JPS632593Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電子制御回路を介して燃料をコント
ロールし、それに応じた空気量を供給し、かつ各
種必要な操作を行ない得る燃料先行気化器におい
て、メーンノズルが開口する空気通路部分に、定
負圧部を形成させるための定負圧弁に関するもの
で、定負圧弁の開いによる乱気流を、メーンノズ
ルに与えることのない定負圧弁の提供を目的とし
ている。

従来の気化器においては、ドライバによるアク
セルペダルの操作により、スロツトル弁開度が先
ず定められ、エンジンへ供給する空気の通路の空
気流量が変えられ、メーンノズルが開口する空気
通路部分の負圧が変り、該負圧変化に応じてメー
ンノズルから流出する燃料流量が変化する構成と
なつている。すなわち従来の気化器は燃料後行気
化器である。

これに対し燃料先行気化器では、通常電子制御
回路が設けられ、エンジン状態、大気状態等を示
す電気信号が送られている前記電子制御回路に、
ドライバの操作によるアクセルペダルの位置を示
す電気信号が送られ、先ずフロート室からメーン
ノズルに至る燃料通路を開閉制御するニードル弁
等が前記アクセルペダルに連動し、または、前記
電子制御回路よりの指令信号によりソレノイド、
モータを介して燃料調整弁が開閉制御され、同時
に前記電子制御回路の指令信号により、前記メー
ンノズルの燃料流量に従属してスロツトル弁開度
が調整される。すなわち前記燃料後行気化器に対
して燃料先行気化器と称する。

前記燃料先行気化器は、空気通路の上流側に弁
レギユレータに連結された圧力調整弁と下流側に
スロツトル弁とが設けられ、これら両弁間に形成
された空気通路の定負圧部に、メーンノズルが設
けられており、該メーンノズルは定圧油面を形成
するフロート室の底部に連通し、その燃料入口に
アクセルペダルに連動するニードル弁あるいはア
クセルペダルと電気的に関連動作するソレノイド
またはモータによる燃料調整弁が設けられると共
に、上記メーンノズルの燃料流量に応じてスロツ
トル弁開度を制御する電子制御回路が付設され、
空燃比が定められた値に調整されるように構成さ
れている。

このように上記気化器ではノズル口端の負圧一
定、フロート室内圧一定の条件下で燃料制御が行
なわれるので、前記圧力調整弁、すなわち定負圧
弁が開いたときの乱気流によるノズル口端の圧力
変動はそのまま燃料流量の変動となる。ところが
従来は前記圧力調整弁に、板状弁を用いていたの
で、弁の下流にボルテツクスが生じ、そのためノ
ズル口端の圧力が変動し、燃料流れがスムーズに
行なわれない憾みがあつた。

本考案は上記の点に鑑み、燃料先行気化器にお
いて、メーンノズル上流の空気通路の絞り部に設
けられる前記圧力調整弁、すなわち定負圧弁に、
先端部を流線形の円錐状面に形成した円筒状弁を
用い、この円筒状弁の弁体内に、弁レギユレータ
を組込み、かつ後端部に負圧作動の弁アクチユエ
ータを装着して、エアクリーナ内または吸気路に
設定したもので、定負圧弁の開きによる乱気流を
防げる点が特色である。

次に本考案の実施例を図面に基いて説明する。

図面は本考案燃料先行気化器の定負圧弁の実施
例を示す縦断側面図で、図中１は空気通路、２は
エアクリーナ、２ａはエアクリーナエレメント、
３はそのエア取入口、４は空気通路１の上流が絞
られることによつて形成される定負圧部１ａ内に
開口するメーンノズル、５はスロツトル弁であ
る。

メーンノズル４は、図には省略されているが定
圧油面を形成するフロート室の底部に連通し、そ
の燃料入口にはアクセルペダルに関連動作するソ
レノイドまたはモータによる燃料調整弁が設けら
れており、またスロツトル弁５は電子制御回路に
よりメーンノズルの燃料流量に応じた開度にモー
タＭを介して制御されるようになつている。

本考案は上記のような燃料先行気化器におい
て、空気通路１の、メーンノズル４の上流、すな
わちエアクリーナ２内に開口する空気通路１の空
気流入口１ｂに、先端部が流線形の円錐状面に形
成された円筒状の弁体６内に、弁レギユレータ７
を組込んだ定負圧弁８を設け、さらにこの定負圧
弁８の後端部に、ダイヤフラム９を有する負圧作
動の弁アクチユエータ１０を装着して、空気通路
１のフランジ１ｃとエアクリーナ２のケース１１
の頂板との間に開閉可能に設定したものである。

弁体６内に組込まれたレギユレータ７は、アク
チユエータ１０の作動負圧を制御する弁１２とス
プリング１３とを有するダイヤフラム１４と該ダ
イヤフラム１４の下部に形成された圧力検知室１
５とから成つており、該圧力検知室１５は通路１
６により弁体６の先端部中心に開口する圧力検出
口１７にオリフイス１８を介して連通すると共
に、他側の通路１９により、弁１２を介してアク
チユエータ１０の作動用負圧通路２０に連通して
いる。

一方、弁アクチユエータ１０は、弁体６の上部
外周に弁体６の案内部２１と、その下側に空気通
路２２とを形成する筐体２３の上部に、蓋板２４
によつて外周縁を挟持された環状の前記ダイヤフ
ラム９とから成つており、このダイヤフラム９の
内周縁が弁体６の上部周縁に取付けられて上部に
作動負圧室２５が形成されている。

弁体６の上部中央には、蓋板２４の中心に垂設
された案内棒２６と挿合する筒体２７の台板２８
が嵌着され、この台板２８と蓋板２４の頂部間に
スプリング２９が設けられており、前記負圧通路
２０は途中、オリフイス３０を有するリーク通路
３１を分岐して弁体６の上部周壁の内側に開口し
ている。

上記の如く構成された本考案の定負圧弁におい
て、今例えばエンジンの始動による吸入管負圧の
増大あるいはスロツトル弁５の開動作等により定
負圧部１ａの負圧が強まると、その負圧は弁体６
の先端部中心に開口する圧力検出口１７によつて
検出され、オリフイス１８を介して通路１６によ
り室１５に伝わり、ダイヤフラム１４をスプリン
グ１３に抗して引き下げ、弁１２の開度を大きく
するので、アクチユエータ１０の負圧室２５内の
負圧も強まり、ダイヤフラム９は定負圧弁８を伴
なつて上昇し、流入する空気量を増大する。すな
わち定負圧部１ａの負圧を弱めるように作動する
のである。

この場合、負圧室２５内の負圧はオリフイス３
０を介して流入する大気により、ある負圧値に維
持されるので定負圧弁８もある開度に保持され
る。そして定負圧部１ａの負圧が弱まると上記の
場合と反対の動作が行なわれ、定負圧部１ａの圧
力変動を常に速やかに回復させる如く作動し、定
負圧部１ａの負圧を常にほぼ一定に保持するので
ある。

以上は定負圧弁８の機能であるが、本考案にお
いては、定負圧弁８を、先端部が流線形の円錐状
面に形成された円筒状弁とし、エアクリーナ内ま
たは吸気路に設定して空気通路１の入口を、その
軸方向に開閉するようにしたので、空気は周囲か
ら一様に流入し、しかも空気は弁体６の流線形の
円錐状面に沿つて流入するため、従来の板状弁の
ように、流入空気量の変化に対してノズル部に乱
流を生ずることなく、スムーズに流入する。

また空気通路１内は、ノズルやスロツトルバル
ブの存在によつて通路面積が減つているからそれ
に見合う面積分だけ、第２図に示されるように、
空気流入口１′ｂをくびり、その内壁を縦断面形
状流線形に形成すれば、空気流れを乱すことな
く、空気流入口１′ｂを挟くでき、従つて定負圧
弁８のリフトに対する流入空気量の変化を少なく
することができる。

本考案は上述のように、燃料先行気化器におい
て、空気通路のメーンノズルの上流に、先端部が
流線形の円錐状面に形成された円筒状の弁体内
に、レギユレータを組込んだ定負圧弁を設け、こ
の定負圧弁の後端部に、さらに、ダイヤフラムを
有する負圧作動の弁アクチユエータを装着して、
エアクリーナ内または吸気路に、開閉可能に設定
した構成としたので、定負圧弁下流の空気流れは
スムーズとなり、空気流量の変化に対してもノズ
ル部に乱流が生じ難いので、ノズル圧力が安定す
ると同時に燃料流量も安定し、この種気化器の性
能を格段と向上し得られるばかりでなく、定負圧
弁自体は、レギユレータを内蔵し、かつ弁アクチ
ユエータを伴なつてエアクリーナ内に設定される
ので、コンパクトで、気化器の全高も低くでき、
艤装上も有利である等優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案燃料先行気化器の定負圧弁の実
施例を示す縦断面図、第２図は同上他例を示す一
部の断面図である。 １：空気通路、１ａ：定負圧部、１ｂ，１b′：
空気流入口（絞り部）、２：エアクリーナ、４：
メーンノズル、５：スロツトル弁、６：弁体、
７：レギユレータ、８：定負圧弁、９：ダイヤフ
ラム、１０：アクチユエータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. メーンノズルが開口する空気通路の上流を絞つ
   てメーンノズルに一定負圧を生じさせ、ソレノイ
   ドまたはモータにより調整された燃料を、該メー
   ンノズルに供給する燃料先行気化器において、上
   記空気通路上流の絞り部に、先端部が流線形の円
   錐状面に形成された円筒状の弁体内に、レギユレ
   ータが組込まれた定負圧弁が設けられており、該
   定負圧弁には、さらにその後端部に、ダイヤフラ
   ムを有する負圧作動の弁アクチユエータが装着さ
   れ、エアクリーナ内または吸気路に、開閉可能に
   設定されていることを特徴とする燃料先行気化器
   の定負圧弁。