JPS6332205Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は洗面化粧台や流し台等に用いられる熱
硬化性樹脂化粧板を主材とする水槽付き天板に関
するものであり、天板開口部の外観が美麗で水仕
舞いが良く、また天板の意匠性に優れており、し
かも製作が簡易で経済的に優れた新規な水槽付き
天板を提供するものである。

従来の熱硬化性樹脂化粧板を貼着した水槽付き
天板は、主材に0.8mmから1.2mm厚のポストフオー
ムメラミン樹脂化粧板を使用し、少なくともその
前端部にポストフオーム曲げ加工を施した天板の
開口部にステンレス製のリングを用いて水槽を固
定するものであつた。

第１図は上記従来の水槽付き天板の縦断面図を
示すものであり、合板基材イにポストフオームメ
ラミン樹脂化粧板ロを曲げ加工して貼着した天板
の開口部ハにステンレス製のリングニと取付け金
具ホとを使つて水槽ヘを装着して成るものであ
る。

しかし、上記水槽付き天板は裏面にステンレス
製のリングニが突出しているため化粧板とリング
との接合部トに汚れや水滴が付着停留しやすく、
拭き取り性が悪いという欠点の他、ステンレス製
のリングや、複雑な取付け金具が必要なため経済
性が低いという欠点があつた。更に天板の前端部
はポストフオームメラミン化粧板の曲げ加工によ
つて仕上げられているため単純で半径の大きな円
弧形状しかできず意匠性が劣るという欠点があつ
た。

本考案は上記従来の欠点を解消するもので、要
約すれば天板の開口部の裏面に接着性耐水樹脂層
を介して水槽フランジ部を接合し、この天板の裏
面と前記水槽フランジ部とに水槽取り付け具を装
着して成る水槽付き天板において、前記天板が水
槽フランジ部の外周縁よりも小さな開口部を有す
る厚さが2.5mm以上の熱硬化性樹脂化粧板と、水
槽フランジ部の外周縁よりも大きく且つ相応した
形状の開口部を有する木質系基材とを貼着して構
成され、該天板の前端部は木質系基材に貼着され
た前記熱硬化性樹脂化粧板の突出部裏面と木質系
基材の前端面とに木質材が貼着された前記化粧板
突出部と木質材とが切削された加工面を形成し塗
装仕上げされて成る水槽付き天板を提供するもの
である。

以下本考案の実施例を図面に基づいて具体的に
説明する。まず第２図は本考案による水槽付き天
板、例えば陶器製洗面ボール付き天板の斜視図を
示すものであり、第３図は該天板のＡ−A′縦断
面図を示すものである。また、第４図は該天板の
ボール取付部分の拡大縦断面図を示すものであ
る。この陶器製洗面ボール付き天板は、陶器製洗
面ボール１の水槽フランジ部２の外周縁３よりも
小さな化粧板開口部４を有する３mm厚メラミン樹
脂化粧板５が水槽フランジ部の外周縁３よりも大
きく且つ相応した形状の合板開口部６を有する合
板基材７に貼着されており、前記メラミン樹脂化
粧板の開口部裏面８に形成されたシリコーン樹脂
充填剤層９を介して前記水槽フランジ部２が接合
され、該フランジ部裏面１０とこれに隣接する合
板開口部６の裏面１１とに水槽取付け具１２が装
着されて陶器製洗面ボール１が天板に取付けられ
ている。更に本実施例においては該天板の前端部
は合板基材７に貼着された３mm厚メラミン樹脂化
粧板５の突出部裏面１３と合板基材７の前端面１
４とに合板基材の厚みより幅の広い天然木１５が
貼着され前記化粧板突出部と天然木とが切削され
て曲面形状１６を有する装飾面が形成され、しか
も該天然木の木目を生かしたクリヤー塗装が施こ
されて成る陶器製洗面ボール付き天板である。な
お本実施例においては天板の後端面にバツクガー
ド１７が取付けられている。次に第５図は本考案
の他の実施例であるステンレス製水槽付き流し台
用天板の斜視図を示すものであり、第６図は該天
板のＢ−B′縦断面図を示すものである。このス
テンレス製水槽付き流し台用天板はステンレス製
水槽１８の水槽フランジ部１９の外周縁２０より
も小さな化粧板開口部２１を有する５mm厚メラミ
ン樹脂化粧板２２が該フランジ部の外周縁２０よ
りも大きく且つ相応した形状の合板開口部６を有
する合板基材７に貼着されており、前記メラミン
樹脂化粧板の開口部裏面に形成されたシリコーン
樹脂充填剤層９を介して前記水槽フランジ部１９
が接合され、該フランジ部１９の裏面とこれに隣
接する合板開口部６の裏面とに水槽取付け具１２
が装置されてステンレス製水槽１８が天板に取付
けられている。また本実施例においては該天板の
前端部の５mm厚メラミン樹脂化粧板２２の突出部
裏面２３と合板基材の前端面１４とに合板基材と
同厚のフアイバーボード２４が貼着され、前記化
粧板突出部とフアイバーボードとが切削されて複
雑な曲面形状２５が形成され該化粧板と同色の着
色塗装が施こされて成るステンレス製水槽付き流
し台用天板である。なお本実施例においてはフア
イバーボード２４の下部に更に該化粧板と同色の
幕板部材２６が取付けられているものである。

以上図面に基づいて説明したように本考案の水
槽付き天板は厚さが2.5mm以上の熱硬化性樹脂化
粧板の開口端面のみが水槽の上部に位置する所謂
アンダーシンク構造であるため、天板開口部の外
観がきわめてすつきりとし美麗となるという特徴
を有するほか、天板の上面に突起物がないので汚
れや水滴が付着停留しにくくまた仮に汚れても拭
き取り性がきわめて良好であるという特徴を有す
る。しかも水槽の取付けに際しては従来のような
ステンレス製のリングや複雑な構造の取付け金具
を必要としないので製作が簡易で経済性に優れる
という特徴を有する。更に本考案の天板はその前
端部に木質材を貼着し前記熱硬化性樹脂化粧板と
木質材とを切削加工し塗装仕上げするものである
ため、天板の前端部には刃物の形状に応じて簡潔
な形状から複雑な形状まで任意の外観が得られる
のできわめて意匠性に優れた天板になるという特
徴を有するものである。

次に、本考案でいう熱硬化性樹脂化粧板とは例
えばメラミン樹脂化粧板、ジアリルフタレート樹
脂化粧板、ポリエステル樹脂化粧板等の他、表面
にステンレス箔、アルミニウム箔等の金属箔を用
い基材部にフエノール樹脂プレプリグ等を用いて
熱圧プレスした所謂金属箔化粧板等も含むものと
する。また、これらの熱硬化性樹脂化粧板の厚み
は強度面及び製造上の理由から2.5mm以上である
ことが必要であり、望ましくは３mmから５mmの熱
硬化性樹脂化粧板を使用するのがよい。次に該化
粧板の裏面に貼着する木質系基材とは例えば合
板、パーチクルボード、フアイバーボード等をい
う。また該化粧板開口部裏面と水槽フランジ部と
の間に設ける接着性耐水樹脂とは例えばシリコー
ン樹脂充填剤のようなコーキング剤の他、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂のよう
な合成樹脂をいう。次に水槽を天板に接合させる
際に使用する水槽取付け具の構造、形態等につい
ては何ら限定するものではなく例えば第７図の斜
視図に示す如くＬ型具の実施態様のものがある。
また天板の前端部に貼着する木質材とはその種類
について何ら限定するものではないが、切削加工
後クリヤー塗装仕上げを行なう場合は単材、集成
材等の天然木を使用するのが望ましく、着色塗装
を施こす場合は天然木の他、平行合板、フアイバ
ーボード等を使用してもよい。更に該木質材の切
削形状については本実施例の曲面形状に限定され
るものではない。次に本考案に使用する水槽の種
類、材質については何ら限定するものではなく、
本実施例に示した洗面ボールあるいは流し台用水
槽の他、洗濯用水槽、手洗い用水槽等何でもよ
い。また材質はステンレス、アルミニウム、ホー
ロー等の金属製水槽、FRP、ポリエステル、ア
クリル等の合成樹脂製水槽の他、陶器製水槽等何
でもよい。

以上説明したように本考案による水槽付き天板
は水槽フランジ部の外周縁よりも小さな開口部を
有する厚さが2.5mm以上の熱硬化性樹脂化粧板が
前記水槽フランジ部の外周縁よりも大きく且つ相
応した形状の開口部を有する木質系基材表面上に
貼着されており、前記熱硬化性樹脂化粧板の該開
口部の裏面に形成された接着性耐水樹脂層を介し
て接合された水槽フランジ部の裏面と前記木質系
基材の該開口部の裏面とに水槽取付け具が装着さ
れて水槽が天板に取付けられていることを特徴と
しているので、天板開口部の外観が美麗で汚れの
拭き取り性がよく水仕舞いに優れるという利点が
ある。また、この天板の前端部には木質材が貼着
され熱硬化性樹脂化粧板と同時に切削された加工
面を形成し塗装仕上げされていることを特徴とし
ているので、任意の形状、色調で仕上げることが
可能で極めて意匠性に優れるという利点がある。
しかも、天板の開口部及び前端部の加工は例えば
ルーター等で切削するだけでよいという特徴を有
するので製造方法が簡易で経済性にも優れるとい
う大きな利点があるなど実用上きわめて有用なも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の水槽付き天板の縦断面図を示す
ものである。 この図において、イ……合板基材、ロ……ポス
トフオームメラミン樹脂化粧板、ハ……天板の開
口部、ニ……ステンレス製のリング、ホ……取付
け金具、ヘ……水槽、ト……化粧板とリングとの
接合部。 第２図は本考案による水槽付き天板の実施例を
示す斜視図であり、第３図は第２図の水槽付き天
板のＡ−A′断面を示す縦断面図であり第４図は
第３図の部分拡大縦断面図である。また第５図は
本考案による水槽付き天板の他の実施例を示す斜
視図であり、第６図は第５図の水槽付き天板のＢ
−B′断面を示す縦断面図である。第７図は本考
案に用いる水槽取付け具の一例であるＬ型具の実
施態様を示す斜視図である。 これらの図において、１……陶器製洗面ボー
ル、２……水槽フランジ部、３……水槽フランジ
部の外周縁、４……化粧板開口部、５……３mm厚
メラミン樹脂化粧板、６……合板開口部、７……
合板基材、８……メラミン樹脂化粧板の開口部裏
面、９……シリコーン樹脂充填剤層、１０……水
槽フランジ部裏面、１１……合板開口部の裏面、
１２……水槽取付け具、１３……３mm厚メラミン
樹脂化粧板の突出部裏面、１４……合板基材の前
端面、１５……天然木、１６……曲面形状、１７
……バツクガード、１８……ステンレス製水槽、
１９……水槽フランジ部、２０……水槽フランジ
部の外周縁、２１……化粧板開口部、２２……５
mm厚メラミン樹脂化粧板、２３……５mm厚メラミ
ン樹脂化粧板の突出部裏面、２４……フアイバー
ボード、２５……曲面形状、２６……幕板部材で
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天板の開口部の裏面に接着性耐水樹脂層を介し
   て水槽フランジ部を接合し、この天板の裏面と前
   記水槽フランジ部とに水槽取付け具を装着して成
   る水槽付き天板において、前記天板が水槽フラン
   ジ部の外周縁よりも小さな開口部を有する厚さが
   2.5mm以上の熱硬化性樹脂化粧板と、水槽フラン
   ジ部の外周縁よりも大きく且つ相応した形状の開
   口部を有する木質系基材に貼着して構成され、該
   天板の前端部は木質系基材に貼着された前記熱硬
   化性樹脂化粧板の突出部裏面と木質系基材の前端
   面とに木質材が貼着され、前記化粧板突出部と木
   質材とが切削された加工面を形成し塗装仕上げさ
   れて成る水槽付き天板。