JPS6324745B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、廃棄物として収集される混合材料か
らアルミ小片で代表される非磁性導電材料を分離
するのに好適な非磁性導電材料分離装置に関す
る。

廃棄物として収集された混合材料は、一般に、
該混合材料から鉄片で代表される磁性材料を除去
するために磁気選別機に送られる。この磁気選別
機を経た混合材料は、木片、プラスチツク片で代
表される非磁性非導電材料と、アルミ片で代表さ
れる非磁性導電材料とに大別することができ、前
者より後者を分離すべく磁性材料が予め除去され
た混合材料は引き続いて非磁性導電材料分離装置
に送られる。

前記分離装置の一つとして、従来、傾斜配置さ
れた円筒体をその長手方向中心軸線の回わりに一
方向へ駆動回転し、この円筒体と逆方向に移動す
る移動磁界を円筒体内の混合材料に付与すること
が提案されている。前記分離装置では、前記円筒
体に投入された混合材料のうち前記導電材料を除
く混合材料すなわち前記非導電材料は、移動磁界
の影響を受けることなく前記円筒体の回転方向に
向けられ、該円筒体の下端開口より排出され、ま
た前記導電材料は、移動磁界により誘起されるう
ず電流の電磁作用力によつて前記円筒体の回転方
向と逆の方向へ向けられて前記下端開口より排出
され、これにより前記導電材料が分離回収され
る。

しかしながら、移動磁界を付与する従来の前記
装置では、移動磁界発生手段として、大型のリニ
アモータあるいは前記円筒体を取り巻いて駆動回
転される大型の環状永久磁石組立体を必要とし、
装置全体の大型化を招くと共に移動磁界発生手段
の運転に大きなエネルギーを必要とする。

本発明の目的は、前記した欠点に鑑み、運転に
大きなエネルギーを消費することなく単純な構成
で非磁性導電材料を混合材料から確実に分離する
装置を提供することにある。

本発明は、混合材料を傾斜板に沿つて落下さ
せ、その間に前記混合材料中の非磁性導電材料に
磁気帯を横切らせることにより該導電材料にうず
電流による制動力を誘起させ、これにより前記導
電材料と、該導電材料を除く前記混合材とに前記
傾斜板の下縁からの飛距離差を生じさせ、該飛距
離差によつて前記混合材料から前記導電材料を分
離することを特徴とする。

本発明が特徴とするところは、図示の実施例に
ついての以下の説明により、さらに明らかとなろ
う。

本発明に係る分離装置１０は、第１図および第
２図に示されているように、傾斜板１２を含む。
傾斜板１２は、図示の例では、プラスチツクある
いは非磁性ステンレス等の非磁性体からなり、そ
の両側には長手方向すなわち縦方向に沿つて一対
の案内部１４が形成されている。この傾斜板１２
は、第１図に示したように、その下縁１２ａが路
面１６から間隔をおきかつ水平面と角度θをなす
ように、図示しないがフレーム等からなる従来よ
く知られた支持装置により支承されている。この
支持装置として、前記傾斜角θを可変とすべく従
来よく知られた角度調節機構を有するものを用い
ることが望ましく、傾斜角θは例えば35度に設定
されている。

傾斜板１２の上縁１２ｂの近傍には、従来よく
知られた磁気選別機を経た混合材料を傾斜板１２
上に連続的に供給するための供給装置１８が配置
されており、図示の例では該供給装置は従来よく
知られた振動供給装置である。

前記供給装置１８より傾斜板１２上に供給され
た混合材料は、その自重により順次傾斜板１２上
を該傾斜板のほぼ縦方向に沿つてその下縁１２ａ
に向けて落下し、前記案内部１４により混合材料
の傾斜板１２からの逸れが防止される。

前記傾斜板１２の下縁部分の下面には、該傾斜
板上をその下縁１２ａに向けて落下する前記混合
材料中の非磁性導電材料２０に制動力を付与する
ための磁気手段２２が設けられている。

磁気手段２２は、第２図に示すように、前記混
合材料の流れの方向にほぼ直角な方向すなわち傾
斜板１２の横方向に一致して伸びる永久磁石から
なり、該永久磁石はその異磁極面（Ｓ，Ｎ）が傾
斜板１２の縦方向に整列するように該傾斜板の下
面に固定されている。永久磁石２２として、フエ
ライト磁石あるいはアルニコ磁石を用いることが
できるが、強力な磁気帯を得る上で希土類金属磁
石を用いることが好ましい。また、前記した永久
磁石に代えて、磁気手段として電磁石を用いるこ
とができる。

前記磁気手段２２は、第２図に破線で示すよう
に、傾斜板１２上に該傾斜板の横方向に伸びかつ
その縦方向に交互に整列する異磁極の磁気帯を形
成する。従つて、前記混合材料中の前記導電材料
２０は前記磁極帯を直角に横切ることとなり、そ
の際、該導電材料にはうず電流が誘起され、該導
電材料には前記傾斜板１２の縦方向に沿つてその
上縁１２ｂに向けての強い制動力が作用する。他
方、前記導電材料２０を除く混合材料すなわち非
磁性非導電材料２４も前記磁気帯を横切るが、前
記非導電材料２４にうず電流が誘起されることは
なく、該非導電材料に前記した制動力が作用する
ことはない。

その結果、前記非導電材料２４は、その慣性に
よつて第１図に矢印２６で示されるような比較的
大きく膨らんだ弧状軌跡に沿つて傾斜板１２の下
縁１２ａよりその下方に放出されるが、他方、制
動力を受けた前記導電材料２２は第１図に矢印２
８で示されるような膨らみの小さな弧状軌跡に沿
つて傾斜板１２の上縁１２ａよりその下方に放出
される。従つて、ある平面３０上における前記下
縁１２ａの垂直線との交点より前記各軌跡との交
点迄の飛距離ａ，ｂは、前記非導電材料２４より
も前記導電材料２０が小さく、それぞれ路面１６
上に隔たつて配置された回収手段３０，３２内に
互いに分離された状態で回収される。

前記傾斜板１２の傾斜角θは前記した飛距離
ａ，ｂの差が最大となるように適宜選択すること
ができる。また、前記磁石２２に、該磁石と同様
な多数の磁石を傾斜板１２の上縁１２ｂに向けて
並設することにより、該傾斜板の縦方向に交互に
整列する異磁極の磁気帯の範囲を広く設定するこ
とができ、これにより前記導電材料２０に作用す
る制動力を高め、前記飛距離差（ａ−ｂ）を大き
くして分離効率の向上を図ることができる。

第３図に示すように、傾斜板１２の下縁１２ｂ
を含む下縁部分に弧状曲面に沿つて下方に伸びる
曲げ部を形成することができ、これにより前記し
た制動力を受けた前記導電材料２０を前記曲げ部
に沿つてその下縁１２ｂの直下に放出させ、前記
飛距離差を大きくして分離効率の向上を図ること
ができる。また、第３図に示す例では、前記導電
材料２０に絡んでこれに連行されようとする紙屑
等を吹き飛ばすための空気ノズル３４および傾斜
板１２の下縁１２ａから放出された前記導電材料
２０と前記非導電材料２４とを確実に各回収手段
３０，３２に案内するための分離板３６が設けら
れている。

第１図ないし第３図には、傾斜板１２が非磁性
体からなる例を示したが、第４図に示すように傾
斜板１２の磁気手段２２が設けられる下縁部分の
みを非磁性部分３８とし、該下縁部分を除く他の
部分を鉄板等からなる磁性部分とすることができ
る。

前記したところでは、磁気手段２２が傾斜板１
２に設けられた永久磁石からなる例について説明
したが、前記磁気手段として傾斜板１２の下縁１
２ａよりその上縁１２ｂに向けての移動磁界を発
出するリニアモータを用いることもでき、このリ
ニアモータとして従来の前記分離装置におけるリ
ニアモータのような大型のものを必要としないこ
とから、磁気手段２２としてリニアモータを用い
ても従来の前記分離装置に比較して著るしく小さ
い運転エネツギーで作動させることができる。

本発明によれば、前記したように、単純な構成
でかつ従来に比較して極めて小さい運転エネルギ
ーで以て混合材料から非磁性導電材料を効率良く
分離することができ、特にスクラツプ車のような
破砕処理を受けた廃棄物からアルミダイキヤスト
の小〓片等を効率よく分離することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ本発明に係る分
離装置を概略的に示す側面図および正面図であ
り、第３図および第４図は本発明に係る分離装置
のそれぞれ他の実施例を示す第１図と同様な図面
である。 １２：傾斜板、１２ａ：下縁、２０：非磁性導
電材料、２２：磁気手段、２４：非磁性非導電材
料。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 混合材料の供給を受ける傾斜板と、該傾斜板
   上をその下縁に向けて落下する混合材料中の非磁
   性導電材料にうず電流による制動力を付与すべ
   く、前記混合材料の流れの方向とほぼ直角に伸び
   かつ前記流れの方向へ交互に整列する少くも一対
   の磁極を有する磁気帯を形成するための磁気手段
   とを含み、前記非磁性導電材料と、該非磁性導電
   材料を除く混合材料との前記傾斜板の前記下縁か
   らの飛距離差により、前記混合材料から前記非磁
   性導電材料を分離することを特徴とする非磁性導
   電材料分離装置。 ２ 前記傾斜板は非磁性体からなり、その下縁部
   分の下面に前記磁気手段が設けられている特許請
   求の範囲第１項に記載の非磁性導電材料分離装
   置。 ３ 前記磁気手段は、前記傾斜板の横方向に一致
   して伸びかつ前記傾斜板の縦方向に沿つて異磁極
   面が交互に配列された永久磁石からなる特許請求
   の範囲第１項または第２項に記載の非磁性導電材
   料分離装置。 ４ 前記傾斜板の下縁部分には、弧状曲線に沿つ
   て下方に伸びる曲げ部が形成されている特許請求
   の範囲第１項、第２項または第３項に記載の非磁
   性導電材料分離装置。