JPH0751490A - 洗濯機の脱水槽 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属板から成る胴部のかしめ継合の強化をコ
スト安に行なうことができるようにする。 【構成】 第１に、金属板を円筒状に曲成し、その両端
部をかしめ継合することによって形成した胴部３ａのか
しめ継合部１０の外側に、該かしめ継合部１０をまたぐ
長さの押え板１５を、胴部１０上縁部にバランスリング
１２を取付けるねじ１４により共締めして取付けるよう
にした。第２に、バランスリング１２の取付ガイド溝部
１３の内周に複数のリブを形成し、これを胴部３ａのか
しめ継合部１０部分の外側に当接させるようにした。第
３に、胴部３ａのかしめ継合部１０の上部を溶接するよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は金属板から成る洗濯機の
脱水槽に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、洗濯機においては、脱水槽が、こ
れまでのプラスチックに代わり、ステンレス鋼板など金
属板から作製されたものが供されている。このものにお
いては、その機械的強度が高く、高回転に耐え得るた
め、脱水性能を向上させ得るという利点を有している。

【０００３】しかして、その作製については、金属板を
円筒状に曲成し、その両端部をかしめ継合することによ
って胴部を形成しており、高速回転時には、そのかしめ
継合部が変形，破壊するおそれを有するため、胴部に更
に底部をかしめ継合し、そして一方、上縁部において
は、胴部に補強用の金属リングをかしめ継合して、その
強化をするようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ものの場合、胴部のかしめ継合部の強化用に大きな金属
リングが必要で、それを更に胴部にかしめ継合する製造
上の困難性もあって、コスト高になるという問題点を有
していた。

【０００５】本発明は上述の事情に鑑みてなされたもの
であり、従ってその目的は、金属板から成る胴部のかし
め継合の強化がコスト安にできる洗濯機の脱水槽を提供
するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の洗濯機の脱水槽においては、胴部を、金属
板を円筒状に曲成し、その両端部をかしめ継合すること
によって形成したものにあって、第１に、その胴部のか
しめ継合部の外側に、該かしめ継合部をまたぐ長さの押
え板を、胴部上縁部にバランスリングを取付けるねじに
より共締めして取付けたことを特徴とする。

【０００７】本発明の洗濯機の脱水槽においては、第２
に、上記胴部のかしめ継合部分の外側に、胴部上縁部に
取付けるバランスリングの取付ガイド溝部の内周に形成
した複数のリブを当接させたことを特徴とする。

【０００８】本発明の洗濯機の脱水槽においては、第３
に、上記胴部のかしめ継合部の上部を溶接したことを特
徴とする。

【０００９】

【作用】上記手段によれば、いずれも、大きな補強部材
を要せず、製造上の困難性も伴わずに胴部のかしめ継合
部の強化ができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の第１実施例につき、図１ない
し図４を参照して説明する。まず図４には洗濯機、中で
も脱水兼用洗濯機の全体構成を示しており、外箱１の内
部に水溜め用の桶２を配設している。桶２内には洗濯槽
を兼ねる脱水槽３を配設しており、脱水槽３内には底部
に撹拌体４を配設している。又、桶２外の下方部にはモ
ータ５を主体とする駆動機構６を配設しており、これに
よって、洗濯時に脱水槽３を制止して撹拌体４を回転さ
せることにより洗濯物の撹拌をし、脱水時に脱水槽３を
撹拌体４と共に回転させることにより脱水孔７から洗濯
物の脱水をするようにしている。このほか、桶２外の下
方部には桶２内から排水するための排水弁８及び排水ホ
ース９をも配設している。

【００１１】さて、前記脱水槽３は、詳細には胴部３ａ
と底部３ｂとから成るもので、その胴部３ａはステンレ
ス鋼板等の金属板を円筒状に曲成し、その両端部を図１
及び図２にかしめ継合部１０で示す「はぜかしめ」によ
りかしめ継合することによって形成しており、これに底
部３ｂを更にかしめ継合して有底円筒状に形成してい
る。又、その胴部３ａの上縁部には、図３に示すよう
に、液体１１を封入したバランスリング１２をその外周
の取付ガイド溝部１３により嵌合して多数本（図３には
１本のみ図示）のねじ１４により取付けるようにしてお
り、そのうちの図１に示す２本のねじ１４を利用して、
該胴部３ａのかしめ継合部１０の外側に、かしめ継合部
１０をまたぐ長さの押え板１５をバランスリング１２と
共締めして取付けている。

【００１２】このように金属板から成る脱水槽３の胴部
３ａのかしめ継合部１０の外側に押え板１５を取付けた
本構成のものでは、高速回転時のかしめ継合部１０の変
形，破壊を防止する強化がその押え板１５によってでき
る。そして、かかる構成にあって、押え板１５は胴部３
ａのかしめ継合部１０をまたぐだけの長さのものであ
り、従来の金属リングのような大きな補強部材を必要と
しない。しかも、その取付けはねじ１４による簡単なも
ので、従来の金属リングを胴部にかしめ継合したものの
ような製造上の困難性はなく、更に、そのねじ１４は本
来バランスリング１２の取付用で、それを共用するので
あるから、押え板１５取付用として特別の部品を必要と
することもないのであり、総じて、コスト安に、金属板
から成る脱水槽３の胴部３ａのかしめ継合部１０の強化
ができる。

【００１３】以上に対して、図５及び図６は本発明の第
２実施例を示すもので、バランスリング１２の取付ガイ
ド溝部１３の内周に複数のリブ１６を形成し、これを脱
水槽３の胴部３ａのかしめ継合部１０部分の外側に当接
させたものを示しており、このようにすることによっ
て、高速回転時のかしめ継合部１０の変形，破壊を防止
する強化がそのリブ１６によってできるから、上記第１
実施例同様の作用効果を得ることができる。

【００１４】又、図７は本発明の第３実施例を示すもの
で、脱水槽３の胴部３ａのかしめ継合部１０の上部を溶
接部１７で示すように溶接（特にはスポット溶接）した
ものを示しており、このようにすることによって、高速
回転時のかしめ継合部１０の変形，破壊を防止する強化
がその溶接部１７によってできるから、やはり第１実施
例同様の作用効果を得ることができる。

【００１５】なお、本発明は上記し且つ図面に示した実
施例にのみ限定されるものではなく、特に全体としては
脱水兼用洗濯機の脱水槽に限られず、二槽式洗濯機の脱
水槽にも同様に適用して実施できるなど、要旨を逸脱し
ない範囲内で適宜変更して実施し得る。

【００１６】

【発明の効果】本発明の洗濯機の脱水槽は以上説明した
とおりのもので、次の効果を得ることができる◎第１
に、胴部を、金属板を円筒状に曲成し、その両端部をか
しめ継合することによって形成したものにおいて、その
胴部のかしめ継合部の外側に、該かしめ継合部をまたぐ
長さの押え板を、胴部上縁部にバランスリングを取付け
るねじにより共締めして取付けたことにより、金属板か
ら成る胴部のかしめ継合の強化をコスト安に行なうこと
ができる。

【００１７】第２に、上記胴部のかしめ継合部分の外側
に、胴部上縁部に取付けるバランスリングの取付ガイド
溝部の内周に形成した複数のリブを当接させたことによ
り、上述同様、金属板から成る胴部のかしめ継合の強化
をコスト安に行なうことができる。

【００１８】第３に、上記胴部のかしめ継合部の上部を
溶接したことにより、やはり、金属板から成る胴部のか
しめ継合の強化をコスト安に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す主要部分の斜視図

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿う横断面図

【図３】図１のＢ−Ｂ線に沿う縦断面図

【図４】全体の縦断側面図

【図５】本発明の第２実施例を示す図１相当図

【図６】図３相当図

【図７】本発明の第３実施例を示す図１部分相当図

【符号の説明】

３は脱水槽、３ａは胴部、１０はかしめ継合部、１２は
バランスリング、１３は取付ガイド溝部、１４はねじ、
１５は押え板、１６はリブ、１７は溶接部を示す。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 胴部を、金属板を円筒状に曲成し、その
   両端部をかしめ継合することによって形成したものにお
   いて、その胴部のかしめ継合部の外側に、該かしめ継合
   部をまたぐ長さの押え板を、胴部上縁部にバランスリン
   グを取付けるねじにより共締めして取付けたことを特徴
   とする洗濯機の脱水槽。
2. 【請求項２】 胴部を、金属板を円筒状に曲成し、その
   両端部をかしめ継合することによって形成したものにお
   いて、その胴部のかしめ継合部部分の外側に、胴部上縁
   部に取付けるバランスリングの取付ガイド溝部の内周に
   形成した複数のリブを当接させたことを特徴とする洗濯
   機の脱水槽。
3. 【請求項３】 胴部を、金属板を円筒状に曲成し、その
   両端部をかしめ継合することによって形成したものにお
   いて、その胴部のかしめ継合部の上部を溶接したことを
   特徴とする洗濯機の脱水槽。