JPS6318662Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、建築物の屋上またはベランダなどに
設置して雨水、排水などを排出するために設ける
ルーフドレンに関するものである。

従来、この種のルーフドレンは鋳鉄で成型さ
れ、その本体は屋根またはベランダ施工時に埋設
され、床面に開口する集水皿の中央にストレーナ
が嵌合され、下部開口部には排水管が接合され施
工されるのが普通である。然し乍ら、ルーフドレ
ンのストレーナ集水皿を含む全体が鋳鉄で作られ
ているため、特に雪国において、ルーフドレンは
雪に埋つており、そのため腐蝕が甚だしく、数年
にしてストレーナなどが破損し、排水管中に落下
して管を詰まらせてしまうことがあり、腐蝕を防
ぐため塗料を時々塗布すればよいが、屋上などの
場合殆んどそのようなことは行なわれず排水不良
になつて初めて修理をするのが現状である。ま
た、鋳鉄で作られたルーフドレンは、製造工程上
バリなどが発生し、かつ寸法精度は良好と云え
ず、一組毎に嵌合部などを加工調整する必要があ
り、修理のため部品の交換も現場で再加工するな
ど手間のかゝることが多かつた。

特に、防水シートなどでコンクリート表面を防
水工事をする場合、ストレーナとコンクリートの
接触部より水が漏れないようにするため、防水シ
ートなどの防水層がルーフドレンの本体の周縁部
を覆うよう施工され、この端部を押さえるように
集水皿が取付けられるが、防水シートなどに弾性
がないと密着性が悪るいので、本体と集水皿の間
に突条または溝を設け嵌合するようにして密着性
を良好ならしめるよう考慮される。すなわち、ル
ーフドレンの本体はコンクリートの床の排水孔部
の表面開口部に被着するように施工されたのち、
防水加工が施され、集水皿が取付けられるが、本
体と集水皿が一組毎調整され納入されていても、
本体取付時すなわちコンクリート作業時に集水皿
は取外されて別に保管され、防水加工が施された
のちに、集水皿を本体に取付けるため、別の集水
皿が取付けられることがあり、密着性が悪るくな
つたり、集水皿が傾むいたりすることがあつた。

また、近時、ベランダなどに取付けられるルー
フドレンは、美粧化が要求されると共に、プレハ
ブ工法により建てられる建築物の場合、少しでも
軽量な製品が要求されている。

本考案は、かかる欠点および要望を解決すべく
なされたもので、以下図面に示す実施例に従つて
説明する。

ステンレス鋼板などの金属板を打抜き成型し
た、第１，４図に示す如き浅い皿状の傾斜部を有
し中央開口部の下側に排水管８と連結するための
連結金具７が結合される本体１と、第１，３図に
示す如く該本体１の上面に取付けられる本体１と
同様皿状の傾斜部を有する集水皿２と、第１図に
示す如き該集水皿２の中央開口部にまたは本体１
の中央開口部に、上方に突出するように嵌合され
るストレーナ３よりなるルーフドレンにおいて、
第３，４図に示す如く本体１の傾斜部表面のなす
傾斜角度αが、集水皿２の傾斜部裏面のなす傾斜
角度βよりも大きくなるよう成型したものであ
る。

なお、本体１の形状は、第５，６図に示す如き
円形のドーナツ状、または中央部の任意の所に開
口部１３を有する方形状の何れでもよく、集水皿
２はほぼ同形でやゝ小形に成型される。また、第
４図において本体１の傾斜部の内側に段部１４を
形成した実施例で示したが、これは集水皿２と本
体１の固定用ナツト４を取付けるために設けたも
ので、この部分の形状は特に指定するものでな
く、更に、第１図に示す如く排水管８連結用の連
結金具７が結合されるが、連結金具７は、第１図
ではやゝ先細の円筒で示したが、この外円筒、内
ねじを有するソケツト、外ねじを有するニツプル
などが、本体１の開口部に漏斗の脚の如く、直接
溶接またはねじなどで結合される。また、集水皿
２は本体１とほぼ同形に成型されるが、傾斜部の
内側に水平部１５を設け、本体１と結合するねじ
孔１６を穿設し、更に中央開口部の内縁には下方
に折れ曲がる内壁を設けルーフドレン３が嵌合し
易いように成型するが、水平部１５および中央開
口部の形状はここでは特に限定するものでない。

本考案は、以上の如く構成されているので、第
１図に示す如く施工された場合、すなわち屋根ま
たはベランダを形成するコンクリート層１０に、
本体１はコンクリート層を貫通する取付孔の上面
開口部に被着するように取付けられ、防水層１１
として防水シートなどが本体１の傾斜部をも覆う
ようにコンクリート層１０の表面に施工される。
集水皿２は第２図に示す如く防水層１１を本体１
とで挾むように取付けられ、本体１の傾斜部表面
の傾斜角度αは防水皿２の傾斜部裏面の傾斜角度
βよりも大きく、かつ、粘弾性のあるステンレス
鋼板などで成型されているので、防水皿２の傾斜
部裏面の周縁部がまづ接触し、集水皿２を本体１
に溶接したナツト４にねじ６およびナツト５など
を用いて締付けることにより防水層１１を圧する
ように密着固定されるもので、従来の鋳鉄製の如
く集水皿とフランジ間に突条および溝を形成させ
嵌合するようにして密着性を増加する必要なく、
平滑な面でも良好に密着させることができるもの
である。特に防水層の施工時に集水皿２で本体１
に防水シートなどを固定させたのち他の部分を施
工すれば、皺の発生することなく施工できるもの
である。

また、本体１、集水皿２、ストレーナ３は、何
れもステンレス鋼板などを打抜成型加工して製造
され、寸法精度が鋳鉄製より良好で互換性がある
ので、施工時に適宜組合わせればよく、かつ軽量
であるので取扱いが楽であり、腐蝕なく美粧であ
るなどの利点を有するものであり、保管は本体、
集水皿、ストレーナの各部品別に行なえるので倉
庫面積は少なく、あつ運搬も容易で運賃なども節
約できるものである。

なお、ルーフドレンの取付けは、第１図に示す
如く、本体１に排水管連結金具として円筒７が結
合された場合は、円筒７に排水管８が嵌合するよ
う連結されるので、円筒７の周囲に空隙を保護枠
９などを用いて形成するか、コンクリート層１０
より円筒７を下方に突出するような施工（図示せ
ず）すればよく、ねじ部を有するソケツトまたは
ニツプルを排水管連結金具として結合した場合は
排水管８の上端にねじを設け、ソケツトまたはニ
ツプルに螺合するように施工すればよい。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施例を示すもので、第１図
は施工状態を示す断面図、第２図は本体と防水
層、集水皿の関係を示す部分拡大断面図、第３，
４図は集水皿、本体のそれぞれの断面図、第５，
６図は本体の他の実施例の平面図である。 １……本体、２……集水皿、３……ストレー
ナ、４，５……ナツト、６……ねじ、α，β……
傾斜角度。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステンレス鋼板などの金属板を打抜き成型し
   た、皿状の傾斜部を有し中央開口部に排水管連結
   金具７が結合される本体１と、該本体１の上面に
   取付けられ本体１と同様皿状の傾斜部を有する集
   水皿２と、該集水皿２の中央開口部または本体１
   の中央開口部に嵌合するストレーナ３とよりなる
   ルーフドレンにおいて、本体１の傾斜部表面のな
   す傾斜角度が集水皿２の傾斜部裏面のなす傾斜角
   度よりも大きくなるよう成型したことを特徴とす
   るルーフドレン。