JPS6237445Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、靴用踵に関する。

〔従来の技術〕

一般に紳士靴，婦人靴用の踵は、皮革材料を主
体としたもの、また皮革材料と合成樹脂材料から
なるもの、更には合成樹脂材料を主体としたもの
などにより構成されている。そしてこれらの踵部
材は、それなりにフアツシヨン性は有している
が、重いという問題点があり、靴全体の軽量化と
しては大きなネツクとなつていた。特に婦人用の
サンダル靴などにおいてはその影響は大きい。こ
のような問題点を解消するために従来では、細い
パイプを複数本集合した踵体が提案されている
が、このものはフアツシヨン性としては優れてい
るが、クツシヨン性に問題があつた。また、この
種のものは、ヒールの高さが固定されているた
め、高低差をもつ数種の製品を店頭に提供する必
要があり、このことは靴のメーカー側にとつては
ランニングコストが高くなるという経済的な問題
点もあつた。

〔考案の目的〕

本考案は、このような実情に鑑みなされたもの
で、簡単な而も合理的手段によつて従来技術の問
題点を解決せしめ、靴の軽量化は勿論のこと、踵
の高さ調整が任意になし得られ、フアツシヨン性
及び経済的効果の優れた靴用踵を提供せんとする
ものである。

〔問題点を解決するための手段〕

従来技術の問題点を解消する本考案の靴用踵
は、アルミニウム，ジユラルミンなどの軽合金、
または適度の弾力性を有する硬質プラスチツク，
強化プラスチツクのような剛性プラスチツク材料
よりなる板状体にて、前縁が閉塞され、左右両側
及び後方が開口された踵部材を形成し、該踵部材
の上下板部間を、伸縮調整可能な補強柱杆にて連
結し、踵本体を形成したことを特徴とするもので
ある。

〔実施例の説明〕

図面について実施例の詳細を説明する。第１図
は側面形状をＵ字型とした実施例の斜視図、第２
図は靴底にセツトした状態の縦断側面図、第３図
は別型の靴底にセツトした状態の側面図、第４図
は底面図、第５図は２枚の板状体を使用した踵の
斜視図、第６図は同上踵を靴底にセツトした状態
の側面図である。

先づ、第１〜４図について第１実施例を説明す
ると、１はアルミニウム，ジユラルミンなどの軽
合金、または適度の弾力性を有する硬質プラスチ
ツク，強化プラスチツクのような剛性プラスチツ
ク材料よりなり、かつ、両端縁を半円弧状に形成
した板状体を略中央からＵ字状に屈曲し、前縁が
閉塞され、左右側及び後方が開口された踵部材で
あつて、該踵部材１を構成する上下板部間に、タ
ーンバツクル構造をもつ補強柱杆２を介設し、踵
本体Ａを形成したものである。

踵本体Ａは第２図に示すように、本底３の中途
部から踵部を含めた約半分を、厚みにそつて上下
に２分せしめ、この分割部の踵部位の間に、踵本
体Ａの閉塞縁が前方となるように挟み込み、両者
の接触面を接着剤などにて接着固定する。そして
踵本体Ａの前縁と２枚割りされた本底３との間の
三角形状の空間に、スポンジなどのクツシヨン部
材４を充填する。尚この実施例の場合は、踵部材
１がクツシヨン性を有するため、上記クツシヨン
部材４に代え、クツシヨン性をもたない詰物を充
填してもよい。また、この実施例では、約半分を
２枚割りした本底３を使用し、この間に踵本体Ａ
を介装したが、本底を２枚構造（図示略）とし、
その約半分を接着または縫着し、後半分を上下に
フリーとした本底を使用しても同様な効果が得ら
れるので、図示のものに特定はされない。

第５，６図について第２の実施例を説明する
と、後端縁を半円弧状に形成した２枚の板状体の
前端縁を互いに重合接着，溶着，鋲着し、前縁が
閉塞され、左右側及び後方が開口された踵部材１
ａを形成し、該踵部材１ａを構成する上下板部間
に、上述した第１実施例と同様なターンバツクル
構造をもつ補強柱杆２を介設し、踵本体Ｂを形成
したものである。そしてこの踵本体Ｂを第６図に
示すように、約後半分を２枚割りした本底３間に
適合挿入し、接着させたものである。尚この実施
例における踵本体Ｂの素材は、上述した踵本体Ａ
と全く同様であるし、また使用する本底３も、図
示のものに特定されることなく、２枚構造からな
る本底でもよいことは勿論である。

〔効果〕

本考案は上述のように構成したので、次のよう
な効果がある。

(a) 踵が空洞構造であるため、フアツシヨン性に
富んだ靴を提供することができる。

(b) 従来の踵と異り、大巾な軽量化が計れ、歩行
性及び衛生上の効果が大きい。

(c) 歩行時に適度の弾力が生じ、軽量効果と併せ
て歩行の軽快性や衛生的効果が向上される。

(d) 補強柱杆の存在により、踵としての保形性及
び耐久性が保持され、長期の覆用に耐えうる。

(e) 補強柱杆が伸縮調整可能であるため、踵の高
さを任意に調節し、フアツシヨン効果が高めう
るとともに、着衣により踵の高さが任意選択し
うる。

【図面の簡単な説明】

第１図は踵部材の斜視図、第２図は本底に組み
込んだ状態の縦断側面図、第３図は踵を本底と分
離した状態の側面図、第４図は底面図、第５図は
別実施例の斜視図、第６図は本底に組み込んだ状
態の縦断側面図である。 Ａ，Ｂ……踵本体、１，１ａ……踵部材、２…
…補強柱杆、３……本底。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) アルミニウム，ジユラルミンなどの軽合金、
   または適度の弾力性を有する硬質プラスチツ
   ク，強化プラスチツクのような剛性プラスチツ
   ク材料よりなる板状体にて、前縁が閉塞され、
   左右両側及び後方が開口された踵部材を形成
   し、該踵部材の上下板部間を、伸縮調整可能な
   補強柱杆にて連結し、踵本体を形成したことを
   特徴とする靴用踵。 (2) 上記踵部材を、一枚の板状体を中央からＵ字
   状に屈曲したものによつて構成した実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の靴用踵。 (3) 上記踵部材を、２枚の板状体の前端縁を一体
   に結着したものによつて構成した実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の靴用踵。