JPS6333618Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は粉末形状を有する第１物質と気体形状
を有する第２物質とを接触せしめ、相互に反応を
起せしめ第２物質中の反応物を吸収する乾式ガス
吸収装置に関するもので、主反応部の下方に傾斜
部を形成して、その下端部に上向きの流入口を設
け、該流入口から上方の主反応部に向かつてガス
体と共に粉末吸収剤を吹き込み、該粉末吸収剤の
一部が上記傾斜部に落下して流下しながら上記流
入口に至り、ここで再びガス流により吹き上げら
れて主反応部内で還流しながらガス体と接触し
て、ガス体中の反応物を吸収する乾式ガス吸収装
置に係るものである。

次に本考案の実施例を図によつて説明する。

第１図は、乾式ガス吸収装置の従来例で、その
主反応部の中間部に絞り部を形成したものを示し
ている。図に於いて、１は第２物質たる被処理気
体入口ダクト、２は第１物質たる粉末形状吸収剤
の供給口、３は主反応部流入口、４は傾斜部、５
は主反応部絞り部、６は主反応部拡大部、７は処
理済ガス出口ダクトをそれぞれ示している。かか
る従来の乾式ガス吸収装置において、処理ガス量
を大巾に減少するとその流入口部分３及び絞り部
５の流速が低下し、第１物質の粉末が自然沈降し
て該部を閉塞させるおそれがある。

本考案は、かかる欠点を解決するもので、第２
図に示す如く処理ガス量の変化信号（図示してい
ない他の装置で測定）により駆動される断面積変
更板８を流入口３に設け、入口部のガス流速及び
絞り部のガス流速を、排ガス量に関係なく自然沈
降速度以上に保ち、粉粒体による閉塞を防止する
ことを可能としている。

第１図の従来の乾式ガス吸収装置では、主反応
部の拡大部６において、第１物質の粉末の一部
が、ガス流の攪拌により拡大部の傾斜部４に沈降
し、傾斜部を滑りながら入口部及び絞り部に到
り、再びガス流で上部に吹き上げられて粉粒体と
ガス体の接触回数を増加させ、第１物質である粉
末の単位吹込量当りのガス吸収率を高める効果を
ねらつているが、テスト機による目視観察によれ
ば、入口部及び絞り部のガス流量が増加して流速
が速すぎると、第１物質である粉末の再循環効果
が低下することが判明した。

従つて、本考案の断面積変更手段を流入口及び
絞り部に設置することにより、ガス流量が増加し
た場合も適正なガス流速に保ち、所定の高吸収率
を維持することができる。

この断面積変更手段としては円形でカメラの絞
り機械のもの（第３図）又は逆円錐形の物体を上
下させる方法（第４図）、あるいは角形で絞り部
を水平に取付けたもの（第５図）及びゴム等のフ
レキシブル材料に空気圧をかけること又はヒンジ
機構を有した金属板を設ける等により傾斜角度を
調整可能なもの（第６図）等が考えられるが、
（第３図）・（第５図）の方法では水平部ができ粉
粒体の堆積の原因となり好ましくない。しかるに
（第４図）・（第６図）の方法では水平部はできず、
かつ、ダンパーの傾斜を粉粒体の安息角以上に保
持でき、かつ、断面の急激な変化が生じないで、
該部での圧力損失も少ない利点がある。

本考案は、以上のようにガス体の流入量が変化
しても、流入口の開口断面積を変えることによ
り、ガス体の流入口での吹き出し流速を調整し
て、粉末吸収剤が主反応部内で最適な環流状態を
保つので、ガス吸収能率が低下することはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の乾式ガス吸収装置の説明図、第
２図・第３図・第４図・第５図・第６図は本考案
の実施例を示す説明図である。 尚、図中の主要部の符号は次の通りである。１
……入口ダクト、２……吸収供給口、３……主反
応流入口、４……傾斜部、５……主反応部絞り
部、６……主反応拡大部、７……出口ダクト、８
……断面積変更板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主反応部の下方に傾斜部を形成して、その下端
   部の上向きの流入口を設け、該流入口から上方の
   主反応部に向かつてガス体と共に粉末吸収剤を吹
   き込んでガス体中の反応物を吸収する乾式ガス吸
   収装置に於いて、上記流入口に断面積変更手段を
   設けたことを特徴とする乾式ガス吸収装置。