JPS63214715A - ソフトフオ−カス用光学素子 - Google Patents

ソフトフオ−カス用光学素子

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JPS63214715A
JPS63214715A JP62048355A JP4835587A JPS63214715A JP S63214715 A JPS63214715 A JP S63214715A JP 62048355 A JP62048355 A JP 62048355A JP 4835587 A JP4835587 A JP 4835587A JP S63214715 A JPS63214715 A JP S63214715A
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filter
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孝一 若宮
Hiroshi Wakabayashi
若林 央
Hachiro Kanai
金井 八郎
Hidenori Miyamoto
英典 宮本
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    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
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    • G02B3/0006Arrays
    • G02B3/0037Arrays characterized by the distribution or form of lenses
    • G02B3/0043Inhomogeneous or irregular arrays, e.g. varying shape, size, height
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B13/00Optical objectives specially designed for the purposes specified below
    • G02B13/20Soft-focus objectives

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、写真レンズやビデオカメラ用レンズ等に付加
されるか、あるいはレンズ構成の一部として用いられる
特殊逼影用光学素子に関し、特に、軟調な描画を得るた
めに好適なソフトフォーカス用光学素子に関する。
(従来の技術) 軟調なポートレートや風景写真等を得るためには、従来
から軟調描写専用のソフトフォーカス撮影レンズが用い
られている。このソフトフォーカス撮影レンズは、ソフ
トフォーカスの効果が大きく、美しいボケ味を示すが、
高価で、しかもレンズを絞り込んだときにソフトフォー
カスの効果が大きく変化し、その結果、良好なソフトフ
ォーカスの効果を得るためには熟練を必要としていた。
そのため、これに代わるものとして、通常のシャープな
レンズに装着付加することによって軟調な写真や画像が
得られる種々のソフトフォーカスフィルターが知られて
いる。
このソフ]・フォーカスフィルターには、光透過面に同
心円状の細い溝を、設けたもの、光透過面に砂摺り状の
多数の大小凹凸面を不規則に配置して構成したもの、光
透過面にレンズ状の複数の突起を規則正しく配列したも
の、光透過面に位相差を与える多数の突出位相部を設け
たもの、イオン交換法によりガラス表面に屈折率の異な
るスポットを形成したもの等、種々の形式のものが公知
である。このようなソフトフォーカスフィルターにも、
従来のソフトフォーカス撮影レンズと同様に、レンズに
付加した場合に良好なソフトフォーカス効果を得るため
の結像の要件として、 (1)付加される撮影レンズの解像力に忠実に、各結像
点において、なお明確な解像を残していること、 (2)像のボケが素直で、明るい点像の周囲にリング状
のボケを生じたり、いわゆる二線ボケのように明るい輪
郭に沿って線状の先立が生じたりすることが無いこと、 (3)像のボケによるにじみの範囲と強さが適当である
こと、 等が望まれている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、製造が容易で、しかも上記の結像要件の
すべてを満足するようなソフトフォーカスフィルターは
まだ得られていない。すなわち、光透過面に同心円状の
溝を設けたフィルターでは、明るい点光源像のまわりに
、リング状のボケを生じ、結果的に二線ボケの傾向が強
くて美しいボケ味とならない、光透過面に大小多数の砂
摺り状の凹凸を設けたフィルターにあっては、その凹凸
面からの散乱光によって全体にコントラストが低下して
像の解像が悪化するだけであって、素直なボケによる軟
調描画を得ることはできない。また、光透過面にレンズ
状の突起を設けた従来のフィルターにおいては、比較的
大きい径の水滴状の突起を規則正しく透過面全面に配置
して構成されており、点光源の像のまわりのボケが極端
で、なだらかなにじみの状態とならず、リング状のボケ
となる傾向にあり、いわゆるボケ味が悪いものであった
また、位相差方式のフィルターでは、ボケ具合が光の波
長に依存するため特定の波長の光に対してしかコントラ
ストの低下が得られず、また、リング状のボケを生じた
り二線ボケの傾向が強くて、美しいボケ味とはなりにく
い欠点があった。さらに、所定の位相差を得るためには
極めて精密な加工を必要とするので、製造が難しく、コ
スト高となる欠点があった。イオン交換法によって製作
されるソフトフォーカスフィルターにおいては、ソフト
フォーカス用撮影レンズに近い良好なソフトフォーカス
の効果が得られるが、特定のガラス素材に限定され、し
かもコスト高となる難点を有していた。
本発明は、上記、従来フィルターの問題点を解決し、良
好なソフトフォーカスの効果を維持し、且つ付加される
レンズのFナンバーが変化してもその効果が適度に持続
され、しかも製造が容易で安価なソフトフォーカス用光
学素子を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段) 本発明は、光透過面上にレンズ状曲面を有する複数の微
小光屈折部を設け、その微小光屈折部の口径をφ、前記
の光透過面から微小光屈折部のレンズ状曲面の頂点まで
の高さまたは深さをhとするとき、その微小光屈折部の
大きさが、0.05鶴≦φ≦0.5鶴・・・(1)0.
5μ≦h≦3μ・・・・・・・・・(2)の範囲にあり
、その微小光屈折部の占める面積の総和が前記の光透過
面に対する比をSとすると、5%≦S≦35%・・・・
・・・・・(3)の範囲内にあるように構成することを
上記問題点を解決するための手段とするものである。
(作用) 本発明のソフトフォーカス用光学素子を結像レンズに付
加すると、その光学素子の光透過面(2a)上に設けら
れたレンズ状曲面を有する微小光屈折部(3)は、付加
される結像レンズによって焦点面(F)に点像(Po)
を形成すべき光束の一部を屈折し、それぞれ別の位置(
pt 、pg )に結像させる。この場合、その微小光
屈折部(3)を通って点像(Po)に向う光は、焦点面
(F)においては、その点像(Po)を中心とする拡が
りをもって分布する。その分布された面積は、微小光屈
折部の口径φとレンズ状曲面の高さhとによって左右さ
れ、また、拡がって分布される光量は、複数の微小光屈
折部の平均密度、すなわち、その光学素子の光透過面(
2a)の断面積に対する微小光屈折部(3)の総面積の
比Sに強く影響される。そこで、φ、h及びSを下記の
条件を満足させるように構成することによって良好なソ
フトフォーカス効果を得ることができる。
0.05’m≦φ≦0.I5鶴・・・(1)0.5μ≦
h≦3μ・・・・・・・・・(2)5%≦S≦35%・
・・・・・・・・(3)レンズ状曲面をもつ微小光屈折
部の寸法が、上記(1)、(2)の条件の下限を超える
と、そのレンズ状曲面の製作が極めて困難となり、さら
に(3)の条件の下限を超えると、ソフトフォーカスの
効果が弱く、もはや、ソフトフォーカス用光学素子とし
ての目的を達し得ない。
また、上記(1)、(2)の条件の上限を超えると、像
のボケ味が悪くなり、さらに(3)の条件の上限を超え
た場合には、画面のコントラストが極端に低下し、しか
もリング状のボケや2線ボケを生じ、良好なソフトフォ
ーカスの効果を挙げることができなくなる。
(実施例) 次に、本発明の実施例を添付の図面に従って詳しく説明
する。
第1図は、ソフトフォーカス用光学素子の光線透過面か
ら突出した複数のレンズ状の微小の光屈折部を存する本
発明の一実施例におけるソフトフォーカス原理を説明す
るための原理図である。このソフトフォーカス用光学素
子においては、付加される結像レンズの結像点に対して
そのレンズ状の微小光屈折部を通過した光が屈折してズ
レることより、その結像点のまわりがボケでソフトフォ
ーカスの効果を生じるものと考えられる。説明を容易に
する為に、結像レンズとその結像レンズの焦点面(例え
ばフィルム面)との間にレンズ状の微小突起部を有する
ソフトフォーカス用光学素子を配した場合を例として、
本発明のソフトフォーカス原理を説明する。
第1図において、結像レンズ1の収差が少なければ、ソ
フトフォーカス用光学素子(以下単に「フィルター」と
称する。)2のレンズ突起部3を通過しない光束11は
、光透過面2aを透過して焦点面F上の一点P、に結像
する。また、結像レンズ1を通過して点P0に向う光束
のうちでレンズ状突起部3を通過する光束12は、その
レンズ状突起3によって屈折されて20点とは異なる点
P、に結像し、焦点面Fの付近では、点P0を中心とし
て拡がりEを持つことになる。この拡がりEは、レンズ
状突起3による光線の幾何学的な収差と回折の影響とが
混在しているとみなすことができ、拡がりの大きさく範
囲)、光強度および光量の分布は、そのレンズ状突起3
の頂点の曲率半径rと直径φによって変化する。
他のレンズ状突起3を通過した光束1.も20点から光
軸方向にずれたP!点に結像し、20点付近においては
、点P0を中心として前記の拡がりEとほぼ同じ直径で
拡がるものと考えられる。
すなわち、レンズ状突起3が複数の場合には、そのレン
ズ状突起3を通過して20点を中心として拡がった光束
の焦点面F上での光強度と光量分布とは、各レンズ状突
起3を通過する光束の重量積分によるものと考えられる
。そこで、レンズ状突起を小さく形成し、その数を多く
してレンズ状突起3の総面積のフィルター透過面に対す
る面積比を大きくすることは、PO点の1点に集束する
結像光の光量を低下させると同時にレンズ状突起3によ
って拡がった光束の和が相対的に大きくなることになり
、結果的にソフトフォーカスの効果が強くなる。
ところで、各レンズ状突起3を通過した光束がそれぞれ
無収差状態であれば、結像点P0付近の拡がり範囲Eお
よびその光量分布は殆んど同一であると予測されるが、
現実には、収差の影響により拡がりEの大きさや位置及
び光量分布等にバラツキが生じる。このバラツキは各レ
ンズ状突起3と通過した光束が重畳されたときに、結像
レンズによる光像を中心とする光量分布を適当にゆるや
かにするのに効果的であり、リング状ボケや2線ボケの
状態を解消させる強力な効果を有している。
第2図は、結像点P0における光量分布を説明する為の
光量分布図で、第2図(a)はソフトフォーカスフィル
ター2を付加しない場合の結像レンズ1のみによる光量
分布を示し、分布幅が狭く且中心の光強度が高いので極
めて鮮鋭な像が得られることを示している。第2図(b
)は、レンズ状突起3の形状が大きく且つ数が少なく、
各レンズ状突起による光束の広がりが完全に一致してい
るときの状態を示し、周辺部においては光の回折の影響
により、中間部より強い立上りを示している。このよう
な光量分布では、中間部の強度が比較的高(、しかも周
辺部で一段と高くなるため、明快な解像が得られず、ボ
ケが極端でリング状ボケを生じ易い、第2図(C)は、
レンズ状突起3の形状が小さく且つその数を増加させた
場合の結像状態を示し、各レンズ状突起3による光の収
差と回折の影響にズレが生じるため、その光量分布は、
周辺部に至るに従ってなだらかに低下し、像のボケによ
るにじみの範囲と程度とが適当なものとなっている。従
ってレンズ状突起3の形状を小さくし、その数を適当に
多くすることが望ましい。
第3図は、上記のソフトフォーカス原理に基づく本発明
の一実施例を示すソフトフォーカスフィルターの拡大平
面図で、第4図は第3図の一部断面図、第5図は第3図
のレンズ状突起部の拡大断面図である。
ところで、良好なソフトフォーカス状態とは、感覚的な
表現であって、観察者の感性によって評価が異なり、客
観的に乏しい。そこで、本発明者らは、良好に収差補正
された写真撮影用レンズとそのレンズにソフトフォーカ
スフィルターを装着した状態での空間周波数に対するM
、 T、 F (Modulation T rans
fer F unction)を比較してグラフ化し、
さらには、実際に撮影比較をし゛て望ましい条件を追求
した。 第3図に示すフィルター2は第4図に示すよう
に透明板4の一方の表面に極めて微細な多数のレンズ状
突起3を一体に形成したもので、そのレンズ状突起3は
第3図に示すように、極力規則性を廃したランダム配置
となし、しかも全面にわたり平均に分布して構成されて
いる。そのレンズ状突起3は、第5図に示すように、曲
率半径をr、透明板面から曲面の頂点までの高さをhと
し、曲面が完全な球面であるとすると、レンズ状突起3
の口径(光透過面2aでの断面直径)φは、 にて表わされる。それ故、φとhとを実測によって求め
れば、曲率半径を求めることが可能である。
また、レンズ状突起3の口径φと個数及びフィルター2
の光透過面の直径とから、複数のレンズ状突起3の占め
る面積のフィルターの光透過面に対する総面積比S(%
)を求めることができる。
前述の本発明のソフトフォーカス原理に基づいて設定さ
れ且つ実験に採用されたフィルター資料におけるレンズ
状突起3の寸法(r、h、φ)及び総面積比Sのデータ
を第1表に示す。また、これ等のフィルターをテストす
るために用いられた、収差補正の良好な焦点距離r−6
3mm、Fナンバー F 5.6の状態の結像レンズに
装着した場合の空間周波数特性を第6図乃至第8図に示
す。さらに第6図においては、ソフトフォーカス用撮影
レンズに近い効果を示す従来公知のイオン交換法による
ソフトフォーカスフィルターの空間周波数特性を、フィ
ルターを装着しない場合の結像レンズ(f−63mm、
F 5.6 )の空間周波数特性を参考のために併せて
示す。
第1表 第6図において、曲線りは、焦点距離f−63mm、絞
りF5.6における良好に収差補正された結像レンズに
フィルターを装着しない状態でのM。
T、F曲線を示し、空間周波数に略比例したM。
T、F値の低下を示している。曲線Ml及びMtは、ソ
フトフォーカス撮影レンズに近似するソフトフォーカス
効果を有するイオン交換法による2種のソフトフォーカ
スフィルターを前記の結像レンズに装着した場合のM、
T、F曲線を示したものである。この2種のモデルフィ
ルターを装着したときのM、T、F曲線Mr 1Mzと
結像レンズ単独のM、T、F曲!119ILとを比較す
ると、曲線M1 、Mzと曲線りとでは、空間周波数が
高い帯域では、M、T、F値にあまり差はないが、空間
周波数が低い帯域においてはM、T、F値の差が大きい
、すなわち、その2種のモデルフィルターを装着した場
合、良好な収差補正状態の結像レンズに対して、比較的
高い空間周波数帯域で像コントラスト(M、T、F)を
高く維持しつつ、低い空間周波数帯域の像コントラス)
 (M、T、F)を適度に下げることでソフトフォーカ
ス効果が得られ、特に低周波数帯域での像コントラスト
が低い程その効果が強いことが分る。撮影テストの結果
でも、第6図に示す2種のモデルフィルターでは、M、
T、F曲線M、で示される。フィルターの方が曲’a 
Mrで示されるフィルターよりソフトフォーカスの効果
が強い。
ところで、ソフトフォーカスの効果の強弱は、意図する
作画の目的、使用者の好み等によって異なるが、(1)
ソフトフォーカスの効果が明瞭であること、(2)しか
しその程度が強すぎないこと等を配慮して、そのソフト
フォーカス効果の目標をM、乃至M33種として、本発
明のフィルターのレンズ状突起の大きさ及び密度が発明
者らによって実験検討された。第6図において、実線に
て示す曲線A、は、第1表に示すように、レンズ状突起
の口径φ0.15mm、高さh =0.9/J、総面積
比5−16%のフィルターA3−16のM、T。
F曲線を示し、一方のモデルフィルターのM、T。
F曲線M、とほぼ一致している。また、第1表に示すよ
うに、フィルターA3−16と同じ大きさのレンズ状突
起を有し、面積比Sが20%のフィルターA3−20の
M、T、F曲線A2を一点鎖線にて示し、5〜24%の
フィルターA3−24のM、T、F曲線A、を破線にて
示す。両者共に一方のモデルフィルターのM、T、F曲
線M1と他方のM、T、F曲線Mtとの間に有り、良好
なソフトフィルター効果を有している。なお、レンズ状
突起の面積比Sが大きいフィルターA3−20は、面積
比(平均密度)Sの小さいフィルターA3−16より空
間周波数5〜20(本/m)の帯域におていM、T、F
値が小さく (像のコントラストが低い。)ボケの度合
いが強い。さらに面積比(平均密度)Sが大きいフィル
ターA3−24は、フィルターA3−20よりM、T、
F値が低く、ソフトフィルター効果がさらに強いことを
示している。
第7図は、レンズ状突起の半径r −8,5mm、高さ
h =1.8μ、口径φ=0,35mで、第1表に示す
本発明のフィルターC5−16〜C5−30の空間周波
数特性図である。なおこの場合も、良好に収差の補正さ
れた焦点距離f=53mの結像レンズでFナンバー6.
3の状態において、フィルターを装着しないときのM、
T、F曲線りを2点鎖線にて示す。5〜16%のフィル
ターC5−16の空間周波数特性をM、T、F曲線C8
にて示し、5−20%のフィルターC5−20,5〜2
5%のフィルターC5−25及び5−30%のフィルタ
ーC5−30の空間周波数特性をそれぞれM。
T、F曲線C,、C3およびC4にて示す。この第7図
からも明らかなように、レンズ状突起の面積比(平均密
度)Sが大きい程、M、T、F値が低くなり、ソフトフ
ォーカス効果が大となる。しかし、曲線C1、C4に見
られるように、レンズ状突起の面積比(平均密度)Sが
ある程度大きくなると、空間周波数が低いO〜20(本
/鶴)の帯域において曲線が単調な右下りとはならず、
うねりを生じ始める。このうねりが大きくなると、特定
の空間周波数で位相が反転することを意味し、リング状
のボケが生じ易い状態となる。
第8図は、第1表に示す、試料記号B5−14乃至B5
−35の本発明のフィルターをf−63m F 5.6
の結像レンズに装着した場合の空間周波数特性図である
。この場合、レンズ状突起は、半径rが2.81、球面
の頂点までの高さhが1.8μで、レンズ状突起の口径
φが0.20鶴に形成されている。なお、第8図中で符
号りで示された曲線は、結像レンズ単独のM、T、F曲
線である。曲線B+ 、B! 、Bs 、B4は、レン
ズ状突起の面積比Sがそれぞれ14%、16%、18%
、20%の本発明のフィルターを装着した場合の、M。
T、F曲線を示シ、曲[Bs 、Bb 、B?は、その
面積比Sがそれぞれ25%、30%、35%の本発明の
フィルターを装着した場合のM、T、F曲線を示す。レ
ンズ状突起の面積比(平均密度)が20%程度までは、
曲線B1乃至B4に見られるようにほぼ単調な右下りの
状態を示しているが、面積比Sが25%以上になると空
間周波数の低い0〜20(本/ m )の帯域において
曲線が乱れてうねりが出始める。5−30%では曲線B
、に示すように、空間周波数O〜20 (本/寵)の帯
域におけるM、T、F値が最低(ボケ量最大)となり、
さらに5〜35%では、曲線B、に示すように、空間周
波数10本/鶴付近でうねりの高さが大きくなり、リン
グ状のボケが現われ始める。従って、フィルターの全光
透過面積に対するレンズ状突起の総面積の比(平均密度
)Sが35%を超えると、リング状のボケや二線ボケが
顕著になり、美しいソフトフォーカスの効果は期待でき
なくなる。
上記の第1表に示す各フィルターを、収差が良好に補正
されたf=63m、FIXの状態に結像レンズに装着し
て、第5図乃至第7図に示す空間周波特性曲線を得、さ
らに実際にテスト撮影を行った結果、次の事柄が判明し
た。すなわち、1、ソフトフォーカスの効果の強さは、
レンズ状突起の面積比Sと相関が強く、レンズ状突起の
寸法の違いの影響は少ない。レンズ状突起部の面積比が
小さいとソフトフォーカスの効果が弱くてボケ量が少な
(、面積比が大きいと、その効果が強く、ボケ量が太き
(なる。
2.レンズ状突起の口径φが大きくなると、空間周波数
の低い帯域においてM、T、F曲線にうねりが発生しや
すい。特に、レンズ状突起部の面積比が大きい状態で、
口径φが大きくなると、うねりが発生するようになり、
その影響は実際に写真に撮影したときにリング状のボケ
として判別される。
なお、前記の第1表に示すデータのフィルターは、テス
ト撮影の結果、目的とするソフトの程度に応じて良好な
結果をもたらすことが判明した。
上記の実験結果を総合すると、レンズ状の突起について
口径φ及び高さhが、 0、05 mm≦φ≦0゜51m・・・(1)0.5μ
≦h≦3μ・・・・・・・・・(2)の範囲にあること
が、リング状ボケの発生の少ない条件であり、ボケ味の
よい像が得られる。また、レンズ状突起が前記(1)(
2)の条件の下限を超え、しかもレンズ状突起の直径に
応じた面積の総和が、フィルターの全光線透過面積の5
%以下のときは、ソフトフォーカスの効果か弱すぎて、
装着の目的を達し得ない。上記(1)(2)の条件の上
限を超え、しかもレンズ状突起がフィルターの全光線透
過面積の5%以下のとき(すなわちレンズ状突起が太き
(、数が少ないとき)または、上記(1)(2)の条件
を満足しても、フィルターの全光線透過面積の35%を
超えるときは、リング状のボケが生じ易(、ボケ味の悪
いものとなる。さらに、上記(1)(2)の条件の上限
を超え且つレンズ状突起がフィルターの全光線透過面積
の35%を超えると、ソフトフォーカスの効果が強くな
りすぎて、画面、のコントラストが極端に低下し、良好
なソフトフォーカスの効果を挙げることができない。す
なわちレンズ状突起の占める総面積がフィルターの全光
線透過面積に対して占める総面積比(平均密度)Sは、 5%≦S≦35%・・・・・・・・・(3)の範囲内に
あることが必要である。
前記の第1表に示す本発明のフィルターにおいては、レ
ンズ状突起が第3図に示すようにフィルター表面に不規
則に配置され、しかも、絞り値の変化に対しでソフトフ
ォーカスの効果があまり変化しないように、中央部と周
辺部とで、レンズ状突起の占める面積の割合いがほぼ同
一になるように構成した。第9図は、第6図のM、T、
F曲線を得るために用いたf−63mm、F5.6の結
像レンズをFilに絞り、第1表のフィルターA3−1
6、A3−20およびA3−24を装着した場合の空間
周波数特性図である。図中、曲線りはFllに絞られた
結像レンズ単独のM、T、F曲線を示し、曲線A、 S
At 、A3はフィルターA3−16、A3−20、A
3−24をそれぞれ装着したときのM、T、F曲線を示
す。この第9図を第6図と比較すれば明らかなように、
ソフトフォーカスの効果は両者共に同等であるが、フィ
ルターの全光線透過面積に対するレンズ状突起の面積比
(平均密度)Sが同一であっても、光線が通過するレン
ズ状突起の数はFilに絞られた場合の方が少ないので
、空間周波数が低い0〜20本/鶴の帯域において、わ
ずかに曲線に乱れが現われる。なお、第3図において、
中央部分に2点鎖線にて示された円は、Filのときの
光線透過部分の大きさを示したものである。また、1個
のフィルターに設けられるレンズ状突起の数は少なくと
も15個以上必要である。
第10図および第11図は、レンズ状突起の密度が中央
部分と外周部分とで異なる本発明の実施例を示すフィル
ター12および22の平面図で、第10図は中央部が密
に構成された実施例、第11図は外周部が密に構成され
た実施例である。それぞれの中央部分に鎖線にて示され
た円は、f−63鶴の装着すべき結像レンズをF5.6
からFllに絞ったときの光線透過部分の大きさを示す
また、そのフィルターのレンズ状突起の寸法を第2表に
示す。ただし、F5.6の場合の全光線透過面積に対す
るレンズ状突起の総面積の比(平均密度)Sは、共に2
0%のものが試料として採用されている。
第2表 第12図は、第1表に示す本発明の前述のフィルターの
実験に使用されたf=63m、F5.6の収差補正が良
好になされた結像レンズに、第2表のフィルターを装着
した場合の空間周波数特性図で、図中、曲線りはその結
像レンズ単独のM、T。
F曲線を示す0曲線B41は、第10図に示すようなレ
ンズ状突起が中央部で密、外周部で粗に分布しているフ
ィルターを用いた場合のM、T、F曲線である。また、
曲線134gは、第11図に示すような、レンズ状突起
が中央部で粗、外周部で密に分布しているフィルターを
用いた場合のM、T。
F曲線を示す。両者は共に、空間周波数が低い帯域にお
いてほぼ等しいコントラスl−(M、 T、  F値)
を示し、ソフトフォーカスの効果は互いによ(似ている
。第13図は、前記の結像レンズをFllとして第2表
のフィルターを装着した場合の空間周波数特性図である
。図中、曲線りはFilに絞ったときの結像レンメ単独
のM、T、Fdh6%を示す、結像レンズをFilにし
た状態では、中央部が密のフィルターを用いた場合、曲
線B41に示すように、第12図と較べて空間周波数が
低いO〜20本/W付近の帯域において、M、T、F値
が大きく低下してソフトフォーカス効果が強くなる。ま
た、外周部が密のフィルターを用いた場合、曲線42に
示すように第12図と較べてソフトフォーカス効果がや
や弱くなっていることが分る。
上記、第2表による本発明のフィルターを装着して実験
した結果、レンズ状突起の密度(面積比)を、周辺部か
ら中央部にかけて適度に変化させたフィルターを使用す
ることにより、装着する結像レンズの絞り込みによるソ
フトフォーカス効果の度合を自由にコントロールするこ
とができることが容易に推測される。なお、第10図、
第11図及び第2表に示す実施例では、中央部と周辺部
とのレンズ状突起の粗密の度合いを同じ寸法の突起の分
布(数)によって変化させたが、突起の口径φを変えて
粗密の度合いを変化させてもよい。
また、上記第1表及び第2表に示す本発明の実施例のフ
ィルターは、同じ寸法形状のレンズ状突起が全面に均等
に、または中央部から外周部に向って次第に密度を変え
て分布するように構成したが、必ずしも同一寸法のレン
ズ状突起でフィルターを構成する必要はなく、前述のレ
ンズ状突起の条件(1)式及び(2)式の範囲内で複数
種混合して構成してもよい、さらに、上記の実施例にお
いては、ソフトフォーカスの効果を得るために第4図に
示すように透明板の表面に突出して複数のレンズ状突起
を設けたものとしたが、このレンズ状突起部分を通過し
た光が第1図に示すように、結像レンズの結像面におい
てデ・フォーカスすることをソフトフォーカスの原理と
するものであるから、レンズ状突起の代わりに、複数の
レンズ状へこみを透明板表面と形成したものでもよい。
この場合、前述の高さhは、そのへこみの深さとなる。
さらに、そのレンズ状突起やレンズ状へこみは、完全な
球面では無く、非球面に形成したものであっても差支え
ない。
また、上記のフィルターは無色透明のプラスチックをモ
ールド成型することにより容易に製作でき、第4図に示
すように片面のみにレンズ状突起を設けたものばかりで
無く、両面にレンズ状突起を設けるようにしてもよい。
ただし、両面にレンズ状突起を設ける場合には、フィル
ターの光線透過断面積に対する両面のレンズ状突起の総
面積の比をSとし、前記の条件式(3)を満足するよう
に構成することは言うまでも無い。
さらに、本発明のソフトフォーカス用光学素子は、第1
図に示すように結像レンズの後方ばかりでなく、結像レ
ンズの前面または中間部分に装脱可能に設けてもよい。
その際、フォーカスを挿入する部分の光束が平行でない
場合には、結像面が光軸方向にずれるので、レンズ状突
起を有しない片面を適当な正レンズ面に形成して、その
狂いを補正するようにすることが望ましい、また、レン
ズ状突起部(またはレンズ状へこみ部)のみを、例えば
マゼンタ色に染色して、ポートレートの頭や肌を特にソ
フト描写したり、あるいは青色に染色して、植物の葉や
景色の背景部分のように主として青味を帯びた部分をソ
フト描写して花や前景を浮き出させる特殊撮影用ソフト
フォーカスフィルターとして構成してもよい。
さらにまた、本発明のソフトフォーカス用光学素子は、
ソフトフォーカスフィルターの如く、透明板に複数の微
小レンズ状曲面を設けて、これを撮影レンズに付加する
ように構成されているものばかりでなく、全体として発
散または収斂性を持つレンズ状に形成し、これを撮影レ
ンズに組み込んで専用のソフトフォーカス撮影レンズの
構成の一部の光学素子として用いても差支えない。
〔発明の効果〕
上記の如く本発明によれば、レンズ状曲面を有する光屈
折部の口径およびそのレンズ状曲面の高さを従来の水滴
状突起を有するフィルターに比して充分小さいものに構
成したから、装着すべき結像レンズの分解能を適当に維
持しつつ、良好なソフトフォーカス効果を得ることがで
きる。また、従来のものと同じ平均密度を有する場合に
は光屈折部の数が極めて大きいものとなるためボケ味が
良好で、リング状のボケや2線ボケ等が発生する恐れが
無くなる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例のソフトフォーカス原理を示す
説明図、第2図は、第1図における焦点面の一点におけ
る光分布図で、第2図(a)は結像レンズのみの場合、
第2図(b)は第1図におけるソフトフォーカス用光学
素子のレンズ状曲面を有する微小光屈折部の平均密度が
小さい場合、第2図(c)は前記の微小光屈折部の平均
密度が大きい場合の光分布図、第3図は、本発明の一実
施例を示すソフトフォーカス用光学系の平面図、第4図
は第3図の一部拡大断面図、第5図は、第3図における
微小光屈折部の拡大図、第6図乃至第8図はそれぞれ第
3図に示す実施例の微小光屈折部の寸法、平均密度を変
えた場合の空間周波数特性図で、第6図は微小光屈折部
の曲面の半径3゜2鰭、高さ0.9μ、口径0.15嘗
嘗の場合、第7図は微小光屈折部の曲面の半径8.6鰭
、高さ1.8μ、口径0.35 mの場合、第8図は微
小光屈折部の曲面の半径2.8mm、高さ1.8鰭、口
径0.20mの場合を示し、第9図は、第6図において
用いられた結像レンズをFilに変化させた場合の空間
周波数特性図、第10図及び第11図は、レンズ状曲面
を有する微小光屈折部の分布状態がそれぞれ第3図とは
異なる本発明の実施例のソフトフォーカス用光学素子を
示す平面図、第12図は第10図と第11図に示す光学
素子をそれぞれエフナンバー(F)5.6の状態にある
結像レンズに装着した場合の空間周波数特性図、第13
図は第12図の特性図に用いた結像レンズをFilに絞
って第10図と第11図に示す光学素子をそれぞれ装着
した場合の空間周波数特性図である。 (主要部分の符合の説明) 1・・・結像レンズ 2a・・・光透過面 2.12.22・・・フィルター(ソフトフォーカス用
光学素子)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)光透過面上にレンズ状曲面を有する複数の微小光
    屈折部を設けると共に、前記微小光屈折部の口径をφ、
    前記光透過面から前記微小光屈折部のレンズ状曲面の頂
    点までの高さまたは深さをh、前記光透過面に対する前
    記微小光屈折部の総面積の比をSとするとき、 0.05mm≦φ≦0.5mm 0.5μ≦h≦3μ 5%≦S≦35% の条件を満足するように構成したことを特徴とするソフ
    トフォーカス用光学素子。
  2. (2)前記微小光屈折部は、球面または非球面のレンズ
    状突起またはレンズ状へこみであって、前記光透過面全
    面に不規則に配置されていることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載のソフトフォーカス用光学素子。
  3. (3)前記微小光屈折部は、前記光透過面の中央部分と
    周辺部分とで分布密度が異なるように配置されているこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項記載
    のソフトフォーカス用光学素子。
  4. (4)前記微小光屈折部は、前記光透過面(2a)から
    突出した球面または非球面のレンズ状突起(3)であっ
    て、φ=0.15mm、h=0.9μに形成され且つ前
    記レンズ状突起(3)の前記光透過面(2a)に対する
    面積比Sは、 16%≦S≦24% の範囲にあることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載のソフトフォーカス用光学素子。
  5. (5)前記微小光屈折部は、前記光透過面(2a)から
    突出した球面または非球面のレンズ状突起(3)であっ
    て、φ=0.20mm、h=1.8μにて形成され且つ
    前記レンズ状突起(3)の前記光透過面(2a)に対す
    る総面積比Sは、 14%≦S≦35% の範囲にあることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載のソフトフォーカス用光学素子。
  6. (6)前記微小光屈折部は、前記光透過面(2a)から
    突出した球面または非球面のレンズ状突起(3)であっ
    て、φ=0.35mm、h=1.8μにて形成され且つ
    前記レンズ状突起(3)の前記光透過面(2a)に対す
    る総面積比Sは、 16%≦S≦30% の範囲にあることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載のソフトフォーカス用光学素子。
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