JPS63278402A - 分波器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、誘電体フィルタを用いた分波器に係わり、
特に小型化、堅牢、かつ組立作業が容易な分波器に関す
る。

「従来の技術」 一般に、自動車電話等において、１本のアンテナを送受
兼用とするためには、送信波と受信波とを分離する分波
器が必要となる。

第４図ないし第５図は、誘電体フィルタを用いた従来の
分波器の一例を示す図である。これら図において、符号
ｌは外形略直方体状の誘電体共振器（以下、単に共振器
と称する）であり、この共振器ｌの底面には導電膜が形
成されている。また、符号２は複数の所定個の前記共振
器１．Ｉ、・・・が収納され、それら共振器１．１１・
・・の底面及び両側面を囲繞するように形成された溝形
状のアース板であり、前記複数の共振器１．ｌ、・・・
は導電性接着剤あるいは半田等により前記アース板２の
底面に固定されている。そして、これら共振器１．１、
・・・及びアース板２により、送信用あるいは受信用の
誘電体フィルタ３ａ、３ｂが構成されている。

符号４は、前記送信用及び受信用の誘電体フィルタ３ａ
、３ｂが収納される室４ａ、４ｂがそれぞれ形成された
外形略箱状のケースであり、このケース４はアルミニウ
ム等の軽金属がグイキャスト等により一体成型されて形
成されている。ケース４の室４ａ、４ｂを区画する隔壁
４ｃは、前記送信用あるいは受信用の誘電体フィルタ３
ａ１３ｂを分離するシールド板部となる。これら室４ａ
ｓ４ｂ内には、それぞれ誘電体フィルタ３ａ、３ｂが収
納され、かつこれらフィルタ３ａ、３ｂ及びケース４の
底面は導電性接着剤によりその複数個所において互いに
固定されている。さらに、このケース４の両側壁部４ｄ
、４ｄと誘電体フィルタ３ａ、３ｂのアース板２．２と
の間の間隙には板バネ５ａ、５ａが挿入され、かつ、ケ
ース４の隔壁（シールド板部）４ｃと誘電体フィルタ３
ａ、３ｂのアース板２．２との間の間隙には、前記隔壁
４ｃを上方より覆ってなる形状の板バネ５ｂが挿入され
、これにより前記誘電体フィルタ３ａ１３ｂのアース板
２．２とケース４との間が板バネ・５ａ、５ｂにより確
実にアースされる。そして、前記誘電体フィルタ３ａ、
３ｂが収納されたケース４には、この上面を閉塞してな
る形状のカバー６が取り付けられ、このカバー６はねじ
７．７、・・・によりケース４に固定されている。

「発明が解決しようとする問題点」 しかしながら、前記従来の分波器には、以下に挙げるよ
うな問題点があり、その解決策が待たれていた。すなわ
ち、 ■　前記従来の分波器は、その誘電体フィルタ３ａ、３
ｂとケース４との間のアースを確実に行うために、室４
ａ、４ｂの横幅寸法をアース板２．２の横幅寸法よりや
や大きめとし、これらの間に板バネ５ａ、５ｂを挿入す
るような構成とされているので、分波器全体としての横
幅寸法が大となり、小型化が困難である。従って、車載
用、携帯用機器への適用が困難である。

■　共振器１．１１・・・のアース板２への固定、位置
決めは別途治工具で行う必要があるため、その作業性が
悪い。また、治工具に接着剤が付着した際の汚れ落とし
等のメンテナンス作業に手間がかかる。

■　誘電体フィルタ３ａ、３ｂのケース４への固定が、
アース板２．２及び室４ａ、４ｂのそれぞれの底面を接
着剤により複数個所において固定することで行われてい
るので、熱シヨツク試験等でこれらの接着個所に破壊、
亀裂が生じる恐れがある。特に、接着個所のうち一部の
個所のみに破壊、亀裂が生じると、ケース４あるいはア
ース板２．２等に不要な応力が付与される恐れがある。

また、アース板２．２及びケース４の接着状態が視認し
すらいため、固定強度にばらつきが生じ、管理がしずら
い。

■　ケース４がグイキャスト等の一体成型で形成されて
いるので、使用できる材質に限定がある。

従って、ケース４の線膨張係数を前記共振器１１！、・
・・あるいはアース板２．２の線膨張係数に合わせるこ
とが困難であるので、ケース４とアース板２．２との固
定状態が使用条件の変化等によらず一定となりにくい。

また、一体成形であるが故にその生産コストが高価とな
る。

この発明は前記問題点に鑑みてなされたもので、横幅寸
法の小型化、組立作業の簡略化、生産コストの低減を図
り、かつ、使用条件の変化等によらず堅牢な分波器を如
何にして実現するかを問題にしている。

「問題点を解決するための手段」 前記問題点を解決するために、この発明は、誘電体共振
器が金属製枠体内に収納されて送信用及び受信用の誘電
体フィルタがそれぞれ構成され、これら送信用及び受信
用の誘電体フィルタが金属製筺体内に一体に収納されて
なる分波器において、前記誘電体共振器の底面及び少な
くとも一側面に導電膜を形成し、前記誘電体フィルタの
枠体を、それら各々の側壁部を相対向させてそれぞれ配
置すると共に、これら側壁部間に金属製隔壁板を挾持さ
せ、かつ、この隔壁板を挾持してなる前記枠体の側壁部
に前記誘電体共振器の側面が嵌合される貫通孔を穿設す
ると共に、これら誘電体共振器の導電膜が形成された側
面を前記貫通孔を介して前記隔壁板に固着させることで
誘電体共振器を前記枠体及び隔壁板に取り付けたような
分波器を構成している。

「作用」 この発明では、誘電体共振器が枠体に穿設された貫通孔
を介して隔壁板に固定されているので、枠体は分波器の
横幅寸法に影響を与えない。すなわち、分波器の横幅寸
法は、共振器の横幅寸法に隔壁板の厚さを加えた寸法の
みに依存する。

また、誘電体共振器の枠体及び隔壁板への位置決めは、
枠体側壁部に形成された貫通孔により成される。

さらに、誘電体共振器は隔壁板のみに固定されているの
で、前記従来の分波器に比較して、接着剤、半田等によ
る固定個所が少なくて済む。

そして、誘電体共振器が隔壁板に直接固定されているの
で、従来の分波器の如く一体成型されたケースを必要と
せず、従って、枠体を板体で構成することが可能である
。

「実施例」 以下、この発明の実施例について図面を参照して説明す
る。

第１図ないし第３図は、この発明の一実施例である分波
器を示す図である。これら図において、符号１０は外形
略直方体状の誘電体共振器であり、この共振器１０には
、その底面及び少なくとも一側面に導電膜が形成されて
いると共に、その上下方向に貫通する貫通孔１０ａが形
成されている。

また、符号１１は、複数の所定個の前記共振器１０．１
０、・・・が収納される金属（例えば銅）板製の枠体で
ある。この枠体１１は、底板部１１ａと、この底板部１
１ａの前後端部からそれぞれ上方に延出された前壁部１
１ｂ、後壁部１１ｃと、前記底板部１１ａの一方の側端
部から上方に延出された側壁部ｌｉｄとで概略構成され
、その外観形状か上方が切欠された枠状の部材となるよ
うに形成されている。前記側壁部ｌｉｄには、前記誘電
体共振器１Ｏ１１０、・・・の側面が嵌合される大きさ
の貫通孔１２．１２、・・・が、これら共振器１０．１
０、・・・と同数だけ穿設されている。そして、これら
共振器１Ｏ１ｌＯ１・・・及び枠体１１により、送信用
あるいは受信用の誘電体フィルタ１３ａ１１３ｂが構成
されている。

この実施例の分波器には、側壁部ｌｉｄ、１１ｄの形成
される側が異なる前記枠体１１．１１がそれぞれ１つず
つ備えられ、かつ、これら枠体１１．１１の側壁部＋１
ｄ、Ｉｌｄが相対向されて配置されている。また、側壁
部ｔｔｄ、ｔｔｄ間には、これらと略等しい面積を有し
、両面に銀メッキが施された金属製隔壁板１４が挾持さ
れている。これら側壁部１１ｄ、ｌｉｄ及び隔壁板１４
は、所定の複数個所においてかしめられることで、これ
らの間の固定が行われている。さらに、前記共振器１Ｏ
１ｌＯ１・・・は、導電膜が形成された側面が前記貫通
孔１２．１２、・・・を通って前記隔壁板１４に導電性
接着剤あるいは半田等により固着されることで、枠体１
１％　１１及び隔壁板１４にアースされて取り付けられ
ている。この際、共振器ｌＯは、その底面が貫通孔Ｉ２
の壁面底部に接するように、この貫通孔１２に嵌合され
ている。

なお、この実施例においては、前記隔壁板１４は、その
線膨張係数が前記共振器１Ｏ１ｌＯ１・・・の線膨張係
数に略等しい材質（ｆＡＩえば４２６合金）で形成され
ている。

前記枠体１１の前壁部１１ｂ、後壁部１１ｃの上端部は
内方に折曲され、後述するケースとの取付部１１ｅ、ｌ
ｌｆとされている。この取付１ｌｌｌｅ、ｌｌｆには、
これを厚さ方向に貫通するねじ孔１５．１５が形成され
ている。また、前記底板部１１ａの側壁部ｔｔｄが設け
られていない側の側端部には、その長手力向略全体に延
在する突条１６が突設されていると共に、この突条１６
内方には、これと平行に突設された突条１７．１７が形
成されている。さらに、前記枠体ＩＩのｉη壁部１１ｂ
には、前述の如く一対の枠体ｔｉ、ｔｔがその側壁部ｌ
ｉｄ、ｌｉｄを相対向させて配置された状態で略円形の
孔１８を形成するような形状の凹部１１ｇが形成され、
一方、枠体１１の後壁部１１ｃには、その中央部に貫通
孔１１ｈが穿設されている。前記孔１８には、アンテナ
に至るケーブルのコネクタが接続される端子（図示略）
が取り付けられ、また、前記貫通孔１１ｈには、前記送
信用フィルタ１３ａの入力端子あるいは受信用フィルタ
！３ｂの出力端子（共に図示略）が取り付けられる。

また、符号１９は、前記枠体１１．１１をその上方から
覆ってなる倒立Ｕ字状のカバー（筐体）であり、このカ
バー１９には、前記枠体１１，１１に形成されたねじ孔
１５．１５、・・・を臨む位置にねじ孔２０．２０、・
・・が形成されている。そして、これらねじ孔１５．２
０．・・・にねじ２ｏ１２０、・・・が螺着、緊締され
ることで、カバー１９と枠体１１．１１とが互いに固定
されている。

前記カバー１９の枠体底板部１１ａに接する部分は内方
に折曲されて、前記突条１６．１７間に嵌入されている
。また、カバー１９の両側壁内面と誘電体共振器ｌ０１
１０、・・・の側面との間の間隙には、カバー１９の長
手方向に延在する板バネ２２ａ１２２ａが挿入される一
方、カバー１９の天板内面と枠体１１．１１上端との間
の間隙には、同様にカバー１９の長手方向に延在する板
バネ２２ｂが挿入され、これにより、共振器１Ｏ１１０
゜・・・及び枠体１１，１１とカバー１９との間が板バ
ネ２２　ａ、　２２　ｂにより確実にアースされる。

従って、この実施例の分波器によれば、以下に挙げるよ
うな優れた効果を得ることができる。

■　枠体１１は共振器ｌ０１ｌＯ１・・・の位置決めの
作用しか持たず、分波器の横幅寸法に影響を与えない。

すなわち、分波器の横幅寸法゛は、共振器１Ｏ１ＩＯ１
・・・の横幅寸法に隔壁板１４の厚さを加えた寸法のみ
に依存するので、従来の分波器に比較してその横幅寸法
を十分に小とすることができ、よって分波器の小型化が
可能となる。

■　共振器ＩＯの枠体ＩＩ及び隔壁板１４への位置決め
は、枠体側壁部１１ｄに形成された貫通孔１２により成
されるので、位置決めが容易であると共に、従来必要と
した治工具なしに共振器１０の位置決め及び固定作業を
行うことができる。

■　共振器ＩＯは隔壁板１４のみに接着、固定されてい
る。従って、前記従来の分波器に比較して、接着剤、半
田等による固定個所が少なくて済むので、堅牢な構造と
なる。また、仮に共振器１０及び隔壁板１４の接着部に
破壊、亀裂が生じても、枠体１１及びカバー１９に不要
な応力が付与される恐れが少ない。特に、この実施例に
おいては、隔壁板１４の材質が、共振器ＩＯの線膨張係
数と略等しい線膨張係数を有する材質とされているので
、更に熱ショック等に十分耐えうる堅牢な構造となる。

■　共振器１０は、前記従来の分波器におけるアース板
２及び隔壁部（シールド板部）４ｃが一体化されたよう
な機能を持つ隔壁板１４に直接固定されている。すなわ
ち、枠体１１は、前記従来の分波器において隔壁部４ｃ
を除いたケース４の機能を持てば良く、従って、枠体１
１を板体で構成することが可能であるので、鉄板等をプ
レス加工して枠体１１を形成することで、枠体１１生産
のコストを低減することが可能となる。

また、前記従来及びこの実施例において、共振器１０が
直接固定されるアース板２あるいは隔壁板１４には常時
高周波電流が流れるので、その表面に銀メッキが施され
ることが望ましいが、この実施例においては、隔壁板１
４が送信用及び受信用の誘電体フィルタ１３ａ、１３ｂ
に共通利用されているので、銀メッキを施すべき部材数
が減少すると共に、この隔壁板１４の両面に銀メッキを
施すことで隔壁板１４の有効利用を図りうるので、コス
ト的に有利となる。さらに、この実施例においては、共
振器１０が貫通孔１２を通って隔壁板１４に固定されて
おり、共振器１０底面と枠体底板部１１ａとが直接的に
接することがない。従って、分波器組立作業の後、送信
用及び受信用の誘電体フィルタ１３ａ、１３ｂの周波数
を測定し、誘電体共振器１０を適宜切削することでこれ
ら誘電体フィルタ１３ａ、１３ｂの周波数の調整を行う
際に、共振器ＩＯの削りかすが前記枠体底板部１１ａ上
に溜まるので、これを除去する必要があるが、共振器ｌ
Ｏ底而面枠体底板部１１ａとが接していないことから、
削りかすの除去が容易である、という利点がある。

なお、この発明の分波器は、その材質、形状か前記実施
例に限定されず、使用条件、用途等に応じて種々変形が
可能である。

「発明の効果」 以上詳細に説明したように、この発明によれば、分波器
を構成する誘電体共振器の底面及び少な（とも−側面に
導電膜を形成し、この誘電体共振器を収納する枠体を、
それら各々の側壁部を相対向させてそれぞれ配置すると
共に、これら側壁部間に金属製隔壁板を挾持させ、かつ
、この隔壁板を挾持してなる前記枠体の側壁部に前記誘
電体共振器の側面が嵌合される貫通孔を穿設すると共に
、これら誘電体共振器の導電膜が形成された側面を首記
貫通孔を介して前記隔壁板に固着させることで誘電体共
振器を前記枠体及び隔壁板に取り付けたような分波器を
構成したので、以下に挙げるような優れた効果を得るこ
とができる。

■　共振器は枠体に穿設された貫通孔を介して隔壁板に
固定されているので、枠体は分波器の横幅寸法に影響を
与えない。すなわち、分波器の横幅寸法は、共振器の横
幅寸法に隔壁板の厚さを加えた寸法のみに依存するので
、従来の分波器に比較してその横幅寸法を十分に小とす
ることができ、よって分波器の小型化が可能となる。

■　共振器の枠体及び隔壁板への位置決めは、枠体側壁
部に形成された貫通孔により成されるので、位置決めが
容易であると共に、従来必要とした治工具なしに共振器
の位置決め及び固定作業を行うことができる。

■　共振器は隔壁板のみに固定されているので、前記従
来の分波器に比較して、接着剤、半田等による固定個所
が少なくて済むので、堅牢な構造となる。また、仮に共
振器及び隔壁板の接着部に破壊、亀裂が生じても、枠体
及び筐体に不要な応力が付与される恐れが少ない。

■　枠体を板体で構成することが可能であるので、鉄板
等をプレス加工して枠体を形成することで、枠体生産の
コストを低減することが可能となる。

■　共振器が直接固定される隔壁板等の導板には常時高
周波電流が流れるので、その表面に銀メッキが施される
ことが望ましいが、この発明では隔壁板が送信用及び受
信用の誘電体フィルタに共通利用されているので、銀メ
ッキを施すべき部材数が減少すると共に、この隔壁板の
両面に銀メッキを施すことで隔壁板の有効利用を図りう
るので、コスト的に有利となる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はこの発明の一実施例である分波器
を示す図であって、第１図はカバー及び板バネを取り外
した状態を示す斜視図、第２図は組立途中の状態を示す
分解斜視図、第３図は断面図、第４図ないし第５図は従
来の分波器を示す図であって、第４図は組立途中の状態
を示す分解斜視図、第５図は断面図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 誘電体共振器が金属製枠体内に収納されて送信用及び受
   信用の誘電体フィルタがそれぞれ構成され、これら送信
   用及び受信用の誘電体フィルタが金属製筺体内に一体に
   収納されてなる分波器であって、前記誘電体共振器の底
   面及び少なくとも一側面には導電膜が形成され、前記誘
   電体フィルタの枠体は、それら各々の側壁部が相対向さ
   れるようにそれぞれ配置されていると共に、これら側壁
   部間には金属製隔壁板が挾持され、かつ、この隔壁板を
   挾持してなる前記枠体の側壁部には前記誘電体共振器の
   側面が嵌合される貫通孔が穿設されていると共に、これ
   ら誘電体共振器の導電膜が形成された側面が前記貫通孔
   を介して前記隔壁板に固着されることで、誘電体共振器
   が前記枠体及び隔壁板に取り付けられていることを特徴
   とする分波器。