JPS6327409Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は配電盤等に直接取付け、または据付
固定される真空しや断器に関するものである。

従来この種のしや断器としては、一般に油しや
断器が使用されているが、小形、長寿命、無保
守、等長所の大きい真空しや断器への切換えが進
んでいる。

第１図は一般に使用される手動操作形真空しや
断器の外観を示す正面図及び側面図、第２図は操
作機構によつて開閉操作される開閉部の構構成を
示す。

第１図において２は真空スイツチ管である第
１，第２，第３の真空スイツチ管２ａ，２ｂ，２
ｃの３本の真空スイツチ管がそれぞれ真空スイツ
チ管取付室に取付けられている。３は主回路端子
で、真空スイツチ管２により開閉される主回路の
入出力端子３１，３２より構成される。第１，第
２，第３の各真空スイツチ管２ａ，２ｂ，２ｃに
対応してそれぞれの主回路端子３１ａ，３２ａ，
３１ｂ，３２ｂ，３１ｃ，３２ｃがある。１は本
体フレームで絶縁物のモールド成形品を使用して
おり上記の部品をコンパクトに組込むことができ
全体の小形化に寄与している。

４は操作機構部で、接点開閉機構４１、主軸４
２、操作機構４３、操作軸４４、操作用の手動ハ
ンドル４５より構成される。

なおここで、接点開閉機構４１は、各々の真空
スイツチ管毎に、主軸４２を経て伝えられる真空
スイツチ管２の接点開閉のための機械力を真空ス
イツチ管２の可動電極棒に伝えこの真空スイツチ
管２の接点を開閉する機構、主軸４２は操作機構
４３からの真空スイツチ管接点開閉のための駆動
力を回動力の形で接点開閉機構４１に伝達するも
の、操作機構４３は操作軸４４を介して伝えられ
る手動ハンドル４５からの手動操作力を例えばリ
ンク機構、カム機構を利用して定速投入定速しや
断が行えるよう主軸４２に所定の回動力の形に変
えて伝達する機能及び故障電流に応動して引外し
動作を行なう機能を備えたものである。

なお、手動ハンドルの操作方向は左回動で投入
できる。

５は補助接点部で真空スイツチ管２の接点の開
閉に合わせて開閉する補助接点よりなり制御用の
接点等に使用するものである。６は前面プレート
である。

第２図において、２は真空スイツチ管であり、
その固定電極と可動電極にはそれぞれ外部へ引出
リードが接続されている。１１は可動スタツド、
１３は絶縁モールド、１４はワイプバネ、１５は
レバー、１５ａは軸であり、可動スタツド１１に
よる取付寸法の調整、絶縁モールド１３による電
気的絶縁、ワイプバネ１４による接点加圧力、レ
バー１５による回転方向の運動を直線運動へ変換
する等それぞれの機能を通して、主軸４２におけ
る回転方向の運動により可動電極をうごかして真
空スイツチ管２を開閉するようにしている。なお
主軸４２は筐体１０に主軸ピン０６１０によつて
回動自在に支持されている。

また主軸４２にはクランク１７とその先端部に
クランクピン１２が設けられており、このクラン
クピン１２は筐体１０に設けられたクランク窓１
０１２を通して第２図に示すような構造に配置さ
れており、クランクピン１２をうごかすことによ
りクランク１７を経て主軸４２を回転方向に運動
させ真空スイツチ管２を開閉する。

なお、クランク窓１０１２はクランクピン１２
が真空スイツチ管２を開閉するのに必要な運動が
できる所要の広さをもつている。

しかし、上記の真空しや断器を配電盤に取付け
る場合、従来の油しや断器に比べて大巾に小形化
されているため、既存の配電盤への交換取付け
や、配電盤上の機器の配置によつては、配電パネ
ルと主回路端子間の寸法が狭くなり、主回路配線
の引き回しが複雑、困難になることがあり、主回
路端子と配電盤パネル間の間隔の広い別の真空し
や断器を用いなければならない。

この考案は上記のような事情に鑑みてなされた
もので、しや断器本体および操作機構部を全く変
更することなく配電盤取付面と主回路端子間の間
隔を所定の寸法に広げることができる真空しや断
器を提供することを目的としている。

以下、この考案の一実施例を図について説明す
る。

第３図は、この考案による真空しや断器の分解
斜視図、第４図は同開閉表示部の正面図及び断面
図、第５図は同、手動トリツプ操作ボタン部であ
る。

第３図において２０は真空しや断器本体、２１
は真空しや断器本体２０に取付けられる右側スペ
ーサ、２２は真空しや断器本体２０に取付けられ
る左側スペーサ、２３は操作軸４４に取付けられ
る延長軸、２４は上記クランクピン１２に設けら
れたピン、２５はピン２４と回動自在に結合動作
する開閉表示部、６は前面プレートである。

第４図において、２５０１は、一端が上記ピン
２４と回動自在に結合する長穴２５０２を有し、
他の一端は自由支点２５０３と回動自在に結合し
ている連結板、２５０４は表示軸２５０５を支点
として回転する開閉表示板であり、自由支点２５
０３を係止している。２５０６は自由支点２５０
３と同心に設置された捻りバネ、２５０８は、連
結板２５０２に設けられた突起、２５０７は表示
軸２５０５の抜け止メ用のＥリングである。

第５図において２６は手動トリツプ操作ボタン
部、２６０１はトリツプボタン、２６０２はトリ
ツプノブ、２６０３は復帰バネ、２６０４はノブ
サポート、２６０５は、バネ座、２６０６は上記
部品が組立取付けられる支持板で、上記右側スペ
ーサ２１の所定の位置に取付けられる。

上記のように構成されたしや断器の前面スペー
サにおいて開閉表示部２５の動作を述べる。

しや断器が「切」状態のとき開閉表示部は第４
図ａの位置にある。自由支点２５０３に設置され
た捻りバネ２５０６は連結板２５０１の突起２５
０８と表示軸２５０５に蓄勢状態で係止されてい
るため、上記２つの係止点を広げるように作用し
ている。一方、連結板２５０１はしや断器のピン
２４と回動自在に結合しているため、上記捻りバ
ネの蓄勢力は、表示軸２５０５を支点として開閉
表示板２５０４を時計方向へ回動、連結板２５０
１を右方向へ移動させる様に作用し、長穴２５０
２とピン２４が当接する位置で止まつている。ピ
ン２４の位置は、操動機構部により、位置決めさ
れているので、開閉表示板２５０４は「切」表示
を行なう。

次にしや断器が「入」動作を行なう場合には、
第４図ａにおいてピン２４は左方向（Ｆの方向）
へ主回路接点の投入位置まで移動するので、連結
板２５０１も左方向へ移動し、自由支点２５０３
を介して開閉表示板２５０４を反時計方向へ回動
させ「入」表示を行なわせしめる。このとき捻り
バネ２５０６はさらに蓄勢され、しや断器が
「切」動作のときに開閉表示部の「切」動作に待
機している。

また、連結板２５０１の長穴２５０２は、主回
路接点の投入、しや断速度、即ちピン２４の移動
速度が0.4〜1.1m／Ｓと速いため開閉表示部各部
が加速度、衝撃等、機械的に損傷、劣化するのを
防止している。「入」動作時には、長穴２５０２
分だけ、開閉表示部はオーバランし、捻りバネ２
５０６はダンパーとして作用する。また「切」動
作時にはピン２４は高速で長穴２５０２を移動
し、開閉表示部は捻りバネ２５０６の蓄勢力によ
つて動作するので、加速、衝撃は極めて小さい。

この開閉表示部は、上記左側スペーサ２２に取
付けられるので、工場製作時に組立、取付けが可
能である。

しや断器本体への取付は標準タイプの開閉表示
器を取外した後、しや断器本体の取付穴に、上記
開閉表示部２５を組込んだ左側スペーサ２２と右
側スペーサ２１を取付け、ピン２４を長穴２５０
２にハメ込み、延長軸２３を取付けるだけでよ
い。

また、電動操作形のものでは、手動トリツプ操
作ボタンがあるので上記右側スペーサ２１にこの
手動トリツプ操作ボタン部２６が取付けられる。
第５図において、支持板２６０６は右側スペーサ
２１に取付固定されており、この支持板２６０６
に、トリツプボタン２６０１が取付固定され、ト
リツプノブ２６０２が組込まれている。

復帰バネ２６０３はバネ座２６０５を介して、
ノブサポート２６０４およびトリツプノブ２６０
２を左方に押し上げている。一方、ノブサポート
２６０４の右端はしや断器本体のトリツプ機構部
（図示せず）に接離可能に取付けられているので、
手動トリツプ操作の必要に応じてトリツプノブ２
６０２を押せば、しや断器をしや断動作させるこ
とができる。

しや断本体への取付は標準タイプの手動トリツ
プ操作ボタン部を取外せばよい。

上記の右側スペーサ２１、左側スペーサ２２に
は標準品と同一寸法で配電盤パネルへの取付用タ
ツプが設けてあるので標準品と同一の取付が出来
る。

なお、上記実施例では、右側スペーサ２１と、
左側スペーサ２２としたが、両者を、一体化した
スペーサを使用してもよい。

以上述べたように、本考案によればしや断器本
体および操作機構部を全く変更することなく手動
操作形においては開閉表示器を取外すのみ、電動
操作形においては開閉表示器と手動トリツプ操作
ボタン部を取外すのみで、配電盤取付面と主回路
端子間の間隔を所定の寸法に広げられるスペーサ
機構が簡単に付加できるので、現地でも取付が可
能であり、標準化に適した経済的にも有利な真空
しや断器が提供できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は手動形真空しや断器の外観を示す正面
図及び側面図、第２図は同、操作機構によつて開
閉操作される開閉部の構成図、第３図は、この発
明の一実施例による真空しや断器の分解斜視図、
第４図は同開閉表示部の正面図及び断面図、第５
図は同、手動トリツプ操作ボタン部の断面図であ
る。 １……モールドフレーム、２ａ，２ｂ，２ｃ…
…第１，第２，第３の真空スイツチ管、３１ａ，
３２ａ，３１ｂ，３２ｂ，３１ｃ，３２ｃ……主
回路端子、４……操作機構部、４１……接点開閉
機構、４２……主軸、４３……操作機構、４４…
…操作軸、４５……操作用の手動ハンドル、５…
…補助接点部、６……前面プレート、１１……可
動スダツド、１３……絶縁モールド、１４……ワ
イプバネ、１５……レバー、１５ａ……軸、０６
１０……主軸ピン、１０……筐体、１７……クラ
ンク、１２……クランクピン、１０１２……クラ
ンク窓、２０……真空しや断器本体、２１……右
側スペーサ、２２……左側スペーサ、２３……延
長軸、２４……ピン、２５……開閉表示部、２５
０１……連結板、２５０２……長穴、２５０３…
…自由支点、２５０４……開閉表示板、２５０５
……開閉軸、２５０６……捻りバネ、２５０８…
…突起、２５０７……Ｅリング、２６……手動ト
リツプ操作ボタン部、２６０１……トリツプボタ
ン、２６０２……トリツプノブ、２６０３……復
帰バネ、２６０４……ノブサポート、２６０５…
…バネ座、２６０６……支持板、なお図中、同一
符号は同一、又は、相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. しや断器本体前面に前面パネルを取り付けるも
   のにおいて、しや断器の前面とパネルの後面とに
   それぞれと当接する取り付け面を有すると共にこ
   れらの取り付け面を結合する結合部とからなるス
   ペーサの一方の取り付け面をしや断器前面両側に
   取り付け、前記スペーサの上記他の取り付け面に
   前記前面パネルを装着すると共に、前記しや断器
   前面に装着された操作ハンドルを着脱自在とし上
   記スペーサ装着時には上記スペーサの厚さに略等
   しい長さを有する延長軸を介して上記操作ハンド
   ルを上記しや断器本体に装着したことを特徴とす
   る真空しや断器。