JPS6323052Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は生体用電極に関する。更に詳しくは、
心電信号、筋電信号、脳波などの生体内で起こる
生体電気現象に伴い発生する電気信号を検出し、
計測器に誘導するために生体に装着する生体用電
極に関する。

先行技術 心電図や脳波図の測定のように、生体電気現象
を測定する場合、生体からの電気信号は大きくて
も数mV程度のものである。従つて、この生体か
らの電気信号を正確に検出し、測定装置に誘導す
るには、生体へ装着する電極に、その電極電位が
安定で、電極インピーダンスが小さく、しかも雑
音電圧を発生しないこと等が要求される。このた
めには、生体用電極としては、可逆性の良い電極
反応が進行し、不分極性電極として動作するもの
である必要がある。

このような生体用不分極性電極としては、銀−
塩化銀電極が最適なものとして知られている。

この場合、上述のように、生体電気信号は微少
であるため、被測定部位と測定端（電極）との接
触状況が測定値に大きな影響を与えるので、銀−
塩化銀電極を生体用電極として使用するに際して
は、電極と皮膚との間の接触抵抗を極力減らし、
かつその価の変動を少なくするため、両者間には
例えば食塩水等の電解質を含有する導電性ゼリー
ないし導電性クリームを介在させている。又、電
極は測定に際して生体に固定されるが、近年生体
用電極を使い捨て電極とする需要が非常に大き
い。

このため、従来、電極は、貼付等の固定手段に
より生体に固定される基体部と、その基体部に接
続され、同時にリード線等によつて計測器に接続
される端子部とに分離して、基体部を使い捨てに
している。

このように基体部と端子部とを分離する場合、
両者の電気的接続は、特開昭51−26789号公報の
ごとく、基体部側にある凸部と端子部側にある凹
部を圧入結合する方法に代表されるジヤツク方
式、クリツプ方式、ホツク方式等が多用されてい
る。

しかし、これら従来の接続方式では、接続に際
して圧入力が加わるため、皮膚と基体部との間に
介在させる導電性ゼリーが所望の被測定部分以外
に漏れ出る場合が生じる。このような漏出がある
と、生体電気信号を取り出す生体の有効面積が変
化し、信号の精度が低下し、さらには電極貼付に
用いる粘着テープ等の粘着力が低下する等の不都
合がある。

考案の目的 本考案はこのような実状に鑑みなされたもので
あり、接続に際して圧入力が加わらないような生
体用電極の具体的構造を提供せんとしてなされた
ものである。

本考案者はこのような目的につき鋭意検討を行
ない、電極とリードとを一体とし、これを使い捨
てとすることにより圧入力をなくし、しかもその
ような電極を容易に、しかも安価に得ることので
きる、きわめて簡易な構造を見出し、本考案をな
すに至つたものである。

すなわち本考案は、導電性の樹脂またはゴム製
の第１のシートと、当該第１のシートと融着可能
な第２のシートとの間にリード線をはさみこみ、
両者を融着し、しかも上記第１のシート面上に銀
−塩化銀電極被覆を形成してなることを特徴とす
る生体用電極である。

考案の具体的構成 以下、本考案を第１図に示される実施例に従い
詳細に説明する。

第１図において、本考案の生体用電極は、第１
のシート１と第２のシート２を融着して、基板を
形成している。

第１のシート１は導電性の樹脂またはゴムから
形成される。

導電性の樹脂またはゴムは、公知の種々のもの
であつてよく、例えば、カーボンブラツク、アセ
チレンブラツクなどを導電性充填剤として含む、
導電性のポリプロピレン系樹脂、ポリアセタール
系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系
樹脂、エチレン−ビニルアセテート系樹脂、シリ
コンゴム等を用いることができる。

これらは、好ましくは10³Ω・cm以下の導電度
であることが好ましい。

第２のシート２は、このような第１のシート１
と融着可能な材質からなる。この場合、その導電
性の何如はとわない。従つて、種々の公知の材質
が可能である。

このような第１のシート１と第２のシート２と
の間にはリード線３がはさみこまれ、両者は、実
質的に接触面間の全域において融着、特に熱融着
されている。

さらに、第１のシート１の表面には、銀−塩化
銀電極被覆４が形成される。

この被覆４は、銀および塩化銀を、例えば有機
高分子材料等のマトリツクス材料中に分散させて
形成され、公知の方法によつて、所定の厚みに塗
設される。

考案の具体的作用 このような生体用電極は、第２図に示されるよ
うに、被覆４を電解質パツド６と接触させ、また
第１のシート１の表面に粘着シート７を固着し、
この粘着シート７表面にカバー９を有するライナ
ーペーパー８をとりつける。

そして、使用に先立ち、ライナーペーパー８を
はがし、粘着シートを皮膚に接着し、被検部をパ
ツド６を介して被覆４と接触させ、リード３を測
定系に接続して、測定を行なう。

考案の具体的効果 本考案の生体用電極は、リードを一体化してな
るので、装着に際し、圧入力が加わらず、好都合
である。

また、構造もきわめて簡易であり、製造は容易
であり、量産性にもとみ、しかも価格も安価とな
り、デイスポーザブル電極として、きわめて好都
合である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す断面図であり、
第２図は本考案の生体用電極から電極素子を構成
したときの例を示す断面図である。 １……第１のシート、２……第２のシート、３
……リード、４……銀−塩化銀電極被覆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 導電性の樹脂またはゴム製の第１のシートと、
   当該第１のシートと融着可能な第２のシートとの
   間にリード線をはさみこみ、両者を融着し、しか
   も上記第１のシート面上に銀−塩化銀電極被覆を
   形成してなることを特徴とする生体用電極。