JPS632049Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は弾撥部材をゴムチユーブ体をもつて使
用する子供用のエキスパンダーに関するものであ
る。

従来、一般に用いられている筋力鍛練具となる
エキスパンダーの構造は、両端に配す握り枠体の
間に複数本（３〜５本）のスプリングよりなる弾
撥部材を着脱自在に介在し、このスプリング本数
を使用者の力の度合に応じて使い分ける構成とな
つている。しかし、今迄のエキスパンダーは、ス
プリング数の増減により各人に応じた腕、胸部等
の筋力鍛練は出来るが、スプリングの長さは一定
のため両端に配す握り枠体の間隔までは調整出来
ず、腕の短い子供等が用いるに不向きである。特
に、近時はスイミング教室等において、子供に基
礎体力を付けるための筋力鍛練具としてエキスパ
ンダーを用いるようになつたが、前述の如きに大
人用エキスパンダーではだめで子供用のものを特
注せねばならず、これとても、幼児の如きに更に
小さな子に対してまでは使用出来ない。勿論、ス
プリングとなる弾撥部材使用にあつては、スプリ
ングに抗して伸ばした腕を急に緩めれば、該スプ
リングに対する反動が著しく、慣れないと顔、手
等に接触して怪我を招く危険性をも含んでいる。

本考案は上記実情に鑑み、腕巾に応じた間隔を
保ち得る安全型エキスパンダーを提供することを
目的としたものである。

即ち、本考案は弾撥部材を偏平ゴムチユーブ体
とし、該偏平ゴムチユーブ体の両端部を、夫々握
り部を一端に配した握り枠体の他端のチユーブ係
止用長孔へ差込むと共に、該長孔位置にて楔片を
もつて着脱自在に係止し、且つこの係止位置をず
らすことにより弾撥間隔を調整する構成としたも
のである。

以下、本考案を実施例の図面に基づいて説明す
れば、次の通りである。

１，１は夫々一端に握り部２を配し対向位置と
なる他端に楔片３を嵌合するチユーブ係止用長孔
４を穿つた係止枠部５を配す合成樹脂製の方形状
握り枠体であり、この長孔４は枠内側口縁を広口
のテーパー口４ａとし、合成樹脂製楔片３を内側
より挿嵌するものである。この場合、楔片３の巾
は長孔４より抜け出ない楔厚をもつものである。
６は両端部６ａ，６ａに適宜間隔をもつた長さ調
節用目盛線７，７を付けた偏平ゴムチユーブ体
で、該偏平ゴムチユーブ体６の各端部６ａを握り
枠体１の上下方向へ穿つた長孔へ差込み、枠内１
ａにあつて端部６ａを二つ折りとし、この二つ折
り部６ｂ中へ楔片３を、この鋭端部３ａを前記長
孔４側へ向けてセツトし、該楔片３と折り返し部
６a′とを偏平ゴムチユーブ体６の主部を引くこと
によつて長孔４部へ挿込みエキスパンダー８とす
る。

いまこのエキスパンダー８の使用に際し、先ず
使用者の腕巾に応じたエキスパンダー８の弾撥間
隔ａの調整に当つて、両方又は片方の握り枠体１
部の係止枠部５に位置する偏平ゴムチユーブ体６
の楔片３を巻き介在した二つ折り部６ｂを枠内１
ａ側へ向けて押せば、該楔片３及び偏平ゴムチユ
ーブ体６を挟持している長孔４が枠内１ａ側へテ
ーパー口４ａとしてなるため、簡単に抜け出て楔
係止を解くものである。

この後、折り返し端部６ａの目盛線７が、例え
ば係止枠部５の端縁５ａを基線として幾目盛分に
位置するか偏平ゴムチユーブ体６を楔片３に対し
前後へずらし、この状態にて折り返した端部６ａ
の折り返し部６a′と巻き介在となつた楔片３を一
緒に長孔４へ挿嵌すれば、両側に配した偏平ゴム
チユーブ体６は楔片３の楔作用により長孔４の壁
面４ｂに強く押付けられて固定する。

この場合、偏平ゴムチユーブ体６と楔片３の楔
係合は、偏平ゴムチユーブ体６の端部６ａを予め
二つ折りとして長孔４へ差込み、枠内１ａにあつ
てこの二つ折り部６ｂへ楔片３を入れても、又は
直線の端部６ａを４へ差込み、この後、楔片３へ
巻付けるよう折り返してもよい。

この様にして、偏平ゴムチユーブ体６の弾撥間
隔ａを調整したエキスパンダー８を、一般のエキ
スパンダー同様に、両手を両端に配した握り枠体
１の握り部２に掛け、該握り枠体１，１を胸の前
または背部にあつて偏平ゴムチユーブ体６弾撥に
抗して引張り拡げれば、上腕二頭筋、上腕三頭
筋、前腕筋はもとより、大胸筋、広背筋等の各種
筋肉が鍛えられるものとなる。

勿論、この場合握り枠体１，１をいくら強く引
張つても、偏平ゴムチユーブ体６の楔係止は係止
枠部５の枠内１ａ側となる長孔４位置にて、端部
６ａが楔片３を巻き介在した二つ折りの折り返し
となつて長孔４へ臨んでなるため、楔片３部が更
に喰込むことはあつても、端部６ａのみがずれ抜
ける虞は全くない。

上述の様に本考案のエキスパンダーは、弾撥部
材を偏平ゴムチユーブ体とし、該偏平ゴムチユー
ブ体の両端部を握り枠体の長孔へ楔片と一緒に折
り返して臨ませ、且つ端部に長さ調節用目盛線を
付けた構成としたことにより、この楔片部の着脱
及び偏平ゴムチユーブ体の係止位置を調節するこ
とにより、使用者の腕巾に応じた間隔を簡単に調
整し得る。勿論、この調整巾は左右の握り枠体部
において行なうため、極めて大に選定しえるので
成長の激しい子供用として最適である。しかも、
この偏平ゴムチユーブ体と握り枠体の係止は楔片
を巻くように端部を折り返して長孔へ臨ませるた
め、所謂すつぽ抜けを招くことなく、且つ偏平ゴ
ムチユーブ体自体のもつ柔かい感触と相俟つて弾
撥の反動を仮に頭、手等に受けても傷を付けるこ
とのない安全なエキスパンダーとなる。更に、本
考案は構造が極めて簡略化してなるため、製作が
容易で安価に提供し得る等の実用的効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
一部切欠斜面図、第２図は分離せる斜面図、第３
図は係止枠部の一部切欠正面図、第４図は第３図
Ａ−Ａ断面図である。 １……握り枠体、２……握り部、３……楔片、
４……チユーブ係止用長孔、５……係止枠部、６
……偏平ゴムチユーブ体、７……長さ調節用目盛
線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端に握り部を配し他端に楔片を嵌合するチユ
   ーブ係止用長孔を穿つた係止枠部を配す握り枠体
   を２個形成すると共に、両端部に長さ調節用目盛
   線を付けた偏平ゴムチユーブ体を１本形成し、該
   偏平ゴムチユーブ体の両端部を二つ折状として
   夫々前記握り枠体の長孔へ差込み、この二つ折部
   に嵌めた楔片と共に長孔位置にて着脱自在に係止
   するエキスパンダー。