JPS632647B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、煙等の様な浮遊粒子状の汚染物質や
臭気等の様な気体汚染物質を含む汚染空気の浄化
装置に関するものであり、更に詳しくは車内、住
居内或いは作業室等において発生する上記汚染空
気を浄化するための装置に関するものである。 近来、建築物の気密構造化が進むに伴い、住居
や事務室，会議室等にあつては煙草の煙が、作業
室等にあつては例えばヒユーム等の様な臭気を伴
つた各種粉塵の除去が必要になり、更に自動車や
列車、航空機等においても煙草の煙が問題になり
つつある。 この様な空気汚染物質の除去のために従来各種
の空気清浄器が提案されているが、これ等従来の
空気清浄器の多くは、フイルターや電気集塵装置
等の様な浮遊汚染物質を除去する機材と吸着剤や
中和剤等の様な気体状汚染物質を除去するための
各種処理剤を用途に応じて組合せた浄化手段を収
納した空気清浄器の外筐に、汚染空気を前記浄化
手段に供給するための吸引口を単に形成したもの
であつて、これを室内等の任意の場所に設置して
使用する様になつていた。 従つて、これ等従来の空気清浄器で空気汚染物
質の様に空中に拡散する性質の汚染物質を除去し
ようとすると、一旦拡散してから浄化することに
なるので単位時間当りの空気処理量を大きくしな
ければ充分な清浄効果を得ることが出来ないばか
りでなく、この様に一旦拡散してから浄化する方
法は、その室内に居る人にとつて著しい不快感を
与える欠点があつた。 また、従来作業室等における固定的作業のため
には、浄化手段を屋外或いは適当な場所に設置し
て、ダクト等の吸気施設を汚染源の近辺に配置し
た空気浄化装置があつたが、かかる従来の装置で
は吸気施設の移動収納が容易でないために、煙草
の煙や不定期な作業等の様に汚染源が変動する場
合は使用することが出来なかつた。 本発明は、従来の装置におけるかかる欠点を除
去して、刺激性の汚染物質の場合でも不快感を与
えることなく充分な清浄効果を発揮し、しかも可
搬、小型化が可能で且つ汚染源が変動する場合で
も極めて簡便に使用出来る空気清浄器を提供する
ことを目的とするものである。 本発明の特徴は、煙等を含む汚染空気の浄化手
段を内蔵した空気清浄器本体に、前記浄化手段に
汚染空気を取入れるための面状吸引部材を装着収
納して形成した空気清浄器の前記面状吸引部材
を、前記浄化手段と流路を形成して連結したま
ま、必要に応じて空気清浄器本体より引出して、
これを汚染源の近傍の任意の位置に固定すること
によつて、汚染物質が拡散する以前にこれを容易
に捕集出来る様にしたことである。 次に図に基づいて本発明の構成を説明する。 第１図及び第２図は本発明の一実施例の断面図
とその斜視図であり、第３図は第１図及び第２図
に示す空気清浄器の使用状態における斜視図であ
る。 これ等の図に示す本発明の空気清浄器は、汚染
空気を清浄化するための浄化手段１５を内蔵して
いる空気清浄器本体９と、該空気清浄器本体に、
外筐の一部を形成して装着した、汚染空気を取入
れるための面状吸引部材１０より成り、前記浄化
手段には、浮遊粒子状の空気汚染物質を除去する
ための電気集塵装置５と、気体状の空気汚染物質
を除去するための吸着剤層６及び送風機８が、流
路２の流入側からこれ等の順に設けられており、
面状吸引部材１０は、全面に小孔１４を有する多
孔板１３とその外面に形成した多数のスリツト１
１とによつて、吸引部材１０の外面の全面にわた
つて一様に汚染空気を吸引する様になつており、
更に、その背面に設けた、ボール状の摺動部２２
においてほぼ180゜の角度内で回転自在の自在管継
手１６を、空気清浄器本体９に取付けた同様の自
在管継手１６′に伸縮自在に挿入嵌合することに
よつて、面状吸引部材１０を、浄化手段１５の流
路を形成して連結されたまま、前記空気清浄器本
体に対して任意の位置に変位固定し得る様にして
ある。 第５図及び第６図は煙草の煙を対象とした本発
明の一実施例の断面図とその斜視図である。 煙草の煙は第１表に示す様に粒子成分と気体成
分によつて構成されており、従つて肉視出来

【表】 る粒子成分を除去しても尚気体状の臭気成分が残
留するので、煙草の煙を対象とした前記第５図及
び第６図の空気清浄器も、粒子状汚染物質を除去
するための電気集塵装置５と気体状汚染成分を除
去するための、例えば活性炭の様な吸着剤層６及
び送風機８によつて浄化手段を形成し、該浄化手
段を内蔵した空気清浄器本体９に面状吸引部材１
０を装着収納して構成されている。そして、前記
面状吸引部材は、その一方の端縁の中央部に設け
た円筒状の繋合部１７の両端に、空気清浄器本体
９の一方の端縁の左右に設けた２個の繋止部１
８，１８の先端に１軸に形成されている環状突起
１９，１９を挿入繋合することによつて、空気清
浄器本体９に対して１軸に回転して任意の位置に
固定する様にしてあり、また該面状吸引部材はそ
の内面に、多孔板１３とスリツト１１の多数個に
よつて形成された吸引面を有し、該吸引面の全面
にわたつて汚染空気を吸引する様になつており、
更に該面状吸引部材は、これを閉じることによつ
てスイツチ２３を押して、図示してない回路を切
つて電気集塵装置５及び送風機８の作動を停止
し、同時に空気清浄器の蓋体を形成して、空気清
浄器本体９の上面に設けてある灰皿２４を覆う様
になつている。 第７図は本発明の更に他の一実施例の断面を示
す図であるが、該図に示す空気清浄器では、フイ
ルターを兼ねた処理剤層６と送風機８より成る浄
化手段を内蔵した空気清浄器本体９に装着した球
面状の吸引部材１０は蛇腹管２０によつて前記浄
化手段に流路を形成して連結され、空気清浄器本
体より引出して任意の位置に固定し得る様になつ
ている。 以上の各実施例に示した様に本発明の空気清浄
器は、煙等を含む汚染空気の浄化手段を内蔵した
空気清浄器本体に、前記浄化手段に汚染空気を送
入するための面状吸引部材を装着収納して成る空
気清浄器において、前記面状吸引部材が、前記浄
化手段に流路を形成して連結されたまま、前記空
気清浄器本体に対して任意の位置に変位固定し得
ることを特徴とするものである。 本発明において、空気清浄器本体に内蔵する浄
化手段は浄化しようとする汚染空気中の汚染物質
に基づいて任意に選択される。 汚染空気が前述した煙草の煙の様に粒子状の汚
染物質と気体状汚染物質の双方を含むときはその
いずれも除去出来る浄化手段が必要であるが、汚
染物質が例えば接着剤や塗料から蒸発する溶剤蒸
気等の様に粒子状の汚染物質を含まないときは、
浄化手段は気体状の汚染物質のみを除去する浄化
手段であつてもよい。 気体状汚染物質のうち溶剤等の様に化学的に比
較的安定な汚染物質の除去手段としては、これを
各種吸着剤に吸着させて除去する方法や触媒を用
いて酸化して無害化する方法等があり、その一例
を挙げれば下記第２表の通りである。

【表】 また、気体状汚染物質のうち酸性ガスやアルカ
リ性ガス等の様に反応性汚染物質の場合は、それ
ぞれの汚染物質に応じて、これを下記第３表に示
す様な処理剤層を通過せしめて除去する方法があ
るが、この様な方法も本発明の浄化手段に含まれ
るものとする。

【表】 粒子状汚染物質を除去する浄化手段としては前
述の電気集塵装置のほか各種のフイルター類も使
用することが出来るが、汚染物質の粒径が小さい
場合にはミクロポアーのフイルターを使用しなけ
ればならず、この様なフイルターは圧損が大きい
ので極力大きな表面積で使用する必要がある。 粒子状汚染物質を除去するために圧損が少ない
浄化手段として前述の電気集塵装置が挙げられる
が、一般に従来の電気集塵装置は、汚染物質の濃
度が高くなると放電電極の汚染が著しく、かつ放
電電極近傍の帯電汚染物粒子が放電電場を遮蔽す
るために、放電電流が減少して集塵効率が低下す
るという大きな欠点があつた。 従つて従来の電気集塵装置は、本発明における
様に、空中に拡散される以前に高濃度で捕集する
浄化手段としては、必ずしも好ましい浄化手段で
はないが第１図に示した様に、筒状の集塵電極１
の流入側の端面に通気性の凹面状キヤツプ３を設
け、一方向の突出端１２において放電する放電電
極４を、前記突出端を流路の流入側に向けて前記
集塵電極の内部に設けた電気集塵装置では、イオ
ンシヤワーに伴うコロナ風が突出端１２から集塵
電極１と通気性キヤツプ３の内面に向つて一方的
に放射されるから、汚染物粒子は該集塵電極の内
面に押しやられつつ、該内面に沿つて移送される
こととなり、放電電極の近傍で帯電汚染物粒子が
放電電場を遮蔽することが無く、且つ、コロナ風
のために突出端１２の近傍に生ずる負圧部分に向
つて流入する空気は、放電電極４の側面に沿つ
て、流出側即ち一旦浄化された空気の側から一方
的に流入することになるので放電電極に汚染物粒
子が付着することがない。 従つてこの様な電気集塵装置５は、放電電極が
汚染されることもなく、且つ汚染物質が高濃度で
も放電電流が減少して捕集効果を低下せしめるこ
とがないので本発明にとつて極めて好ましい浄化
手段である。 面状吸引部材１０は第１図、第２図及び第５
図、第６図の実施例に示した様に、１個の浄化手
段に対して１個でもよいが、第４図に示した様に
複数個の面状吸引部材を設けてもよく、また、前
述の各実施例では小孔１４を設けた多孔板１３と
多数個のスリツト１１によつてその全面にわたつ
て汚染空気を吸引する様にしているが、本発明の
面状吸引部材１０は、その全面にわたつて汚染空
気を吸引するものであればその形状及び数に限定
はない。 また、面状吸引部材１０は、例えば煙草の煙の
様に面状吸引部材に吹きつけられた汚染空気を捕
集する場合には、第５図に示した様に多孔板１３
の小孔１４の径を、その周辺に位置するものの径
を大きく、中央部に位置するものの径を小さくす
ると、汚染空気が面状吸引部材１０の吸引面から
流れ去ることを防止することが出来る。 第１図及び第２図に示した、面状吸引部材１０
を伸縮自在に浄化手段に連結している２個の自在
管継手１６，１６′は、更にその各々の間を伸縮
自在管で連結してもよく、空気清浄器本体９に対
する面状吸引部材１０の変位範囲は空気清浄器の
用途及び目的によつて決定される。 空気清浄器本体９に対して任意の位置に変位し
た面状吸引部材１０を固定するには、第１図、第
２図及び第５図、第６図等に示した実施例では、
面状吸引部材１０を浄化手段に流路を形成して連
結している連結部材の各摺動部分の摩擦の程度を
選択すればよいが、前記連結部材が第７図の実施
例に示した蛇腹管の様に柔軟な部材の時は図示し
てない例えばパンタグラフの様な別の部材で面状
吸引部材を保持してもよく、本発明は面状吸引部
材を浄化手段に連結する方法及び空気清浄器本体
に固定する方法によつて限定されない。 次に本発明の作用効果について説明する。 本発明の空気清浄器は、汚染空気の浄化手段を
内蔵した空気清浄器本体に面状の吸引部材が装着
されているので、それ自体で従来の空気清浄器の
様に室内の任意の場所に設置しておいて、汚染さ
れた室内の空気を吸引浄化し得ることは勿論であ
るが、前記面状吸引部材が、前記浄化手段に流路
を形成して連結されたまま、これを空気清浄器本
体から引出して任意の位置に変位固定することが
出来るので、前記面状吸引部材を汚染物質の発生
源に近接して、しかも最適位置に設置出来るか
ら、汚染物質を、室内に拡散する以前に、しかも
最も捕集し易い状態で捕集することが出来る。 従つて本発明によるときは、汚染物質は殆んど
室内に拡散されないから清浄効果は極めて大き
く、且つ汚染物質がたとえ刺激性であつても室内
の人に不快感を与えることが殆んどない。 また、この様に汚染物質を、室内に拡散する以
前に捕集するから、本発明の空気清浄器は、従来
の空気清浄器に比べて単位時間内に処理する空気
量は極めて少なくなり、従つてその大きさを極め
て小型にすることが出来るから運搬も極めて容易
である。 更に本発明の空気清浄器では、空気清浄器本体
に対して面状吸引部材を任意の位置に容易に変動
させることが出来るので、煙や不定期な作業等の
様に汚染源が常に変動しても面状吸引部材の位置
を変えるだけでよく、また使用後は面状吸引部材
を空気清浄器本体に収納するだけでよいから極め
て簡便に使用することが出来る。 以上説明した様に本発明は、従来の空気清浄器
における欠点を除去して、可搬、小型化が可能で
且つ汚染源が変動しても極めて簡便に、しかも何
等の不快感を与えることなく使用出来る空気清浄
器を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の一実施例の断面図
とその斜視図であり、第３図は第１図及び第２図
に示した実施例の使用状態における斜視図であ
る。第４図は本発明の他の一実施例の斜視図であ
り、第５図及び第６図はそれぞれ本発明の更に他
の一実施例の断面図とその使用状態における斜視
図である。第７図も本発明の他の一実施例を示す
断面図である。 １……集塵電極、２……流路、３……キヤツ
プ、４……コロナ放電電極、５……電気集塵装
置、６……吸着剤層又は処理剤層、７……電源、
８……送風機、９……空気清浄器本体、１０……
面状吸引部材、１１……スリツト、１２……突出
端、１３……多孔板、１４……小孔、１５……浄
化手段、１６……自在管継手、１７……繋合部、
１８……繋止部、１９……環状突起、２０……蛇
腹管、２１……清浄空気排出口、２２……摺動
部、２３……スイツチ、２４……灰皿、２５……
反撥電極、２６……空気取入口、１６′……自在
管継手。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 煙等を含む汚染空気の浄化手段を内蔵した空
   気清浄器本体に、前記浄化手段に汚染空気を送入
   するための面状吸引部材を装着収納して成る空気
   清浄器において、前記面状吸引部材が、前記浄化
   手段に流路を形成して連結されたまま、前記空気
   清浄器本体に対して任意の位置に変位固定し得る
   ことを特徴とする空気清浄器。 ２ 空気清浄器本体に対して任意の位置に変位固
   定し得る面状吸引部材が、空気清浄器の外筐の一
   部を形成して前記空気清浄器本体に装着収納され
   ている特許請求の範囲第１項記載の空気清浄器。 ３ 面状吸引部材が空気清浄器の蓋体を形成して
   空気清浄器本体に装着収納されている特許請求の
   範囲第１項記載の空気清浄器。 ４ 面状吸引部材に設けた自在管継手と空気清浄
   器本体に設けた自在管継手を伸縮自在に接続する
   ことによつて、前記面状吸引部材を、浄化手段に
   流路を形成して連結されたまま、空気清浄器本体
   に対して任意の位置に変位固定し得る様にした特
   許請求の範囲第１項記載の空気清浄器。 ５ 面状吸引部材を空気清浄器本体に一軸に回転
   可能に装着して、該面状吸引部材を、空気清浄器
   本体に対して任意の位置に変位固定し得る様にし
   た特許請求の範囲第１項記載の空気清浄器。 ６ 面状吸引部材と空気清浄器本体を蛇腹管によ
   つて接続した特許請求の範囲第１項記載の空気清
   浄器。 ７ 汚染空気の浄化手段が浮遊微粒子状汚染物質
   を除去する手段及び、又は気体状汚染物質を除去
   する手段より成る浄化手段である特許請求の範囲
   第１項記載の空気清浄器。