JPS6332382Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は住宅用空気調和機、業務用空気調和
機、小型冷蔵冷凍ユニツト等に応用できる圧縮機
の支持構造に関するものである。

第１図は従来の圧縮機の斜視図、第２図は第１
図の縦断面図を示す。図中１は圧縮機であり、上
部鏡板４、下部鏡板５、胴６より構成されてい
る。また圧縮機１には吐出管２、吸入管３が具備
されているが、これは吸入配管３ａより吸入管３
に入つた低温低圧ガス冷媒を、圧縮機１により高
温高圧ガス冷媒へと圧縮し、吐出管２から吐出配
管２ａへと送り込むことにより、空気調和機の冷
媒系統の一部を構成している。

１１は弾力性のある材料（ゴム等）で出来た防
振部品であり、これは圧縮機の胴の外周部１２の
全面と接すると共に、更に下部鏡板の下面１３と
接しており、筒状部の高さは上部鏡板４とほぼ同
じ高さまである。また下部は空気調和機の底板１
０と接し、これらは第２図の如く一体構造にて構
成されている。そしてこの防振部品１１はボルト
７、座金８、ナツト９にて底板１０に固定される
構造となつている。そしてこの防振部品１１は圧
縮機１から発生する振動を吸収し、騒音を遮蔽す
る働きを持つ。

しかしながら前記第１図及び第２図の従来の圧
縮機は、圧縮機１と防振部品１１との接触面（外
周部１２及び下面１３が、いずれも全面で接触し
ているため、圧縮機１の発生する振動に対し防振
部品１１の材料が持つ弾力のみにより振動を吸
収、緩和しなければならず、大きな振動に対して
は十分な防振効果を得る事が出来なかつた。

また圧縮機１を防振部品１１に取付ける関係
上、圧縮機の胴６の外径寸法に対し防振部品１１
の筒状部の内径寸法は大きくする必要があるた
め、これらの間には隙間が生じることになり、圧
縮機の胴６の外周と防振部品１１の筒状部の内周
の間での接触は全面的には接触せず、必ず片寄つ
た部分接触となるため、その部分に圧縮機１から
発生した振動力が集中してしまい、十分な防振効
果を得る事が出来なかつた。更に圧縮機を搭載し
ている空気調和機が、運搬等により傾いたり転倒
した時に、圧縮機１が防振部品１１の内部での定
位置に対し、位置がズレたり、飛び出したりする
欠点があつた。

本考案は前記従来の欠点を解消するために提案
されたもので、圧縮機の下部鏡板の下面及び胴の
外周面に接する部分を有する弾性材料製の防振部
品により、圧縮機を支持してなる圧縮機の支持構
造において、前記防振部品の圧縮機の胴外周面と
の接触部分を下向きのノコギリ刃状の突起部によ
り形成することにより、圧縮機から発生する振動
に対し効率よく吸収、減衰させることができると
共に、圧縮機の位置が上方へずれたり、外れたり
することを防止できる圧縮機の支持構造を提供せ
んとするものである。

以下本考案の実施例を図面について説明する
と、第３図は本考案の実施例を示す圧縮機の支持
構造の縦断面図、第４図は第３図のＡ部詳細図を
示す。図において１は圧縮機であり、上部鏡板
４、下部鏡板５、胴６より構成されると共に、吐
出管２、吸入管３が具備されている。また吐出管
２には吐出配管２ａ、吸入管３には吸入配管３ａ
が接続され、従来と同様の冷媒系統を構成してい
る。

１４は弾力性のある材料（ゴム等）で出来た防
振部品であり、圧縮機の胴の外周部１５及び下部
鏡板の下面１３と接する部分を有し、高さは上部
鏡板４とほぼ同じ高さまであり、下部は空気調和
機の底板１０に接する部分１８を有する。そして
これらの形状は全て一体構造で構成されている。
また防振部品１４の底板１０に接する部分１８に
は、底板１０にボルト７、座金８、ナツト９によ
り固定できる穴を有する。

さて防振部品１４が圧縮機１の胴６と接する部
分である外周部１５の形状は、第３図、第４図の
様に断面が下向きのノコギリの刃状の形をした突
起部１７を複数個備えた形状となつている。

次に作用を説明すると、圧縮機１から発生する
振動に対し、防振部品１４の圧縮機１と接触する
部分である外周部１５の形状が、ノコギリの刃状
の形をした突起部１７であるため、振動の変位を
この弾性力のある材料で出来た突起部１７が振動
に合わせて変形する事により、振動を吸収、減衰
させることができる。

そしてこの突起部１７と圧縮機１を取付ける前
は第４図の破線で示す形状をしているが、圧縮機
１を取付けると実線の様に変形し、この状態に於
いては常に突起部１７に荷重のかかつた状態とな
つているため、圧縮機１の防振部品１４との接触
面である外周部１５に於いては、全ての面で均等
に接触している状態となり、振動の変位を均等に
分散させることができる。また防振部品１４の圧
縮機１の胴の外周面１５と接している突起部１７
は下向きのノコギリ刃状であるので、常に圧縮機
１による下方への荷重に対しては容易に変形する
が、圧縮機１を上方へ持ち上げようとする力に対
しては、この突起部１７は圧縮機１の胴６にくい
込む方向へ変形する。

以上詳細に説明した如く本考案は、防振部品の
圧縮機の胴外周面との接触部分を下向きのノコギ
リ刃状の突起部により形成したので、圧縮機から
発生する振動に対し、従来以上に幅広い振幅の振
動に対しても効率よく吸収、減衰させることがで
きる。また圧縮機を１度防振部品に取付ければ、
圧縮機の位置が上方へズレたり、外れたりする事
を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の圧縮機の支持構造を示す斜視
図、第２図は同縦断面図、第３図は本考案の実施
例を示す圧縮機の支持構造の縦断面図、第４図は
第３図のＡ部詳細図である。 図の主要部分の説明、１……圧縮機、５……下
部鏡板、６……胴、１３……下部鏡板の下面、１
４……防振部品、１５……外周部、１６……突起
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧縮機の下部鏡板の下面及び胴の外周面に接す
   る部分を有する弾性材料製の防振部品により、圧
   縮機を支持してなる圧縮機の支持構造において、
   前記防振部品の圧縮機の胴外周面との接触部分を
   下向きのノコギリ刃状の突起部により形成したこ
   とを特徴とする圧縮機の支持構造。