JPS63312585A - 電磁式燃料噴射弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、内燃機関に使用される電磁式燃料噴射弁に関
するものである。

〔従来の技術〕

一般に電磁式燃料噴射弁は、噴射弁本体の内部に、電磁
コイルを嵌装するコアと、弁体を有する可動子と、弁体
をシート部側に付勢するばね部材とを内蔵し、電磁コイ
ルの励磁により可動子をばね部材の力に抗してコア側に
吸引移動させて、開弁動作を行っている。この種の電磁
式燃料噴射弁の可動子の移動機構は、例えば特開昭５９
−５０２８６号公報等に開示されるように、電磁コイル
の励磁により可動子が所定位置まで移動すると、可動子
をストッパに衝突させたり、或いは可動子を直接コア等
の一部に衝突させて、可動子のストロークを規制してい
る。また、可動子とストッパ或いはコア等の衝突面には
、耐摩耗性を有する表面処理を施して、衝突面の摩耗防
止を図ると共に、この表面処理により、コア、可動子自
体については、加工が容易で比較的安価な材料の使用を
可能としている。

ところで、最近の電磁式燃料噴射弁の中には、開弁時の
可動子の動作の安定性を更に向上させるために、単に可
動子を電磁吸引させる他に、コア内周にそって可動子を
摺動案内させつつ軸方向に移動させる方式のものが実用
化されているが、この方式の電磁式燃料噴射弁には次の
ような改善すべき点があった。

〔発明が解決しようとする問題点〕

すなわち、従来は可動子とストッパ等の衝突面について
は耐摩耗性を図る配慮がなされているものの、前述した
如く可動子をコア内周にそって摺動案内させる方式のも
のについては、可動子とコアとの摺接面に対する表面処
理について充分な配慮がなされておらず、その結果、可
動子がコア内周で行う摺動作用により、コア内周や可動
子外周等の摺接面に終時的な摩耗が生じ、この摩耗によ
り発生する摩耗粉によって、燃料噴射弁の噴射量特性の
低下や噴射弁に動作不良を招くおそれがあつた。

本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、その目
的とするところは、電磁コイルの通電時に可動子がコア
内周にそって摺動案内されて開弁動作を行う方式の燃料
噴射弁において、コア内周と可動子外周との摺接面の耐
摩耗性の向上化を図り、ひいては、燃料噴射弁の噴射特
性の低下を防ぎ。

且つ動作の安定性を図り得る電磁式燃料噴射弁を提供す
ることにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的は、電磁コイルを嵌装するコア、弁体を有する
可動子等を備え、電磁コイルが励磁されると、可動子が
前記コアと共に磁気回路を構成して、前記コアの内周に
そって摺動案内されつつ開弁動作を行う方式の電磁式燃
料噴射弁において。

前記コアの内周とこのコア内周に対する可動子の外周と
のいずれか一方もしくは双方の摺接面に耐摩耗性を有す
る表面処理層を形成することで達成される。

〔作用〕

このような構成よりなる本発明によれば、コアと可動子
の材質的硬度を比較して、摩耗の生じ易い側の摺接面、
すなわちコア内周、可動子外周のいずれか一方もしくは
双方の摺接面に耐摩耗性の表面処理層を形成することに
より、コア、可動子等の母材同士の摩耗を有効に防止す
ることができ、ひいては、このような摩耗現象に起因す
る燃料噴射弁の噴射量特性の低下を有効に防ぎ、且つ燃
料噴射弁の動作の安定性を図り得る。しかも、コア。

可動子等の母材自身については、加工が容易で比較的に
安価な材料を使用することができる。

〔実施例〕

本発明の一実施例を図面に基づき説明する。第１図は本
発明の適用対象となる噴射弁の一例を示す縦断面図、第
２図は上記噴射弁の要部を表わす断面図である。

第１図において、１は噴射弁で、噴射弁１の内部に後述
する弁体９付の可動子２が内蔵されている。

３は電磁コイルの組立体（以下、電磁コイルとする）、
４は電磁コイル３を嵌装するコア、５は噴射弁本体の側
壁を構成するヨークで、ヨーク５の内部に電磁コイル３
及びコア４が内装されている。コア４の下端部４中心に
は、可動子２の一部（摺動環７）を軸方向に摺動可能に
嵌装するための摺動案内孔４ｂが設けられ、一方ヨーク
５の上端部中心には、燃料の内部流路５ａが設けられ、
内部流路５ａに可動子２が軸方向に所定のストロークで
摺動できるよう内装されている。

可動子２は、プランジャ６と、プランジャ６上部に嵌着
した摺動環７と、プランジャ６下部に取付けたロッド８
と、ロッド８の先端に取付けた弁体ボール９とで構成さ
れ、プランジャ６は、摺動環７及びロッド８と塑性流動
を利用した結合、溶接、或いは緊ばく等のいずれかの結
合手段により一体化され、更にロッド８は、ボール９と
溶接にて一体化されている。

また摺動環７の内部にばね１０が嵌装されている。ばね
１０は、一端がコア４側に接し、他端がプランジャ６側
に接して、ばね１０の力で可動子２が下方向に付勢され
、電磁コイル３の非通電時にボール９がシート部１３に
圧接して弁閉状態を保持している。シート部１３は噴射
弁本体１の下部に配置されるバルブガイド１１のボア部
１２の一部に形成され、またシート部１３の下方側に複
数のオリフィス１４よりなるノズル部１５が配設されて
いる。

１６は可動子２のストロークを規定するためのストッパ
で、ストッパ１６はヨーク５の下端部とバルブガイド１
１の上端部との間に介在され、また、ストッパ１６中央
にロッド８が挿通され、ロッド８の外周面とストッパ１
６の内周面との間に流路１７が確保されている。ロッド
８の一部には。

フランジ１８が形成され、可動子２が所定ストロークで
上方に引上げられると、フランジ１８がストッパ１６に
衝突してストロークが規定される。

１９はヨーク５の側壁に設けた燃料流入孔、２０は流出
孔、２１はヨーク５内周と電磁コイル３外周との間に設
けた燃料通路、２２はプランジャ６外周とヨーク５内周
との間に設けた燃料通路で、燃料通路２１．２２は内部
通路５ａに通じる。２３はフィルタである。

本実施例の噴射弁１は、コントロールユニット（図示せ
ず）により演算決定されたデユーティのオン−オフ信号
によりコネクタ２４を介して電磁コイル３が印加され、
電磁コイル３の通電時にコア４．ヨーク５．プランジャ
６で磁気回路が形成され、プランジャ６が所定ストロー
クでばね１０に抗して吸引移動し、摺動環７はコア４の
内周４ｃを摺動し、且つボール９はバルブガイド１１の
ボア部１２を摺動し、このようにして可動子２が上方へ
移動するものである。また、可動子２が上方へ移動する
とシート部１３が開放される。一方ヨーク４に設けた流
入孔１９からフィルタ２３を介して供給された燃料が燃
料通路２１を通り、更に燃料通路２２を通り、バルブガ
イド１１のボア部１２、シート１３を通り、スワールオ
リフィス１４によって計量・旅回力を与えられ規定噴霧
角及び規定粒子径となって内燃機関（図示せず）に噴射
される。噴射弁１の燃料計量方式は、ノズル１５に具備
する複数個のオリフィス１４により行うものである。ま
た噴射弁１の開弁時のシート部１３とボール９の隙間量
は、可動子２のストローク量に等しい、このストローク
量は、第２図に示すようにストッパ１６の下端面１６ａ
とフランジ１８上面のギャップＧにより決定される。す
なわち、燃料噴射弁１の開弁動作時には、電磁吸引作用
により可動子２が上方へ引上げられ、この時に可動子２
の一部である摺動環７がコア４の内周４Ｃにそって摺動
されて可動子２の案内を行い、また、可動子２が所定の
位置まで引上げられると、フランジ１８がストッパ１６
に衝突して可動子２のストローク規制がなされる。

ところで、このような衝突が生じると、〔発明が解決し
ようとする問題点〕の項でも述べたように、摺動環７が
コア４の内周にて行う摺動運動によって、コア４内周及
び摺動１７が経時的に摩耗し、この摩耗により発生する
摩耗粉により、燃料噴射弁１の噴射量特性の低下や噴射
弁に動作不良を招くおそれがあった。

本実施例はこのような不具合を解消するために。

コア４の内周４ｃ及び摺動環７の外周面のいずれか一方
または双方に次のようなメッキ処理を施す。

メッキ処理は１例えばＮ１−Ｐにッケルーリン）。

Ｎ１−Ｂにッケルーボロン）等のメッキ処理が施される
ｍ　Ｎ　ｘ　　Ｐ　ｇ　Ｎ　ｘ　　Ｂ等のメッキは。

４００℃でＰ或いはＢが析出することにより硬化するの
で、耐摩耗性の点で有利である。

第３図（１）〜（３）は、このようなメッキ処理の具体
的態様を示すものである。第３図（１）は１例えばコア
４よりも摺動環７及びプランジャ６の方が材質的に硬度
があり、コア４の内周面の方が摩耗が生じ易い場合であ
り、この場合には。

コア４の内周４ｃにメッキ処理（メッキ層２５）を施し
ている。なお、本例では、コア４の内周４ｃの他にコア
４の下端面４ａにもプランジャ６上端面６ａとの衝突を
配慮してメッキ処理が施されている。第３図（２）は、
同図（１）の場合とは逆に摺動環７よりもコア４の方が
材質的に硬度があり、摺動環７の外周７ａに摩耗が生じ
易い場合であり、この場合には、摺動環７の外周７ａに
メッキ処理２５′を施す。なお、本例では、摺動環７の
外周７ａの他にプランジャ６上端面にもコア４との衝突
を考慮してメッキ処理を施している。第３図（３）は、
コア４及び摺動環７の双方が同じ硬さ程度の材質で形成
され、コア４の内周４ｃ及び摺動環７の外周７ａの双方
に摩耗が生じ易い場合であり、この場合には双方にメッ
キ処理２５゜２５′を施す。

第４図に、上記メッキ処理２５．２５’としてＮ１−Ｐ
のメッキ処理を行い、メッキ処理後に４００℃で時効硬
化処理を施した場合の母材の硬さ分布を示し、第５図に
、メッキ処理２５．２５’としてＮｉ−Ｈのメッキ処理
を行い、メッキ処理後に第４図同様の時効硬化処理を施
した場合の母材の硬さ分布を示す、第４図、第５図の硬
度分布に示すように、メッキ層２５．２５’の施された
母材の最表面部では、熱処理等で得られる耐摩耗材の硬
度と同等の硬度が得られ、極めて良好な耐摩耗性を有す
ることが理解される。

第６図ないし第８図に、メッキ層２５．２５’の厚みを
変えて、各メッキ層の厚みと磁気特性。

噴射量特性、スプリングセット荷重特性の夫々の関係を
示す。第６図に示すようにメッキ層の厚みが増すに伴い
磁気特性が低下する。また、メッキ層が及ぼす電磁式燃
料噴射弁の噴射量特性をみると、第７図に示すようにメ
ッキ層の厚みが増すのに伴い、噴射量非線形域が広がり
、且つ第８図に示すようにスプリングセット荷重も増加
し、その結果最小使用噴射量の確保及び耐久性も不利に
なるので、メッキ層２５．２５’は厚みを以上のような
特性低下が生じない範囲で設定する必要がある。しかし
て、第６図から第８図に示される実機試検によれば、メ
ッキ層の厚みは１０μｍ以下が適当である。

しかして、本実施例によれば、可動子コア内周の摺接面
のいずれか一方もしくは双方にニッケル皮膜層を施すこ
とにより、耐摩耗性を向上させ、電磁式燃料噴射弁の動
作の安定を図ると共に、皮膜の厚みを適宜の厚みに設定
することにより、電磁式燃料噴射弁の噴射量特性、スプ
リング荷重特性等の諸特性の低下を防止して、この種噴
射弁の信頼性の向上化を図り得る。

なお、上記実施例では、耐摩耗性の表面処理層をニッケ
ル皮膜層で構成するが、その他に例えばコア内周、可動
子外周等に表面窒化処理やふっ素加工等の処理を施して
もよい。

〔発明の効果〕

以上のように本発明によれば、可動子をコア内周にそっ
て摺動案内させて開弁動作を行う方式の燃料噴射弁にお
いてＪコア内周と可動子との層性面の耐摩耗性の向上化
を図り、ひいては燃料噴射弁の噴射量特性の低下を防ぎ
、且つ動作の安定性を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の適用対象となる電磁式燃料噴射弁の一
例を示す縦断面図、第２図は上記燃料噴射弁の要部を表
わす断面図、第３図（１）から（３）は本発明の実施例
を示す要部断面図、第４図及び第５図は上記実施例に用
いる構成部品のメッキ処理後の硬さ分布を表わす特性図
、第６図。 第７図、第８図は上記実施例に用いる構成部品のメッキ
層の厚みを変えた場合の磁気特性、噴射量特性及びスプ
リングセット荷重特性の夫々を表わす説明図である。 １・・・電磁式燃料噴射弁、２・・・可動子、３・・・
電磁コイル、４・・・コア、４ｃ・・・コア内周（摺接
面）、５・・・ヨーク、６・・・プランジャ、７・・・
摺動環、７ａ・・・可動子外周（摺接面）、８・・・ロ
ッド、９・・・弁体、１０・・・ばね部材、１３・・・
シート部、２５．２５’・・・表面処理層。 蓼２凹 ＄４の ＄５　回 表面かうり２出１　　　　（ＰＷ′） ＄Ｚ回 （風気特性） 第７の

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、電磁コイルを嵌装するコアと、弁体を有する可動子
   と、前記弁体がシート部に密接するよう前記可動子を付
   勢するばね部材とを備え、前記可動子は、前記電磁コイ
   ルが励磁されると前記コアと共に磁気回路を構成して、
   前記コアの内周にそつて摺動案内されつつ、噴射弁本体
   内部を軸方向に所定のストロークで移動し、この移動に
   より前記弁体が前記シート部より離れて開弁動作を行う
   方式の電磁式燃料噴射弁において、前記コアの内周と該
   コア内周に対する前記可動子の外周とのいずれか一方も
   しくは双方の摺接面に耐摩耗性を有する表面処理層を形
   成してなることを特徴とする電磁式燃料噴射弁。 ２、特許請求の範囲第１項において、前記表面処理層は
   、厚みが１０μｍ以下のニッケル皮膜層よりなる電磁式
   燃料噴射弁。