JPS6320083B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は開閉設備、特に気中絶縁方式で構成さ
れた既設開閉設備へ母線区分用開閉ユニツトを増
設するのに好適な開閉設備に関する。

従来の発電所や変電所の開閉設備は、気中絶縁
方式を採用しており、主母線は勿論各機器単位間
の接続用導体も架空線であつた。

現在では、SF₆ガス等の絶縁性ガスを用いたガ
ス絶縁開閉設備が広く採用されている。

ところで、気中絶縁開閉設備の信頼性を向上さ
せるなどの理由によつて、新たに機器を付設した
い場合がある。しかし、気中絶縁方式で新たな機
器を付設すると、開閉設備全体を大幅に変更しな
ければならない。従つて、新たに付設する機器は
ガス絶縁方式を採用するのが望ましいが、この方
式であつても、気中絶縁方式の主母線との接続の
ためにブツシングを必要とし、ブツシングの気中
側端子との絶縁距離や付設位置を考慮しなければ
ならないので、気中絶縁方式の開閉設備にガス絶
縁方式の機器を付設するときの新たな構造が望ま
れる。また、これら絶縁方式の混合から成る開閉
設備を新たに建設するにあたつて、その望しい構
造が必要となる。

本発明の目的は、気中絶縁方式開閉設備の変更
を少なくしてガス絶縁方式の機器を付設できる開
閉設備を提供するにある。

本発明は、例えば２重母線方式を４母線方式に
変更する場合に適用でき、母線区分用開示装置や
母線連結用開閉装置の増設のときに有効である。

以下本発明を図面の実施例と共に説明する。

第１図は一般に変電所等で採用される２重母線
方式の単線結線図である。

２重母線１，２間は２台の断路器DS₁，DS₂に
よつて接続され、断路器間に一端を接続したしや
断器CBによつて１つのフイーダーが形成されて
いる。今、フイーダー３，４を引込線側、フイー
ダー５，６を引出線側とする。

この種回路構成にあつて、電力供給の信頼性を
高めるために第２図の如き４母線方式への変更を
生じたとする。つまり、主母線１を母線区分用開
閉ユニツト７によつて、また主母線２を母線区分
用開閉ユニツト８によつて区分し、一方主母線間
を母線連結用開閉ユニツト９を介して接続する場
合である。

第３図は第１図の回路に基づいて構成された気
中絶縁方式の開閉設備を示し、主母線１Ｕ，１
Ｖ，１Ｗと２Ｕ，２Ｖ，２Ｗは共に３相分ずつ並
置されて引留鉄塔１０に引留められている。この
主母線は所定の長さ毎に引留められ、例えば第４
図に示すように主母線に対し直交する関係に引留
鉄塔１０の主母線用鉄塔１０ａを設け、この主母
線用鉄塔１０ａの両側にそれぞれ引留碍子１１で
主母線を引留めている。主母線用鉄塔１０ａの両
側に位置した主母線１U₁，１U₂はジヤンパー線
１２で電気的に接続されている。第１図に示した
主母線間を接続する２台の断路器DS₁，DS₂は、
第３図および第４図に示すように中央鉄塔１０ｂ
の両側に配置され、また主母線の軸方向に３相分
並置されている。Ｕ相についてみると、断路器
DS₁の一端は第３図の如く主母線１Ｕに、断路器
DS₂の一端は主母線２Ｕに接続され、両断路器間
を接続する分岐母線１３は、中央鉄塔１０ｂに沿
つて上り上部鉄塔１０ｃを介して主母線と直交す
る方向に導出され、図示しないしや断器CBに接
続されている。

気中絶縁方式による既設分は上述の如き構成で
あり、第２図の如く新たな機器である母線区分用
開閉ユニツト及び母線連結用開閉ユニツトを付設
するにあたつては、第３図および第４図の構成
部、特に主母線用鉄塔１０ａ近傍を選定するのが
特徴である。

新たな機器である母線区分用開閉ユニツトと母
線連結用開閉ユニツトは、第５図および第６図の
如く付設される。先ず主母線鉄塔１０ａの近傍下
方で主母線１U₁，１V₁，１W₁と２U₁，２V₁，
２W₁にぞれぞれ対応して３相のブツシング１３
Ｕ，１３Ｖ，１３Ｗと１４Ｕ，１４Ｖ，１４Ｗが
設けられている。ブツシングを接続した第１の３
相一括形のガス絶縁母線１５，１６はそれぞれ断
路器DS₁，DS₂を接続している各主母線１U₂，１
V₂，１W₂，２U₂，２V₂，２W₂と同じ方向に延
びて配置されている。このガス絶縁母線１５，１
６の軸方向端部には、ほぼ同一レベルでほぼ平行
な軸線上に位置して端部を重複させて配置した第
２の３相一括形のガス絶縁母線１７，１８があ
り、このガス絶縁母線１７，１８の他端には同様
のブツシング１９Ｕ，１９Ｖ，１９Ｗ及び２０
Ｕ，２０Ｖ，２０Ｗが設けられている。第１と第
２のガス絶縁母線１５，１６と１７，１８の重複
端は、母線区分用ガス絶縁開閉装置２１，２２に
よつて電気的に接続されている。このようにして
第２図の母線区分用開閉ユニツト７，８が追加さ
れている。また第２図の母線連結用開閉ユニツト
９は、ガス絶縁母線１６に一端を接続して主母線
用鉄塔１０ａとほぼ平行であつて、また他端をガ
ス絶縁母線１５と平行に折曲げ形成した３相一括
の母線連結用ガス絶縁母線２３と、このガス絶縁
母線２３とガス絶縁母線１５間を接続する母線連
結用開閉装置２４で構成されブツシング１３Ｕ，
１３Ｖ，１３Ｗと１４Ｕ，１４Ｖ，１４Ｗが共用
されている。

第２図に示す結線図の母線区分用開閉ユニツト
７，８と母線連結用開閉ユニツト９とから成る新
たな追加機器は、母線区分用ユニツト７，８を構
成する母線区分用ガス絶縁開閉装置２１，２２の
ガス絶縁母線１５〜１８と、母線連絡開閉ユニツ
ト９を構成する母線連絡用ガス絶縁開閉装置２４
のガス絶縁母線２３との接続形状を、平面として
みて断路器DS₁，DS₂を囲むＵ字状あるいはＨ字
状に成されている。

各ユニツト７〜９は、第２図の如くしや断器と
接地開閉器等の組合せ、あるいはしや断器と断路
器と接地開閉器等の組合せから成り、一般にガス
絶縁開閉装置として知られる開閉部を有するもの
であり、内部詳細は省略する。

このようにして構成された追加機器は、第４図
に示したジヤンパー線１２を外して一方の主母線
１U₁，１V₁，１W₁をそれぞれ架線２５Ｕ，２５
Ｖ，２５Ｗによつてブツシング１３Ｕ，１３，１
３Ｗの外部気中端子へ接続している。ブツシング
１９Ｕ，１９Ｖ，１９Ｗも同時に架線を介して他
方の主母線１U₂，１V₂，１W₂に接続されてい
る。また主母線２U₁，２V₁，２W₁及び２U₂，２
V₂，２W₂側においても同様に接続されている。
従つて、区分された主母線１U₁，１V₁，１W₁と
１U₂，１V₂，１W₂間は母線区分用ガス絶縁開閉
装置２２によつて接続され、区分された主母線２
U₁，２V₂，２W₁及び２U₂，２V₂，２W₂間も母
線区分用ガス絶縁開閉装置２１によつて接続され
ている。尚、第６図の主母線と断路器間の接続用
架線は支持用碍子２６によつて、上述した如くこ
れらの接続形状が平面略Ｕ字状或はＨ字状に支持
されている。

本実施例では、母線区分用開閉ユニツトと母線
連結用開閉ユニツトを一体的に構成しているが、
更に他の機器も一体的に構成することができる。
例えば第５図の主母線１U₂および２U₂側に母線
連結用開閉ユニツトを設ける場合は、ガス絶縁母
線１７，１８間を母線連結用ガス絶縁開閉装置２
４とガス絶縁母線２３によつて接続すれば良い。
このときのガス絶縁母線はブツシング１９Ｕ，１
９Ｖ，１９Ｗ及び２０Ｕ，２０Ｖ，２０Ｗ間を結
ぶ如き線上に配置したりガス絶縁母線２３に並置
して設けることができる。また各ユニツトを別々
に構成することもでき、本発明は少なくとも母線
区分用開閉ユニツトを追加するときに、第４図の
ジヤンパー線１２を外して適用することができ
る。また、本実施例では第６図に示したようにガ
ス絶縁開閉装置は縦形のしや断器CBを用いて構
成したが、水平に配置したしや断器を用いて第７
図のように構成することもできる。この例ではし
や断器の両端に断路器を接続して成る母線区分用
開閉装置２２は直線的構成を採用し、両端ブツシ
ング１３Ｕ，１９Ｕを接続している。このよう
に、母線区分用開閉ユニツトを複合開閉装置で構
成することもできる。ガス絶縁母線は３相一括形
でも相分離形でも、それらの組合せでも良い。

また本発明の適用において、最初から気中絶縁
方式とガス絶縁方式の混合として開閉設備を構成
することもできる。

以上説明したように本発明は、気中絶縁方式の
主母線と直交する関係に設けた主母線用鉄塔の両
側にそれぞれ引留碍子で支持した各相の２重主母
線間を、それぞれ断路器を介してしや断器と接続
するようにする際に、主母線用鉄塔の両側の各主
母線を区分独立させて４母線方式とし、これら両
側の各相の主母線間はそれぞれ母線区分用開閉ユ
ニツトで接続し、両母線区分用開閉ユニツト間を
母線連結用開閉ユニツトで接続するようにしたも
のであるから、気中絶縁方式の開閉設備部分の変
更を少なくして、ガス絶縁機器を用いて容易に４
母線方式とすることができ、しかも変電所におけ
る既設の開閉設備を大幅に変更することもなく、
小さなスペースへ新たな機器を付設することがで
き、また構成を簡略化することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は既設開閉設備の単線結線図、第２図は
第１図の変更後の開閉設備の単線結線図、第３図
および第４図は第１図に対応する開閉設備の正面
図および平面図、第５図および第６図は本発明の
一実施例による開閉設備の平面図および正面図、
第７図は本発明の他の実施例による開閉設備の要
部を示す側面図である。 DS₁，DS₂……断路器、CB……しや断器、１
U₁，１V₁，１W₁，１U₂，１V₂，１W₂，２U₁，
２V₁，２W₁，２U₂，２V₂，２W₂……主母線、
７，８……母線区分用開閉ユニツト、９……母線
連結用開閉ユニツト、１０……引留鉄塔、１０ａ
……主母線用引留鉄塔、１１Ｕ，１１Ｖ，１１Ｗ
……引留碍子、１３……分岐母線、１３Ｕ，１３
Ｖ，１３Ｗ，１４Ｕ，１４Ｖ，１４Ｗ，１９Ｕ，
１９Ｖ，１９Ｗ，２０Ｕ，２０Ｖ，２０Ｗ……ブ
ツシング、１５，〜１８……ガス絶縁母線、２
１，２２……母線区分用開閉ユニツト、２３……
ガス絶縁母線、２４……母線連結用ガス絶縁開閉
装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ほぼ同一線上に区分された気中絶縁方式の２
   重母線となる各３相分の主母線をそれぞれ配置
   し、上記各主母線にほぼ直交する主母線用鉄塔を
   有する引留鉄塔を設け、上記主母線用鉄塔の両側
   に区分された各主母線をそれぞれ引留碍子で引留
   め、各相の前記２重主母線はそれぞれ断路器を介
   してしや断器と接続するものにをおいて、上記主
   母線用鉄塔の両側の２重母線は、引留碍子で区分
   独立させて一側に位置する各主母線のみに上記断
   路器を接続した４母線方式となし、上記主母線用
   鉄塔の両側に区分された各相の主母線間を、上記
   各断路器を接続した主母線と同方向に伸びるよう
   に配置した各母線区分用開閉ユニツトで接続し、
   上記各母線区分用開閉ユニツトは、母線区分用ガ
   ス絶縁開閉装置と、その両端へ設けて主母線鉄塔
   の両側に区分した各相の主母線間をそれぞれ接続
   するブツシングとから成り、上記両母線区分用ガ
   ス絶縁開閉装置の一端のブツシング側間を、上記
   主母線用鉄塔にほぼ平行なガス絶縁母線と母線連
   絡用ガス絶縁開閉装置とから成る母線連絡開閉ユ
   ニツトで接続したことを特徴とする開閉設備。 ２ 上記特許請求の範囲第１項において、上記各
   ブツシングは主母線と平行な線上に設けると共
   に、この両ブツシング間をほぼ直線的に構成した
   上記母線区分用ガス絶縁開閉装置を用いて接続し
   た開閉設備。 ３ 上記特許請求の範囲第１項において、上記各
   主母線と同方向に延びる双方の各母線区分用ユニ
   ツトの母線区分用ガス絶縁開閉装置におけるガス
   絶縁母線と、これら間を接続する上記母線連絡開
   閉ユニツトの母線連絡用ガス絶縁開閉装置におけ
   るガス絶縁母線との接続形状を平面略Ｕ字状に成
   した開閉設備。 ４ 上記特許請求の範囲第１項において、上記各
   主母線と同方向に延びる双方の各母線区分用開閉
   ユニツトの母線区分用ガス絶縁開閉装置における
   ガス絶縁母線と、これら間を接続する上記母線連
   絡用開閉ユニツトの母線連絡用ガス絶縁開閉装置
   におけるガス絶縁母線との接続形状を平面略Ｈ字
   状に成した開閉設備。