JPS63210697A - 高速増殖炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は高速増殖炉に係り、特に原子炉容器を囲んで設
けられた原子炉安全容器の底部が、凸または凹形状の断
面構造を有する高速増殖炉に関する。

（従来の技術） 一般に高速増殖炉は、第４図に示すように、原子炉建屋
１内に原子炉容器２が備えられ、この原子炉容器２を包
囲して原子炉安全容器３が設けられる。

上記原子炉容器２内にはウラン燃料等が装荷された炉心
４が備えられ、原子炉容器２内は液体金属ナトリウム等
の冷却材５で満たされる。

一方、原子炉安全容器３は原子炉容器２と適切な間隔を
おいて液密に設置される。原子炉安全容器３が液密に構
成されるのは、万一原子炉容器２の破損により冷却材５
が漏洩したときに、原子炉安全容器３により、外部への
冷却材５の漏洩を防止するとともに、原子炉容器２内で
炉心４が露出しない程度に冷却材５の液位を確保する必
要があるからである。

前記原子炉容器２下部を支持する原子炉支持構造は次の
ように構成される。

すなわち、原子炉容器２の外周部は円筒状の原子炉支持
スカート７により原子炉ＩＪ！ｆｆ１１に支持され、容
器底部は複数の円筒状の底部支持スカート８により原子
炉建屋１の床面上に支持される。原子炉支持スカート７
の上端は原子炉容器２に溶接等で固定され、下端は原子
炉建屋１のコンクリートにアンカーボルト等により固定
される。

また、各底部支持スカート８の上端は同様に原子炉容器
２に溶接等で固定され、下端はスライドパッド９を介し
て原子炉建屋１の床面上に摺動可能に支持される。スラ
イドバッド９は原子炉始動時および原子炉運転時等にお
いて、原子炉容器２と原子炉建屋１との間に生じる熱膨
張差を吸収して熱応力の発生を防止するために設けられ
る。

一方、原子炉安全容器３は、前記原子炉支持スカート７
と底部支持スカート８とに溶接等で固定され、これらの
支持スカート７．８を介して原子炉建屋１の床上に支持
される。したがって、原子炉安全容器３と原子炉容器２
とは原子炉支持スカート７と底部支持スカート８とを介
して剛に溶接結合されている。

また、原子炉容器２の底部は平板となっており、冷却材
５の液圧や原子炉高温時の圧力に耐え得るように板厚約
３０１１ＩＩｌに形成され、原子炉安全容器３の底部も
同様に平板であるため、冷却材５の漏洩時の圧力を考慮
して板厚約３０１１ＩＩＨに形成される。

（発明が解決しようとする問題点） 上述したように、原子炉安全容器３と原子炉容器２とは
、原子炉支持スカート７と底部支持スカート８とを介し
て剛に溶接結合される。原子炉運転中には、原子炉容器
２の底部は、冷却材５に直接接触して約３５０℃の高温
になり、原子炉容器２と原子炉安全容器３との間に熱膨
張差が生じ、熱応力発生が問題となる。このため、原子
炉安全容器３の外側には外部への放熱防止を目的として
保温材１０が設けられている。

しかしながら、原子炉スクラム時等において冷却材５が
急激に温度変化する場合には、原子炉容器２と原子炉安
全容器３との間の過大な熱応力発生は避けられない。し
たがって、約３０１１１！Ｒの板厚の平板で構成される
原子炉容器２および原子炉安全容器３の底部は、熱応力
的に設計基準を満たすことはかなり困難である。

本発明は上記の事情を考慮してなされたもので、原子炉
容器と原子炉安全容器との熱膨張差による過大な熱応力
の発生を防止し、冷却材等の圧力荷重にも充分耐え得る
原子炉安全容器を備えた高速増殖炉を提供することを目
的とする。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本発明は、原子炉建屋内に原子炉容器が備えられ、その
原子炉容器を包囲して原子炉安全容器が設けられる一方
、上記原子炉容器は原子炉支持スカートと複数の底部支
持スカートを介して原子炉建屋に支持され、この原子炉
容器と前記原子炉安全容器とが上記原子炉支持スカート
と底部支持スカートとを介して結合された高速増殖炉に
おいて、上記原子炉安全容器の底部は半径方向断面に多
数の凸または凹形状が連続して形成され、これら凸また
は凹形状の断面が全周にわたって同心円上に形成されて
成るものである。

（作用） 原子炉スクラム時等において原子炉容器の温度が急激に
変化すると、原子炉容器と原子炉安全容器との間に熱膨
張差が生じる。しかし、原子炉安全容器の底部が半径方
向断面に多数の凸または凹形状を連続して形成し、これ
ら凸または凹形状の断面が全周に亘って同心円上に形成
されて成るので、これら凸または凹形状断面の変形吸収
能力により熱膨張差が吸収されて、過大な熱応力の発生
が防止される。

また、万一原子炉容器から冷却材が漏洩した場合には、
この冷却材の圧力荷重が直接原子炉安全容器に作用する
が、凸または凹形状の断面構造は圧力荷重に対して剛性
であり、冷却材の圧力に充分に耐えることができる。

（実施例） 本発明の一実施例を図面を参照して説明する。

本発明に係る高速増殖炉は、第１図に示すように原子炉
建屋１内に原子炉容器２が備えられ、この原子炉容器２
を包囲して原子炉安全容器３Ａが設けられる。上記原子
炉容器２は、内部に炉心４が備えられるとともに、冷却
材５で満たされる。

また、原子炉支持構造は従来と同様に、原子炉容器２が
円筒状の原子炉支持スカート７と複数の円筒状の底部支
持スカート８により原子炉建屋１の床面上に支持される
。

一方、原子炉安全容器３Ａは原子炉容器２と適切な間隔
を持って液密に構成され、上記原子炉支持スカート７と
底部支持スカート８に固定支持される。

また、原子炉容器２の底部は従来と同様に平板に形成さ
れるが、原子炉安全容器３Ａの底部は下向きに凸な半円
形状の断面構造の周溝１１が同心円上に多数配設された
構造に形成される。

第２図は原子炉安全容器３Ａの底部の一部を拡大して示
す断面斜視図である。原子炉安全容器３Ａの底部は原子
炉支持スカート７と底部支持スカート８の間、および各
底部支持スカート８の間が下向きに凸な半円形状の断面
構造に形成される。

原子炉支持スカート７および各底部支持スカート８は円
筒状であり同心円上に配設されるから、原子炉安全容器
３Ａの底部全体としては、上記の断面の周溝構造が同心
円上に多数配設されて形成される。

この原子炉安全容器３Ａの底部は厚さ約１０ａｌｌ程度
の薄板に形成される。これは、原子炉安全容器３Ａと原
子炉容器２との間に熱膨張差が生じた場合に半円形状の
断面構造が変形することにより熱膨張差を吸収するため
である。

上記の半円形状の断面を有する薄肉鋼板は、底部支持ス
カート８と環状をなす原子炉容器底部支持部１２の接合
部から適切な間隙を置いた位置に溶接固定される。また
、この底部支持スカート８および原子炉支持スカート７
の原子炉容器２と原子炉安全容器３Ａに挟まれた部分に
は、内部に不活性ガスを導入させるための連通孔１３が
設けられる。さらに、原子炉安全容器３Ａの外側には、
原子炉安全容器３Ａの内部の熱を外部へ放出しないよう
に保温材１０が密着して設けられる。

次に、上記実施例の作用について説明する。

原子炉の通常運転時には冷却材５および原子炉容器２の
温度は約３５０℃、原子炉安全容器３Ａの温度は約３０
０℃に安定に保たれており、両者の温度差は約５０℃と
比較的小さく、熱応力の発生はあまり問題にならない。

ところが、原子炉スクラム等の過渡時においては、炉心
４からの熱の発生が急止され、冷却材５の熱が図示しな
い二次側の冷却材に奪われる関係上、冷却材５の温度が
急激に低下し、その冷却材５に接する原子炉容器２も同
時に温度低下する。

一方、原子炉安全容器３Ａは、原子炉容器２との間にガ
ス空間があり、また外側が保温材１０で覆われているた
め高い温度のままとなり、原子炉容器２との間に１５０
℃程度の温度差が生じる。

このような場合に生じる原子炉容器２と原子炉安全容器
３Ａとの間の熱膨張差は、原子炉安全容器３Ａの底部に
形成された下向きに凸な半円形状の断面構造が径方向に
変形することにより容易に吸収され、過大な熱応力の発
生が防止される。

また、万一原子炉容器２が破損した場合には、原子炉容
器２内の冷却材５が漏洩し、連通孔１３等を通して原子
炉安全容ｉ？１ｉ３Ａ全体に拡がる。この場合でも原子
炉安全容器３Ａが液密に構成されるため、外部へ冷却材
５が漏れることはなく、炉心４が冷却材５から露出しな
い程度の液位が確保される。このため、原子炉安全容器
３Ａの底部は冷却材５の圧力荷重を直接受けることにな
るが、原子炉安全容器３Ａの底部は下向きに凸な半円形
状の断面構造であることから、薄肉であっても圧力荷重
に対しては剛性があり、充分に耐えることが可能である
。

上記の実施例においては、原子炉安全容器３Ａの底部は
下向きに凸な半円形状の断面構造を有するが、本発明は
これに限定されるものではなく、上向きに凸な半円形状
としてもよい。また、この半円形状を半楕円形状や矩形
断面形状としてもよい。

第３図は、原子炉安全容器３Ａの底部が上向きに凸な半
円形状の断面構造を同心円上に多数配設して形成された
場合の底部の一部を拡大して示す断面斜視図である。

この実施例においても、前記と同様の効果があり、さら
に、この実施例は原子炉容器２と原子炉安全容器３Ａの
間の空間容積を小さくすることができるので、冷却材５
を保持するためにその空間容積を小さくする必要がある
小径の原子炉に好適である。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明に係る高速増殖炉は、原子
炉安全容器の底部が半径方向断面に多数の凸または凹形
状を連続して形成し、これら凸または凹形状の断面を全
周にわたって同心円上に形成して成るので、半径方向の
変形を吸収でき、原子炉容器と原子炉安全容器との熱膨
張差によるよる過大な熱応力発生を防止して、構成部材
の信頼性を向上させることができる。

また、万一原子炉容器に破損が生じた場合でも、原子炉
安全容器底部の凸または凹形状の断面構造は、漏洩した
冷却材の圧力荷重に充分に耐えることができる。さらに
、原子炉安全容器底部の鋼板を薄肉化できるため、物量
の低減が図れることにより、建設コストの低減が期待で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る高速増殖炉の一実施例を示す部分
断面図、第２図は上記実施例における原子炉安全容器の
底部の一部を拡大して示す断面斜視図、第３図は他の実
施例における第２図に対応する断面斜視図、第４図は従
来の高速増殖炉を示す部分断面図である。 １・・・原子炉建屋、２・・・原子炉容器、３，３Ａ・
・・原子炉安全容器、４・・・炉心、５・・・冷却材、
７・・・原子炉支持スカート、８・・・底部支持スカー
ト、９・・・スライドパッド、１０・・・保温材、１２
・・・原子炉容器底部支持部、１３・・・連通孔。 代理人弁理士　　則　近　憲　佑 同　　　　　　　　三　　俣　　弘　　文蔓　２　日

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、原子炉建屋内に原子炉容器が備えられ、その原子炉
   容器を包囲して原子炉安全容器が設けられる一方、上記
   原子炉容器は原子炉支持スカートと複数の底部支持スカ
   ートを介して原子炉建屋に支持され、この原子炉容器と
   前記原子炉安全容器とが上記原子炉支持スカートと底部
   支持スカートとを介して結合された高速増殖炉において
   、上記原子炉安全容器の底部は半径方向断面に多数の凸
   または凹形状が連続して形成され、これら凸または凹形
   状の断面が全周にわたって同心円上に形成されて成るこ
   とを特徴とする高速増殖炉。 ２、前記凸または凹形状の断面構造は半円または半楕円
   形状に形成された特許請求の範囲第１項記載の高速増殖
   炉。