JPS6331801Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ロール圧延機に種々の洋食器（以下
ワークと呼ぶ）（スプーン，フオークなどの洋食
器の地抜き材）を自動的に確実に且つワークに疵
を付けずに能率良く供給し得るロール圧延機にお
ける洋食器の自動分離供給装置に係るものにし
て、一実施例を示す添付図面を参照にしてその構
成を詳述すると次の通りである。

ロール圧延機ａの側方に隣設する機台１の上方
に先下り状態に傾斜して設けられ、多数個のワー
ク２を自重によつて首吊り状態で整列給送する２
個のシユート３と，このシユート３の先端部左右
両側にエスケープ用シリンダー７のシリンダーロ
ツドに１枚のワーク２両側両を圧接挾持するフイ
ンガー１０を連結し、且つシユート３の先端部前
方にカム機構により待避回動するエスケープ杆９
を設け、このエスケープ杆９の先端部を、前記左
右のフインガー１０でワーク２の両側面を挾持し
たとき最先位置のワーク２の表面よりワーク２の
厚み分だけ離れた位置まで回動するように設け、
更にシユート３の中程部側方にワーク２の側面を
押圧して自走を阻止するストツパー用シリンダー
４０を設けたエスケープ機構ｂと，機台１に、ス
プライン軸状の供給杆４を左右スライド自在で且
つ廻動自在に横設し、この供給杆４を供給用シリ
ンダー２４及びカム機構により左右スライドせし
めると共に所定角度廻動せしめる駆動機構ｃと，
この供給杆４の先端部に固着され、ワーク２を真
空吸着する吸着パツド６とワーク２の反対端部を
支承するワークガイド板２８とを付設した供給腕
杆５とで構成され、２個のシユート３間に首吊り
状態で整列給送されてくるワーク２を前記エスケ
ープ機構ｂにより分離せしめ、分離された１個の
ワーク２を前記供給腕杆５の往回動動作によつて
吸着パツド６で吸着し、該供給腕杆５の戻回動動
作及びワークガイド板２８によつてワーク２を水
平状態に吸着支承し、この状態で前記供給用シリ
ンダー２４により供給腕杆５をスライド前進させ
て、ワーク２をロール圧延機ａまで供給すること
を特徴とするものである。

以下詳細に説明する。

本図のエスケープ機構ｂは、エスケープ用シリ
ンダー７とカム盤８により作動せしめられるエス
ケープ杆９とにより動作するもので、エスケープ
用シリンダー７のシリンダーロツドに連結したフ
インガー１０がワーク２の両側面を圧接挾持して
ワーク２の自走即ちシユート３よりの離脱を阻止
し、またエスケープ用シリンダー７を引動せしめ
ればこの圧接挾持状態を解除してワーク２は自走
するようにしたもので、このときワーク２の厚み
分だけの間隙を置いた位置にエスケープ杆９の先
端を臨ましめている。

而してワーク２は１個だけ分離され、そして再
びエスケープ用シリンダー７を押動せしめてワー
ク２を圧接挾持し、そしてエスケープ杆９を逃が
した状態で取り出し、この作動を繰り返せばワー
ク２は１個ずつ分離されることになる。

本図の供給杆４はスプライン軸に依るもので、
この供給杆４を軸受板１１，１１’で廻動自在且
つ左右スライド自在に軸受したものである。

駆動機構ｃは、供給腕杆５を所定角度廻動せし
める機構と，供給杆４を左右スライドせしめる機
構と，エスケープ機構ｂと協働するエスケープ杆
９の作動機構とより成るものである。

供給腕杆５を所定角度廻動せしめる機構は、モ
ーター１２により廻動せしめられる減速機１３の
出力軸にカム盤８を固着し、このカム盤８にバネ
１５により圧接せしめられるカムローラー１６を
付設して枢軸１７を中心として揺動するレバー１
８の先端と，供給杆４に対して廻り止め状態で且
つ左右スライド自在に被嵌した作動盤１９とを両
面にロツドエンド２０を固着した連結杆２０で連
結し、カム盤８の廻動により所定のタイミングで
供給杆４の左右スライド動作に支障なく供給杆４
を所定角度廻動せしめるものである。

従つて供給杆４の先端に供給腕杆５を固着して
いるから、供給腕杆５は所定角度廻動することに
なる。

供給杆４を左右スライドせしめる機構は、軸受
板１１，１１′間にスライド杆２２，２２′を架設
し、このスライド杆２２，２２′に供給杆４に遊
嵌したスライド板２３をスライド自在に装設し、
このスライド板２３に供給用シリンダー２４のシ
リンダーロツドを固着し、スライド板２３を供給
杆４に固着したカラー２５，２５′で挾装したも
ので、供給用シリンダー２４を作動せしめるとス
ライド板２３はスライド杆２２，２２′に沿つて
左右スライドし、且つ供給杆４の廻動に支障がな
い。

更にスライド板２３にガイド板２６を固着し、
このガイド板２６に連板２７を介在せしめてワー
ク２の基部を載置するワークガイド板２８を連設
している。

従つてスライド板２３の左右スライド即ち供給
腕杆５のスライド動作と共にワークガイド板２８
もスライドすることになる。

尚、ガイド板２６の先端と供給杆４の先端とに
両端にロツドエンド２９を固着した連杆３０で連
結し、且つ機台１よりガイド板２６の下面を支障
するローラー３１を突設している。

これはガイド板２６のスライド動作を安定良く
スムーズにするためである。

エスケープ機構ｂと協働するエスケープ杆９の
作動機構は、バネ３２によりカム盤８に圧接せし
められたカムローラー３３を付設して枢軸３４を
中心に揺動するレバー３５と，一端にエスケープ
杆９を固着し、他端にレバー３５に連結した連杆
３６に固着して枢軸３７を中心に揺動するレバー
３８とより成るものである。

尚符号３９はレバー１８に当接せしめて供給杆
４の廻動角度即ち、供給腕杆５の廻動角度を調節
するストツパーボルトである。

符号４１はカム盤８の原点を検出するリミツト
スイツチである。

符号４２はロール圧延機ａのワーク保持具であ
り、本体ペンチのような形状である。

ロール圧延機ａについて概略説明すると、ワー
ク保持具４２でチヤツキングしたワーク２を上下
２段に両者が当接するように横架した圧延ローラ
１４間に挿入してワーク２の圧延作業を行うもの
である。

尚このワーク保持具４２は四角形軌跡運動を行
い、即ち前進，左方移動，後退，右方移動の一連
の挙動を行い、左方移動時に圧延作業を行うもの
である。

且つ右方移動時にワーク保持具４２は反転す
る。

一連の圧延サイクルはカウンターにより設定し
た回数だけ繰り返す。

次に本考案の作動について第５図に基づいて説
明すると次の通りである。

スイツチ（図示は省略）をONにすると（自動
運転時はロール圧延機ａよりの終了信号に頼る。）
モーター１２によりカム盤８は回転せしめられ
る。（第１図参照） と同時にエスケープ用シリンダー７が引動せしめ
られ、エスケープ杆９に当接するまで、即ちワー
ク２の厚み分だけ自走し、そして再びエスケープ
用シリンダー７は押動せしめられてワーク２の両
側面を圧接挾持する。

即ちワーク２は１個分離されたことになる。

そして供給腕杆５はカム盤８によりレバー１
８，連結杆２１，作動盤１９を介して供給杆４が
廻動せしめられることにより所定角度の上向き動
作を行なうことになる。

上向き動作限で吸着パツド６がワーク２に当接
し、と同時に吸着パツド６がワーク２を吸着する
ことになる（第４図参照） そしてエスケープ杆９は、カム盤８によりレバ
ー３５，レバー３８，連杆３６を介して動作し、
ワーク２より逃がしめられる。

そしてワーク２を吸着したままで供給腕杆５は
逆に下向き動作し、ワーク２の基部がワークガイ
ド板２８に載置され、元の位置に戻る。

と同時にエスケープ杆９はワーク２の厚み分だけ
離れた位置まで揺動する。

ここまでがカム盤８の一廻転により行われる挙
動でこの一廻転をリミツトスイツチ４１が検出し
てカム盤８は廻転を停止する。

即ちシユート３上のワーク２はエスケープ機構
ｂにより１個だけ分離され、供給腕杆５が上向き
動作して吸着パツド６により吸着し、そして供給
腕杆５が下向き動作してシユート３上のワーク２
を取り出し得たことになる。

そして、カム盤８が停止すると同時に供給用シ
リンダー２４が作動して供給杆４は右方に前進
し、ワーク２をロール圧延機ａのワーク保持具４
２まで供給する。（第２図参照） するとワーク保持具４２はこれを待機して挾持
する。この状態で吸着パツド６の吸着力は解かれ
る。

そして供給用シリンダー２４が作動して供給杆
４は左方に後進することになる。

この供給杆４の後退限を検出すると、ロール圧
延機ａ側が作動し、ワーク保持具４２は四角形軌
跡運動を行つてワーク２は圧延ローラ１４により
圧延されることになる。

従つてワーク２はシユート３上より一連の作動
を経てワーク保持具４２に自動供給され、そして
圧延作業されることになる。

これで作動の説明を終わる。

従来のワークの供給型式は、多数個のワークを
何段にも積み重ね、そして最下位置のワークをシ
リンダーなどにより押して分離し、そのままロー
ル圧延機のワーク保持具まで供給していたが（俗
称マガジン式）、ワークを分離させるとき最下位
置のワークとその上のワークとが互いに擦れるこ
とになり、ワークはプレスなどにより打抜かれた
地抜き材であるため、このプレスによるバリなど
に因り、而かもワークの相当な自重も相まつてワ
ークに疵を付けることがあり、この疵はワークの
表面に付けられるので致命的な欠陥となり製品の
商品価値を著しく低下させ、且つ高速でプレス製
造されてくるワーク（素材）を高能率に処理して
ロール圧延機まで供給するために、正確な分離・
供給動作が要求される。

本考案はこのような諸種の問題に着目し、正確
に而かも高能率で素材をロール圧延機に供給しよ
うとするもので上述のように構成したから、２個
のシユート３間に多数個のワーク２を補給すれば
このシユート３上を自走して多数個のワーク２は
シユート３上に整列し、最先位置のワーク２はエ
スケープ用シリンダー７の作動によるフインガー
１０の突出動作によつて両側面が圧接挾持されて
いるので、ワーク２はシユート３上で整列状態で
自走可能状態で待機し、そして待避回動していた
エスケープ杆９がカム機構により最先位置のワー
ク２の表面よりワーク２の厚み分だけ離れた位置
まで回動位置し、するとエスケープ用シリンダー
７が逆作動してフインガー１０が後退し、フイン
ガー１０はワーク２の両側面より離反し、しこう
してワーク２はエスケープ杆９に当接するまで自
走して停止し、そしてフインガー１０が再び前進
して最先位置の次のワーク２の両側面を圧接挾持
して該ワーク２及び該ワーク２上方のワーク２の
自走を阻止し、よつてシユート３上に整列された
多数個のワーク２より最先位置のワーク２１個の
みを切離して分離することになり、そして駆動機
構ｃのカム機構により供給杆４が回動して供給腕
杆５はシユート３先端部に向けて往回動し、吸着
パツド６はワーク２表面に密着して、該吸着作用
でワーク２を吸着し、そしてエスケープ杆９は待
避して取出しに邪魔にならないよう側方に位置
し、のち供給腕杆５は戻回動動作してワーク２を
吸着パツド６とワークガイド板２８とで水平状態
に支承し、この状態で供給用シリンダー２４の作
動により供給杆４を介して供給腕杆５をスライド
前進させ、ロール圧延機ａのワーク保持具４２に
供給し、ワーク保持具４２がワーク２を挾着し
て、ワーク２をロール圧延機ａに供給し終える
と、供給用シリンダー２４により供給腕杆５はス
ライド後退し、原位置に復帰し、且つ前記のエス
ケープ機構ｂの作動はこの作動中に行われて１個
のワーク２は分離され待機することになり、この
作動が繰り返されて順次自動的に高能率でワーク
２をロール圧延機ａまで供給し得ることになる。

この際、該エスケープ機構ｂには、シユート３
の中程部側方に位置してストツパー用シリンダー
４０が設けられているから、多数本のワーク２の
全体の自走自重のうち、ストツパー用シリンダー
４０よりも上方に位置するワーク２の自走自重
を、シユート３先端部のエスケープ機構ｂに掛け
ないことになり、それだけ洋食器素材という分離
の難しいワーク２であつても確実に１個宛分離し
得ることになり、それだけ供給動作を正確にする
と共に、特に廻動且つスライド動作する吸着パツ
ド６によつて分離されたワーク２を取出し、ロー
ル圧延機ａに供給するように構成しているから、
従来のマガジン式のようにワーク２間で擦れ合う
ことが無く、且つ全ての供給動作中においてもワ
ーク２間での擦れ合いが無く、しこうしてワーク
２表面は何ら他との接触がないので、全く疵のな
い、表面がきれいな、商品価値の高い製品を製作
し得ることになる。

更には、ワーク２は吸着パツド６とワークガイ
ド板２８とで支承されているから、供給給送途中
でのワーク２の支承保持が良好となり、それだけ
一層確実にワーク２の供給動作が行い得ることに
なる。また更には、一連の供給挙動を行う供給腕
杆５の作動を単一の供給杆４の動作で行うように
しているから、例えば個々の複数個の複合運動
（廻動及び左右スライドなど）を各運動に分解し
てその夫々の機構を合体したものに比して著しく
スピード化，高能率化，機構の簡素化を計ること
が出来、而かもそれだけ確実な供給挙動が得ら
れ、より実用的価値が向上することになる。

また自走シユート３を採用しているので、他の
整送手段に比べて遥かに簡素化され、これは上述
のエスケープ機構ｂ，上述の駆動機構ｃ及び吸着
パツド６・ワークガイド板２８を有する供給腕杆
５で一体不可分に構成したからこそ採用できるこ
とで、而かも全体が簡素な構成であるため、それ
だけ安価に製作し得ることになると共に、保守保
全も容易となりより一層実用的価値が向上するこ
とになる。

以上のように本考案によれば、ロール圧延機に
種々の洋食器（以下ワークと呼ぶ）（スプーン，
フオークなどの洋食器の地抜き材）を自動的に確
実に且つワークに疵を付けずに供給し得る等の秀
れた実用上の効果を奏するロール圧延機における
洋食器の自動分離供給装置を提供することとな
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものにして、第
１図は全体平面図、第２図は作動状態を示す部分
平面図、第３図は第１図のＡ−Ａ線断面矢視図、
第４図は作動状態を示す部分側面図、第５図はタ
イミング線図である。 ａ……ロール圧延機、ｂ……エスケープ機構、
ｃ……駆動機構、１……機台、２……ワーク、３
……シユート、４……供給杆、５……供給腕杆、
６……吸着パツド、７……エスケープ用シリンダ
ー、９……エスケープ杆、１０……フインガー、
２４……供給用シリンダー、２８……ワークガイ
ド板、４０……ストツパー用シリンダー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロール圧延機の側方に隣設する機台の上方に先
   下り状態に傾斜して設けられ、多数個のワークを
   自重によつて首吊り状態で整列給送する２個のシ
   ユートと、このシユートの先端部左右両側にエス
   ケープ用シリンダーを対向状態に付設し、このエ
   スケープ用シリンダーのシリンダーロツドに１枚
   のワーク両側面を圧接挾持するフインガーを連結
   し、且つシユートの先端部前方にカム機構により
   待避回動するエスケープ杆を設け、このエスケー
   プ杆の先端部を、前記左右のフインガーでワーク
   の両側面を挾持したとき最先位置のワークの表面
   よりワークの厚み分だけ離れた位置まで回動する
   ように設け、更にシユートの中程部側方にワーク
   の側面を押圧して自走を阻止するストツパー用シ
   リンダーを設けたエスケープ機構と、機台に、ス
   プライン軸状の供給杆を左右スライド自在で且つ
   廻動自在に横設し、この供給杆を供給用シリンダ
   ー及びカム機構により左右スライドせしめると共
   に所定角度廻動せしめる駆動機構と、この供給杆
   の先端部に固着され、ワークを真空吸着する吸着
   パツドとワークの反対端部を支承するワークガイ
   ド板とを付設した供給腕杆とで構成され、２個の
   シユート間に首吊り状態で整列給送されてくるワ
   ークを前記エスケープ機構により分離せしめ、分
   離された１個のワークを前記供給腕杆の往回動動
   作によつて吸着パツドで吸着し、該供給腕杆の戻
   回動動作及びワークガイド板によつてワークを水
   平状態に吸着支承し、この状態で前記供給用シリ
   ンダーにより供給腕杆をスライド前進させて、ワ
   ークをロール圧延機まで供給することを特徴とす
   るロール圧延機における洋食器の自動分離供給装
   置。