JPS6326008Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は踵部における滑り止め効果と足当りの
良さを併せ持ち、かつ製靴作業効率に優れた月型
芯の構造に関する。

従来、歩行中の踵の抜け出しを防止するため月
型芯の上部に短いスリツトを多数横方行に設けて
滑り止め効果を持たせるものがあるが、足当り肌
ざわりの悪いものであつた。また、クツシヨン性
を持たせるため、アツパーの裏革にクツシヨン材
を貼着又は縫着することが行われていたが、クツ
シヨン材の剥れを生じたり縫着縁部の足当りの悪
さがあるほか、製靴作業の効率を害するものであ
つた。

本考案は上記のような欠点を除去するために提
供されたものであり、その目的は複数枚の芯材を
積層してモールド成形し又は柔軟なシート状に成
形した月型芯において、芯材の全積層間又はいず
れかの芯材積層間に弾性柔軟材を内包固定するこ
とにより月型芯の内表面に若干の弾性隆起部を形
成してなる月型芯、によつて達成される。

次に本考案を図面に示された一実施例に従つて
更に詳しく説明することとする。

１ａ，１ｂは月型芯材であり、自然皮革の床革
のほか、モールド素材、又は熱硬化性のシート材
が用いられる。２は弾性柔軟材でありスポンジ体
又は合成樹脂製発泡体を素材とする。該弾性柔軟
材は月型芯材１ａ，１ｂの間で２′の位置となる
ように内包されて挾着固定される。而して、該弾
性柔軟材２の中央下方は踵の肉づき部を囲むよう
に凹弧状縁２ａに形成されるとともに、左右端部
付近２ｂ，２ｃは中央部２ｄよりも厚肉部となつ
ており踝の下方に位置するように設けられてい
る。

第２図には積層成形後の状態が示されており、
月型芯の内側となる芯材１ｂは弾性柔軟材の形状
に沿つて積層されるので若干の隆起部１１ｂ，１
１ｂが滑らかに形成されることとなる。

而して、かかる積層構造は床革の貼り合せの際
又は合成レザーポードによるモールド成形の際、
更にはサーモプラスチツクカウンター成形の際に
行うものとする。

上記の如き本考案によれば、アツパーの裏革に
クツシヨン材が露出することがなく、従つてのり
付け作業や裏革への縫着作業を必要としない。特
に、熱硬化性のシートカウンターに適用すれば、
アツパーの表革と裏革との間に下方から挿入する
だけでよいので作業効率がよいものである。而し
て、上記の構造によれば、アツパーの裏革面に滑
らかな隆起が現出して滑り止めとなり、しかも急
激な段差や縫代端が生じないのでスムーズに足入
れを行う得ると共に、その弾性力と相俟つて良好
な足当りを確保し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す月型芯の分解
斜視図、第２図はＡ−Ａ断面図、である。 １ａ，１ｂ……月型芯材、２……弾性柔軟材、
２ａ……凹弧状縁、２ｂ，２ｃ……左右厚肉部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 複数枚の芯材を積層してモールド成形し、又
   は柔軟なシート状に成形した月型芯において、 芯材の全積層間又はいずれかの芯材積層間に
   弾性柔軟材を内包固定することにより、月型芯
   の内表面に若干の弾性隆起部を形成してなる月
   型芯。 ２ 弾性柔軟材の中央下方を滑らかな凹弧状縁に
   形成し、かつ左右端部付近を中央部より肉厚に
   形成してなる前記登録請求の範囲第１項記載の
   月型芯。 ３ 弾性柔軟材がスポンジ体である前記登録請求
   の範囲第１項又は第２項記載の月型芯。