JPS6332085Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、使いすておむつの締結片に関する。

従来、使いすておむつにおいてその背側ウエス
ト部の両側端に粘着テープ・テープフアスナーな
どと称される締結片が取り付けられたものが実用
に供されているが、本考案者らは、この種の締結
片として好適なものを既に実願昭57−189798など
において提案している。

この提案にかかる締結片は、実質的に非延伸性
の基材からなるものであつたが、本考案の目的
は、その提案にかかる締結片の所要部分に延伸性
を付与することにより、幼児の動きに対応できる
ように改良した締結片を提供することにある。

さらに詳述すると、一般におむつは幼児を上向
きに寝かしおむつのウエスト部分を締め付けて装
着するが、その状態で幼児が起つたときには幼児
のウエスト寸法が大きくなり、座つたときにはさ
らに大きくなる。したがつて、幼児を寝かした状
態でおむつのウエスト部分をぴつたり締め付ける
と、幼児の起座部のウエスト寸法におむつのウエ
スト部分寸法が合わず、そのため該ウエスト部の
裏面シートがこれに取り付けられた締結片により
強く引張られて延伸変形を起したり、破損した
り、あるいは幼児のウエストが強く締め付けられ
て幼児のウエストがおむつのウエスト部分にかぶ
さるようになつたりするなどの欠点がある。本考
案は、このような欠点をなくすことができる締結
片を備える使いすておむつを提供することにあ
る。

前記目的を達成するための本考案の構成要旨と
するところは、使いすておむつの背側ウエスト部
の両側端に一端が固定されて取り付けられた締結
片において、前記締結片は、その基材が前記おむ
つの使用時に幼児の肌側に面する実質的に非易延
伸性の表面ウエブと非肌側に面する易延伸性の裏
面ウエブとからなり、前記固定端から自由端へ順
次に少なくとも離型部分と不使用時に折り返され
て該離型部分に仮着される粘着部分と非粘着摘持
部分とを有するとともに、該離型部分と該粘着部
分とは前記表面ウエブに設けられ、前記表面ウエ
ブは、前記粘着部分と前記非粘着摘持部分とを除
く他の部分の少なくとも一部分において、該一部
分に位置する前記裏面ウエブの当該部分の延伸時
の長さに追随しうる長さの弛み部分を有すること
を特徴とする前記締結片に存する。

さらに本考案を図面に示す実施態様にもとづい
て説明すると、以下のとおりである。

おむつ１の背側ウエスト部２の両側端には、締
結片３の一端が固定されることにより取り付けら
れている。締結片３の基材４は、実質的に非易延
伸性の表面ウエブ５と、易延伸性の裏面ウエブ６
とからなる。表面ウエブ５は、好ましくは繊維結
合材が用いられていない不織布からなる。裏面ウ
エブ６は、好ましくはポリエチレン・ポリエステ
ル・塩ビ・ゴム系などの熱可塑性のプラスチツク
フイルムで、伸度が20％以上、好ましくは50％以
上のものからなる。このようなプラスチツクフイ
ルムは、もとより100％元の状態に収縮しないが、
一定時間内に一定の収縮性を示すものであり、こ
のようなものが好ましい。プラスチツクフイルム
の材質によつては、これに第４図に示すように多
数の孔７が付与され、易延伸性が高められている
ものが用いられることもある。表面ウエブ５と、
裏面ウエブ６とは、後記一部分を除いて部分的に
接着されることにより接合されている。ここで部
分的接着とは、接着パターンが点状・線状・縞
状・格子状などで、表面ウエブ５と裏面ウエブ６
との接触内面全体が面状に接着していないことを
意味し、これにより基材４の所要部分の剛性が所
要以上に高くならないようにされている。一方、
基材４の一端は、裏面ウエブ６側へ折り重ねられ
るとともに、折り重ね部分８の各層が一体に接着
され、折り重ね部分８がその他の部分よりも剛性
が高くなるようにされている。表面ウエブ５と裏
面ウエブ６、折り重ね部分８の各接着は、熱溶
着・超音波溶着・接着剤などの手段によりなされ
るが、とくにその手段は問われない。このような
基材４は、折り重ね部分８の反対端がおむつ１の
ウエスト部２に前記同様の手段で接着されること
により取り付けられている。また、おむつ１を幼
児に装着するために締結片３を引張つた際に裏面
ウエブ６の一部分が延伸する長さに追随しうる長
さにわたつて、具体的には、裏面ウエブ６の当該
部分の延伸降伏点以下の長さになるように表面ウ
エブ５に弛み部分９が設けられている。この弛み
部分９は、第２図に示すようにギヤザーを付与さ
れ、必要に応じてその一部分が裏面ウエブ６に接
着されていてもよく、あるいは第３図に示すよう
に単に表面ウエブ５が裏面ウエブ６に接着されな
いままの状態にされていてもよい。

基材４においては、折り重ね部分８の表面ウエ
ブ５にその外端部分を残して公知の粘着剤処理層
１０ａによる粘着部分１０が、その内側の非折り
重ね部分の表面ウエブ５に公知の離型剤処理層１
１ａによる離型部分１１が設けられ、前記外端部
分が非粘着摘持部分１２とされ、かつ離型部分１
１の内側端と、基材４のウエスト部２の外側端と
の間がウエストバンド部分１３とされている。ち
なみに、おむつ１の大きさ・ウエスト部２の幅や
幼児の大きさや裏面ウエブ６の延伸長さによつて
は、離型部分１１が幼児の肌に接することもあ
り、この部分もウエストバンドとしての機能を有
することはいうまでもない。なお、粘着部分１０
は、締結片３の使用時には、折り返されて離型部
分１１に仮着される。

以上のように構成された本考案によれば、締結
片の裏面を構成する裏面ウエブが易延伸性を有
し、同じく表面を構成し非易延伸性を有する表面
ウエブは、粘着部分と非粘着部分とを除く他の部
分の少なくとも一部分において、該一部分に位置
する前記裏面ウエブの当該部分の延伸時の長さに
追随しうる長さの弛み部分を有するから、前記裏
面ウエブはその弛み部分だけ自由に延伸すること
ができる。したがつて、こうした締結片を背側ウ
エスト部に有するおむつは、そのウエスト部全体
が締結片の伸縮部を介して伸縮し、そのウエスト
部が幼児のウエスト回りの動きに対応し、既述の
従来の欠点をなくすことができる。

また、締結片における離型部分と粘着部分と
は、前記非易延伸性を有する表面ウエブに設けら
れているため、該表面ウエブが延伸することによ
る、該離型部分に対する該粘着部分の仮着安定性
およびおむつの前側ウエスト部に対する該粘着部
分の接着安定性の低下を来すことがなく、かつ同
時に、該粘着部分と非粘着摘持部分とは、前記弛
み部分以外の部分に設けられているため、該前側
ウエスト部に対する該粘着部分の接着安定性およ
び該非粘着摘持部分の摘持による締結片の操作性
の低下を来すことがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を示すもので、第１図
は平面図、第２図・第３図は第１図Ａ−Ａ線に沿
う締結片の各態様の拡大断面図、第４図は締結片
の一部分を構成する裏面ウエブの部分平面図であ
る。 １……おむつ、２……ウエスト部、３……締結
片、４……基材、５……表面ウエブ、６……裏面
ウエブ、８……折り返し部分、９……弛み部分、
１０……粘着部分、１１……離型部分、１２……
非粘着摘持部分。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 使いすておむつの背側ウエスト部の両側端に
   一端が固定されて取り付けられた締結片におい
   て、 前記締結片は、その基材が前記おむつの使用
   時に幼児の肌側に面する実質的に非易延伸性の
   表面ウエブと非肌側に面する易延伸性の裏面ウ
   エブとからなり、 前記固定端から自由端へ順次に少なくとも離
   型部分と不使用時に折り返して該離型部分に仮
   着される粘着部分と非粘着摘持部分とを有する
   とともに、該離型部分と該粘着部分とは前記表
   面ウエブに設けられ、 前記表面ウエブは、前記粘着部分と前記非粘
   着摘持部分とを除く他の部分の少なくとも一部
   分において、該一部分に位置する前記裏面ウエ
   ブの当該部分の延伸時の長さに追随しうる長さ
   の弛み部分を有することを特徴とする前記締結
   片。 (2) 表面ウエブは不織布からなる実用新登録請求
   の範囲第１項記載の使いすておむつの締結片。 (3) 裏面ウエブはプラスチツク・ゴム系などの熱
   可塑性のフイルムのいずれかからなる実用新登
   録請求の範囲第１項記載の使いすておむつの締
   結片。 (4) 粘着分部と非粘着摘持部分とは基材の自由端
   が裏面ウエブ側へ折り重ねられているとともに
   該折り重ね部分が接着され、かつ該折り重ね部
   分に粘着部分と非粘着摘持部分とが設けられて
   いる実用新登録請求の範囲第１項記載の使いす
   ておむつの締結片。 (5) 基材を構成する裏面ウエブの伸度は20％以上
   である実用新登録請求の範囲第１項記載の使い
   すておむつの締結片。