JPS6327491B2

JPS6327491B2 -

Info

Publication number: JPS6327491B2
Application number: JP54105410A
Authority: JP
Inventors: Masahiro Yano
Original assignee: Sanyo Kiki Co Ltd
Current assignee: Sanyo Kiki Co Ltd
Priority date: 1979-08-18
Filing date: 1979-08-18
Publication date: 1988-06-03
Also published as: JPS5628945A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野この発明は、複動ダンプシリンダの増速装置、
例えば農用フロントローダに用いる複動ダンプシ
リンダの増速装置に関するものである。

従来の技術農用フロントローダは第１図に示すようにトラ
クタ本体１にリフトアーム２を揺動自在に軸支
し、このリフトアームにリンク接合された複動リ
フトシリンダ４と、複動ダンプシリンダ５との協
働によつてリフトアームの先端に取付けた作業機
３にスクイ動作、ダンプ動作ならびに昇降動作を
生起させるように構成されている。上記複動ダン
プシリンダ５と複動リフトシリンダ４を同時作動
もしくは、単独作動させることによつて、リフト
アーム２の昇降動作と先端作業機３のスクイ動作
およびダンプ動作を連動させたり、個別操作させ
たりすることができる。そしてこの種の複動シリ
ンダ装置には、作業能率を向上させるため増速装
置が付設されているのが通例である。

発明が解決しようとする問題点しかしながら在来の複動シリンダ用増速装置
は、増速バルブの構造が複雑で故障が発生し易
く、また先端作業機３の作動モードをスクイ動作
からダンプ動作へ変換するため圧油の流路を切換
える際に増速バルブの作動が円滑性を欠き、圧油
還流速度の低下によつて負荷との釣合いが破れ、
複動ダンプシリンダ５のピストンにバツクリング
現象が発生したり、圧油の急激な圧力上昇によつ
て増速バルブの油路を構成するパイプが破裂した
りする危険性が認められた。

問題点を解決するための手段上記問題点の解決手段として、本発明は、複動
ダンプシリンダと複動リフトシリンダの作動モー
ドを、同時作動または単独作動に切換える２個の
方向制御弁と、複動ダンプシリンダのピストン前
部室側の油路の途中に配設され複動ダンプシリン
ダの前部室からタンクへの圧油の戻りのみを防止
する逆止弁と、この逆止弁の上流に配設され、通
常、スプリングによつて複動ダンプシリンダのピ
ストン前後部室の油路間の連通を遮断し、この複
動ダンプシリンダの伸長時、前記ピストン前部室
側の戻り油圧の上昇を利用して前記スプリングに
抗してピストン前後部室間の油路を連通させ、ピ
ストン前部室からの戻り油を可変絞り部を通して
ピストン後部室側に合流させる還流弁と、上記還
流弁に付設された可変絞り部および絞り通路と協
働してピストン前部室からの戻り油を常時タンク
へ戻す回路と、複動ダンプシリンダの後部室から
この複動ダンプシリンダ用の方向制御弁のシリン
ダポートに向かつて延びる油路の途中から分岐し
タンクへの油路の途中に接続されたリリーフ弁か
ら構成された複動ダンプシリンダの増速装置を提
供するものである。

作用絞り通路と可変絞り部を有する還流弁に、複動
ダンプシリンダの前部室からタンクへの圧油の戻
りのみを防止する逆止弁と、リリーフ弁とを連接
した増速バルブを使用することによつて、先端作
業機がスクイ動作からダンプ動作に移行する際の
圧油の還流速度が上昇し、応答遅れと油路破裂の
防止に好適な複動ダンプシリンダ用増速装置が取
得される。

実施例第１図において、１はトラクタ本体、２はリフ
トアーム、３は先端作業機であつて、リフトアー
ム２は複動リフトシリンダ４により昇降動作を与
えられ、先端作業機３は複動ダンプシリンダ５に
よりスクイ動作とダンプ動作を与えられる。

上記複動リフトシリンダ４及び複動ダンプシリ
ンダ５の油圧回路は第２図に示す様に構成され
る。

第２図において、６は複動リフトシリンダ用方
向制御弁、７は複動ダンプシリンダ用方向制御
弁、８は油圧ポンプ、９は油タンク、１０は増速
バルブ、１１はリリーフ弁を示している。

上記２つの方向制御弁６，７は、二つの複動シ
リンダ、即ち複動リフトシリンダ４と複動ダンプ
シリンダ５とを単独に作動させたり、シリーズ的
に連動させたりすることが可能なように油圧配管
で接続されている。

先ず、複動リフトシリンダ用の方向制御弁６
は、下降・中立・上昇の各切換位置をもち、中立
ポートN₁，N₂、圧油ポートP₁、タンクポート
T₁、シリンダポートＡ，Ｂを有し、中立ポート
N₁は油路１２でポンプ８に接続され、圧油ポー
トP₁は、逆止弁１３を有する油路１４でポンプ
８に接続され、シリンダポートＡ，Ｂは油路１
５，１６で夫々リフトシリンダ４に接続され、中
立ポートN₂は油路１７により複動ダンプシリン
ダ用の方向制御弁７の中立ポートN₃に接続され、
タンクポートT₁は連絡油路１８により油路１７
に分岐接続されている。

そして、複動リフトシリンダ用の方向制御弁６
は、その中立位置では、N₁とN₂を連通させ、他
のポートP₁，T₁，Ａ，Ｂは個々にロツクされて
おり、また、下降位置ではN₁とN₂はロツクさ
れ、P₁とＢが連通され、ＡとT₁とが逆止弁１９
を介して連通され、上昇位置では、N₁とN₂がロ
ツクされ、P₁とＡ及びＢとT₁とが連通されてい
る。

複動ダンプシリンダ用の方向制御弁７は、ダン
プ・中立・スクイの各切換位置をもち、中立ポー
トN₃，N₄、圧油ポートP₂、タンクポートT₂、シ
リンダポートＣ，Ｄを有し、中立ポートN₃は前
述した様に、複動リフトシリンダ用の方向制御弁
６のN₂とT₁のポートに接続された油路１７，１
８に接続されており、圧油ポートP₂は逆止弁２
０を介して油路２１により上記油路１７，１８に
分岐接続され、タンクポートT₂は油路２２によ
りタンク９に接続され、中立ポートN₄は油路２
３によりタンク９に接続され、シリンダポート
Ｃ，Ｄは、複動ダンプシリンダ５に油路２４，２
５で接続されている。

上記複動ダンプシリンダ用の方向制御弁７は、
その中立位置では、N₃とN₄を連通させ、他のポ
ートP₂，T₂，Ｃ，Ｄは個々にロツクされており、
また、ダンプ位置では、N₃とN₄がロツクされ、
P₂とＤ及びＣとT₂とが夫々連通され、スクイ位
置ではN₃とN₄がロツクされ、P₂とＣ及びＤとT₂
とが夫々連通されている。

リリーフ弁１１は、油路２５の途中から分岐し
てタンク９に接続した油路２６の途中に接続され
ている。

また、増速バルブ１０は、複動ダンプシリンダ
５の両油路２４，２５間に挿入してあり、ダンプ
作動時の戻り油を、自動的に圧油側に合流させて
増速ダンプさせるように構成されている。

次に増速バルブ１０の具体的な構造を第３図及
び第４図で説明する。

増速バルブ１０は、その上面に複動ダンプシリ
ンダ５のピストン前部室５ａへ油路２４をもつて
連結されるポート３０と、ピストン後部室５ｂへ
油路２５をもつて連結されるポート３１とをも
ち、また、側面に複動ダンプシリンダ用の方向制
御弁７からの２本の油路２４，２５に連結される
ポート３２，３３をもち、ポート３０，３３は、
本体内でＬ字型に形成された主連通油路３４で連
通され、途中の屈曲部にポート３０からポート３
３への方向の作動油の流通を阻止する逆止弁３５
が設けられている。

また、ポート３１，３２は、本体内のＬ字型の
主連通油路３６で常時直接連通されている。

そして上記２つの主連通油路３４，３６間に
は、複動ダンプシリンダ５のダンプ作動時の戻り
油即ち、ピストン前部室５ａからの圧油をピスト
ン後部室５ｂに合流させるための前記逆止弁３５
と共働するスプール形状の還流弁３７が設けてあ
る。

この還流弁３７は、Ｌ字型をした主連通油路３
４，３６の縦方向の油路と平行で、かつ、該油路
３４，３６の間に設けられた摺動孔３８内に摺動
可能に設けられ、その下端が上記油路３４の横方
向の油路に臨んでおり、常時、スプリング３９に
より上方に押上られている。

上記還流弁３７の摺動孔３８には、２つの主連
通油路３４，３６から夫々分岐された分岐油路３
４ａ，３６ａが開口しており、これらの開口部の
摺動孔３８側には環状溝４０，４１が設けられて
いる。

上記２つの環状溝４０，４１の間の摺動孔部分
３８ａは弁座を形成しており、これに対応して還
流弁３７の外周には、環状の連通制御溝４２が形
成されている。

そして、ピストン前部室５ａ側の分岐油路３４
ａの環状溝４０と対応して、還流弁３７の途中に
貫通横孔４３が設けられ、また還流弁３７の中心
を縦方向に貫通し、一端を上記貫通横孔４３に開
口し、他端を還流弁３７の上端に開口させてパイ
ロツト油路４４が設けられ、更に、上記貫通横孔
４３から還流弁３７の下端に向けて絞り通路４５
が絞り４６を介して開設されている。

上記還流弁３７は通常、スプリング３９により
摺動孔３８の上端に押上げられて当接しており、
弁座３８ａは閉塞され、貫通横孔４３は分岐油路
３４ａと連通した状態にある。

増速バルブ１０は以上の構造からなり、その作
用を説明する。先ず、複動ダンプシリンダ５のス
クイ動作時には、ポンプから供給された圧油がポ
ート３３へ供給され、逆止弁３５を押し開いて複
動ダンプシリンダ５のピストン前部室５ａ内に流
入する。このとき、ピストン後部室５ｂの戻り油
は、ポート３１からポート３２を経てタンクへ戻
され、従つて、ダンプシリンダ５は通常の速度で
収縮作動し、先端作業機器３にスクイ作動を実行
させる。

而して、複動ダンプシリンダ５をダンプ作動さ
せるときには、ポンプから供給された圧油がポー
ト３２に供給され、ポート３１を経てピストン後
部室５ｂに至るが、ピストン前部室５ａの戻り油
は、逆止弁３５の逆止作用により主連通路３４を
自由に通ることができず、還流弁３７の絞り４６
によつて絞られた状態で絞り通賂４５から僅かに
タンクに戻り得るだけとなる。従つて、上記戻り
油の圧力は高まり、パイロツト油路４４を経て還
流弁３７の上端に高い圧油が作用し、スプリング
３９に抗して還流弁３７を下降させる。これによ
り、第４図に示す様に連通制御溝４２が２つの主
油路３４，３６の分岐油路路３４ａ，３６ａ間を
連通させ、戻り油がピストン後部室５ｂへポンプ
から供給された圧油と合流して供給されることに
なり、その結果、複動ダンプシリンダ５の伸長ダ
ンプ速度が増大する。

この場合、上記還流弁３７の連通制御溝４２に
よる連通制御は、スプリング３９のバネ力に対す
るピストン前部室５ａの戻り油圧力の釣り合いに
よつて行われ、第４図に示す様に、環状溝４０の
上縁と、連通制御溝４２の下縁とで形成される可
変絞り部ｍの開口度と、環状溝４０の下縁及び貫
通横穴４３に上縁の間で形成される可変絞り部ｎ
に開口度とが一定の関係に保たれた状態で静止す
る。即ち、上記可変絞り部ｎの開口度が０になる
と、パイロツト圧がなくなるので、これが完全に
閉じることがなくなり、従つて、油圧ポンプの供
給油圧が一定となり、かつ、負荷の変動がなけれ
ば、前記可変絞り部ｍ，ｎの開口度の関係は一定
に保たれる。このようにしてチヤタリングの発生
が未然に回避される。

また、ダンプ作動時複動ダンプシリンダ用の方
向制御弁７を中立にして圧油の供給を停止すれ
ぱ、パイロツト圧がなくなり、スプリング３９の
作用で還流弁３７が上昇復帰して、複動ダンプシ
リンダ５の作動を急停止させることができる。

尚、エンジンのスロツトル操作により油圧ポン
プの回転を遅くして吐出油量を少なくすると、ダ
ンプ時におけるピストン前部室５ａの戻り油の圧
力上昇が緩慢となり、絞り４６及び絞り通路４５
からタンクへ戻されるため、定速ダンプが可能で
ある。

次に油圧回路全体の作動を第２図で説明する。

第２図では両方向制御弁６，７が共に中立にあ
り、この状態では、ポンプ８は無負荷である。

そして、一方を中立にして、他方の方向制御弁
を操作すると、複動ダンプシリンダ５または複動
リフトシリンダ４が単独作動モードで作動する。
この際、複動ダンプシリンダ用の方向制御弁７を
単独操作するときにも、前述した増速バルブ１０
により作動特性が得られる。

また、両方向制御弁６，７を同時に操作すると
きには、複動リフトシリンダ４の戻り油で複動ダ
ンプシリンダ５が作動せしめられるため、特に上
昇とダンプ及び下降とスクイの組合せ操作におい
て、リフトアームの昇降と先端作業機器の動作が
自動的に平行に行われ、先端作業機３からの荷こ
ぼれ等が効果的に防止される。

発明の効果以上の説明から理解されるように、本発明は、
絞り通路と可変絞り部を有する還流弁に、複動ダ
ンプシリンダの前部室からタンクへの圧油の戻り
のみを防止する逆止弁と、リリーフ弁とを連設し
た増速バルブを使用することによつて、先端作業
機の作動モードをスクイ動作からダンプ動作に変
換する際の複動ダンプシリンダの作動を円滑化
し、負荷のアンバランスに起因するピストンのバ
ツクリングや油路の破裂を効果的に防止すること
ができる。更に本発明装置の採用により、リフト
アームの先端に取付けられた作業機のダンプスピ
ードが上昇し、上昇ダンプ時、上昇してがら積荷
のダンプを高速で行うことができる。斯くして先
端作業機からの荷離れ性能を向上させることがで
きる。

また、下降ダンプ同時操作で、前輪を持ち上げ
るとき、スクイパイロツト方式の増速パルブであ
るため、複合リフトシリンダ、複動ダンプシリン
ダの両方で前輪を持ち上げることができる。

更に、バツクグレーダ時の下降ダンプがスピー
ドアツプできる。即ち、複合操作のダンプ動作に
おいても高速ダンプ機能を発揮することができ
る。

また、上昇ダンプ及び下降スクイの同時操作に
より、リフトアームの昇降時、先端作業機を自動
的にレベリング作動させることが可能となり、荷
こぼれ等を効果的に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明を適用した農用フロントロー
ダの側面図、第２図はその操作用油圧回路図、第
３図は、第２図中の増速バルブ、即ち増速装置の
通常時の状態における縦断面図、第４図は、増速
動作状態における縦断面図である。１…トラクタ本体、２…リフトアーム、３…先
端作業機器、４…複動リフトシリンダ、５…複動
ダンプシリンダ、６…複動リフトシリンダ用方向
制御弁、７…複動ダンプシリンダ用方向制御弁、
８…ポンプ、９…タンク、１０…増速バルブ、３
５…逆止弁、３７…還流弁、３９…スプリング、
ｍ，ｎ…可変絞り部、４５…絞り通路、４６…絞
り。

Claims

【特許請求の範囲】

１複動ダンプシリンダと複動リフトシリンダの
作動モードを、同時作動または単独作動に切換え
る２個の方向制御弁と、複動ダンプシリンダのピ
ストン前部室側の油路の途中に配設され複動ダン
プシリンダの前部室からタンクへの圧油の戻りの
みを防止する逆止弁と、この逆止弁の上流に配設
され、通常、スプリングによつて複動ダンプシリ
ンダのピストン前後部室の油路間の連通を遮断
し、この複動ダンプシリンダの伸長時、前記ピス
トン前部室側の戻り油圧の上昇を利用して前記ス
プリングに抗してピストン前後部室間の油路を連
通させ、ピストン前部室からの戻り油を可変絞り
部を通してピストン後部室側に合流させる還流弁
と、上記還流弁に付設された可変絞り部および絞
り通路と協働してピストン前部室からの戻り油を
常時タンクヘ戻す回路と、複動ダンプシリンダの
後部室からこの複動ダンプシリンダ用の方向制御
弁のシリンダポートに向かつて延びる油路の途中
から分岐しタンクの油路の途中に接続されたリリ
ーフ弁から構成されていることを特徴とする複動
ダンプシリンダの増速装置。