JPS6320322Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、靴用踵に関する。

〔従来技術と問題点〕

一般に紳士靴、婦人靴用の踵は、皮革材料、合
成樹脂材料などが主体で構成されており、それな
りにフアツシヨン性は有しているが、重量的に問
題があり、靴の軽量化としては大きなネツクとな
つていた。このような問題点を解消するために、
パイプ素材にて踵体を形成したものが提案されて
いるが、フアツシヨン性としての効果は大きい
が、クツシヨン性に欠ける問題点があつた。

このような問題点を解決する手段として、実公
昭16−14415号公報で示されたような靴底踵踵当
が提案されている。このものは、弾性板を順次内
方に屈折して第１傾斜部、その下方に位置させた
水平部、上記第１傾斜部と反対方向の第２傾斜
部、この第２傾斜部と略平行で、かつ、上下両端
を第１傾斜部と上記水平部に接触させた第３傾斜
部をその順に連続形成したもので、つまり、弾性
板を側面形状形に屈折し、これの水平辺端をカー
ルさせ、このカール部の上端を第１傾斜部の内面
に接触させたものである。

そして、このものを靴の踵部裏側に装着するこ
とにより、弾性作用によつて歩行を軽快にするこ
とができるとともに、上述の問題点を解決しうる
ことはできるが、体重により上記カール部、即
ち、支柱作用をもつこのカール部が靴の履用によ
つて塑性変形し、踵の高さを初期の高さに保つこ
とができず、履用感を大きく阻害するという不都
合がある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、このような問題点に鑑みなされたも
ので、従来技術の問題点を解決する本考案の構成
は、アルミニウム、ジユラルミンなどの軽合金、
または、適度の弾力性を有する硬質プラスチツ
ク、強化プラスチツクのような剛性プラスチツク
の材料よりなる板状体にて、前縁が閉塞され、左
右両側、および、後方が開口された踵部材からな
る靴用踵において、上記踵部材の上下板部間に、
１本以上の補強柱杆を垂直に介設し、踵本体を形
成したことを特徴とするものである。

〔実施例〕

図面について実施例の詳細を説明する。

第１図〜第３図は第１実施例を、第４，５図は
第２実施例を示すものである。

第１〜３図について第１の実施例を説明する
と、１は、アルミニウム、ジユラルミンなどの軽
合金、または、適度の弾力性をうゆする硬質プラ
スチツク、強化プラスチツクのような剛性プラス
チツク材料よりなり、かつ、両端縁を半円状に形
成した板状体を略中央部から横向きｕ字形に屈曲
し、前縁が閉塞され、作用両側、および、後方が
開口された踵部材であつて、該踵部材１を構成す
る上下板部間に、１本以上の補強柱杆２を垂直に
介設し、踵本体Ａを形成したものである。

該踵本体Ａは第２図に示すように、本底３の中
途部から踵部を含めた約半分を厚みにそつて上下
に２分せしめた踵部分の間に、閉塞縁が前方とな
るように介在させるとともに、接着剤などにて接
着固定する。そして、この踵本体Ａの前縁と２枚
割りされた本底１との間の三角形状の空間にスポ
ンジなどのクツシヨン部材４を充填する。尚この
実施例の場合は、踵部材１がクツシヨン性を有す
るため、上記クツシヨン部材４に代え、クツシヨ
ン性をもたない詰物を充填してもよい。尚この実
施例では、約半分を２枚割りした本底３を使用
し、この間に踵本体Ａを介装したが、本底を２枚
構造（図示略）とし、その半分を接着、または、
縫着し、後半分を上下にフリーとした本底を使用
しても同様な効果が得られるので、図示のものに
特定されることはない。

次に第４，５図について第２の実施例を説明す
ると、後端縁半円弧状に形成した２枚の板状体の
前端縁を互いに重合接着、溶着、鋲着し、前縁が
閉塞され、左右両側、および、後方が開口された
踵部材１ａを形成し、該踵部材１ａを構成する上
下板部間に、１本以上の補強柱杆２を介設し、踵
本体Ｂを形成したものである。そして、この踵本
体Ｂを第５図のように、約後半分を２枚割りした
本底３間に適合挿入し接着させたものである。尚
この実施例における踵本体Ｂの素材は、上述した
踵本体Ａと全く同様であるし、また使用する本底
３も、図示のものに特定されることなく、２枚構
造からなる本底でもよいことは勿論のことであ
る。

〔考案の効果〕

本考案は上述のように構成したので、次のよう
な効果が得られる。

(a) 踵が空間構造のフアツシヨン性に富んだ靴を
提供することができ、全体の軽量化が計れ、ま
た踵本体は、前縁が閉塞され、左右両側縁、お
よび、後方が開口されているため、歩行時に適
度の弾力が生じ、上記軽量効果と併せ衛生的効
果が高く、履用感の向上も計れることは勿論の
こと、 (b) 垂直状制御柱杆の存在により、踵としての保
形性、および、耐久性が保持され、長期の履用
に耐えうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１実施例の踵本体の斜視図、第２図
は同上踵本体を本底にとりつけた状態の側面図、
第３図は同上平面図、第４図は第２実施例の踵本
体の斜視図、第５図は同上踵本体を本底にとりつ
けた状態の側面図である。 Ａ，Ｂ……踵本体、１，１ａ……踵部材、２…
…補強柱杆。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) アルミニウム、ジユラルミンなどの軽合金、
   または、適度の弾力性を有する硬質プラスチツ
   ク、強化プラスチツクのような剛性プラスチツ
   クの材料よりなる板状体にて、前縁が閉塞さ
   れ、左右両側、および、後方が開口された踵部
   材からなる靴用踵において、 上記踵部材の上下板部間に、１本以上の補強
   柱杆を垂直に介設し、踵本体を形成したことを
   特徴とする靴用踵。 (2) 上記踵部材を、１枚の板状体を中央部からｕ
   字状に屈曲したものによつて構成した実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の靴用踵。 (3) 上記踵部材を、２枚の板状体の前端縁を一体
   に結着したものによつて構成した実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の靴用踵。