JPS63249772A - 繊維補強複合材の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 一産業上の利用分野− この発明は、ガラス繊維とアラミド繊維のいずれか一方
又は双方を補強体として含有する合成樹脂、コンクリー
ト等の複合材の製造方法に関するもので、特に、上記繊
維の糸条を５２！織して得られた織り組織体を補強体と
した繊維補強複合材の製造方法に関するものである。

一従来の技術− ガラス繊維の糸条やアラミド繊維の糸条を製１１銭して
ｆ′：Ｐられた織り組織体を合成樹脂やコンクリート成
形品の補強体として用いた繊維補強複合材は公知である
。

このような複合材に用いられるガラス繊維やアラミド繊
維の単一フィラメントは、数μないし十数μという非常
に細いものであり、これらの繊維を製織する際には、数
百ないし数千本の単一フィラメントを糊剤により相互に
結合して一本の糸条とし、これを製織して織り組織体を
得ている。即ち、上記糸条を構成する単一フィラメント
は、実質的に相互に無撚であり、製織時における単一フ
ィラメントの切断を避け、円滑に製織を行うために、該
糸条の単一フィラメント相互を糊剤で結合しておくこと
が不可欠である。一般にこれら糸条は偏平な断面を有し
ており、その断面寸法は、幅数ｍｍ−、’ｆ７−さが十
分の９ｍｍ程度のオーダである。

そして従来は、糊剤によって相互に結合された？’１’
＋−フィラメントの集合からなる糸条を製織して得られ
た織りＭｉ織体にそのまま合成樹脂等を含浸させてプリ
プレグ等の複合材を成形していた。

−ｇに補強フィラメントを含有する複合材に外力が作用
した場合には、該外力が補強フィラメントに引張力とし
て作用し、該フィラメントの実効引張強度により複合材
の強度が大きく影言される。

即ち、複合材中に実質的に応力を負担する補強フィラメ
ントの含有量が多ければ多い程、またその組織が均一で
あればある程、複合材の強度は向上し、応力が該フィラ
メントに平行に作用すればする程、複合材の実質的な強
度は向上する。

−発明が解決しようとする問題点− ところが、繊維の織り組織体を補強体として用いた従来
の複合材には、その強度を阻害する要因が必然的に内在
していた。

即ち、従来の織り組織体においては、これを構成する糸
条のフィラメントが糊剤によって固定されたままである
為、単一フィラメントの各々に対する合成樹脂やコンク
リートの付着が不完全となり、これに起因する強度の低
下が生ずる。

また、織り組織体１の平面を示す第２図（ａ）に示すよ
うに、交絡している縦続の糸条２．３の間には糸条２．
３が存在しない空領域４が必然的に形成される為、空領
域４に合成樹脂やコンクリートが充満されないまま成形
されて多数のバブル状の空隙が内在する不完全な組１１
銭を有する複合材が成形され、更に織り組織体の交絡点
における厚さの増加及び前記空領域４の存在により、複
合材中における補強体の含有密度が低下し、得られる強
度に限界が生ずる。

更に、織り組織体を構成する糸条が第２図（ｂ）に示す
ようにジクザクに交絡しているので、織り組織体１の面
と交絡点Ｐ、Ｑ間の糸条２の方向とにθなる角度が生じ
、このために糸条２の実効強度が低下することとなる。

第６図は、平行に引き揃えたフィラメントを補強体とし
た合成樹脂板において、外力の作用方向Ｆとフィラメン
トの方向Ｔとのなす角度θ（第５図参照）によって強度
がどのように変化するかを示すグラフで、θの増加によ
り強度が急激に減少することが示されている。

そして第２図（ｂ）のθの値を小さくして強度を向上さ
せるために糸条３の間隔を拡げると、第２図（ａ）の空
領域４が広くなる結果となり、結局、織り組織体を補強
体として用いた繊維補強複合材では、理想的な形で補強
フィラメントに応力を負担させることができず、これに
起因する強度の低下を避けることが出来ないという欠点
があった。

この発明は、上記実情に鑑み、繊維の織り組織体を用い
た繊維補強複合材の強度を可及的に向上させることを目
的とするものである。

−問題点を解決するための手段− この発明では、ガラス繊維やアラミド繊維の織り組織体
に合成樹脂やコンクリート等を含浸させて複合材を成形
する際に、第１図に示すように、複合材の成形工程１１
の前工程として、織り組織体１を構成する糸条２．３を
開繊する工程１２を介在させている。前述したように、
織り組織体１を構成しているガラス繊維やアラミド繊維
の糸条２．３は、多数の単一フィラメントからなってお
り、単一フィラメント相互は糊剤により結合されている
。上記開繊工程は、糊剤による単一フィラメント相互の
結合を解いて、１本の糸条を構成する華−フィラメント
相互の拘束が解放された組織とするものである。

一作用一 上記開繊工程により相互の結合を解かれた各糸条のＪｉ
Ｌ−フィラメントは、相互に自由に移動可能となるので
、糸条２．３は幅方向に広がり、糸条２．３への樹脂や
コンクリートの浸透性が向上し、しかも空領域４の減少
により複合材内に空隙が介在するのを回避することがで
き、より緻密で強度の高い複合材が得られる。

更に、糸条２．３が開繊されて拡がる為に糸条２．３が
糊剤で結合されていたときには第２図（ａ）、（ｂ）の
如き断面及び平面組織を有していた織り組′４哉体１が
、開繊工程を経ることによって、第３図（ａ）、（ｂ）
に示すような断面及び平面組織を有する組織体となる。

従って′、織り組織体１の厚さは薄くなり、一定厚さの
複合材中における織り組織体Ｉの枚数を増やすことがで
きて補強体の含有密度の増加と分布密度の均一化による
強度の向上が図れ、織り組織体１の交絡点Ｐ、Ｑ間の糸
条２が織り組織体の面となす角度θも減少して実効強度
が向上する。

一実施例− ガラス繊維やアラミド虱維の単一フィラメント相互を結
合する糊剤としては、澱粉系、ポリビニルアルコール系
、エポキシ系等の糊剤が用いられている。この発明の開
繊工程１２は、温湯、精練液、酢酸ブチル等の溶剤によ
り糊剤を溶解除去する工程、水ないし温湯中で超音波を
作用させ、あるいは超音波と同時に物理的な衝撃力を作
用させて糊剤による結合を破壊する工程等を４′Ｌ独で
、あるいは組合わせて用いることができる。上記物理的
な’＋）ｉ　！Ａ’力を作用させる方法としては、例え
ば織り組織体を軽く叩打する方法、水中の気泡流中に織
り組織体を曝す方法等を採用することができる。

第４ａ図及び第４ｂ図は、ガラス繊維（第４，１図）及
びアラミド繊維（第４ｂ図）の織り組織体について、糸
条を開繊しない場合Ａ、溶剤に浸）青して開繊した場合
Ｂ、溶剤中に浸漬した後火に温渦中で約１分間超音波を
作用させて開繊した場合Ｃ１及び、溶剤中に浸漬した後
火に温湯中で超音波と叩打による物理的な衝撃力とを同
時に加えて開繊した場合りの各々につき、開繊後の織り
組織体を構成する糸条の幅と織り組織体の厚さとを測定
したもので、開繊によって糸条の幅が広がり、厚さが薄
くなることが示されている。特に、超音波を作用させる
ことにより、単一フィラメン１−が大きく拡がり、それ
だけ織り組織体の厚さも薄くなっている。

ここで第４ａ図のデータは、４００本の単一フィラメン
トを澱粉系糊を糊剤として相互に結合したガラス繊維の
糸条を縦糸及び緯糸として用い、縦糸密度を７木／　ｃ
　ｍ　、緯糸回度を６木／　ｃ　ｍで製鐵した織り’＋
Ｊ［ｉ体についてのものであり、また第４ｂ図のデータ
は、７７０本の単一フィラメンＩ−をポリビニルアルコ
ール系樹脂を糊剤として相互に結合したアラミド繊維の
糸条を縦糸及び緯糸として用い、縦糸密度を３．５木／
　ｃ　ｍ　、緯糸密度を３．５木／　ｃ　ｍで製織した
織り組織体についてのものである。

第１ａ表及び第１ｂ表は、第４ａ図及び第４ｂ図の結果
を基にして織り組織体の厚さの減少Ｓす合、１ｃｍ２当
たりの空領域の面積、交絡点Ｐ、Ｑ間の縦糸の角度θを
算出したもので、複合材の強度を向上させる方向に各数
値が改善されていることが分かる。なお、各表中の左欄
の符号ＡないしＤは、第４ａ図及び第４ｂ図の符号と対
応するものである。

第１ａ表 第１ｂ表 以上の実施例は、織り組織体１を構成する縦横の糸条を
共にガラス繊維又はアラミド繊維とした織り組織体につ
いてのものであるが、例えば縦糸にはガラス繊維の糸条
を用い、緯糸にはアラミド繊維の糸条を用いた織り組織
体についても開繊工程１２を経ることにより各糸条が開
繊されて前記作用が生ずることは明らかであり、本発明
方法は、ガラス繊維とアラミド繊維との双方のフィラメ
ントを含む織り組織体を補強体とした１夏合材にも採用
でき、この場合にも下記効果が達成されることは言うま
でもない。

一発明の効果− 以上のようにこの発明の方法によれば、開繊工程におけ
るガラス繊維やアラミド繊維の織り組織体の糸条の開繊
によって、織り組織体の各糸条を構成する単一フィラメ
ントが相互の拘束を解かれて拡げられた状態となるので
、糸条への樹脂やコンクリートの含浸性が向上し、ガラ
ス繊維やアラミド繊維の単一フィラメントの１本１本と
樹脂やコンクリートが強固に接着した複合組織を形成で
きるので、ガラス繊維やアラミド繊維の織り組織体を補
強体とする複合材の強度を大ぎく向上させることができ
る。

また、複合材に介装されるガラス繊維やアラミド繊維の
織り組織体の厚さを薄くすることができて単位厚さの成
形品中における補強体の介在量を増加させることができ
、織り組織体の空領域を減少ないし消滅させて空隙のな
い均一で緻密な組織の複合材を得ることができ、成形性
及び強度を向上させることができる。

更に、縦続の糸条の交絡に起因する糸条の傾斜角を低減
させることができ、これらの相乗作用によって複合材の
強度を大幅に向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の補強繊維複合材の装造工程を示す説
明図、第２図（ａ）、（ｂ）は開繊前の織り組織体の平
面Ｍｉ織及び断面Ｍｉ織を各々模式的に示す図、第３図
（ａ）、（ｂ）は開繊後の織り組織体の平面！ｒＩＩ織
及び断面組織を各々模式的に示す図、第４ａ図及び第４
ｂ図は開繊による糸条の幅及び織り組織体の厚さの変化
をそれぞれガラス繊維及びアラミド繊維について測定し
た試験結果を示す図、第５図は補強フィラメントの方向
と引張力の方向との角度θをパラメータとする複合材の
強度測定の説明図、第６図は第５図の測定における角度
θと複合材の強度との関係を示したグラフである。 図中、 １：織り組織体　　　２．３：糸条 ４二織り組織体の空領域 Ｐ、Ｑ：織り組織体の交絡点

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）糊剤によって相互に結合された多数のガラス繊維
   のフィラメントとアラミド繊維のフィラメントとの一方
   又は双方からなる実質的に無撚の糸条を製織して得られ
   た平面的な織り組織体を用い、この織り組織体で補強さ
   れた複合材を成形するに当たり、複合成形工程の前工程
   として前記織り組織体を構成する糸条のフィラメント相
   互の結合を解放する開繊工程を介在させたことを特徴と
   する一繊維補強複合材の製造方法。
2. （２）前記開繊工程が織り組織体に超音波を作用させる
   工程を含んでいる、特許請求の範囲第１項記載の繊維補
   強複合材の製造方法。
3. （３）前記開繊工程が織り組織体に超音波と物理的な衝
   撃力とを同時に作用させる工程を含んでいる特許請求の
   範囲第２項記載の繊維補強複合材の製造方法。