JPS6331292B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の技術分野） 本発明は、パンチとそれに対応するダイス金型
とで金属素材を粗から精へと順次に連続多段式に
鍛圧してボルトやカラーナツト等のねじ素材を圧
造成形する多段式ホーマを利用して、圧造部にそ
れと同期に作動する板転造機構を併設することに
よつて圧造からねじ転造を一貫して流れの工程に
おいて連続且つ全自動で行えるようにした装置に
関する。

（先行技術の説明） 金属素材を圧造数工程を経て適当な形状寸法の
半製品としてのねじ素材となす多段ホーマに、ね
じ転造機構を組込んだ圧造からねじ転造を連続的
に行えるようにした装置は、例えば特開昭58―
145321号にみられるように本願人によつて提案さ
れている。公知の装置はロータリ式のねじ転造ダ
イスを用いるものであるが、ロータリ式のねじ転
造では円筒部の外周に沿つてねじ素材を転動させ
る為にカラーナツトのような中空製品にねじを形
成することが困難で、装置としても構造が複雑で
非常に高価なものになるのを免れない欠点があ
る。又比較的簡単な装置としては転造バーを使用
する装置も本願人によつて提案されている（実公
昭59―35316号）が、ねじ素材を一点に固定した
２つのローラ上に回転可能に支持してその上に転
造バーを押し付けスライドさせるものであるから
強力な押し付けができず、その為軟質素材にマー
キングを施したり、それほど高い精度を必要とし
ないねじを形成する場合等の外は実施し難い面が
あつた。

（発明の目的） 本発明は、このような従来の問題点に対処して
なされたもので、その目的の第１は多段ホーマの
圧造部最終位置を利用して圧造部と同期に作動す
る板転造機構を設けることによつて圧造からねじ
転造を連続的に行うことのできるホーマにおける
板転造装置を提供することであり、第２の目的は
板転造機構の採用によつて比較的簡単な構造で高
精度なねじ転造を実施することのできる装置を提
供することである。又第３の目的はカラーナツト
のような中空製品にも強力な押し付けで精度の高
いねじを形成することのできる装置を提供する点
にあり、さらに第４の目的は構造が簡単で耐久性
があり、安価に実施することのできるホーマにお
ける板転造装置を提供することにある。

（発明の構成） 本発明はこのような目的を達成するため、連続
した金属素材をクイルの先端口へ間欠的に送り出
してそれをクイルの先端口を横切るように進退移
動するカツタで一定長さに切断する装置と、切断
された素材を順次にトランスフアチヤツクで移送
しつつパンチとダイスで粗から精へと鍛圧して所
定形状の圧造材（ブランク）となす圧造部とより
なる多段ホーマにおいて、前記圧造部に同列同間
隔に隣接するダイス側最終位置に、相対向する平
面部にねじ歯を有し駆動装置からクランク運動で
相対的に直進摺動して転造を行う一組の板転造ダ
イスを設けると共に、対応するパンチ側には圧造
部から送り出されたブランクを移動ラムの前進時
に転造位置へ押圧してその位置で保持し、且つ転
造時にばね圧に抗して板転造ダイスの直進方向へ
追従移動しうるように摺動台を介して芯金体を他
のパンチと同列同間隔に設けることからなつてい
る。

前記芯金体の摺動台は、パンチホルダに対しば
ね圧に抗して退入可能な取付台に設ける。又一組
の板転造ダイスは、その一方が固定で、他方が摺
動自在な可動ダイスとされ、その可動ダイスを移
動ラムと同期に作動するクランク機構に連動させ
ている。

（実施例） 第１図は本発明の装置要部を概略的に示す平面
図で、同図の左側に切断装置１０を備え、中間に
圧造３段からなる圧造部２０、右側に板転造機構
３０を夫々備えている。

切断装置１０は、連続した線材よりなる金属素
材１を送り装置１２によりクイル１１の先端口よ
り一定長づつ突出するように間欠的に送り出し
て、それをクイルの先端口を横切るように進退移
動するカツタ１３で一定長さに切断する。

圧造部２０は、所定間隔Ｓを存して並列するよ
うに設けられた複数のダイス２１，２２，２３
と、その夫々に対向するように圧造ラム２４に設
けられたパンチ２５，２６，２７とよりなり、各
ダイスの直前位置には圧造された素材（ブラン
ク）１′を１番から２番へ、２番から３番へと順
次にチヤツキングして圧造ラムの一動作毎に次の
工程へ送り込むトランスフアチヤツク２８，２９
が設けられる。

板転造機構３０は、前記圧造部に同列同間隔
S′に隣接するダイス側の最終位置に相対向する平
面部にねじ歯３１ａ，３２ａを有し駆動装置５０
からクランク運動で相対的に直進摺動して転造を
行う一組の板転造ダイス３１，３２と、対応する
パンチ側に摺動台３４を介して設けられた芯金体
３５とよりなつている。

板転造ダイスは一方３１を固定ダイスとし、他
方３２を可動ダイスとなす。可動ダイス３２をク
ランク機構５１に連動して圧造ラム２４の動きに
関連させるようにする。

摺動台３４は第３図に示すように、パンチホル
ダ３６に対し前後方向に進退移動しうるように設
けられた取付台３７に取付けられ、ばね３８の附
勢で常時は前方へ押しやられている。又この摺動
台３４は、取付台３７に対し上下方向に摺動可能
に配備されるが、常時はばね３９の押圧とネジス
トツパ４０による当接支持によつて定位置に保持
されている。従つてこのネジストツパ４０の操作
によつて摺動台３４の取付位置を上下に可変調整
することができる。

芯金体３５は圧造部から供給されたブランクを
圧造ラム２４の前進時に板転造ダイス３１，３２
間に臨む転造供給口３に押し込むと同時に中空製
品の場合はその中空部内に押入して転造時の芯軸
となる。

転造供給口３よりスタート位置への押込みは、
スタート用カム６０により作動するプツシヤ６０
により行う。カム６０は連動軸６２に取付けられ
て転造開始時に作動する。このカム６０に対応す
るカムレバー６３は中間部を支軸６４に揺動自在
に支持されてカム６０との係接が絶れるとその瞬
間にばね６５の弾圧力で押動してレバー端６３′
に設けたプツシヤー６１が作動してブランクを転
造開始位置へ押込むようになつている。

駆動装置５０はその動力を圧造ラム２４の作動
軸５２から歯車５３，５４，５５，５６を経てク
ランク機構５１に連動されるように取出して可動
板転造ダイス３２に伝達させるようにする。

（作用及び効果） 上記の構成において、圧造部２０によつてブラ
ンク（ねじ素材）１ａが形成されると、最終部の
ダイスから押出されトランスフアチヤツク２９に
掴持されて板転造機構３０へ運ばれる。同時に圧
造ラム２４の前進でチヤツク２９内のブランク１
ａを芯金体３５で突き出して対応する板転造ダイ
ス３１，３２間に臨む転造供給口３へ押し込む。
次いでスタート用カム６０が作動しカムレバー６
３との係接を絶ちその瞬間にばね６５の押力でカ
ムレバー先端のプツシヤー６１が第３図で下向き
に移動する為このプツシヤーにてブランク１ａは
供給口３へ押し込まれる。ブランクが供給口へ押
し込まれると、次に圧造ラム２４の動きに連動す
るクランク機構５１からクランクロツド５７を介
して可動板転造ダイス３２が第２図の上動位置か
ら下向き（矢印イ）に引き下げられて対向する固
定板転造ダイス３１との間にブランク１ａを挾み
込んでブランクを転動させる為ブランク外周面に
ねじ１ｂが形成される。この転造の際にブランク
１ａは芯金体３５に保持されたまゝこれを芯軸と
して回転しながら下降する。芯金体３５は摺動自
在な摺動体３４に設けられているためその動きに
追従するようにばね３９の附勢に抗して下降し、
その間に転造作用を受けるのでブランクが中空製
品の場合でも強力な転造作用に耐え確実に所定通
りの転造を実施できるものである。この一連の転
造が終了すると、圧造ラム２４と共に芯金体３５
も後退するから芯金体３５からブランク１ａは解
放され、下位に臨むシユート６６を経て所定の場
所にねじ製品として回収される。

本発明は上述のように、多段ホーマの圧造部で
ねじ素材としてのブランクが圧造成形されると、
それをそのまゝ相対向する平面部にねじ歯を形成
した一組の板転造ダイスと圧造ラム順に設けた芯
金体とよりなる板転造機構に供給して連続且つ全
自動でねじ素材の外周に板転造によるねじを形成
できるものであり、特に転造時にはパンチ側に設
けた芯金体を摺動体と共に直進（下降）方向へ追
従移動するように設けられている為対向する板転
造ダイス間に挾まれて強力な転造作用を受ける際
にねじ素材を芯金体に保持させて確実に精度の高
いねじを成形しうるものであり、従つてカラーナ
ツトのような中空筒体にねじを形成する場合に有
効となる。

このような圧造から転造に至る一連の作用を従
来のような回転式ねじ転造ダイスを用いないで、
直線運動式の簡単な構成の板転造機構を多段ホー
マに組込むことで簡単、確実に、而もコスト的に
も安価に実施できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施した多段ホーマの全体を
示す平面図、第２図は第１図におけるＡ―Ａ線か
らみた拡大縦断正面図、第３図は第２図Ｂ―Ｂ線
における断面図、第４図は板転造機構の板転造ダ
イス側における一部拡大平面図、第５図は動力伝
達機構の他の実施例を示す概略的平面図、第６図
はそのクランク連動機構の側面図、第７図及び第
８図は製品の一例を示す一部縦断側面図である。 ２０…圧造部、３０…板転造機構、２１，２
２，２３…ダイス、２４…圧造ラム、２５，２
６，２７…パンチ、２８，２９…トランスフアチ
ヤツク、３１，３２…板転造ダイス、３４…摺動
台、３５…芯金体、３７…取付台、３８，３９，
６５…ばね、５０…駆動装置、５１…クランク機
構。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 連続した金属素材をクイルの先端口へ間欠的
   に送り出してそれをクイルの先端口を横切るよう
   に進退移動するカツタで一定長さに切断する装置
   と、切断された素材を順次にトランスフアチヤツ
   クで移送しつつパンチとダイスで粗から精へと鍛
   圧して所定形状の圧造材（ブランク）となす圧造
   部とよりなる多段ホーマにおいて、前記圧造部に
   同列同間隔に隣接するダイス側最終位置に、相対
   向する平面部にねじ歯を有し駆動装置からクラン
   ク運動で相対的に直進摺動して転造を行う一組の
   板転造ダイスを設けると共に、対応するパンチ側
   には圧造部から送り出されたブランクを移動ラム
   の前進時に転造位置へ押圧してその位置で保持
   し、且つ転造時にばね圧に抗して板転造ダイスの
   直進方向へ追従移動しうるように摺動台を介して
   芯金体を他のパンチと同列同間隔に設けてなるこ
   とを特徴とするホーマにおける板転造装置。 ２ 前記芯金体の摺動台は、パンチホルダに対し
   ばね圧に抗して退入可能な取付台に設けられてい
   ることを特徴とする前記特許請求の範囲第１項記
   載のホーマにおける板転造装置。 ３ 前記一組の板転造ダイスは、その一方が固定
   で、他方が摺動自在な可動ダイスとされ、その可
   動ダイスを移動ラムと同期に作動するクランク機
   構に連動していることを特徴とする前記特許請求
   の範囲第１項及び第２項の何れか１項記載のホー
   マにおける板転造装置。 ４ 前記芯金体の摺動体はネジストツパにより設
   定位置を調整可能に設けていることを特徴とする
   前記特許請求の範囲第１項乃至第３項の何れか１
   項記載のホーマにおける板転造装置。