JPS6319122Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、木工用かんな盤においてスイツチ等
で設定する送材方向切換装置及び該装置の安全機
構に関するものである。

従来の木工用かんな盤では、作業者がスイツチ
等で送材方向を切換える場合、可逆電動機を急激
に反転させることになるため、電力供給を開閉す
る電磁開閉器の接点や可逆電動機に過大な電流が
流れ、機器の寿命が短くなつたり、損傷し、また
可逆電動機の急激な反転により本体に振動などの
悪影響を与え、さらに作業者が誤つた操作を行つ
た場合には被加工材料が作業者の意志にそぐわな
い動作をすることがあり危険であるという問題点
があつた。

本考案の目的は、上記した従来技術の欠点をな
くし、木工用かんな盤の送材ベルトを回転中に送
材ベルト回転方向を操作スイツチ等で切換えた場
合には、一担送材ベルトの回転を停止させて、安
全な作業を可能にすることである。

本考案は、リードリレーなどの接点の開閉時間
が、一般的にスイツチ操作者のスイツチを切り換
える時間よりも極めて小さい点に着目し、リード
リレー等の開閉時間の極めて小さいリレーを自己
保持用リレーとして、木工用かんな盤の送材ベル
ト回転方向を制御するスイツチを切換えた場合に
は、一担送材ベルトの回転を停止するように、ス
イツチ、ダイオード、リレーの関係を工夫したも
のである。

本考案の具体例を、従来技術の具体例と対比し
ながら図面において説明する。第１図は従来技術
の具体例であり、図中１は送材ベルト回転方向の
設定を行うための回転方向設定手段としての切換
スイツチ、２，３はリレーコイルで各々に電圧が
供給され励磁されると、常開接点４、あるいは５
が付勢して三相交流電源により可逆電動機の一例
である誘導電動機７が正転、又は逆転し、従つて
超仕上かんな盤を例にとると送材部材である送材
ベルトが正転、あるいは逆転する。第２図は本考
案の具体例であり、１０は第１図中の切換スイツ
チ１と全く同様な切換スイツチであり、送材ベル
トの回転方向設定を行うためのものである。８は
送材ベルトの回転を停止するための常閉スイツチ
であり、９は送材ベルトの回転を開始させるため
の回転開始操作手段としての常開スイツチであ
る。１１，１２はリレーコイルで各々に電圧が印
加しリレーコイルが励磁すると、常開接点１７あ
るいは１８が付勢して三相交流電源１９により誘
導電動機２０が正転もしくは逆転し、従つて送材
ベルトが正転もしくは逆転する。１３はリレーコ
イルに電圧が印加もしくは遮断された場合、短時
間でリレー接点が開閉するリードリレーなどのリ
レーコイルであり、１４は該リレーコイル１３が
励磁されることにより付勢する常開接点である。
１５は回路構成上で電流の逆回りを防止するため
のダイオードである。次に本考案になる第２図の
動作について、第１図と比較しながら説明する。
第２図中において切換スイツチ１０がＡにセツト
され、常開スイツチ９をONされた場合を考え
る。このとき適当な電源電圧Vccによりリレーコ
イル１１が励磁されると同時にリレーコイル１３
も励磁され、常開接点１７及び１４が付勢して、
三相交流電源１９により誘導電動機２０が回転
（正転とする）を開始し、従つて超仕上かんな盤
の送材ベルトが正転する。ここでは常開接点１４
がすでに付勢しているから、常開スイツチ９の状
態には無関係に誘導電動機が正転を続ける。この
状態で切換スイツチ１０をＢにセツトするよう切
換えると、リレーコイル１３への電圧供給が一時
的に絶たれ、常開接点１４が消勢するので、リレ
ーコイル１１，１２，１３への電圧供給が絶たれ
て、常開接点１７は消勢し、誘導電動機２０は回
転を停止する。一度停止した誘導電動機２０を回
転（逆転）させるためには再度常開スイツチ９を
ONすれば良く、このときは、リレーコイル１
２，１３が励磁され常開接点１８が付勢して誘導
電動機２０が逆転する。第１図において切換スイ
ツチ１をＡにセツトした状態すなわちリレーコイ
ル２が励磁され常開接点４が付勢し、誘導電動機
７が回転（正転とする）している状態でＢにセツ
トするよう切換えた場合には、常開接点４が消勢
するとほぼ同時に常開接点５が付勢し誘導電動機
７が逆転するので、該誘導電動機７や常開接点４
あるいは５に過大な電流が流れる。これに対して
第２図の回路では、切換スイツチ１０を切換えた
場合には、誘導電動機２０が一担停止し、常開ス
イツチ９をONしない限り誘導電動機２０が回転
しないので、過大な電流が流れることはない。第
２図から明らかなようにダイオード１５及び１６
は電流の逆回りによりリレーコイル１１及び１２
が同時に励磁されることのないように働く。

本考案によれば、可逆電動機の回転方向を設定
する回転方向設定手段の出力を受けて動作する、
該回転方向設定手段の切換え時間よりも接点開閉
時間の短い回路開閉手段の常開接点を、可逆電動
機の回転の開始をすべく設けられた可逆電動機の
回転開始操作手段に並列に接続し、可逆電動機が
回転中に前記回転方向設定手段により回転方向を
切換えられた場合に、可逆電動機を一担停止させ
るようにしたので、回路開閉手段及び可逆電動機
に過大な電流を流すことがなく、機器の寿命を長
くすると同時に、作業者が誤操作をした場合でも
安全な作業を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の木工用かんな盤の送材ベルト回
転方向切換方法を示す回路図、第２図は本考案の
一具体例を示す回路図である。 図においては、１，１０は切換スイツチ、２，
３，１１，１２，１３はリレーコイル、４，５，
１４，１７，１８は常開接点、６，１９は三相交
流電源、７，２０は誘導電動機、８は常閉スイツ
チ、９は常開スイツチ、１５，１６はダイオード
である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 送材部材を駆動する可逆電動機と、電源と可逆
   電動機の間に挿入され、該可逆電動機の正転回路
   及び逆転回路を形成する正転用接点及び逆転用接
   点と、該正転用接点及び逆転用接点を開閉し、並
   列接続された２個の正逆転用リレーコイルと、該
   正逆転用リレーコイルと電源との間に挿入された
   モーメンタリスイツチからなる回転開始操作手段
   と、可動接点が回転開始操作手段に接続され、２
   個の固定接点が夫々前記正逆転用リレーコイルに
   接続された切換スイツチとを備えた木工用かんな
   盤において、 その開閉時間が前記切換スイツチの切り換え時
   間より十分に短いリレー接点を前記回転開始操作
   手段と並列に接続すると共に該リレー接点のリレ
   ーコイルを２個の逆阻止ダイオードを介して前記
   正逆転用リレーコイルと並列に接続したことを特
   徴とする木工用かんな盤の送材方向設定装置。