチールボールの保持とスチールボールの加圧転
動案内に分離したため、加圧する部品を軽量に出
来る。従つてギヤがスリツプする都度スチールボ
ール及び接触部を叩くエネルギーを小さくするこ
とが出来るため、各部の損傷が少なく寿命向上が
得られる。又スリツププレートは貫通穴で良いた
め、板金プレス加工が可能となり量産性が向上し
安価に製作できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案よりなるスリツプ装置の縦断側
面図、第２図は従来技術によるスリツプ装置の縦
断側面図である。 第１図において、１……サードピニオン、３…
…ギヤ、４……凹部、５……スリツププレート、
７……ワツシヤ、９……テーパ状スプリングであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 動力を伝達するサードピニオンと該サードピニ
   オンに遊嵌するギヤと、前記サードピニオンに回
   転不能に嵌合する、平板状のスリツププレート
   と、該スリツププレートに設けられた穴に配設さ
   れ、かつ所定位置において、前記ギヤ面に設けら
   れた凹部に係合するスチールボールと、該スチー
   ルボールをギヤ面凹部方向に押し付けるように配
   置されたスプリングとによりなるスリツプ装置に
   おいて、前記スチールボールの配置を決定する前
   記スリツププレートと、前記スチールボールを加
   圧転動案内するワツシヤをサードピニオン軸に同
   心に配設して成るスリツプ装置。