JPS63283B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、壜内加圧法に関する。

近時、合成樹脂製壜が多用されている。該壜
は、硝子壜に対して軽量かつ割れ難い利点を有す
る。該合成樹脂製壜は、肉薄化することでその材
料を節約でき、例えば、二軸延伸させた飽和ポリ
エステル樹脂製壜は、二軸延伸により、その機械
的強度も高めることが出来る。しかし、このよう
な合成樹脂製の肉薄壜は、例えば加熱殺菌した液
体充填後、キヤツプに密封すると、その充填液体
冷却による体積の減少、および壜内液面上にある
空気、いわゆるヘツドスペース内にある空気の温
度降下による体積減少によつて壜内が負圧化し、
該負圧化により壜壁が内方に彎曲する欠点があつ
た。尚該減圧変形は、高温液体を充填した場合の
ほか、ヘツドスペース内の酸素が充填液体に吸収
される場合にも生ずる。該液体例として食用油が
ある。

合成樹脂製壜の減圧変形防止のために、予め壜
壁に変形許容部分を設けておき、その変形許容部
分だけを凹状に変形させることで壜の外見が損わ
れないようにすることも行われているが、このよ
うにすると、壜のデザイン上の制約が大であり、
又レツテル貼布場所も制約され、更に壜壁肉薄化
も不充分となる欠点があつた。

しかし、上記の減圧変形防止は、減圧を見込ん
で予め壜のヘツドスペース内に高圧空気等を充填
しておくことで解決できる筈である。

そこで、本発明は、壜内へ高圧空気等を供給し
て、壜の内圧を増大する簡単で容易な壜内加圧手
段を提供しようとするものである。

以下、図示の実施例について説明する。

第１図は、その一例であり、図において、１
は、二軸延伸成形した飽和ポリエステル樹脂製肉
薄壜で、口頚部１ａの下部に外向きフランジ１ｂ
を有し、口頚部１ａの外周上半に螺条１ｃを有し
ている。２は、適宜合成樹脂製キヤツプで、頂壁
２ａの周縁から周壁２ｂを垂設し、該周壁内面に
上記螺条１ｃへ螺合の螺条２ｃを有し、頂壁内面
にパツキング２ｄを固定している。

３は、加圧装置で、該加圧装置は、壜１のフラ
ンジ１ｂを受けて壜を支持するベース３１と、該
ベースの上方に位置して昇降動し、且つ内周がキ
ヤツプ２を可動に導入出来ると共に下端において
壜のフランジ１ｂ外周に気密に嵌るよう設けた適
宜長さのシリンダ３２と、下端外周にシリンダ内
面に対し気密に摺動するＯリング３３ａを有し、
その下端下面にキヤツプ２を支持してはシリンダ
内を下降し回転してそのキヤツプを下方にある壜
口頚部１ａへ螺着するキヤツパ３３とからなる。
尚キヤツパにおけるキヤツプの支持には、バキユ
ームにより吸着する等の手段を講じる。又シリン
ダ３２の下端において、壜フランジ１ｂへの密接
部およびベース３１への当接部に、Ｏリング等の
気密用部材を設けるとよい。

而して、加熱液体を収容した壜１を、フランジ
１ｂにおいてベース３１に受け、或いは、予めベ
ース３１に受けた上で加熱液体を収容し、次い
で、シリンダ３２を下降させてベース３１へ気密
に当接すると共に、下端内周を壜のフランジ１ｂ
へ気密に嵌合し、続いて、シリンダへキヤツプ２
を供給してこれをキヤツパ３３に支持させ、キヤ
ツパ３３を下降させて該キヤツパ３３をピストン
としてシリンダ内の空気を壜内へ圧搾供給し、最
後にキヤツパ３３を回転下降させてキヤツプ２を
壜の口頚部１ａへ気密に螺着し、封入する。これ
が終れば、キヤツパ３３およびシリンダ３２を上
昇させ、壜１をベース３１から外す。

上記実施例では、シリンダ３１内の空気を圧搾
供給しているが、シリンダ内に窒素等を送込んで
おき、該窒素等を壜内に加圧封入してもよい。窒
素の場合には、内容物の酸素吸収が防止出来る。

次に、第２図は、他の例であり、この場合も前
例とほぼ同じであるが、壜１の口頚部１ａの一部
と、キヤツプ２の一部とが、前例と少々異なり、
又キヤツプをキヤツパ３３に支持して送込まない
点で前例と異なる。

即ち、壜口頚部１ａの内縁をテーパ縁１ｄに
し、キヤツプ２の頂壁２ａ内面からそのテーパ縁
１ｄ内に嵌る栓筒２ｅを一体に垂設し、パツキン
グ２ｄをリング状にしている。又キヤツパ３３に
キヤツプ支持手段がない。

而して、この場合には、キヤツプ２をキヤツパ
３３に支持して供給せず、壜口頚部１ａへ仮セツ
トし、この状態において、キヤツパ３３を下降さ
せてシリンダ内の空気を圧搾し、その圧搾空気を
キヤツプ２と壜口頚部１ａとの間の隙間から壜内
へ送入し、引続きキヤツパ３３を回転しつつ下降
させてそのキヤツプ２を締付けし、送入した圧搾
空気を封入する。

この場合も、空気に代えて窒素等を圧搾供給し
封入してもよい。

如上のように、いずれも空気、窒素等のガスを
加圧封入して壜内を高圧化するが、その内圧は、
例えば、80〜90℃に加熱充填する酒では、0.7〜
1.5Kg／cm²程度が適している。

本発明によれば、空気、窒素等のガスを極めて
簡単に容易に圧搾供給出来、且つ封入でき、装置
としては、従来のキヤツパ設備にシリンダ設備お
よび気密手段を追加するだけの簡単なものでよ
い。

又そのようにガスにより壜の内圧が高圧化され
るので、加熱充填後の冷却収縮、液体の酸素吸収
等により後ほど内圧が低下しても、それが大気圧
以下に負圧化することはなく、合成樹脂製肉薄壜
であつてもこれが負圧化により変形することはな
く、これによる外観および安定性の悪化や液面の
高低のバラツキが生ぜず、壜にデザイン上の制約
もレツテル貼布場所の制約もうけず、壜を充分に
肉薄化させることが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図、
第２図は各異なる例の縦断面図である。 １……肉薄壜、１ａ……口頚部、１ｂ……フラ
ンジ、１ｃ……螺条、２……キヤツプ、２ａ……
頂壁、２ｂ……周壁、２ｃ……突出縁、２ｄ……
螺条、２ｅ……パツキング、３……加圧装置、３
１……ベース、３２……シリンダ、３３……キヤ
ツパ、３３ａ……Ｏリング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 壜口頚部の外側に適長のシリンダを被せてこ
   れの下端を壜口頚部の下部等へ気密に当接し、シ
   リンダ内にキヤツパを昇降自在に内装すると共に
   キヤツパの下端外周をシリンダ内に気密に摺動さ
   せ、シリンダ内へキヤツプを送込むと共にキヤツ
   パを下降させてそのキヤツパによりシリンダ内に
   存する空気、窒素等のガスを壜内へ圧搾供給し、
   更にそのキヤツパで引続きキヤツプを壜口頚部へ
   気密に取付けることを特徴とする壜内加圧法。