JPS6333768Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はストラツプ引戻し装置に関し、より詳
しくは被結束物をストラツプで囲繞して閉ループ
を構成した後、ストラツプの自由端と供給側との
重畳部を受金と駆動ロールで挟圧して駆動ロール
側ストラツプを引戻し、被結束物を張力緊締する
際に用いるストラツプ引戻し装置に関する。

〔従来の技術〕

従来のストラツプ引戻し装置要部は平坦なラツ
ク状の刻み目つき受台と刻み目つき駆動ロールで
なり、これらの間に上述のストラツプ重畳部を挟
んで加圧し、駆動ロールと受金の強大な摩擦力に
より、重畳ストラツプ上下間の比較的小さい摩擦
力に打ち克つて、駆動ロール側ストラツプのみを
引戻すものであつた。ところが駆動ロールと受金
の間にストラツプが存在しない場合に、これら両
者が直接係合し、何れか一方もしくは両方が損傷
する事故がしばしばあつた。この対策として両者
間にストツパを設け、両者間に重畳ストラツプが
介在しない時にも、一定距離以上は接近しないよ
うにする事が行なわれているが、ストラツプ板厚
方向の距離調節が微妙で、なお不完全であつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

駆動ロールと受金の間にストラツプが存在しな
い場合に、これら両者が直接係合して損傷すると
いう問題点が本考案が解決すべき問題点である。

本考案の目的は、従来の装置に、受金に切欠き
を設けるという工夫を加える事により、駆動ロー
ルと受金が直接する危険を排除した高寿命のスト
ラツプ引戻し装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

前記目的を達成するために、本考案は、フレー
ム３下部に固着されたラツク状の刻み目付受金５
と、先端部にストツパ８Ａを備え、軸１Ａで刻み
目付駆動ロール１を回転支持しフレーム３の中央
部付近でボルト４によつて枢着され、かつ、バネ
９によつて上方に揺動すべく付勢されるアーム８
とを備えるストラツプ引戻し装置において、刻み
目付受金５の一部に切欠き１０とストツパ８Ａを
支持するための調整ネジ１１とを設け、受金５と
駆動ロール１間にストラツプ７が不存在の場合に
両者の接触が生じないようにした事を特徴とする
ストラツプ引戻し装置である。

〔実施例〕

以下に実施例を用いて本考案を詳細に説明す
る。

第１図は空圧式携帯型ストラツプ引戻し装置に
適用した本考案実施例の正面図である。

ストラツプ引戻し装置は、被結束物６をストラ
ツプ７で囲繞して閉ループを構成した後、ストラ
ツプ７の自由端と供給側との重畳部をフレーム３
下部に固着されたラツク状の刻み目付受金５と、
後部にエアモータ２を備えボルト４を中心に揺動
する刻み目付駆動ロール１で挟圧して、刻み目付
ロール１側ストラツプ７を引戻し被結束物６を張
力緊締する構成となつている。第２図、第３図お
よび第４図は本考案実施例装置要部を示す拡大図
である。第２図はストラツプ７，７を挟圧した状
態を示し、第３図はストラツプ７，７を除いた状
態を示し、第４図はストラツプとの接触面積を増
すためにラツク状の刻み目付受金表面を湾曲させ
たものを示す。

ここにボルト４と軸１Ａがレバー８によつて連
結され巻バネ９によつて刻み目付駆動ロール１が
ストラツプ７を介してラツク状の刻み目付受金５
に押しつけられている。ラツク状の刻み目付受金
５の上面には刻み目付駆動ロール１の外径に沿つ
て少なくとも刻み目５Ｂの高さの切欠１０を有す
る。レバー８先端にはストツパ８Ａが付加され、
フレーム３下部には隙間調整ネジ１１を有する。

〔作用〕

ここにおいて本考案の特徴である切欠１０につ
いて説明する。ストラツプ引戻し装置において駆
動ロールとラツク状受金との間には、ストラツプ
引戻し作業を行なわない場合、ストラツプは介在
しないが、この場合ストツパ８Ａが調整ネジ１１
表面に当り第３図に示すようにラツク状の刻み目
付受金５表面と刻み目付駆動ロール１との間の隙
間が保たれる。この隙間調節は非常に微妙であつ
て、隙間が多い場合は帯金７を挟圧できず、ない
場合は刻み目１Ｂ，５Ｂを容易に欠損する傾向が
あつたのは前述のとおりである。加えて引締め作
業のくり返しにより、刻み目１Ｂが摩耗して隙間
が多くなるのでしばしば隙間調整をしなければな
らなかつた。しかるに、本考案によれば、この隙
間調節がラフであつてもストラツプ非介在時にも
駆動ロールと受金の刃が互いに係合する危険がな
くなり、かつストラツプ引戻し作業時にはストラ
ツプ重畳部が駆動ロール円周に沿つて撓み、駆動
ロールとストラツプの接触が弾性的になるのみな
らず、接触面積が大きくなつて作動が確実にな
る。

〔効果〕

本考案を実施することによりストラツプ引戻し
装置の組立調整が容易になり、部品の寿命が伸
び、ストラツプ引戻し作業時間が短縮できる効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の正面図、第２図、第３
図、第４図は本考案実施例の要部拡大図である。 １……刻み目付駆動ロール、２……エアモー
タ、３……フレーム、４……ボルト、５……ラツ
ク状の刻み目付受金、６……被結束物、７……ス
トラツプ、８……アーム、９……巻バネ、１０…
…切欠き、１１……調整ネジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレーム３下部に固着されたラツク状の刻み目
   付受金５と、先端部にストツパ８Ａを備え軸１Ａ
   で刻み目付駆動ロール１を回転支持し、フレーム
   ３の中央部付近でボルト４によつて枢着され、か
   つ、バネ９によつて下方に揺動すべく付勢される
   アーム８とを備えるストラツプ引戻し装置におい
   て、刻み目付受金５の一部に切欠き１０とストツ
   パ８Ａを支持するための調整ネジ１１とを設け、
   受金５と駆動ロール１間にストラツプ７が不存在
   の場合に両者の接触が生じないようにした事を特
   徴とするストラツプ引戻し装置。