JPS6331709Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、コロナ放電によつて誘起されるイオ
ン風を利用して、清浄処理空気の吸排気を行なう
イオン風式電気集塵器に関するものである。

〔考案の背景〕

従来のこの種のイオン風式電気集塵器として、
例えば第９図に示すようなものがある。このイオ
ン風式電気集塵器は、イオン化線即ち放電線１
と、平行に隔設された集塵極板２と、その集塵極
板２の相互間に位置されている放電極板３と、高
圧直流電源４とを有し、その高圧直流電源４を投
入することにより、放電線１と集塵極板２との間
に生じるコロナ放電により、イオン風が誘起され
て、放電線１から放向極板３に向う気流が生じ
る。この気流により、空気中の塵埃は、この集塵
器内に吸入された後、放電線１のコロナ放電によ
り、に帯電し、集塵極板２の内側面に付着され
て集塵されるものであるが、このときの集塵極板
２の内側面における放電線１の近傍において帯電
力が強いために、この辺縁部２ａに粗大な塵埃が
集中吸着されてしまい、これが原因で比較的短期
間に逆コロナが発生して安定したコロナ放電（イ
オン風）が長期に亘つて継続できない。また前記
集塵極板２の辺縁部２ａに堆積する塵埃の粒子が
例えば糸くず、綿ぼこり等の粗大なものであると
きには、これらの糸くず等が放電線１に接触し
て、放電線１を損傷し耐久性を低下させるという
問題点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、このような従来の問題点に着目して
なされたもので、隔設される双方の集塵極板間に
配置する対向極板の吸気側端縁部に、切起し又は
打抜きによつて形成される放電電極を形成すると
共に、この対向極板の排気側端縁部に線状の放電
電極を設けて、十分なイオン風速を生起せしめる
ことができると共に、放電線の切損を防止し、耐
久性を向上せしめることができるイオン風式電気
集塵器を提供することを目的とするものである。

〔考案の実施例〕

以下に本考案を第１図乃至第８図に示す実施例
に基いて詳細に説明するが、本実施例における構
造部分と、従来例で示した構造部分との同一部材
は、従来例で引用した符号を付してその構造説明
は省略する。

実施例 第１図乃至第５図において、双方の集塵極板
２，２相互間に、対向極板６を、その集塵極板
２，２と平行に配置せしめたものであるが、この
対向極板６は、次の如き構成である。即ち平板状
の極板本体６ａと、この極板本体６ａの吸気側端
縁６ｂに形成された鋸歯形状の吸気口側放電電極
６ｃと、上記極板本体６ａの排気口側端部６ｄに
設けた上下の支持片６ｅ相互間に張設した排気口
側放電電極６ｆを有しているものである。なお上
記の吸気口側放電電極６ｃの成形は、例えばプレ
スによる打抜加工により形成することができ、さ
らにその先端は第３図に示すように尖らせたもの
である。

このように構成されている対向極板６を、隔設
される双方の集塵極板２，２間に平行に位置せし
め、この対向極板６と集塵極板２，２との間に高
電圧を印加することにより、排気口側放電電極６
ｆによつて生起される電気力線（コロナ放電）
は、極板本体６ａの排気側に片寄りを生じ、その
結果として、第５図においてＸ方向のイオン風が
発生する。また対向極板６の吸気口側放電電極６
ｃからのコロナ放電は、放電線と比較して弱いた
めに、イオン風には関与しない。

かくして、排気口側放電電極６ｆからのコロナ
放電によつて発生したイオン風により吸入された
空気中の塵埃は、対向極板６の吸気口側放電電極
６ｃからのコロナ放電により帯電し、この結果集
塵極板２と対向極板６との電界力により集塵極板
２の内側面吸気口側に分散付着される。さらにこ
の時点で集塵できなかつた塵埃は、排気口側放電
電極６ｆのコロナ放電により帯電されて集塵極板
２に付着集塵されるものである。

実施例 第６図乃至第８図において、この実施例におけ
る対向極板６′は、平板状の極板本体６ａと、こ
の極板本体６ａの吸気側端縁部６ｂに沿つて極板
本体６ａの表裏に打抜き加工により突設される歯
状の吸気口側放電電極６′ｃと、上記極板本体６
ａの排気口側端部６ｄに設けた上下の支持片６ｅ
相互間に張設した排気口側放電電極６ｆを有して
いるものである。

このように構成されている対向極板６′を、隔
設される双方の集塵極板２，２間に位置せしめ、
この対向極板６′と集塵極板２との間に高電圧を
印加することにより、前記実施例と同様に突起状
の吸気口側放電電極６′ｃからの電気力線は、極
板本体６ａと集塵極板２との間に生起される電界
により、集塵極板２と略直角に向うため、イオン
風発生には関与しない。他方、排気口側放電電極
６ｆに関しては、極板本体６ａのない方に電界が
片寄るため、前記Ｘ方向へのイオン風が発生す
る。この排気口側放電電極６ｆのコロナ放電によ
つて発生したイオン風によつて吸入された塵埃
は、先ず吸気口側放電電極６′ｃのコロナ放電に
よる電界力によつて集塵極板２の内側面に付着す
る。さらにこの時点で集塵できなかつた塵埃は、
排気口側放電電極６ｆのコロナ放電により帯電さ
れ、前記同様の過程を径て、集塵極板２の内側面
に付着集塵されるものである。

〔考案の実施例の効果〕

従つて上記の各実施例によれば、対向極板６の
吸気口及び排気口側の辺縁部に夫々の放電電極６
ｃ，６′ｃ及び６ｆを設けたものであるから、そ
の双方の放電電極の作用によつて、集塵極板２の
内側面に塵埃を分散付着させることができるの
で、従来の塵埃の堆積による不具合、即ち逆コロ
ナ現象、放電線の切損等の不具合が有効に防止さ
れて、耐久性のあるイオン風式集塵器が提供でき
る効果がある。

〔考案の概要〕

以上のように本考案は、処理空気の流れ方向に
略平行に配設された２枚の集塵極板２，２の間
に、処理空気の流れ方向の寸法が、前記集塵極板
２，２のそれよりも短い対向極板６又は６′を、
その吸気口側端部６ｂが前記２枚の集塵極板２，
２の吸気口側端部２ａ，２ａを結ぶ線に略揃うよ
うに該集塵極板２，２に対して略平行に配設し、
かつ前記対向極板３の吸気口側端部６ｂの前記２
枚の集塵極板２，２の吸気口側端部２ａ，２ａを
結ぶ線の略近傍に、プレス加工による打抜き又は
切起しによつて形成されかつ先端の尖つた吸気口
側放電電極６ｃ又は６′ｃを配設すると共に、前
記対向極板６又は６′の排気口側端部６ｄの前記
２枚の集塵極板２，２の排気口側端部２ｂ，２ｂ
を結ぶ線より吸気口側の位置に排気口側放電電極
６ｆを配設してなり、該排気口側放電電極６ｆと
前記集塵極板２，２との間のコロナ放電により主
としてイオン風を誘起させて処理空気の吸排気を
行うと共に、前記吸気口側放電電極６ｃ又は６′
ｃと前記集塵極板２，２との間のコロナ放電によ
り処理空気中の塵埃を帯電せしめかつ該帯電した
塵埃を前記集塵極板２，２と前記対向極板６又は
６′との間の高電界により該集塵極板２，２に集
塵せしめることを特徴とするイオン風式電気集塵
器である。

〔考案の効果〕 従つてこのイオン風式電気集塵器によれば、イ
オン風を発生せしめる排気口側放電電極６ｆと、
吸気口側放電電極６ｃ又は６′ｃによる双方の放
電電極の作用により、塵埃が集塵極板２，２の内
側面に分散付着されるので、従来の塵埃の堆積に
よる不具合、即ち逆コロナ現象、放電線の切損等
の不具合が解消でき、耐久性のあるイオン風式電
気集塵器が提供できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案よりなるイオン風式電気集塵器
の実施例を示した平面説明図、第２図はその対向
極板のみの実施例を示した斜視図、第３図はその
対向極板の吸気口側放電電極部の拡大断面図、第
４図は同上の平面図、第５図は上記電気集塵器の
作用説明図、第６図は本考案の第２実施例による
対向電極のみの斜視図、第７図は−線断面
図、第８図は−線断面図、第９図は従来例の
説明図である。 ２……集塵極板、６，６′……対向極板、６ａ
……極板本体、６ｃ，６′ｃ……吸気口側放電電
極、６ｆ……排気口側放電電極。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 処理空気の流れ方向に略平行に配設された２枚
   の集塵極板２，２の間に、処理空気の流れ方向の
   寸法が、前記集塵極板２，２のそれよりも短い対
   向極板６又は６′を、その吸気口側端部６ｂが前
   記２枚の集塵極板２，２の吸気口側端部２ａ，２
   ａを結ぶ線に略揃うように該集塵極板２，２に対
   して略平行に配設し、かつ前記対向極板３の吸気
   口側端部６ｂの前記２枚の集塵極板２，２の吸気
   口側端部２ａ，２ａを結ぶ線の略近傍に、プレス
   加工による打抜き又は切起しによつて形成されか
   つ先端の尖つた吸気口側放電電極６ｃ又は６′ｃ
   を配設すると共に、前記対向極板６又は６′の排
   気口側端部６ｄの前記２枚の集塵極板２，２の排
   気口側端部２ｂ，２ｂを結ぶ線より吸気口側の位
   着に排気口側放電電極６ｆを配設してなり、該排
   気口側放電電極６ｆと前記集塵極板２，２との間
   のコロナ放電により主としてイオン風を誘起させ
   て処理空気の吸排気を行うと共に、前記吸気口側
   放電電極６ｃ又は６′ｃと前記集塵極板２，２と
   の間のコロナ放電により処理空気中の塵埃を帯電
   せしめかつ該帯電した塵埃を前記集塵極板２，２
   と前記対向極板６又は６′との間の高電界により
   該集塵極板２，２に集塵せしめたことを特徴とす
   るイオン風式電気集塵器。