JPS6333250Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はギターの弦固定構造に関するものであ
つて、弦の固定を確固たるものにすることを目的
とする。

従来のギターは、ボデイの基端部に一端が係止
固定された弦の他端をネツク先端の糸巻き部に巻
付けるのが一般的な構成である。

しかしながら、チユーニング操作の簡略化等を
目的として、本出願人は、ボデイ基端部にチユー
ニング機構を設けると共に弦の一方端部をネツク
の先端に固定する構成のギターを、先に提案した
（実願昭58−27137号等）。

この構成にあつては、ネツク先端にあつての弦
の確固たる固定が必要となる。即ち弦の端部に於
ける固定が不充分であると、演奏者に音程が狂つ
たり、ヒビ割れ音現象が発生したりする不都合が
存するのである。

本考案は上述した点に鑑みて案出されたギター
の弦固定構造に関するものであつて、弦端をネツ
ク先端に係止し、弦端部をガイド溝を介して直角
に屈曲し、更に弦端部をネジピンを介して押圧固
定する構成としたものである。

以下本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図は電気ギターの一例を示すものにして、
厚板状のソリツドボデイ１先端にネツク２を一体
設した構成であり、ボデイ１基端に弦Ａの糸巻き
部分となるチユーニング機構３が装着されてい
る。

背面がかまぼこ形状に膨らんだ杆形状の前記ネ
ツク２の先端には、金属製の固定体４が、ネジピ
ン等を介して取付けられているが、この固定体４
は、ネツク２先端部表面に面接する四角平板状の
表面部５先端に、ネツク２先端面に面接する半円
厚板状の先端部６を連設した構成である。

前記表面部５中央には、弦Ａの張設方向に直交
する姿勢で押え部７が一体設される。

この押え部７は、厚板状或いは突条状であつ
て、弦Ａの張設方向に沿つて図示実施例では六本
の貫通孔８が等間隔に穿設されており、弦Ａが挿
通される。

また押え部７の貫通孔８に対応する六箇所に
は、該貫通孔８に直交する螺条孔９が上下に穿設
されており、ネジピン１０が螺合貫通するが、こ
のネジピン１０の締結限では、ネジピン１０先端
が貫通孔８内に位置する弦Ａを上方から強く押圧
することになる。

次に表面部５の先端部分から先端部６先端面に
かけては、貫通孔８に対応して六本のガイド溝部
１１が刻印されている。このガイド溝部１１には
貫通孔８から導出された弦Ａが係止するが、ガイ
ド溝部１１は、表面部５から先端部６にかけて直
角に屈曲し、且つ先端部６では先端面中央方向に
屈曲しているので、弦Ａ端部もまた鋭角的に屈曲
して係止されることになる。

そして固定体４の先端部６中央には奥行の深い
孔１２が開口穿設されているが、孔１２の上端周
縁には係止片１３が突設されており、ガイド溝部
１１からの弦Ａ端に接続された金属リングＢが係
止するようになつていて、係止部１４として構成
される。

以上の説明から明らかなように、本考案の弦固
定構造は、弦Ａ端部の金属リングＢを係止部１４
に係止し、ガイド溝部１１に係止して、貫通孔８
に挿通され、チユーニング機構３で他方端が巻付
けられる。

そして弦Ａが或る程度緊張した状態で螺条孔９
のネジピン１０を締結し、貫通孔８内で弦Ａを押
圧するのである。

従つて弦Ａは、端部が係止部１４に確固と係止
し、ガイド溝部１１への鋭角的な屈曲係止により
演奏時の弦Ａのヒビ割れ音現象は未然に防止さ
れ、更に弦Ａに対するネジピン１０による強度の
押圧により弦Ａ端部は確固と固定されるのであ
る。

尚、図中符号１５は上ゴマである。

よつて本考案のギターの固定構造によれば、弦
の端部を確実且つ簡単に固定することができ、従
つて演奏時に音程が狂つたりヒビ割れ音現象が生
じる虞れは全くなく、構成が簡単であつて成形及
び操作が容易である等、多くの優れた作用効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のギターの一例を示す平面図、
第２図はネツク先端部の斜視図、第３図は同じく
断面図を示す。 符号の説明、１……ボデイ、２……ネツク、３
……チユーニング機構、４……固定体、７……押
え部、８……貫通孔、９……螺条孔、１０……ネ
ジピン、１１……ガイド溝部、１４……係止部、
Ａ……弦。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボデイ基端部に弦のチユーニング機構を設けた
   ギターの前記弦の端部を、ボデイ先端に連設され
   たネツクの先端に固定するギターの弦固定構造で
   あつて、前記ネツクの先端部表面に前記弦の張設
   方向に直交する姿勢で厚板状に位置し、弦が挿通
   される貫通孔を弦の張設方向に沿つて穿設すると
   共に、該貫通孔内に位置する弦を上方から押圧す
   るネジピンが螺合貫通する螺条孔を前記貫通孔に
   直交する姿勢で穿設した押え部と、前記貫通孔か
   ら導出された弦が係止し、前記ネツク先端部表面
   からネツク先端面にかけて刻設されるガイド溝部
   と、該ガイド溝部に連続してネツク先端面に位置
   し、弦の端部に接続された金属リングが係止する
   孔形状の係止部とから成るギターの弦固定構造。