JPS632541Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は家庭等から出される排水を下水管等
の配管中に流す前に、排水中に含まれるオイルを
阻集して除去するオイル阻集器に関するものであ
る。

従来、排水中のオイルの除去を行うようなもの
としては、第１図に示すような阻集器が知られて
いる。この従来の阻集器は、槽本体１内に、第２
図に示すような下部に透孔２ａを有する２枚のス
ライド板２が取り付けられて、槽本体１内が３室
に仕切られており、排水が流入口３から第１室１
ａに流入された後、矢印Ａのように、スライド板
２の透孔２ａをそれぞれ通つて第１室１ａ−第２
室１ｂ−第３室１ｃへと移り、排出口４から外部
に排出されるようになつている。そして排水中に
含まれるオイルは、排水が水槽の第１室１ａまた
は第２室１ｂを通過する際に水面に浮き上り、ス
ライド板２に阻まれて次の室への移動が阻止され
ることとなり、オイルを含まない排水のみがスラ
イド板２の透孔２ａを通過して、排出口４から排
出されるようになつているものである。

しかしこの従来のオイルの阻集器においては、
排水の流量が比較的大きくない場合には、水槽内
における排水の撹乱の度合が小さいので第１室１
ａまたは第２室１ｂにおいてオイルと水とを十分
に分離することができ、所望のオイルの阻集効果
を得ることができるが、排水の流量が増大した場
合には、第１室１ａまたは第２室１ｂ内において
排水が撹乱され、オイルと水とが十分に分離され
ないまま排出されてしまうという欠点を有してい
た。

また上記従来の阻集器は水面上に浮んでいるオ
イルを定期的に掬い上げて除去しなければなら
ず、清掃等の取り扱いが面倒であつた。

この考案は上記従来のオイル阻集器のもつ欠点
を解消するために為されたものであつて、排水中
のオイルを十分に阻集除去することができ、清掃
も容易に行うことの出来るオイル阻集器を提供す
ることを目的とするものである。

以下この考案を、図面に示す実施例に基づいて
説明を行う。

第３ないし７図において、槽本体１１の一方の
側板１１ａには流入管ソケツト１２が貫通して取
り付けられて、排水の流入口１３が形成されてお
り、側板１１ａと対向する他方の側板１１ｂには
排出管ソケツト１４が貫通して取り付けられて、
排水の排出口１５が形成されている。

槽本体１１の底板上には側板１１ａ，１１ｂと
平行となるように、２枚の仕切板１６が側板１１
ｃおよび１１ｄ間に架設されており、さらに仕切
板１６の上端面にはそれぞれパツキン１７が貼設
されている。

槽本体１１の上端開口部を閉蓋するようになつ
ている蓋体２０の下面には、仕切板１６とそれぞ
れ対応する位置に２個のオイル吸着カセツト２１
が垂設されており、蓋体２０が槽本体１１の上端
に閉蓋された際、オイル吸着カセツト２１が槽本
体１１内に収容されるようになついてる。

オイル吸着カセツト２１は、槽本体１１の断面
形状とほぼ同じ形状に形成された枠体２２の両側
に多数の穿孔２３，２４を有するプレート２５，
２６が取り付けられて箱形状となつており、内に
パルプ等のオイル吸着材２７が収容されているも
のである。そして一方のプレート２５はヒンジ２
８によつて枠体２２に対し開閉自在とされてお
り、ねじ２９によつて枠体２２に固定されるよう
になつている。また枠体２２の両側面にはそれぞ
れパツキン３０が貼設されている。

このオイル吸着カセツト２１は、上端面を蓋体
２０の下面にねじ３１で固定されるようになつて
おり、槽本体１１内に収容された際、下端面がそ
れぞれ仕切板１６上のパツキン１７に当着され、
また側面のパツキン３０がそれぞれ槽本体１１の
側板１１ｃ，１１ｄの内側壁に当着され、このこ
とにより、槽本体１１内部を流入口１３側と２枚
のオイル吸着カセツト２１間と排出口１５側の３
室に仕切るようになつているものである。

上記オイル阻集器は、第３ないし５図のよう
に、蓋体２０で槽本体１１上部を閉蓋し、オイル
吸着カセツト２１で槽本体１１内部を仕切つた状
態において、流入口１３から排水が流入される
と、この排水は第４図の矢印Ｂで示すように、第
７図のプレート２５，２６の穿孔２３，２４を通
つてオイル吸着カセツト２１内部を通過し、排出
口１５から排出管カセツト１４に接続された図示
しない配管内に排出される。この排水がオイル吸
着カセツト２１内部を通過する際に、排水内に混
入されたオイルは、オイル吸着カセツト２１内の
パルプ等の吸着材２７によつて吸着除去される。

このオイル阻集器の清掃は、蓋体２０を槽本体
１１から取り外してオイル吸着カセツト２１を同
時に抜き出し、ねじ３１を外してカセツトごと新
しいのと取り換えるか、またはねじ２９を外して
プレート２５を開き、内の吸着材２７を交換する
ことにより行う。

またこのオイル阻集器は、オイルを比較的多量
に含む排水の処理を行う場合には、オイル吸着カ
セツト２１の厚さが厚く吸着材を多く収容したオ
イル吸着カセツトを使用し、排水中のオイルが比
較的に少量の場合には、厚さの薄いオイル吸着カ
セツトを使用するように適宜交換するようにすれ
ば、排水の水質条件に合つたオイルの阻集を行う
ことができる。

なお上記実施例においては、オイル吸着カセツ
ト２１を２個装着したものについて説明を行つた
が、オイル吸着カセツト２１は１個のみでもよ
く、また必要に応じて３個以上装着するようにし
てもよい。また吸着材２７はパルプに限られるも
のではなく、オイルを吸着するようなものであれ
ば何を使用してもよい。

以上のようにこの考案は、槽本体内の排水流入
口を排出口との間にオイル吸着材を収容したオイ
ル吸着カセツトを介在させ、排水流入口から槽本
体内に流入された排水がオイル吸着カセツト内を
通過するようにして、排水中のオイル分をオイル
吸着材で吸着除去するようにしたので、たとえ排
水の流量が多くなつて水槽内で撹乱が生じたよう
な場合でも十分なオイル阻集を行うことができ
る。またオイル吸着カセツトが槽本体の上部を覆
う蓋体の下面に着脱可能に装着されているので、
吸着カセツトを取外して該カセツトまたは吸着材
のみを交換することにより清掃を容易に行うこと
ができ、しかもその際蓋体を取外すと同時に吸着
カセツトを槽本体内から抜き出すことができて、
手を汚すことなく作業を遂行できる。さらに排水
中のオイル量が多い場合には厚さが厚い吸着カセ
ツトを、オイル量が少い場合には薄い吸着カセツ
トをそれぞれ使用するというように、オイル量に
応じた厚さの吸着カセツトを自由に選択すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のオイル阻集器を示す断面図、第
２図は第１図のオイル阻集器のスライド板を示す
斜視図、第３図はこの考案の一実施例を一部断面
して示す平面図、第４図は同実施例の側断面図、
第５図は同実施例を一部断面して示す正面図、第
６図は同実施例の槽本体の内部構造を一部を断面
して示す斜視図、第７図は同実施例のオイル吸着
カセツトを示す斜視図である。 １１……槽本体、１３……流入口、１５……排
出口、２０……蓋体、２１……オイル吸着カセツ
ト、２３，２４……穿孔、２７……吸着材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 流入口と排水口とを具えた槽本体と、この槽本
   体の上部を覆う蓋体と、排水が内部を通過可能な
   中空状ケース本体内にオイル吸着材が収容され、
   槽本体内部を流入口側と排水口側とに仕切るよう
   に蓋体の下面に着脱自在に装着されたオイル吸着
   カセツトとを具えていることを特徴とするオイル
   阻集器。