JPS6319598Y2 - - Google Patents

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JPS6319598Y2
JPS6319598Y2 JP17922580U JP17922580U JPS6319598Y2 JP S6319598 Y2 JPS6319598 Y2 JP S6319598Y2 JP 17922580 U JP17922580 U JP 17922580U JP 17922580 U JP17922580 U JP 17922580U JP S6319598 Y2 JPS6319598 Y2 JP S6319598Y2
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lubricating oil
vane
rotor
chamber
cylinder
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Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用冷房装置に使用するベーン型
圧縮機の潤滑油供給装置に関するものである。
従来のこの種の潤滑油供給装置にあつては、潤
滑油タンク内の潤滑油に高圧の吐出圧力を作用さ
せ、この潤滑油をベーン溝やローター側部からの
洩れによる圧力低下を利用して各潤滑箇所へ供給
するようになつているが、このようにベーン溝部
やローター側部からの洩れによる圧力低下を利用
するものでは潤滑油の流れ力が弱い為、ロータ
軸、サイドブロツク或いはシリンダに潤滑油導通
孔を設けて各潤滑箇所に潤滑油を個々に供給する
ようにしている。ところが、このように潤滑油導
通孔を設けるものにあつては潤滑油導通孔の加工
が面倒で製造コストが高くなる問題があり、また
ベーン先端に作用する吸入圧力が比較的低い場合
でもベーン背部に吐出圧力に近い高圧が作用して
ベーンに余分な荷重をかけ、ローターの回転駆動
トルクが大きくなつたり、シヤフトシール室のシ
ヤフトシール(一般にメカニカルシールが使用さ
れる)い吐出圧力に近い高圧が作用し、このシヤ
フトシールから油やガス洩れを生じ易いという問
題があつた。
そこで本考案は上記従来装置の問題点を解決す
ることを目的とし、潤滑油を圧力差を利用して内
部循環させるようにした構成の装置であつても、
潤滑油をローター軸の軸承部とベーン摺動部とロ
ーター側面とに必要量供給することができ、また
その潤滑油を供給する為の通路の加工を簡単化で
き、しかもベーン背部やシヤフトシールに加わる
圧力を低くし得るようにしたベーン型圧縮機の潤
滑油供給装置を提供しようとするもので、潤滑油
タンク、後側軸孔の軸承部、ベーン溝底部、前側
軸孔の軸承部、シヤフトシール室およびシリンダ
室の中圧作用位置を順に直列に連通させたことを
特徴としている。
次に本願の実施例を図面に基いて詳しく説明す
る。
1は円筒状のフロントケーシングで、後述のリ
アケーシングと共にケーシング2を構成してい
る。このフロントケーシング1の外周には周囲を
6等分する位置に取付孔3が夫々設けられ、また
後端部の片側(第2図において右側)に上、下一
対の取付足4,4が突設されている。5はフロン
トケーシング1内に嵌装されたシリンダで、中央
部には楕円孔6が形成され、周壁部には2個の吸
入通路孔7,7と4個の取付孔8…が夫々形成さ
れている。またこのシリンダ5の外周には2個の
凹部9,9が形成され、これらの凹部9,9がフ
ロントケーシング1と後述のサイドブロツクによ
り囲まれることによつて吐出室10,10が形成
されている。上記吸入通路孔7,7は吸入孔11
によつて楕円孔6内に連通され、吐出室10,1
0は吐出孔12,12によつて吐出弁13,13
を介して楕円孔6内に連通可能に構成されてい
る。14はフロントケーシング1とシリンダ5の
前側に当て付けられた前側サイドブロツク、15
はフロントケーシング1内に嵌装されてシリンダ
5の後側に当て付けられた後側サイドブロツク
で、これらはシリンダ5の取付孔8…に挿通され
た取付ボルト16…によつてシリンダ5に締着さ
れ、これにより楕円孔6内にシリンダ室17が形
成されている。この前側サイドブロツク14の外
周にはフロントケーシング1の取付孔3と対向す
る位置に取付孔18が設けられ、また取付足4,
4と対向する位置に取付足19,19が夫々穿設
されている。またこの前側サイドブロツク14に
は中央部に軸孔20とシヤフトシール室として例
示するメカニカルシール室21とが設けられ、更
にこのメカニカルシール室21と後述のベーン作
動室の中圧作用位置(吸入圧より高く、吐出圧よ
り低い中間圧力位置)を連通する潤滑油路22,
22が夫々設けられている。上記後側サイドブロ
ツク15には前面中央部に軸孔23が、後面中央
部にはこの軸孔23に連通する嵌着孔24が夫々
設けられている。この嵌着孔24の後端部内面に
は嵌合突条25が全周に亘つて形成されている。
また後側サイドブロツク15の後面にはケーシン
グ軸線を中心とする環状の隔壁26が後方へ突出
するように形成され、この隔壁26の外周にOリ
ング27が嵌着されている。更にこの後側サイド
ブロツク15には第5図に示すように隔壁26よ
り外側の後面に開口する吸入連通孔28,28が
上記吸入通路孔7,7と対向する位置に、また隔
壁26より内側の後面に開口する吐出連通孔2
9,29が上記吐出室10,10と対向する位置
に夫々設けられている。30はローター軸31,
32が前、後側サイドブロツク14,15の軸孔
20,23に夫々回転自在に嵌合されてシリンダ
室17内に内蔵されたローターで、シリンダ室1
7を2つの三日月形のベーン作動室33,33に
区分している。このローター30の外周には4等
分する位置にベーン溝34…が夫々形成され、こ
れらのベーン溝34…にシリンダ5の楕円孔6内
面を摺動するベーン35…が夫々嵌合されてい
る。またこのローター30の前、後両側面には各
ベーン溝34…の底部を連通する環状溝36,3
7がローター軸31,32の周面に夫々連続する
ように形成され、これらの環状溝36,37によ
つて各ベーン溝34の底部が軸孔20,23とロ
ーター軸31,32間の軸承部38,39に連通
されている。40は、メカニカルシール室21内
に装設されたシヤフトシールとして例示するメカ
ニカルシールである。41は上記後側サイドブロ
ツク15の嵌着孔24内に回動可能に圧入される
ことによつて嵌着孔軸線のまわりの角度位置変更
可能に気密に嵌着された嵌着体で、後面には下向
きに90度曲げられているオイルチユーブ42が一
体に設けられ、このオイルチユーブ42の給油孔
として例示するチユーブ孔42aによつて後述の
潤滑油タンクの底部と後側軸承部39とが連通さ
れている。この嵌着体41とオイルチユーブ42
はゴムや合成樹脂等の塑性材によつて一体成形さ
れている。この嵌着体41の外周には嵌合溝43
が全周に亘つて形成され、この嵌合溝43が嵌合
突条25に嵌合されている。また嵌着体41の外
周にはこれをまわす為のスパナ(これに類するも
のも含む)を掛けるスパナ掛け部44が第6図に
示すように形成されている。45はフロントケー
シング1の後面に当て付けられたリアケーシング
で、外周にはシリンダ5と前側サイドブロツク1
4の取付孔3,18と対向する位置に取付ねじ孔
46が夫々設けられ、これらの取付ねじ孔46に
取付孔3,18に挿通された取付ボルト47が
夫々螺合されることによつてリアケーシング45
がフロントケーシング1と前側サイドブロツク1
4にケーシング軸線のまわりの角度位置変更可能
に締着固定されている。従つてリアケーシング4
5は取付ボルト47を緩めることによつて60度き
ざみで角度位置を変えることができ、このきざみ
角度の大きさは取付孔3,18や取付ねじ孔46
の数を変えることによつて変更することができ
る。また上記リアケーシング45の外周にはほぼ
上向きに突出する吸入口48と吐出口49が夫々
一体に形成され、内部には吸入口48に連通する
吸入側チヤンバー50と吐出口49に連通する吐
出側チヤンバー51とが夫々前面に開口するよう
に形成されている。この吸入側チヤンバー50と
吐出側チヤンバー51はリアケーシング45の前
面に第7図に示すようにケーシング軸線を中心と
する環状に形成された隔壁52によつて区分さ
れ、この隔壁52の外側が吸入側チヤンバー50
に、内側が吐出側チヤンバー51になつている。
この隔壁52は上記後側サイドブロツク15の隔
壁26の外周に嵌合可能にその内径の大きさが設
定され、この隔壁52が隔壁26に回転可能に嵌
合され、これらの間はOリング27によつて気密
に閉ざされている。上記吐出側チヤンバー51内
には吐出室10,10に連通する前側部分と吐出
口49に連通する後側部分とに仕切る金網等から
成るセパレータ53が嵌装され、吐出ガス中に含
まれる潤滑油を分離するようになつている。また
吐出側チヤンバー51の下部は潤滑油を貯える潤
滑油タンク54を兼ねており、この潤滑油タンク
54の底部に上記オイルチユーブ42の入口が位
置されている。以上に示したリアケーシング45
の吸入側チヤンバー50、後側サイドブロツク1
5の吸入連通孔28,28およびシリンダ5の吸
入通路孔7,7は低温低圧の吸入ガスを通す為の
吸入側通路55,55を構成し、リアケーシング
45の吐出側チヤンバー51、後側サイドブロツ
ク15の吐出連通孔29,29およびシリンダ5
の吐出室10,10は高温高圧の吐出ガスを通す
為の吐出側通路56,56を構成し、これらの通
路55,55,56,56は上記のようにリアケ
ーシング45のフロントケーシング1に対する角
度位置を変更しても連通状態が維持されるように
なつている。またリアケーシング45の潤滑油タ
ンク54、セパレータ53、オイルチユーブ4
2、嵌着体41、後側軸承部39、ローター30
の環状溝37、ベーン溝34…、ローター30の
環状溝36、前側軸承部38、メカニカルシール
室21および潤滑油路22は潤滑油を各潤滑箇所
へ送る為の潤滑油供給装置57を構成している。
なお58,59はチヤージ口である。
上記構成のものにあつては、これを組立てる場
合先ずシリンダ5の楕円孔6内にローター30を
嵌挿した後このシリンダ5の両側に前、後側サイ
ドブロツク14,15を当て付け、然る後これら
の前、後側サイドブロツク14,15を取付ボル
ト16…によつて締付けてシリンダ5に一体的に
固着する。次にシリンダ5と後側サイドブロツク
15をフロントケーシング1内に嵌装し、前側サ
イドブロツク14外周の取付足19,19がフロ
ントケーシング1外周の取付足4,4と同じ向き
になるように位置させた後前側サイドブロツク1
4の取付孔18とフロントケーシング1の取付孔
3に取付ボルト47を挿入する。また前側サイド
ブロツク14のメカニカルシール室21内にはメ
カニカルシール40を嵌装し、後側サイドブロツ
ク15の嵌着孔24内には嵌着体41を嵌着して
オイルチユーブ42を取付ける。このオイルチユ
ーブ42の取付けは嵌着体41を嵌着孔24内に
圧入して嵌合溝43を嵌合突条25に嵌合させる
ことによつて簡単にかつ短時間に行うことができ
る。またこの場合嵌着体41の後側サイドブロツ
ク15に対する嵌着孔軸線まわりの角度位置を任
意の位置にすることができ、これにより取付足
4,4,19,19に対するオイルチユーブ42
の向きを所望の方向に即ち取付足4,4,19,
19をエンジンに取付けたとき常に下向きとなる
方向にすることができる。従つて取付足4,4,
19,19に対するオイルチユーブ42の向きが
各車種に適合するように嵌着体41を嵌着するこ
とによつて種々異なる傾斜角度で取付可能な多種
類のベーン型圧縮機を製造することができ、また
各車種に最も適した方向へオイルチユーブを向け
ることができ、ベーン型圧縮機のエンジンへの取
付け作業を容易化することができる。上記嵌着体
41の角度位置はこの嵌着体41を嵌着孔24内
に無造作に嵌着させた後スパナ掛け部44にスパ
ナを掛けて嵌着体41を回すことによつてオイル
チユーブ42を所望の方向へ正確に向けることが
できる。次にリアケーシング45の隔壁52内周
を後側サイドブロツク15の隔壁26外周に嵌合
させてリアケーシング45をフロントケーシング
1の後側に当て付け、その後リアケーシング45
の取付ねじ孔46がフロントケーシング1の取付
孔3と対向するように回動させ、この取付ねじ孔
46に上記取付ボルト47を螺合させて締着固定
する。この場合リアケーシング45の取付ねじ孔
46が同一円周を等分割する位置に設けられ、リ
アケーシング45のフロントケーシング1に対す
るケーシング軸線のまわりの角度位置を60度ずつ
変更し得るようになつており、しかもリアケーシ
ング45の吸入側チヤンバー50と吐出側チヤン
バー51が環状の隔壁52によつて区分され、リ
アケーシング45のフロントケーシング1に対す
るケーシング軸線まわりの角度位置を変更しても
冷媒ガスの吸入側通路55と吐出側通路56の連
通状態が常に維持されるようになつているので、
リアケーシング45のフロントケーシング1に対
する角度位置を任意の位置にすることができ、こ
れにより取付足4,4,19,19に対する吸入
口48と吐出口49の向きを所望の方向にするこ
とができる。従つて、自動車の前方に向かつてエ
ンジンの右側に取付ける種類のものを製造したい
場合には第7図に示すように吸入口48と吐出口
49をほぼ上向きにした状態で取付足4,4,1
9,19が左横向きとなるように、またエンジン
の左側に取付ける種類のものを製造したい場合に
は第9図に示すように吸入口48と吐出口49を
ほぼ上向きにした状態で取付足4,4,19,1
9が右横向きとなるようにリアケーシング45を
フロントケーシング1に組付けることによつて
夫々の種類のベーン型圧縮機を製造することがで
きる。また配管等の関係で吸入口48と吐出口4
9の向きが横向きとなつている種類のものを製造
したい場合には第6図、第8図に仮想線にて示す
ようにリアケーシング45をフロントケーシング
1に組付けることによつて製造することができ、
このようにリアケーシング45のフロントケーシ
ング1に対する角度位置を変えることで同一部品
を用いて多種類のベーン型圧縮機を製造すること
ができる。
次に上記のようにして組立てたベーン型圧縮機
を自動車のエンジンに取付けて使用する場合の作
用について説明する。先ずローター30が第2図
の矢印方向に回転されるとベーン溝34…内のベ
ーン35…は遠心力によつて半径外方向へ突出し
てその先端部がシリンダ5の楕円孔6内面を摺動
しながら回転し、三カ月形の2個のベーン作動室
33,33内を移動する。これによりベーン作動
室33,33の低圧部側においては低圧となり、
低温低圧の冷媒ガスを吸入口48から吸入側チヤ
ンバー50内に吸入し、この吸入ガスを吸入側チ
ヤンバー50、吸入連通孔28,28および吸入
通路孔7,7から成る吸入側通路55,55を通
して吸入孔11,11からベーン作動室33,3
3内に吸引する。またベーン作動室33,33の
高圧部側においてはベーン作動室33,33内に
吸引した吸入ガスを圧縮して高温高圧の吐出ガス
として吐出孔12,12から吐出室10,10内
に吐出し、この吐出ガスを吐出室10,10、吐
出連通孔29,29および吐出側チヤンバー51
から成る吐出側通路56,56を通して吐出口4
9から吐出する。一方潤滑油供給装置57におい
ては、上記のように吐出ガスが吐出側チヤンバー
51内に吐出されると潤滑油タンク54の底部に
溜まつている潤滑油に高圧の吐出圧力が作用し、
また潤滑油路22,22にはベーン作動室33,
33の中圧作用位置に生ずる中圧の吸入圧力が作
用するので、この吐出圧力と吸入圧力との圧力差
によつて潤滑油タンク54内の潤滑油がオイルチ
ユーブ42のチユーブ孔42a、後側軸承部3
9、環状溝37、各ベーン溝34の底部、環状溝
36、前側軸承部38、メカニカルシール室21
および潤滑油路22,22に順次流れてベーン作
動室33,33内に入り、また潤滑油の一部は軸
承部38,39からローター30の側面とサイド
ブロツク14,15との間を通つたりベーン溝3
4…とベーン35…との間を通つてベーン作動室
33,33内に入り、これにより軸承部38,3
9、ベーン溝34…部、ローター30側部、メカ
ニカルシール40部、楕円孔6内面を夫々潤滑す
る。この場合潤滑油タンク54の潤滑油に作用す
る吐出圧力が高圧で潤滑油路22,22に作用す
る吸入圧力が低圧であるから上記給油通路に潤滑
油を大量に流すことができ、各潤滑箇所へ潤滑油
を充分に供給することができる。また潤滑油の給
油通路の長さを短くして圧力変動に対する潤滑油
流れの応答性を良くすることができ、これにより
給油通路に流れる潤滑油の流動量を吐出圧力と吸
入圧力との大小に応じて直ちに増減させることが
でき、急加速時に潤滑油の流動量を素速く増大さ
せることができて急発進時の潤滑油不足を防止す
ることができる。また上記のようにして各潤滑箇
所へ潤滑油を供給する場合、メカニカルシール室
21が潤滑油路22,22によつてベーン作動室
33,33に連通されているのでベーン溝34の
底部における圧力が吐出圧力に比べて相当低くな
り、しかもその圧力がベーン作動室33,33の
中圧作用位置における吸入圧力の大小に応じて増
減する。従つて、ベーン35…背部に加わる背圧
を相当小さくすることができ、これによりベーン
35…先端と楕円孔6内面間の摩擦抵抗を小さく
することができ、ローター30の回転駆動トルク
を小さくすることができる。またベーン35…背
部に加わる背圧をベーン35…先端に加わるベー
ン作動室33,33内の吸入圧力の大小に応じて
増減させることができ、これによりベーン35…
背部に加わる背圧をベーン35…の振動を防止す
る為に必要な最小限の大きさに近づけることがで
きてベーン35…に加わる余分な荷重を少なくす
ることができ、これによりローター30の回転駆
動トルクを常に小さくすることができて燃費を低
くすることができる。更にまたメカニカルシール
室21内のメカニカルシール40に加わる圧力が
吐出圧力に比べて大幅に低くなり、これによりメ
カニカルシール40からの潤滑油や冷媒ガスの洩
れを少なくすることができ、同時にメカニカルシ
ール40に加わる力を少なくすることができて故
障の発生を防止することができる。
第9図はオイルチユーブ42eの取付部分の異
なる実施例を示すもので、後側サイドブロツク1
5eの中心部後面に回り止め用の係合溝60を多
数設け、嵌着体41eの前面に係合部61を突設
し、嵌着体41eを嵌着孔24e内に挿入して嵌
合溝43eを嵌合突条25eに嵌合させると同時
に係合部61を係合溝60に係合させて回り止め
するようにしたものである。このような構造のも
のにあつてはオイルチユーブ42eの向きを変更
したい場合嵌着体41eを嵌着孔24eから一旦
抜き取つて係合部61が別の係合溝60に係合す
るように嵌め直すことによつて容易に行うことが
できる。
なお上記実施例においてはリアケーシングをフ
ロントケーシングに角度位置変更可能に取付けて
いるが、本願にあつてはこのリアケーシングとフ
ロントケーシングを一体に構成しても良い。また
オイルチユーブの向きを変更し得るようにしてあ
るが、従来知られているようにオイルチユーブを
後側サイドブロツクに固定的に取付けたり、オイ
ルチユーブの代わりに後側サイドブロツク内に給
油孔として例示する潤滑油導通孔を設けたもので
あつても構わない。またシヤフトシールとしてメ
カニカルシールを用いているが、他のオイルシー
ルを用いても良い。更にまた本願考案はシリンダ
の真円孔内にローターを偏心状態で内蔵した型式
のベーン型圧縮機にも同様に実施し得ることは言
う迄もない。
以上のように本考案にあつては、潤滑油タン
ク、後側軸孔の軸承部、ベーン溝底部、前側軸孔
の軸承部、シヤフトシール室を順に直列に連通さ
せると共に、シヤフトシール室をシリンダ室の中
圧作用位置に連通させたので、潤滑油タンク内の
潤滑油をその潤滑油タンク内の高圧とシリンダ室
の中圧作用位置の中圧との圧力差によつて後側軸
孔の軸承部、ベーン溝、前側軸孔の軸承部及びシ
ヤフトシール室の総てに充分に流すことができ
る。
また、上記のように潤滑油タンク内とシリンダ
室内の圧力差を利用して潤滑油を各潤滑箇所へ供
給するようにしたものであつても、後側軸孔の後
端部を潤滑油タンクの底部に連通させて潤滑油タ
ンク内の潤滑油が後側軸承部の狭い隙間を介して
ベーン溝底部に流入した後、前側軸承部の狭い隙
間を介してシヤフトシール室に流入し、またシヤ
フトシール室をシリンダ室の中圧作用位置に連通
させてシリンダ室内の中圧がシヤフトシール室に
作用した後、前側軸承部の狭い隙間を介してベー
ン溝底部に作用するようにしたので、ベーン溝に
は上記潤滑油タンクの高圧よりも或程度低くてシ
リンダ室内の中圧よりも或程度高い圧力の潤滑油
を供給でき、その結果このベーン溝底部とシリン
ダ室間の圧力差を適度に大きくできてベーン溝底
部の潤滑油をベーン摺動部やローター側面の狭い
クリアランスに流して充分に潤滑することがで
き、ベーン摺動部やローター側面の潤滑不足が防
止できる。また上記のようにベーン溝底部には吐
出圧力よりも相当低い減圧された圧力が作用する
ようにしたので、ベーンの基部に作用する押出力
を比較的小さくできてローター回転の動力を軽減
でき、またシヤフトシール室には2箇所の狭い絞
り部分で減圧された低い圧力が作用するようにし
たので、シヤフトシールに高温、高圧の潤滑油が
接触することを防止できてシヤフトシールの寿命
を長く維持できる。
また、上記シヤフトシール室とシリンダ室を連
通させる潤滑油路のシリンダ室への開口位置を、
中圧作用位置でかつローター側面を対向する狭い
クリアランス位置に設定し、しかも潤滑油が前、
後側軸承部の2箇所の狭い隙間を通して流れるよ
うにしたので、シリンダ室内への潤滑油の流出を
適度に抑制でき、これにより減圧縮を防止し得る
と共に吸入効率の低下を防止できる。
また上記のように潤滑油路をローター側面と対
向する狭いクリアランスに開口させたので、潤滑
油路の加工を行う場合その潤滑油路の加工を比較
的太いドリルによつて容易に加工できる製作上の
利点がある。
また上記のようにベーン溝底部の後端部を後側
軸孔に、ベーン溝底部の前端部を前側軸に夫夫連
通させ、軸孔およびベーン溝底部を直接給油通路
として利用したので、ローター側への給油通路の
加工を省くことができて潤滑油供給の為の加工コ
ストを大幅に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本願の実施例を示すもので、第1図はベ
ーン型圧縮機の側面図、第2図は第1図の−
線断面図、第3図は第2図の−線断面図、第
4図は第1図の右側から見た正面図、第5図はリ
アケーシングを取外して示す第1図の背面図、第
6図はオイルチユーブの取付部分の分解斜視図、
第7図は第1図の背面図、第8図はリアケーシン
グの正面図、第9図はリアケーシングのフロント
ケーシングに対する取付位置を変更した場合を示
す背面図、第10図はオイルチユーブの取付部分
の異なる実施例を示す分解斜視図である。 21……メカニカルシール室(シヤフトシール
室)、22……潤滑油路、30……ローター、3
3……ベーン作動室、34……ベーン溝、38,
39……軸承部、45……リアケーシング、54
……潤滑油タンク、55……吸入側通路、57…
…潤滑油供給装置。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. シリンダの前、後側に夫々サイドブロツクを取
    付けてシリンダ室を形成し、そのシリンダ室内に
    内蔵させたローターの前、後側ローター軸を前、
    後側サイドブロツクによつて夫々回転自在に支承
    させ、上記ローターの外周に設けたベーン溝にベ
    ーンを嵌合させ、後側サイドブロツクの後方には
    吐出圧力が加わる潤滑油タンクを、前側サイドブ
    ロツクにはシヤフトシール室を夫夫設けて成るベ
    ーン型圧縮機において、上記前、後側ローター軸
    は前、後側サイドブロツクに設けた軸孔に夫々回
    転自在に嵌合させ、その後側の軸孔の後端部を上
    記潤滑油タンクの底部に連通させ、上記ローター
    のベーン溝底部の後端部を上記後側軸孔に、前端
    部を上記前側軸孔に夫夫連通させ、上記前側軸孔
    の前端部を上記シヤフトシール室に連通させ、そ
    のシヤフトシール室を上記シリンダ室に潤滑油路
    を介して連通させ、その潤滑油路のシリンダ室へ
    の開口位置をシリンダ室への吸入口から離れてい
    る中圧作用位置でかつ上記ローター側面と対向す
    る位置に設定し、潤滑油タンクの底部、後側軸孔
    の軸承部、ベーン溝底部、前側軸孔の軸承部、シ
    ヤフトシール室およびシリンダ室の中圧作用位置
    を直列的に連通させて成ることを特徴とするベー
    ン型圧縮機の潤滑油供給装置。
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