JPS6324931Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、剣道に用いる面具装着時の頭巾に関
するものである。

従来、この種の頭巾は、主に日本手拭やタオル
等の布ぎれを適宜に頭に巻いて使用していた。

しかしながら、該手拭等のぬのぎれは、着用す
る際、所定の手順で丁寧に頭に巻かなければなら
ず、その着用作業に多少の熟練を要し、例えば、
園児や小学校の低学年の児童にとつては難しく、
また、該手拭等のぬのぎれを丁寧に頭に巻いてい
た場合でも、該手拭等のぬのぎれが試合や練習中
にほどけたり、ゆるむなどし、その端末等が前面
に垂れてきて目等を覆い、しばしば試合や練習の
妨げとなり、その都度面具をはずして巻き直さな
ければならないという弊害を有していた。

そこで、長形の素材を２つ折りにし、顎部と前
額部に当たる部分において、弾性部を形成し、後
部に当たる部分によつて接合着する剣道面下用頭
巾が考え出された。このような頭巾が、たとえば
実公昭49−42117号公報に開示されている。

しかしながら、この剣道面下用の頭巾では、顔
の輪郭部分において、頭巾を弾性的に保持するの
で、頭巾全体が皮膚に触れない、すなわち、額部
分が頭巾で覆われなく、額から出た汗が顔面に流
れ、特に目に入るなどして試合や練習などの弊害
となるおそれがある。また、この剣道面下用頭巾
では、面垂れの部分より頭巾の一部がはみ出し、
従来の手拭等による面下装着時のように、頭部上
半分を覆うスタイルとは異なり、伝統的なスポー
ツである剣道の防具装着の形式を乱すおそれがあ
る。さらに、長形の素材を２つ折りにした剣道面
下用頭巾であるので、全体にフイツト感が得られ
ず、頭巾がずれて乱れるおそれがある。

それゆえに、この考案の主たる目的は、額から
流れ出た汗が顔面に流れないようにでき、しか
も、伝統的なスポーツである剣道の防具装着の形
式を逸脱せず、しかも、フイツト感が得られ装着
時に乱れるおそれがなく、さらに竹刀等で打ち込
みを受けた際にも、その衝撃を緩和できる、剣道
用面具装着用の頭巾を提供することである。

この考案は、伸縮性および吸汗性を有し、額お
よび後頭部にわたつて周回する、周回バンドと、
前記周回バンドに交差する方向に延び、前記周回
バンドの側部の一部にその一端が結合され、弾力
性および吸汗性を有する頭上片と、前記頭上片の
主面に形成される突起部と、前記頭上片の他端と
周回バンドの一部とを着離可能にするために、少
なくとも頭上片または周回バンドに形成される連
結部材をと含み、前記頭上片は少なくとも頭上を
覆うように形成される、剣道用面具装着用の頭巾
である。

以下、本考案を図面に表した実施例に基づいて
説明する。

第１図は、本考案の一実施例たる頭巾の斜視図
であり、第２図は、第１図に示した頭巾の展開図
であり、第４図は、本考案に係る頭巾の使用状態
を表した斜視図である。

１は、頭巾であり、その後部裏面に連結部材と
しての面フアスナ６を設けた頭上片２、それぞれ
が対称な側頭片３，４およびその後部表面に面フ
アスナ７を設けた周回バンド５等からなり、頭上
片２の両側縁２ａ，２ｂに対称に側頭片３，４を
それぞれ設け、該頭上片２および側頭片３，４の
前端部分に、周回バンド５を吸湿性の有る糸等で
縫合接着してなるものである。

頭上片２は、第２図に示した様に、略長方形の
弾力性および吸湿性を有する繊維等の素材からな
るものであり、該頭上片２の表面には、ゴム等の
弾性体からなる突起８が適宜な間隔を開けて設け
られ、該頭上片２の後部頂点２ｃ付近の裏面に
は、後記の周回バンド５に設けられている面フア
スナ７と着離自在な面フアスナ６が設けられてい
る。

該頭上片２は、その前端部分の裏面が、周回バ
ンド５の長手方向に、周回バンド５と吸湿性の有
る糸等で縫合接着され、その両側縁２ａ，２ｂの
裏面が、後記の側頭片３，４の一辺３ａ，４ａと
それぞれ吸湿性の有る糸等で縫合接着されてい
る。

該頭上片２は、吸湿性を有するので、剣道の練
習、試合、待機中等に、頭等から発する汗を吸収
して、汗による練習等の困難性を回避することが
できる。

側頭片３，４は、第２図に示した様に、伸縮性
および吸湿性の有る繊維等の素材からなる略直角
三角形の網状のものであり、通気性において優れ
ている。

側頭片３は、直角を構成する長い方の辺３ａ
が、前記の頭上片２の右側縁２ａに、吸湿性の有
る糸等で縫合接着され、直角を構成する短い方の
辺３ｂが、前記の周囲バンド５に、吸湿性の有る
糸等で縫合接着されている。

側頭片４は、前記の側頭片３と対称な関係にあ
り、該側頭片４の辺４ａおよび辺４ｂが前記の頭
上片２の左側縁２ｂおよび周回バンド５に吸汗性
の有る糸等で縫合接着されている。

該側頭片３，４は、網状になつていて通気性に
優れているので、剣道の練習中等に、頭の蒸れを
防止することができる。

周回バンド５は、伸縮性および吸湿性の有る繊
維等からなる帯状のタオル地のゴムバンドであ
り、その後部表面には、前記の頭上片２に設けた
面フアスナ６と着離自在な面フアスナ７が、設け
られている。

該周回バンド５には、前記の頭上片２および側
頭片３，４の前端部分が、吸湿性の有る糸等で縫
合接着されている。

面フアスナ６は、塩化ビニルや他の合成の細幅
のテープの上に、プラスチツク等の細い繊維を用
いて、細かいループ状のものを無数に密生させた
ものである。

面フアスナ７は、塩化ビニルや他の合成の細幅
のテープの上に、プラスチツク等の細い繊維を用
いて、細かいフツク状を密生させたものである。

これらの面フアスナ６，７を合わせることによ
つて、簡単に止めることができる。

しかして、本考案に係る頭巾１が得られるので
ある。

次に、該頭巾１の使用状況について説明する。

まず、頭上片２の前端部分が額の方にくるよう
にして、周回バンド５を頭に止める。

この場合、周回バンド５に設けられた面フアス
ナ７が、後方にくるようになつている。

該周回バンド５は、伸縮性が有るので、頭の大
きさや形状に関係なく、簡単に且つ容易に頭に止
めることができる。

次に、頭上片２の面フアスナ６を、頭の頂上を
わたらせて頭の後部に持つていき、頭の後部付近
に位置した周回バンド５の面フアスナ７に貼着す
る。

この場合、本頭巾１を着用する頭の大きさに大
小の差がある場合において、面フアスナ６，７の
間隔が貼着するために不適合な間隔ならば、周回
バンド５の止める位置を多少変えて、面フアスナ
６，７の間隔を貼着するために適合した間隔に変
更してやればよい。

この変更は、周回バンド５に伸縮性が有るので
容易に且つ簡単にフイツトさせて行うことができ
る。

また、面フアスナ６，７に多少の幅をもたせて
あるため、その幅分の調節も可能である。

それから、第４図に示す様にして剣道用の面具
をかぶればよいのである。

該面具は、頭上片２の表面に設けた突起８によ
つて、滑つてずれることが防止される。

本考案は、上記の実施例に限定されるものでは
なく、例えば、第３図に示した様に、頭上片２お
よび側頭片３，４の形状を適宜に変更してもよ
い。

本考案は、上記の用に構成されているので、頭
の大きさや形状に関係なく容易にかつ簡単にフイ
ツトして着用することができ、剣道の試合や練習
中等に、頭等から発する汗を吸収し、頭の蒸れを
防止し、さらに、面具の滑りを防止し、且つ、竹
刀で打たれた時の衝撃も和らげることができる剣
道用の頭巾を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例たる頭巾の斜視図
であり、第２図は、第１図に示した頭巾の展開図
であり、第３図は、他の実施例を示した斜視図で
あり、第４図は、本考案に係る頭巾の使用状態を
表した斜視図である。 １……頭巾、２……頭上片、２ａ，２ｂ……側
縁、２ｃ……後部頂点、３，４……側頭片、３
ａ，３ｂ，４ａ，４ｂ……辺、５……周回バン
ド、６，７……面フアスナ、８……突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 伸縮性および吸汗性を有し、額および後頭部
   にわたつて周回する、周回バンドと、 前記周回バンドに交差する方向に延び、前記
   周回バンドの側部の一部にその一端結合され
   た、弾力性および吸汗性を有する頭上片と、 前記頭上片の主面に形成される突起部と、 前記頭上片の他端と前記周回バンドの一部と
   を着離可能にするために、少なくとも頭上片ま
   たは周回バンドに形成される連結部材とを含
   み、 前記頭上片は、少なくとも頭上を覆うように
   形成される、剣道用面具装着用の頭巾。 ２ 前記頭上片の両側端に、対称的に連結され
   た、伸縮性および吸汗性を有する側頭片を含
   む、実用新案登録請求の範囲第１項記載の剣道
   用面具装着用の頭巾。