JPS6320172B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は血清や尿等の試料中に含まれる所定成
分を自動的に化学分析する自動分析装置に用いら
れる反応容器に関するものである。

自動化学分析装置において、試料および試薬を
収容し反応させる反応容器を分析後に洗浄乾燥さ
せ連続的に循環させて使用する方式の装置は分析
後の反応容器を廃棄する方式の装置に比べ反応容
器を繰返し有効に利用することができる利点があ
る。しかしこの方式の装置は分析工程中に容器を
洗浄乾燥させる装置が必要となる。

従来のこの種の自動分析装置では洗浄乾燥工程
において反応容器を逆さに保持しこの反応容器内
に下方より洗浄液を噴射して洗浄するものや、反
応容器の上方より洗浄液を噴射しこの液を洗浄ノ
ズルより吸引して洗浄を行なうものや、またＵ字
状の反応容器を用いた場合には一方の端部から洗
浄液を供給し他方の端部からこの洗浄液を排出す
るようにして洗浄を行うようにした洗浄装置が既
知であり、これらの洗浄装置では通常洗浄液を反
応容器内に連続的に供給するとともに排出して反
応容器内の洗浄を行なうようにしているが、洗浄
液を多量に必要とするとか、洗浄時間が長くかか
るとか、完全に洗浄乾燥することが困難である等
の問題点を有していた。また、反応容器が試験管
形の洗浄装置の場合は反応容器を多数必要とし、
洗浄装置全体が大きくなり、洗浄、乾燥が前記の
とおり完全に行ない難いこととなり、このためこ
の反応容器を定期的に分析装置からとりはずし洗
浄、乾燥を行なう必要があり、かつ分析終了後反
応容器全部に洗浄液を満しておくことができない
等の欠点がある。また反応容器がＵ字管形の場合
は、洗浄液を排液する時の排液音が高く、かつ排
液を陰圧で行なうため、排液のための構成部材間
の位置出しおよび流路の連結が複雑困難となる欠
点があつた。

本発明の目的はこれらの問題点、欠点を解決
し、洗浄、乾燥が容易で、かつ確実で、しかも排
液音の小さい反応容器を提供しようとするもので
ある。

本発明は化学分析装置において所定の排液位置
にある反応容器中の残液を排出するため、この排
液位置にある開閉部材により開閉が制御される弁
部材を容器底部に形成して容器底部から排出し得
るように構成したことを特徴とするものである。

以下図面を参照して、本発明の反応容器の実施
例を詳述する。

第１図は本発明の反応容器の一実施例の構成を
示す線図的断面図である。恒温槽１内に複数個の
反応容器２を配置し、恒温槽１はモータ３に直結
したピニオン４と軸５に連結したギヤホイール６
との係合により軸５を中心に、例えば反時計方向
に間欠的に回動する。蓋７は加圧空気ポンプ８に
連結し洗浄、乾燥のため所定の位置に移送された
反応容器２に陽圧を加えるため両矢印Ａ，Ｂ方向
に上下動可能な加圧蓋である。開閉弁９は反応容
器２より検液１０の残液と空気を排出するもので
ある。廃液受１１は反応容器２から排出された廃
液の回収容器である。恒温槽１内には恒温液が充
填されており、常に所定の温度に維持されてい
る。恒温槽１は軸承１３により恒温槽受台１４に
回動自在に支承されている。次にこの装置の動作
を説明する。反応容器２中の試料および試薬の残
液を排出し反応容器２内の洗浄乾燥を行なうため
恒温槽１を、例えば反時計方向に間欠的に回転し
加圧蓋７の真下の位置で洗浄、乾燥しようとする
反応容器２を停止させる。加圧蓋７をＡ，Ｂ両矢
印のＢの方向に降し反応容器２の上部を密閉し加
圧ポンプ８から陽圧の空気を加圧する反応容器２
中の検液１０の残液を介して開閉弁９に圧力を加
えてこれを開き残液を廃液受１１へ排出し反応容
器２内部の洗浄と乾燥を行なう。

第２図および第３図は第１図に示した本発明の
反応容器の実施例の縦断面図である。可撓性と弾
性力のある材料をもつて反応容器２１の本体内部
に弁座２２を円錐形に反応容器２の本体と一体に
形成して内部開閉弁２３を構成する。第３図は第
２図の反応容器内を加圧し内部開閉弁２３が開い
た状態を示している。加圧蓋２４と嵌合するパイ
プ２５を経て矢印方向から加圧空気を送ることに
より、開閉弁２３は開くことになる。

第４図は反応容器２１の開閉弁２３を開閉させ
る装置の他の例の構成を示す線図である。加圧蓋
２６で反応容器２１の開口部を密閉し得るように
する。この加圧蓋２６には洗浄ノズル２７を固着
し、このノズルを三方開閉弁２８を経て、一方は
加圧タンク２９を経て加圧ポンプ３０に接続し、
他方は洗浄ポンプ３１を経て洗浄液３２の入つた
洗浄液タンク３３に接続する。次に動作を説明す
る。最初に反応容器２１を加圧タンク２９に連通
して残液の排出を行なう。次に反応容器２１を洗
浄ポンプ３１に連通し、このポンプを駆動して、
洗浄液タンク３３内の洗浄液３２を吸引しこれを
開閉弁２８を経て洗浄ノズル２７から反応容器２
１の内壁に放射状に噴射して洗浄する。この洗浄
液は内部開閉弁２３を経て一部排出する。洗浄後
の反応容器２１内になお残存する残液は三方開閉
弁２８を切換え加圧ポンプ３０を駆動して、貯蔵
してあつた加圧タンク２９内の加圧空気を洗浄ノ
ズル２７から反応容器２１内に送つて開閉弁２３
を開くことにより反応容器２１下部より排出し反
応容器２１内の洗浄、乾燥を完了する。この空気
は加熱したものか、又は乾燥したもの等を使用す
るのが好適である。

第５図は本発明の反応容器の底部に自重により
閉合する弁を設けた実施例の断面図である。反応
容器４１の円錐状部底面にボール弁４２をその自
重で反応容器４１の内部底面を密閉するように配
置する。ボール受４３はレバー４４の一端に固着
し、レバー４４の他端はリンクピン４５を介しレ
バー４６の一端とリンク機構としている。レバー
４４の他端はソレノイド４７のプランジヤー４８
のフツク間に介挿する。なおレバー４４とプラン
ジヤー４８の上下動の安定のためスライドバー４
９をレバー４６に取り付けてある。なおソレノイ
ド４７はボール弁４２の開閉必要個所に設けてあ
る。動作を説明すると、ソレノイド４７が付勢さ
れるとプランジヤー４８はＡ，Ｂ両矢印のＢ方向
に下降しソレノイド４７のフツクがレバー４４と
４６とピン４５によりリンクモーシヨンを行ない
ボール受４３でボール弁４２を上方におし上げ
る。従つて反応容器の底部開口とボール弁４２と
の間に隙間が形成され、反応容器内部の液を排出
することができる。また、反応容器の洗浄、乾燥
も前述と同様に実施することができる。復旧はソ
レノイド４７のオフにより前述の逆のリンクモー
シヨンにより行なう。なお本例において、前例に
示したような加圧蓋を用い、弁を開くと同時に上
方より加圧して排液することもできる。

第６図は第５図の実施例の変形例の断面図であ
る。簡明のため第５図の実施例と同様の構成のも
のには同一の符号を付す。ボール弁４２とボール
受部４３とレバー４４とピン５０とレバー５１は
一体となつている。固定部材５２とレバー５１の
間を引張コイルスプリング５３で結んでいる。動
作を説明する。第６図は既に反応容器４１内の残
液は排出された状態で、ソレノイド４７がオンの
時引張スプリング５３の張力に抗してボール弁４
３を反応容器４１の底面より押し上げ、ソレノイ
ド４７がオフとなると引張スプリング５３の張力
によりプランジヤー４８がそのフツクでレバー５
１をＡ，Ｂ両矢印のＢ方向に押し下げボール球４
２を反応容器４１の本体内部底面に当接させる。
なお、ソレノイド４７はボール弁の開閉必要箇所
に設置してある。

第７図は本発明の反応容器のさらに他の実施例
の断面図である。本例は反応容器６１の底部面の
傾斜角に等しい傾斜面を持つた皿状の頭部を有す
る開閉弁６２を配置したもので第７図は排液前の
状態を示している。この状態では圧縮コイルスプ
リング６３のバネ力により皿弁６２は反応容器６
１の底面に弾性的に当接されている。スプリング
６３はステム６２′に固着した固定板６４と恒温
槽との間に設けられている。またソレノイド６５
のプランジヤー６６の作動規制板６７を皿弁のス
テム６２′の端面に取り付けてある。動作を説明
する。第７図に示す状態において、残液の排出、
洗浄、乾燥を行なうにはソレノイド６５を付勢し
てプランジヤー６６を矢印方向に移動させ、固定
板６４を経て圧縮コイルスプリング６３の反力に
抗しながら皿弁６２を上方に押し上げ、残液は反
応容器６１の下部から排出される。以後の処理は
既述の例のとおりである。処理後の復旧はソレノ
イド６５のオフにより圧縮コイルスプリング６３
の復元により行なう。なお、ソレノイド６５は弁
開閉必要箇所に設置してある。

第８図はさらに別の実施例の線図的縦断面図で
あり、第９図はその底面図である。反応容器７１
の下部に可撓性と弾性力のあるチユーブ７２を挿
入しチユーブ挾７３でチユーブ７２を挾み密閉し
ている。チユーブ挾７３は把手の間に引張コイル
スプリング７４を架設して閉じ、移動装置７５に
より開かれる。これはソレノイド７６がラツク７
７に固定され、また、ラツク７７はピニオン７８
に噛合しているものである。第８図、第９図とも
チユーブ（弁）は閉の状態にあるが、これを開と
するにはピニオン７８を時計方向に回転しラツク
７７上のソレノイド７６をＡ，Ｂ両矢印のＢ方向
に移動し第９図の想像線の位置で停止しプランジ
ヤー７８が矢印Ｃ方向に突出しチユーブ挾７３を
引張スプリング７４の張力に抗しながら、チユー
ブ挾７３の一方の把手部を押し挾部を開きチユー
ブ（弁）を開とする。再び閉とするときはプラン
ジヤー７８をソレノイド７６に復帰させ、ピニオ
ン７８を反時計方向に回転しラツク７７上のソレ
ノイド７６を両矢印のＡ方向に移動し復旧する。
引張スプリング７４の弾力によりチユーブ挾７３
の両把手が内方に引き合い、挾み部を内側に動か
しチユーブ（弁）を密閉して元の状態となる。

以上述べたように本発明の反応容器によれば陰
圧で排液を行なわないため、音が静かとなり、反
応容器の底部に開口部があり、洗浄、乾燥が容易
であり液残りも少なく、分析終了後、反応容器全
てに洗浄液を満しておくことができ、反応容器の
汚れも少なくなる。また、分析装置を小形にする
ことが出来ること等がある。

なお、本発明は前述の実施例に限定されるもの
でなく幾多の変形又は変更が可能である。例え
ば、第４図に示す実施例において、加圧タンク２
９を使用せず、風量の多い加圧ポンプ３０であれ
ば加圧ポンプのみで陽圧空気の供給が可能であ
り、また、弁形状によつては反応容器の下部より
陰圧にて残液の排出をすることも可能である。ま
た反応容器の下部に可撓性と弾性力のある部材で
一体に弁を形成することも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の反応容器の一実施例の構成を
示す線図的断面図、第２図は本発明の反応容器本
体内部に内部開閉弁を設けた実施例の縦断面図、
第３図は第２図の反応容器内の内部開閉弁が開い
た状態を示す縦断面図、第４図は第２図に示す反
応容器を動作させる構成を示す断面図、第５図、
第６図、第７図および第８図はそれぞれ、本発明
の反応容器の他の実施例の断面図、第９図は第８
図の底面図である。 １…恒温槽、２…反応容器、３…モータ、４…
ピニオン、５…軸、６…ギヤホイール、７…蓋、
８…加圧空気ポンプ、９…開閉弁、１０…検液、
１１…廃液受、１２…恒温液、１３…軸受、１４
…恒温槽受台、２１…反応容器、２２…弁座、２
３…内部開閉弁、２４…加圧蓋、２５…パイプ、
２６…加圧蓋、２７…洗浄ノズル、２８…三方開
閉弁、２９…加圧タンク、３０…加圧ポンプ、３
１…洗浄ポンプ、３２…洗浄液、３３…洗浄タン
ク、４１…反応容器、４２…ボール弁、４３…ボ
ール受、４４…レバー、４５…リンクピン、４６
…レバー、４７…ソレノイド、４８…プランジヤ
ー、４９…スライドバー、５０…ピン、５１…レ
バー、５２…固定部材、５３…引張コイルスプリ
ング、６１…反応容器、６２…皿弁、６２′…ス
テム、６３…圧縮スプリング、６４…固定部材、
６５…ソレノイド、６６…プランジヤー、７１…
反応容器、７２…チユーブ、７３…チユーブ挾、
７４…引張コイルスプリング、７５…移動装置、
７６…ソレノイド、７７…ラツク、７８…ピニオ
ン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 化学分析装置において所定の排液位置にある
   反応容器中の残液を排出するため、この排液位置
   にある開閉部材により開閉が制御される弁部材を
   容器底部に形成して容器底部から排出し得るよう
   に構成したことを特徴とする反応容器。 ２ 前記反応容器底部に形成した弁部材を反応容
   器本体内部に該本体と一体に形成した開閉弁を以
   つて構成し、この開閉弁を反応容器上部から加え
   られる圧力により開放させるよう構成したことを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の反応容
   器。 ３ 前記反応容器の底部に形成した弁部材を反応
   容器外部に設けた駆動手段により開閉される弁を
   以つて構成したことを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の反応容器。