JPS6321269Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は洗濯槽と脱水槽とを一体に成形して有
する二槽式洗濯機に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

従来よりこの種の二槽式洗濯機に於いては、そ
の洗濯槽及びこれと一体成形した脱水槽が、その
境界部に槽の運搬積み重ねのために存する谷部の
ため、互いに近づく様に変形する傾向にあつて、
その変形により特に脱水槽に対してその内部に配
設された脱水篭が偏心し、この偏心によつて脱水
運転時異常振動を起こす等という問題点があつ
た。そこで近年、上記洗濯槽及び脱水槽の各下面
部に夫々筒部を設け、一方、それら両槽の下方に
あつて洗濯用モータ及び脱水用モータ等を支持す
る台板には複数本の支柱を設けて、該支柱に上記
筒部を夫々係合させ、以て洗濯槽及び脱水槽を矯
正し脱水篭の偏心等という問題を解決するものが
考えられている。然しながらこのものに於いて
は、筒部及び支柱を洗濯用モータ及び脱水用モー
タとの衝突を避ける上からこれらモータから或る
程度離間する位置に設けなければならず、その分
必然的に脱水槽及び台板が大形化しコスト高とな
る等の問題点があつた。

〔考案の目的〕

そこで本考案は、槽や台板を大形化させること
なく槽の矯正ができる二槽式洗濯機を提供しよう
というものである。

〔考案の概要〕

本考案は、台板に洗濯槽を支持固定すると共
に、台板に設けられた支柱を洗濯槽及び脱水槽間
の境界部に存する谷部に圧挿させたから、支持固
定された洗濯槽に対して脱水槽が支柱をスペーサ
として洗濯槽から離れる方向に押しやられ、該脱
水槽の位置が矯正されるようになり、これによつ
て、脱水篭の偏心等の問題が解決され、しかも、
台板に洗濯槽及び脱水槽間の谷部に圧挿させる支
柱を設けるだけであるから、脱水槽を支持固定す
るための支持固定部材を脱水モータ等を避けて台
板に設ける必要がなくなり、それだけ台板及び脱
水槽を大形化させなくて済む様にしたことを特徴
とするものである。

〔考案の実施例〕

以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明するに、先ず第１図に於いて、１は外箱であ
り、台板２の上方に配置されている。而して台板
２は詳細には例えばプラスチツク製のものにて、
第２図に示す様に洗濯用モータ支持部３及び脱水
用モータ支持部４を有し、そのうち洗濯用モータ
支持部３の周辺部位には二本の支柱５，６を突設
し、一方、両部の中間部位には一本の支柱７を突
設している。尚この場合、支柱５，６，７の各上
部は夫々横断面が十字状を成す様に形成し、又、
その各上端部は夫々丸味をもたせて先細状に形成
している。そして洗濯用モータ支持部３には第１
図に示す様に洗濯用モータ８を取付け支持せしめ
ており、他方、脱水用モータ支持部４には脱水用
モータ９を取付け支持せしめている。さて、１０
は洗濯槽、１１は脱水槽で、これら両槽１０，１
１はプラスチツクにより一体成形され、その境界
部には下向きに谷部１２が存している。又、洗濯
槽１０には第２図に示す如く下面部に二つの筒部
１３，１４を突設しており、その各位置に前記支
柱５，６が夫々合致し、一方、谷部１２の位置に
は残りの前記支柱７が合致している。而して洗濯
槽１０及び脱水槽１１は前記外箱１に上方から挿
入され、この折り第３図に示す如く支柱５，６に
筒部１３，１４を圧嵌し、以て台板２に洗濯槽１
０を支持固定すると共に、支柱７には谷部１２を
圧嵌、換言すれば該谷部１２に支柱７が圧挿され
ている。尚、第１図中１５は挿入取着後の洗濯槽
１０の内底部に配設したパルセータで、１６は該
パルセータ１５に前記洗濯用モータ８の駆動力を
伝えるベルト伝動機構、１７は脱水槽１１の内部
に配設した脱水篭、１８は該脱水篭７に前記脱水
用モータ９の駆動力を伝えるシヤフトであり、そ
して更に１９は両槽１０，１１の上方に配設した
操作パネルである。

以上の様に本実施例に於いては、台板２に設け
た支柱５，６，７のうち支柱７を洗濯槽１０及び
脱水槽１１間の境界部に存する谷部１２に圧挿し
ており、これによつてその洗濯槽１０及び脱水槽
１１に従来の如き変形があれば、支持固定された
洗濯槽１０に対して支柱７がスペーサとして作用
し脱水槽１１を離す方向へ押しやり矯正すること
から、脱水篭１７も偏心はせず、従つて脱水運転
時での異常振動の発生等も防止できる。しかもこ
の場合、上述の支柱７は谷部１２の位置に合わせ
て台板２の中程の部位に設けるのみで良いから、
脱水用モータ９との衝突等も心配する必要はな
く、従つて台板２や或いは脱水槽１１を大形化す
る必要もなく全体をコンパクトなままにまとめ
得、コスト等も安く抑えることができる。

その他、本考案は上記し且つ図面に示した実施
例にのみ限定されるものではなく、殊に支柱の本
数等につき、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更
して実施し得る。

〔考案の効果〕

以上にて明らかな様に本考案は、洗濯槽及びこ
れと一体成形した脱水槽を有する他に洗濯用モー
タ及び脱水用モータ等を支持する台板を有する二
槽式洗濯機に於いて、その台板に、前記洗濯槽を
支持固定すると共に、前記洗濯槽及び脱水槽間の
境界部に存する谷部に圧挿せられる支柱を設けて
成ることを特徴とするものであり、それにて脱水
槽や台板を大形化させることなく脱水槽の矯正が
でき、従つて全体をコンパクトなままに保つこと
ができ、且つコストも安く抑え得るなど、優れた
実用的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したものにて、第
１図は全体の縦断面図、第２図は主要部の拡大分
解斜視図、第３図は同部の拡大縦断面図である。 図中、２は台板、５，６，７は支柱、８は洗濯
用モータ、９は脱水用モータ、１０は洗濯槽、１
１は脱水槽、１２は谷部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗濯槽及びこれと一体成形した脱水槽を有する
   他に洗濯用モータ及び脱水用モータ等を支持する
   台板を有するものであつて、その台板に、前記洗
   濯槽を支持固定すると共に、前記洗濯槽及び脱水
   槽間の境界部に存する谷部に圧挿せられる支柱を
   設けて成ることを特徴とする二槽式洗濯機。