JPS6331467Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はケース入り柱上用開閉器における絶縁
部材の取付構造に関する。

高圧配電線路において、柱上に取り付けられて
使用されるケース入り柱上用開閉器は、その運
搬、電柱への取り付け、取り外し等、作業性を考
慮して小型、軽量であることが望ましい。しか
し、小型に形成すると、ケース内に並設された隣
接相間やケースと相間の絶縁距離が短くなり、こ
れらの間の絶縁性能が低下し、配電線より伝播し
てきた雷等の異常電圧（インパルス電圧）の閃絡
が起る危険性がある。そのため、隣接相間やケー
スと充電部間に絶縁用隔壁（セパレータ）を介在
するよにして前記の閃絡を防止しているが、従来
の、この絶縁用隔壁の取り付け方法にあつては、
その取立作業がせまいケース内で行なわれる為容
易でない上に取付箇所が多いことから、取付位置
が不正確となると共に止ビスの締め忘れがあり、
また、絶縁用隔壁の相互の継目間には空隙が生じ
やすく、この空隙を経て絶縁破壊（閃絡）も起り
やすい等の欠点があつた。

本考案は前記従来の欠点を解消することを目的
とするものである。

次に図面に示す本考案の実施例について説明す
る。

１はケース側絶縁体で、ガラス繊維粉末混入の
ポリエステル樹脂等の不燃性の絶縁材料で成形さ
れ、内部短絡が発生した場合に、これが燃えて炭
化し絶縁劣化を招ねくことがないようになつてい
る。該ケース側絶縁体１は第１図に示す如く、前
後壁２，３、左右側壁４，５、上壁６及び各相間
に介在する隔壁７，８を夫々一体成形して無底状
箱型に形成されている。これら前後壁２，３、隔
壁７，８の垂直方向の長さは、該ケース側絶縁体
１を第３図に示す如く取り付けた場合に、夫々の
壁の下端部が、各相における可動碍子９の鍔部の
基部近くまで深く入り込み各相に対する絶縁効果
が良好となるような長さに設定されている。また
該絶縁体１の左右側壁４，５の上部には、ケース
本体１０に対する取付片１１が突設されており、
また左右側壁４，５の外面には、後述する連結板
１２の案内用突条１３が上下方向に設けられてい
る。１４は底蓋側絶縁体で、これは前記ケース側
絶縁体１と同一材料で同一形状に形成されてお
り、これを底蓋１５に対し、前記ケース側絶縁体
１と開口側が対向するように取り付けるものであ
る。尚、該底蓋側絶縁体１４の各部材はケース側
絶縁体１の各部材と同一であるので、便宜上前記
と同一符号にダツシユを付す。連結板１２は、前
記絶縁体１，１４と同一材料で成形されており、
その形状は第２図に示すように形成されている。
すなわち、中央部に、可動碍子取付金具に嵌合す
る切欠部１６をその上方を開口して形成し、その
前後に絶縁部１７，１７を設け、更に該絶縁部１
７，１７の上下端に、前記両絶縁体１，１４の側
壁４，４′が嵌入する嵌着用受溝１８，１９が内
外片２０，２１、２２，２３により形成されてい
る。また、下方の外片２３，２３の下端は、外方
へ傾斜するガイド片２４，２４が連続的に形成さ
れている。第２図に示す連結板１２は、絶縁体
１，１４の左側壁４，４′を連結するものを示し
たもので、右側壁５，５′の連結は、この連結板
１２を対象配置して連結するものである。

次に以上のようなケース側絶縁体１、底蓋側絶
縁体１４、左右の連結板１２，１２のケース内に
対する取り付けについて説明する。先づ、ケース
側絶縁体１を、本体ケース１０の内面上部に対
し、その上壁６と本体ケース上壁１０ａ間及び左
右側壁４，５と本体ケース左右壁１０ｂ，１０ｂ
間に空隙部２５，２６が生ずるようにして固定す
る。この固定は本体ケース上壁１０ａに固定した
絶縁部材付取付用ナツト２７に対し、絶縁体１の
上部に固設した取付片１１を取付用ビス２８で螺
着して固定する。この固定は４箇所で行なわれ
る。次で開閉器の電極等を本体ケース１０内に公
知の方法で組み付ける。これにより各可動碍子の
鍔部９ａは、ケース側絶縁体１の左右側壁２，３
及び隔壁７，８の間に図示の如く深く入り込んで
位置する。次で、左右の連結板１２，１２を左右
の可動碍子取付金具２９，２９に対し、切欠部１
６を介して下方より嵌合すると共に、その上部の
挾着用受溝１８，１８をケース側絶縁体１の左右
壁４，５に対し下方より差し込む。このとき、切
欠部１６の側縁１６ａがケース側絶縁体１の左右
壁４，５に設けた案内用突条１３の外側面に当接
摺動し、連結板１２の位置決めが行なわれる。次
で、底蓋側絶縁体１４を、底蓋１５の底板１５ａ
に対し、前記ケース側絶縁体１と同様の方法で固
着する。この取付位置は前記絶縁体１と対向する
位置とする。そしてこのような底蓋１５を、その
底蓋側絶縁体１４の左右側壁４′，５′の上端部が
連結板１２の下部の挾着用受溝１９，１９内に嵌
入するようにして本体ケース１０側に対し、ボル
ト及びナツト３０により連結する。このとき、底
蓋側絶縁体１４の左右壁４′，５′は、連結板１２
に形成したガイド板２４により、容易に挾着用受
溝１９内に入る。以上のような取り付けにより、
各相の電極は本体ケース１０に対し、ケース側絶
縁体１の周壁と空隙２５，２６とによつて絶縁さ
れ、また底蓋１５に対しては底蓋側絶縁体１４の
周壁と空隙２５′，２６′によつて絶縁され、更に
各相の電極間は、両絶縁体１，１４の隔壁７，
８，７′，８′により絶縁される。したがつて、空
隙２５，２６，２５′，２６′によりケースの背後
電極としての影響が強く与えられないと共に、隔
壁７，８，７′，８′が各相の間に深く介在される
ことにより、第３図に示す如く、隣接する可動電
極９ｂ，９ｂ間のアーク及び放電はイの如く迂回
することとなり、そのため、その閃絡は起りにく
くなる。第２図において、３１は操作ハンドル、
３２は回転軸、３３は軸受、３４は軸受支持金
具、３５はパツキンを示す。第４図において、３
６は電線接続端子、３７は中心導体、３８は導電
金具、３９は固定電極、４０は可動電極、４１は
可動接点、４２は細隙消弧室、４３はブツシング
を示す。

以上のようであるから、本考案にあつては、各
相間に介在する絶縁用の隔壁を一体成形したケー
ス側絶縁体１と底蓋側絶縁体１４を各々箱形に形
成し、これらをケース本体１０と底蓋１５内に対
向して取り付けるようにしたので、各相とケース
間及び各相間の絶縁性能を向上することができ
る。しかも両絶縁体１，１４とを連結板１２に嵌
め込み式にして連結するようにしたので、両絶縁
体間の絶縁閉塞が確実に行なえうると共にその連
結操作も容易である等、実用上有効なものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
ケース側絶縁体の下方より見た斜視図、第２図は
連結板の斜視図、第３図は開閉器の正断面図、第
４図は第３図におけるＡ−Ａ線断面図、第５図は
同Ｂ−Ｂ線断面図、第６図は同Ｃ−Ｃ線断面図で
ある。 １……ケース側絶縁体、２，３，２′，３′……
前後壁、４，４′，５，５′……左右側壁、６，
６′……上壁、７，７′，８，８′……隔壁、９…
…可動碍子、９ａ……可動碍子の鍔部、９ｂ……
可動電極、１０……ケース本体、１２……連結
板、１３……案内用突条、１４……底蓋側絶縁
体、１５……底蓋、１６……切欠部、１８，１９
……受溝、２０，２１，２２，２３……受溝を構
成する片、２４……ガイド板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ケース内に複数相の電極等を収納したケース
   入り柱上用開閉器において、各相間に介在する
   絶縁用隔壁を一体成形した箱形のケース側絶縁
   体１と底蓋側絶縁体１４とを設け、これら両絶
   縁体１，１４とをケース本体１０と底蓋１５内
   に対向固着し、更にこれら両絶縁体１，１４の
   左右側壁の対向端を嵌合式の連結板１２により
   連結するようにしたことを特徴とするケース入
   り柱上用開閉器における絶縁部材の取付構造。 ２ 前記両絶縁体１，１４と連結板１２との連結
   構造が、連結板１２の上下端に、絶縁体の左右
   側壁が嵌入する受溝１８，１９を形成し、更に
   該板１２に切欠部１６を形成すると共に絶縁体
   の左右側壁側に該切欠部１６が嵌合する上下方
   向の案内用突条１３を形成して構成されている
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のケース入
   り柱上用開閉器における絶縁部材の取付構造。 ３ 前記連結板１２の受溝を構成する片の先端に
   傾斜したガイド板２４を設けた実用新案登録請
   求の範囲第１項又は第２項記載のケース入り柱
   上用開閉器における絶縁部材の取付構造。