JPS6323975Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は型枠板用剥離剤塗布機に係り、コン
クリート型枠工事に使われる合板等の型枠板の剥
離剤塗布機に関する。

コンクリート型枠工事に使用される合板等の型
枠板への剥離剤塗布は、従来、スプレーガンやロ
ーラー刷毛、モツプ等で手作業により行なわれて
いる。そのため、スプレー塗布にあつては合板を
並べる場所を広く必要とし、また、風よけ等も用
意する必要があり作業性が悪く、しかも剥離剤が
風で飛ばされ不経済でもあり、刷毛塗りにあつて
は、作業能率が甚だ悪い等の不都合があつた。

この考案は上記不都合を解消すべく案出された
ものであり、その要旨は、高さ方向に長い略箱体
状の機枠を設け、この機枠の前後面の略中央に型
枠板の通過のための水平方向に長い開口を形成
し、これら開口下部近傍に一端が枢着される型枠
板の搬送ローラコンベヤと、この搬送ローラコン
ベヤを所定傾斜角度として固定する支持部材とを
機枠に配設して機枠内を上下方向で二分割する型
枠板の搬送路を形成し、この搬送路の機枠内上下
方には剥離剤噴霧ノズルを、搬送路の機枠内下方
には剥離剤受槽を夫々配設し、更に、機枠内下部
には剥離剤の加圧ポンプを配設したことに存する
ものである。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。図において１は全体略箱型状を呈し高さ
方向に長い機枠であり、この機枠１は設置安定性
を増すべく側面略台形状に形成され、底部四隅に
は移動を容易とすべく自在車輪（キヤスター）２
が配設される。

機枠１の前面及び後面夫々には、高さ方向中央
付近で合板等の型枠板３の通過のための入口開口
４、出口開口５を水平方向で長く形成する。

これら入口開口４、出口開口５には、剥離剤の
塗布対象としての合板等の型枠板を搬送する搬送
ローラコンベヤ６を配設する。搬送ローラコンベ
ヤ６は、一対の側枠７をステー８等で固定し、こ
の側枠７間に適宜ピツチで適数本のローラ９を軸
架して成り、その一端は枢支ピン１０等で機枠１
に枢着される。

また、搬送ローラコンベヤ６の両側枠７は断面
溝形状に形成され、この溝内にはその長さ方向で
移動自在とされ且つ固定ピン１１により側枠７に
固定される移動体１２を設け、この移動体１２に
一端が枢着され他端が機枠１の側板１Ａに枢着さ
れる支持部材１３を設ける。尚、前記移動体１２
の側板１Ａへの固定位置は、搬送ローラコンベヤ
６が型枠板３の搬送を容易とする傾斜角度となる
よう決定される。

このように両開口４，５に接続された搬送ロー
ラコンベヤ６で型枠板３の搬送路１４は形成され
る。この型枠板３の搬送路１４の機枠１内上下方
には、型枠板３へのコンクリートの付着を防止し
剥離を容易とする液状の剥離剤を噴霧する噴霧ノ
ズル１５が配設される。噴霧ノズル１５は図示例
にあつては上下夫々に４個づつ配設してあるが、
この数量は特に限定しない。この噴霧ノズル１５
は図示しない配管により、機枠１内下部に配設さ
れた加圧ポンプ１６に接続される。尚、機枠１内
の搬送路１４には型枠板３の導入容易性と安定性
との向上を図るべく必要に応じて受けローラ１７
を略中央に配設する。

そして、機枠１内の搬送路１４下方で且つ下部
噴霧ノズル１５下方には剥離剤の受槽１８を配設
する。受槽１８は断面逆三角形状を呈し、その底
部頂角近傍面にはストレナー１９を介し排出管２
０を接続する。尚、剥離剤の貯留槽（図示せず）
は機枠１内下部に内蔵するものの他に、コンパク
ト化と操作性の向上とを図るべく機枠１外に別体
として設けたものでもよい。この場合には、別体
で設けた容器から吸入管２１にて剥離剤を吸入す
るものである。

尚、機枠１内の搬送路１４上方に配設される上
部カバー２２は、ビス等にて着脱自在に取付けさ
れるものの他に、上部カバー２２を中心面で前後
方向に二分割すると共に互いの分割部分をヒンジ
等で接続して一方の上部カバー２２を揺動自在と
して形成したものであつても良く、噴霧ノズル１
５や受槽１８のメンテナンスの容易性を図つてい
る。また、図中２３は上部カバー２２を機枠１に
固定するクランパーであり、２４は内蔵した加圧
ポンプ１６の運転及び停止を行なう操作スイツチ
である。そして前記搬送ローラコンベヤ６は揺動
自在なものに替えて、短尺であれば固定式として
も良いものは勿論である。更に、図中２５は入口
開口４、出口開口５の内がわに懸吊される開口カ
バーであり、可撓性を有する材料、例えばゴム
材、合成樹脂材等で成る。

使用にあつては、吸入管２１先端を剥離剤の容
器内に配置し、次いで、加圧ポンプ１６を作動さ
せることにより機枠１内で剥離剤を噴霧し、この
機枠１内搬送路１４に型枠板３を挿入することで
型枠板３への剥離剤の塗布を行なう。

この考案は叙上のように構成したから、合板等
の型枠板３への剥離剤の塗布が効率良くしかも迅
速に且つ労力少く行なえるものである。

即ち、高さ方向に長い略箱体状の機枠１を設け
たから、噴霧ノズル１５、受槽１８、加圧ポンプ
１６等が縦型に配設でき、装置構成をコンパクト
とでき、また、設置及び収納スペースの減少も図
れる。

機枠１の前後両面の略中央に型枠板３の通過の
ための水平方向に長い開口４，５を形成し、これ
ら開口４，５下部近傍に一端が枢着される型枠板
３の搬送ローラコンベヤ６を配設すると共にこの
搬送ローラコンベヤ６を所定傾斜として固定する
支持部材１３を配設して機枠１内を上下方向で二
分割する型枠板３の搬送路１４を形成したから、
型枠板３の機枠１内挿入を容易とするものであ
り、構成も簡易なものとできる。また、所定傾斜
角度として搬送ローラコンベヤ６を支持部材１３
で機枠１に固定するから、型枠板３の自重によつ
て型枠板３の滑動が補助され型枠板３の機枠１内
挿入が容易である。しかも、搬送ローラコンベヤ
６が機枠１に対し揺動自在となり、機枠１前後両
面に沿つて折りたたみ収納可能となつて運搬を容
易とすると共に収納スペースの減少も図れる。

機枠１内搬送路１４上下方には剥離剤の噴霧ノ
ズル１５を、搬送路１４下方には剥離剤受槽１８
を夫々配設したから、型枠板３の両面に同時に剥
離剤を塗布できるものであり、また、機枠１内か
ら霧状の剥離剤が外部に洩れることがなく剥離剤
使用の効率向上が図れ、しかも受槽１８で余剰剥
離剤の回収が図れて無駄がない。更には、従来の
ように、剥離剤の塗布作業の為の広い場所を確保
する必要もなく、しかも、霧状の剥離剤が飛散し
て労働環境の悪化を招くこともない。

機枠１内下部には剥離剤の加圧ポンプ１６を配
設したから、全体をコンパクトにまとめ得るし、
重心位置を機枠１下部に位置させることができ安
定がよい。

以上説明したようにこの考案によれば、従来手
作業によつていた型枠板への剥離剤の塗布作業を
容易に且つ迅速に行なえるものであり、しかも、
剥離剤の無駄を省くと共に労働環境の改善が図
れ、更には、運搬及び収容が容易である等実用上
極めて有益な諸効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので第１図
は全体を示す斜視図、第２図は同正面図、第３図
は同側面図、第４図は第２図におけるＡ−Ａ線断
面図である。 １……機枠、１Ａ……側板、２……自在車輪、
３……型枠板、４……入口開口、５……出口開
口、６……搬送ローラコンベヤ、７……側枠、８
……ステー、９……ローラ、１０……枢支ピン、
１１……固定ピン、１２……移動体、１３……支
持部材、１４……搬送路、１５……噴霧ノズル、
１６……加圧ポンプ、１７……受ローラ、１８…
…受槽、１９……ストレナー、２０……排出管、
２１……吸入管、２２……上部カバー、２３……
クランバー、２４……操作スイツチ、２５……開
口カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高さ方向に長い略箱体状の機枠を設け、この機
   枠の前後面の略中央に型枠板の通過のための水平
   方向に長い開口を形成し、これら開口下部近傍に
   一端が枢着される型枠板の搬送ローラコンベヤ
   と、この搬送ローラコンベヤを所定傾斜角度とし
   て固定する支持部材とを機枠に配設して機枠内を
   上下方向で二分割する型枠板の搬送路を形成し、
   この搬送路の機枠内上下方には剥離剤噴霧ノズル
   を、搬送路の機枠内下方には剥離剤受槽を夫々配
   設し、更に、機枠内下部には剥離剤の加圧ポンプ
   を配設したことを特徴とする型枠板用剥離剤塗布
   機。