JPS63186032A - 無潤滑摺動部材 - Google Patents

無潤滑摺動部材

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JPS63186032A
JPS63186032A JP21949787A JP21949787A JPS63186032A JP S63186032 A JPS63186032 A JP S63186032A JP 21949787 A JP21949787 A JP 21949787A JP 21949787 A JP21949787 A JP 21949787A JP S63186032 A JPS63186032 A JP S63186032A
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上垣外 修己
Haruo Doi
土井 晴夫
Masaharu Noda
正治 野田
Masao Kanzaki
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、潤滑油等の供給が困難又は不可能な状況下で
使用される無潤滑摺動部材に関する。
[従来の技術] 摺動部材は、一般に、第1摺動部をもつ第11i!動体
と、第1摺動部と摺接する第2摺動部をもつ第2摺動体
とからなる。
かかる摺動部材において、摩損防止等のために、第1摺
動部や第2摺動部をセラミックスで形成することが試み
られている。しかしながらセラミックスは靭性に乏しい
ため、1習勤の際にセラミックスで形成した第1摺動部
や第2摺動部が表面損傷を受は易い。この結果、アブレ
ジブな摩耗が進行し、摺動部材として使用に耐えなくな
りいすい。
ここで、セラミックス製の摺動部材に生じる表面損傷は
、摺動面近傍に生じるTen5ilesp i keと
呼ばれる引張り応力に起因することが知られてる。
このTen5ile  5pikeと呼ばれる引張り応
力は、摺動面のg擦係数に依存し、摩擦係数を低減する
と小さくなる。
この摩擦係数を低減させるにあたっては、摺動面に潤滑
油または固体用滑剤を介在させればよい。
しかしながら潤滑油は劣化し易い問題があり、特に放射
線を受ける場所や高温下で使用すると劣化し易い問題が
ある。
又、固体潤滑剤を介在させたものとしては、多孔質セラ
ミックス焼結体に二硫化モリブデン、フッ素樹脂を含浸
させた¥1間昭57−118080号、セラミックス粉
末と二硫化モリブデンとの混合粉からなる成形体を焼結
した特開昭57−188474号、特開昭57−114
028号がある。
しかしながら、固体潤滑剤を介在させても摩擦係数は0
.13程度であり、必ずしも充分に小さな値ではない。
また、潤滑油や固体潤滑剤を用いない例として、ジルコ
ニアや窒化珪素基板上に7i、Niあるいはcoを蒸着
し、更にAr+イオンを照射した第1摺動部と、Tic
−Ni−Moのビンからなる第2摺肋部との摩擦係数に
ついて報告されている。
J、Matter、Se i、22.2069−208
7 (1987)。上記の例では部分安定化ジルコニア
の表面にcoの薄膜を形成したもの、及び部分安定化ジ
ルコニアの表面にTiとNiとの薄゛膜を形成した第1
層初品と、炭化チタンとニッケル、モリブデンの焼結体
の第2摺動部との摩擦係数が示されており、それらの摩
擦係数は、ディーゼルエンジンの排気雰囲気の800℃
という条件下では0.06〜0.09であるが、室温に
おける摩擦係数は、0.2以上と大きい。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は、上記の実情に鑑みなされたもので、潤
滑油、固体潤滑剤を用いることなく、セラミックスが介
在する11動面の*擦係数をさらに一層低減することが
できる無潤滑II!jJ部材を提供することにある。
また、本発明のもう1つの目的は、寿命を一層長くし得
る無潤滑摺動部材を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は、セラミックスの摺動について鋭意研究した
結果、セラミック表面にNb等の金属、あるいはその酸
化物を被覆すれば、ダイヤモンドとの間の摩擦係数が0
.01以下と著しく低減されることを発見した。更に、
上記金属あるいはその酸化物を被覆したセラミック表面
を、イオン照射することによりセラミックスの耐摩耗性
が著しく向上することを発見した。本発明に係る無潤滑
摺動部材は上記発見に基づき完成されたものである。
即ち、本発明に係る無潤滑摺動部材は、第1摺動部をも
つ第1摺動体と第1摺動部と摺接する第2摺動部をもつ
第2摺肋体とからなる無潤滑摺動部材において、 上記第11習e部はセラミックス製基部とセラミックス
製基部表面に一体的に形成されたニオブ(Nb)、クロ
ム(Cr)、チタン(T i ) 、ジルコニウム(Z
r)、ハフニウム(Hf)、イツトリウム(Y)、ケイ
素(S i )または該金属の酸化物の1種または2種
以上よりなる薄膜とで構成され、 上記第21r動部はダイヤモンド含有表面部で構成され
ていることを特徴とするものである。
また、本発明に係るもう1つの無fil滑摺動部材は、
上記IN!Jが摺動部材表面に一体的に形成されてなる
第1摺動部のセラミックス¥1ilW部にイオン照射さ
れていることを特徴とするものである。   ′上記第
1摺動部の薄膜を形成するものとしては、Nb、Cr5
Ti1Zr、Hf、Y、S iの金属、あるいは該金属
の酸化物の1種または2種以下を使用することができる
。なお、2種以下の金属を酸化物の形で用いる場合には
、金属酸化物の混合物でも、あるいは複合酸化物でもよ
い。
上記薄膜は、電子ビーム蒸着、スパッタリング、イオン
プレーティング、クラスタイオンビーム蒸着によって形
成することができる。該薄膜の厚みは必要に応じて変更
できるが、一般に、100オングストローム〜1μm程
度が好ましい。薄膜の厚みが100オングストローム未
満であると、摩擦係数低減効果にバラツキが多くなり、
又1μmを超えるとダイヤモンドによる掘り起しににり
摩擦係数が増加するからである。
また、第1摺動部の上記薄膜が形成されてなるセラミッ
クス[A部表面にイオン照射するイオンとしては、水素
イオン(H+)、ヘリウムイオン(Hem)、窒素イオ
ン(N+)、酸素イオン(0”)、アルゴンイオン(A
r”)、クリプトイオン(Kr+)、キセノンイオン(
Xe”)、シリコンイオン(Si+)が代表的なもので
あり、これ等以外のイオンも使用することができる。
照射エネル)!−は、照射イオンの飛程が上記薄膜の厚
さより深くなるようにづることが望ましい。
これは、薄膜とセラミックス[13部の接着強度が効果
的に向上するからである。また、イオン照射量は5X1
014ions/am2〜5x10171ons/cm
2が好ましい。イオン照射量が5×10曾41ons/
cm2未満テアルト、薄膜とのセラミックス製基部との
接着強度が向上せずwj膜の剥離が起こる場合がある。
又、イオン照射量が5xlO’? 1ons/cmfを
超えてもより顕著な低摩擦・低摩耗化の効果が現われる
わけでなく、イオン照射時間が極めて長いだGプで効果
的ではない。
第1摺動部のセラミックス製基部を形成するセラミック
スとしては、通常使用される酸化物系、窒化物系、炭化
物系を使用することができ、アルミナ、ムライト、ジル
コニア、窒化珪素、炭化珪素が代表的なものである。こ
の場合、セラミックスy!J基部は、セラミックス焼結
体、セラミックス単結晶またはセラミックス被N層とす
ることができる。
また第112部動部は、レールを形成するセラミックス
製基部と、該レールの外周部表面に形成された薄膜とか
ら構成でき、第2摺動部は、該レールにそって往復移動
しダイヤモンド含有表面部をもつ摺切子とすることがで
きる。さらに士、2第11習動部の薄膜が形成された基
部の表面にはイオン照射されていてもよい。
第2摺動部はダイヤモンド含有表面部をもつ。
ダイヤモンド含有表面部中に含有されるダイヤモンドは
、天然に産出したもの、人工的に製造したものでもよい
ここで、第1摺動部は、軸孔をもつ軸受部となるセラミ
ックス製基部と、該軸受部の該軸孔を形成する内周部表
面に形成された薄膜とで構成できる。この場合は、第2
摺動部は、軸受部の軸孔に回転自在、又は直進往復移動
自在に挿入されたダイヤモンド含有表面部をもつ軸部と
することができる。
又第2摺動部は、軸孔をもち該軸孔を形成する内周部に
ダイヤセンド含有表面部をもつ軸受部とすることもでき
る。この場合には、第1摺動部は、軸孔に回転自在又は
直進往復移動自在に挿入される軸部となるセラミックス
TIJ基部と、該軸部の外周部に形成された薄膜とで構
成することができる。
また、第1摺動部は、レールを形成するセラミックス製
基部と、該レールの外周部表面に形成された薄膜とで構
成され、第2暦動部は、該レールにそって往復移動しダ
イヤモンド含有表面部を6つ摺切子としてもよい。
上記軸受、あるいはレールと摺切子との組合せの例にお
いて、第1宿動部のN膜が形成されたセラミックス製基
部の表面にイオン照射されていてもよい。
[発明の効果] 本発明に係る無潤滑摺動部材によれば、潤滑油や固体潤
滑剤を使用することなく、第1摺動部と第2摺動部が摺
動する際の摩擦係数を低減することができる。従って摺
動部材の寿命を長(保つことができる。
更に、第1摺動部の薄膜が一体的に形成されてなるセラ
ミックス製基部にイオン照射されてなる無潤滑摺動部材
では、摩耗量を著しく減少させることができる。
[試験例1〕 本試験例に係る無潤滑摺動部材は、第11F7動部をも
つ第1摺動体と、第1摺動部と摺接する第2摺動部をも
つ第2摺動体とからなる。
第1摺動部は、鏡面研磨したアルミナ焼結体(サイズ1
0X10X20x3からなるセラミックス製基部と、セ
ラミックス製基部の所定の而(10X20mm)の約半
分にNbを真空蒸着して形成した金属薄膜とからなる。
従って、セラミックス製基部の所定の面では、半分に金
属薄膜が形成されており、残りの半分にはアルミナ焼結
体の表面がそのまま露出している。金属薄膜の厚みは1
゜Oオンゲス1−ロームである。
第21ト動部は、先端半径Q、2mmのダイヤモンド針
をもつダイヤモンド含有表面部をもつ。
そして、ダイA7 tンド含有表面部に、50qの荷重
を11口え、金属薄膜上を1と勤速度iQmm/min
で温度25℃で繰返し摺動した。そして接線力(Ft)
を測定し、摩擦係数μ−F t/FNとして摩擦係数を
測定した。試験結果は、PJ擦係数μは0.01であり
、かつi ooo回以上摺肋しても、チッピングを生じ
なかった。
これに対してセラミックス製基部の薄膜を形成していな
いアルミナ焼結体の表面を同一条件で摺動したときには
、l!Jm係数μは0.1±0.02であった。そして
、摺動を繰返せば、アルミナ表面部でチッピングを生じ
、摩擦係数μが0.15以上になることもあった。即ち
、摩擦係数は約1桁増加していた。
なお蒸着金属を変更した場合の蒸着面である金属薄膜表
面とダイヤモンド含有表面部との間の摩擦係数を第1表
に示した。同様に、未蒸着面であるアルミナ焼結体表面
部とダイヤモンド含有表面部との間の摩擦係数も第1表
に示した。摩擦係数の測定条件は上記の場合と同一であ
る。
第   1    表 第1表で示すように金属薄膜を形成する金属がCrであ
る場合には、金属薄膜での摩擦係数は0゜03と小さく
、未蒸着面での摩擦係数は0.08とかなり大きい。又
金属薄膜を形成する金属がTiである場合には、未蒸着
面では摩擦係数は00O9と大きいのに対し、蒸着面で
ある金属薄膜では0.06と小さくなる。又金属薄膜を
形成する金属がZrである場合には、未蒸着面では摩擦
係数が0.09と大きいのに対して、蒸着面では0゜0
5と小さくなる。
金属薄膜を形成する金属が白金(Pt)や鉄(Flであ
る場合には、第1表から明らかなように金属薄膜とダイ
ヤモンド含有表面部との間の摩擦係数は増大した。又金
属薄膜を形成する金属が金(AIJ)である場合はとも
に摩擦係数が0゜10程度で変化はなかった。
[試験例2] 試験例2に係る無潤滑摺動部材は試験例1の場合とほぼ
同様な構成である。ただし試験例2に係る無潤滑摺動部
材の金属薄膜は、Nbを真空蒸行して形成した後、その
蒸着表面に2MeVのヘリウムイオン(l−1e + 
)をlX10’? 1ons/Cm2で照射して形成さ
れている。
試験例2に係る無潤滑摺動部材についても試験例1の場
合と同様な条件で摩擦係数を調べた。金属薄膜とダイヤ
モンド含有表面部とを摺動させた場合のFJ擦係数μは
0.01±0.005と小さかった。
一方アルミナ焼結体からなるセラミックス製基部とダイ
ヤモンド含有表面部とを摺動させた場合の*擦係数μは
0.09±0.02と大きかった。
さらに、Nbを真空蒸着して形成して金属薄膜に、1M
eVのアルゴンイオン(Ar+’)を1×10’7 t
ons/cm2で照射しても、400KeVの窒素イオ
ン(N+)を2xlO’?i。
ns/cm2で照射した場合についても同様に摩擦係数
を測定したが、その金属薄膜とダイヤモンド含有表面部
との間の摩擦係数は0.01程度であった。
[試験例3] 試験例3に係る無潤滑摺動部材は、試験例1の場合とほ
ぼ同様な構成である。ただし、試験例3に係る無潤滑摺
動部材のセラミックス製基部は窒化珪素焼結体、金属薄
膜は3tを用いた以外は試験例1と同様である。
試験例3に係る無潤滑摺動部材についても荷重を300
gとした以外は試験例1の場合と同様な条件で摩擦係数
を調べた。試験結果は、摩擦係数μは0.01以下であ
り、かつ1000回以上摺動しても、チッピングを生じ
なかった。
これに対してセラミックス製基部の薄膜を形成していな
い窒化珪素焼結体の表面を同一条件で摺動したときには
、摩擦係数μは0.07±0.005であった。そして
、摺動を!l返Vば、窒化珪素表面部でチッピングが生
じ、摩擦係数μが0゜15以上になることもあった。即
ち、摩擦係数は約1桁増加していた。
なお、3iを蒸着するセラミックス基板を変更した場合
のSi薄膜表面部とダイヤモンド含有表面部との間のm
e係数を第2表に示した。同様に3iを蒸着していない
ヒラミックス基板とダイヤモンド含有表面部との間の摩
擦係数も第2表に示した。摩擦係数の測定条件は上記し
た場合と同じである。
第2表に示すように基板のセラミックスが窒化珪素及び
ジルコニアの場合は、3iを蒸着すると摩擦係数は0.
01まで減少する。また、基板が炭化珪素の場合でもS
i蒸着面の摩擦係数は0゜03と未蒸肴面の摩擦係数0
.08に比べ大きく減少している。
第    2    表 [試験例4] 試験例4に係る無潤滑摺動部材は実施例1の場合とほぼ
同様な構成である。ただし試験例4に係る無潤滑層動部
材の金属薄膜は、3iを真空蒸着して形成した後、その
蒸着表面に2MeVのHe“を1X10” tons/
cm2で照射して形成されている。
試験例4に係る無潤滑摺動部材についても試験例1の場
合と同様な条件で摩擦係数を調べた。金IiI薄膜とダ
イヤモンド含有表面部とをli!!l動させた場合の摩
擦係数μは0.01±0.005と小さかった。
一方窒化珪素焼結体からなるセラミックス製基部とダイ
ヤモンド含有表面部とを摺動させた場合の*C係数μは
0.09±o、02と大きかった。
さらに、Siを真空蒸着して形成した金1m fl M
!1に、1MeVのAr+をlX10’71ons/C
m2で照射しても、400KeVのN+を2×10 ’
 7 i ons/cm’で照射しIc場合についても
同様に摩擦係数を測定したが、その金属1allとダイ
ヤモンド含有表面部との間の摩擦係数は0゜01程度で
あった。
[試験例5] 試験例5に係る無潤滑摺動部材は、試験例1の場合とほ
ぼ同様な構成である。ただし、試験例5に係る無潤滑摺
動部材のセラミックス製基部は炭化珪素焼結体、金属薄
膜は、Nbを真空蒸着して形成した後、その蒸着表面に
280KeVのAr+を2x10 ” i ons/c
m2照射して形成されており、第2tFla部のダイヤ
モンド針の先端半径が31m18とした以外は、試験例
1と同様である。
そして、第2摺動部のダイヤモンド含有表面部に、50
0gの荷重を加え、金属1g膜上を摺動速度2m/m 
t nで回転した。そして接線力(FT)を測定し、摩
擦係数μ=Ft/FNとして摩擦係数を測定した。試験
結果は、摩擦係数μは0.05であり、かつ2x10回
以上回転IS肋しても、チッピングを生じなかった。
これに対してセラミック2111部の炭化珪素焼結体の
表面を同一条件で摺動したときには、摩擦係数μは0.
1±0.02であった。そして、摺動を繰返せば、炭化
珪素表面部でチッピングが生じ、摩擦係数μが0.15
以上になることもあった。即ち、摩擦係数は約3倍増加
していた。第5図に規格化摩耗量の垂直荷重依存性のグ
ラフを示す。横軸は垂直荷重を、縦軸は垂直荷重が2o
○9fの場合の炭化珪素にニオブの薄膜を形成した基部
の摩耗間1とした場合の相対摩耗量で示す。
図中Δ印の曲線は炭化珪素のみの場合、○印は炭化珪素
にニオブの薄膜を形成した場合、0印は炭化珪素にニオ
ブの5lIaを形成した後280KeVの△r+を2x
l O’ 6 i ons/cmtで照射した場合であ
る摺動回数は2X10S回である。
また、Ar+を照射した場合では耐摩耗性の向上は著し
く、はとんど摩耗することはなかった。
Ar+を照射したい場合は荷重が増すにつれ小量の摩耗
が認められた。
これに対してセラミックス製基部の炭化珪素焼結体表面
摩耗量は荷重が大きくなるにつれて増加し lこ 。
[試験例61 試験例6に係る無潤滑1晋動部材は試験例1の場合とほ
ぼ同様な構成である。ただし、試験例6に係る無潤滑)
S動部材の薄膜をNbの酸化物で形成した以外は、試験
例1と同様である。
試験例6に係る無閃滑1晋動部材についても試験例1の
場合と同様な条件で摩擦係数を調べた。
試験結果は摩擦係数μが0.01であり、かつ1000
回以上摺動しても、チッピングを生じなかった。
これに対してセラミックス製基部のアルミナ焼結体の表
面を同一条件でWI勤したときには、摩擦係数μが0.
1±0.02であっ。そして、摺動を繰返せば、アルミ
ナ表面でチッピングが生じ、摩擦係数μが0.15以上
になることもあった。
即ち、摩擦係数は約1桁増加していた。
なお、蒸着酸化物を変更した場合の蒸着面である炭化物
薄膜表面部とダイVモンド含有表面部との間のS擦係数
を第3表に示した。、同様に、未蒸着面であるアルミナ
焼結体表面部とダイVモンド含有表面部との間の摩擦係
数も第3表に示した。
摩擦係数の測定条件は上記した場合と同一である。
第3表に示ずように酸化物薄膜を形成する酸化物がCr
酸化物である場合には、酸化物薄膜での摩擦係数は0.
03と小さく、未蒸着面での摩擦係数は0.08とかな
り大きい。又酸化物薄膜を形成する酸化物がTiである
場合には、・未蒸着面では摩擦係数は0.09と大きい
のに対し、蒸着面である酸化物薄膜では0.06と小さ
くなる。
又酸化物薄膜を形成する酸化物がZrである場合には、
未蒸着面では摩擦係数が0.09と大きいのに対し、蒸
着面で1よ0.05と小さくなる。
酸化物薄膜を形成する酸化物が鉄(Fe)酸化物である
場合には、第3表から明らかなように金属とダイヤモン
ド含有表面部との間のFf、rfl!係数は増大した。
第    3    表 [試験例7] 試験例7に係る無潤滑1晋肋部拐は試験例6の場合とほ
ぼ同様な構成である。ただし試験例7に係る無潤滑摺動
部材の金属薄膜は、Nbを酸化物として真空蒸着して形
成した後、その蒸着表面に2MeVのHe+を1x10
” tons/cm2で照射して形成されている。
試験例7に係る無潤滑摺動部材についても試験例1の場
合と同様な条件で摩擦係数を調べた。酸化物FfII!
lとダイヤモンド含有表面部とを摺動させた場合の摩擦
係数μは0.01±0.005と小さかった。
一方アルミナ焼結体からなるセラミックス製基部とダイ
ヤモンド含有表面部とを摺動させた場合の摩擦係数μは
0.09±0.02と大きがった。
さらに、Nb1l!化物を真空蒸着して形成した酸化物
薄膜に、IMeVのAr+をlX10”10ns/cm
2で照射しても、400KeVのN1を2x−10’ 
7 i ons/cm2で照射した場合についても同様
に摩擦係数を測定したが、その酸化物薄膜とダイヤモン
ド含有表面部との間の摩擦係数は0.01程度であった
[試験例8〕 第1図に示す厚さimmのサファイア板1に半径0.3
111mの円錐状の窪み2.3を形成して鏡面に仕上げ
た。その後、1500℃で5時間程度大気圧中で熱処理
して加工歪を除去した。その後、1つの窪み3にNbを
100オングストロームの厚みで真空蒸着し、これによ
り金属薄膜4を形成した。他の1つの窪み2はサファイ
アのままである。
そして先端半径0.10mmのダイせモンド製のピボッ
ト軸5を窪み2.3にそれぞれあてがった状態で、垂直
に20Qfの荷重を加え、1100rp’t’1時間回
転摺動させた。このようなテストの結果、窪み2.3の
底部を光学顕微鏡で1A察したところ、未蒸着部である
窪み2の底部にはクラック(主としてラテラルクラック
)が発生していた。
他方、Nbの蒸着部である窪み3の金属薄膜4では、金
属簿膜4の剥離もなく、窪み3の背面側からの観察によ
っても窪み3にはクラックの発生は認められなかった。
なお上記のNbに代えて、3i、Nbの酸化物及びNb
の金属薄膜で形成した後、280KeVの△r+を2X
10 ’ 6 i 0nS/Cm’照射したものにした
場合にも上記と同様な試験を行った。
これらの場合においても上記と同様に全くクラックの発
生は認められなかった。
[試験例9] 直径1Qmm、長さ100m1llのアルミナ焼結体か
らなる丸棒状の第1摺動部のセラミックス製基部11の
表面を鏡面仕上げし、その長さ方向の半分の表面部にN
bを100オングストロームの厚みで電子ビーム蒸着し
て金属薄膜12を形成した。
第1摺動体10の残りの半分の表面部は、アルミナ焼結
体が露出したままである。そしてこれを試験材とした。
そして予め軸を出した第2図ないし第4図に示す試験機
13に試験材をセットして、上下方向に110ll1/
secの速度で試験材を繰返し1習動した。
ここで軸受を形成する第2摺動体14及び15は、先端
部1mmのダイヤモンド16.17をもつ。
そして第2摺動部14.15との間の距1i11tLを
2Qnn+とし、蒸着部である金属[12、未蒸着部で
あるアルミナ焼結体のいずれもが2つの第2摺動体14
及び15を通過できるように設定し、そのうちから上下
3Qmm試験材を摺動した。
試験は大気中において無潤滑状態で行った。20時間の
連続摺動テストの結果、摺動条痕の有無を光学顕微鏡及
び走査電子顕微鏡により観察した。
未蒸着部であるアルミナ焼結体では、条痕が何箇所か認
められた。Nb蒸着部である金属薄膜12ではNblの
剥離もなく、条痕もほとんどなかった。これにより、N
bからなる金属薄膜によりアルミナ焼結体からなるレラ
ミックス基部の摩耗が防止されたことがわかる。
上記Nbの代わりに、Nbの酸化物、及び金属薄膜を形
成した後、280KcVの△r+を2×1Q ’ 8 
i ons/am2照射したものにした場合、及びアル
ミナ焼結体の代わりに窒化珪素焼結体とし、Nbの代わ
りに3iを用いた場合にも上記と同様な試験を行った。
これらの場合においても上記と全く同様な結果であった
【図面の簡単な説明】
第1図は試験例8に係る要部を示ず概略構成図であり、
第2図は試験例9に係る試験装置の概略側面図であり、
第3図はその平面図であり、第4図はその主要部の断面
図である。第5図は、試験例5における摩耗量を示す線
図である。 特許出願人  株式会社豊田中央研究所代理人    
弁理士    大川 宏第5図

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)第1摺動部をもつ第1摺動体と該第1摺動部と摺
    接する第2摺動部をもつ第2摺動体とからなる無潤滑摺
    動部材において、 上記第1摺動部はセラミック製基部と該セラミック製基
    部表面に一体的に形成されたNb、Cr、Ti、Zr、
    Hf、Y、Siの金属または該金属の酸化物のうちの少
    なくとも1種よりなる薄膜とで構成され、 上記第2摺動部はダイヤモンド含有表面部で構成されて
    いることを特徴とする無潤滑摺動部材。
  2. (2)セラミック製基部は、セラミックス焼結体、セラ
    ミックス単結晶またはセラミックス被覆層である特許請
    求の範囲第1項記載の無潤滑摺動部材。
  3. (3)第1摺動部は、軸孔をもつ軸受部となるセラミッ
    ク製基部と、該軸受部の該軸孔を形成する内周部表面に
    形成された薄膜とで構成され、第2摺動部は、該軸受部
    の該軸孔に回転自在又は直進往復移動自在に挿入された
    ダイヤモンド含有表面部をもつ軸部である特許請求の範
    囲第1項記載の無潤滑摺動部材。
  4. (4)第2摺動部は、軸孔をもち該軸孔を形成する内周
    部にダイヤモンド含有表面部をもつ軸受部であり、 第1摺動部は、該軸孔に回転自在又は直進往復移動自在
    に挿入される軸部となるセラミック製基部と、該軸部外
    周部に形成された薄膜とで構成されている特許請求の範
    囲第1項記載の無潤滑摺動部材。
  5. (5)第1摺動部は、レールを形成するセラミックス製
    基部と、該レールの外周部表面に形成された薄膜とで構
    成され、 第2摺動部は、該レールにそつて往復移動しダイヤモン
    ド含有表面部をもつ摺動子である特許請求の範囲第1項
    記載の無潤滑摺動部材。
  6. (6)薄膜は、真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリ
    ング、イオンプレーティング、クラスタイオンビーム蒸
    着によって形成されている特許請求の範囲第1項記載の
    無潤滑摺動部材。
  7. (7)薄膜は、厚みが100オングストローム〜1μm
    である特許請求の範囲第1項記載の無潤滑摺動部材。
  8. (8)第1摺動部をもつ第1摺動体と該第1摺動部と摺
    接する第2摺動部をもつ第2摺動体とからなる無潤滑摺
    動部材において、 上記第1摺動部はセラミックス製基部と、該セラミック
    製基部表面に一体的に形成されたNb、Cr、Ti、Z
    r、Hf、Y、Siの金属または該金属の酸化物のうち
    の少なくとも1種よりなる薄膜とで構成され、かつ該薄
    膜で被覆されたセラミックス製基部はイオン照射されて
    なり、 上記第2摺動部はダイヤモンド含有表面部で構成されて
    いることを特徴とする無潤滑摺動部材。
  9. (9)セラミック製基部は、セラミックス焼結体、セラ
    ミックス単結晶またはセラミックス被覆層である特許請
    求の範囲第8項記載の無潤滑摺動部材。
  10. (10)第1摺動部は、軸孔をもつ軸受部となるセラミ
    ックス製基部と、該軸受部の軸孔を形成する内周部表面
    に形成された薄膜とで構成され、第2摺動部は、該軸受
    部の該軸孔に回転自在又は直進往復移動自在に挿入され
    ダイヤモンド含有表面部をもつ軸部である特許請求の範
    囲第8項記載の無潤滑摺動部材。
  11. (11)第2摺動部は、軸孔をもち該軸孔を形成する内
    周部にダイヤモンド含有表面部をもつ軸受部であり、 第1摺動部は該軸孔に回転自在又は直進往復移動自在に
    挿入される軸部となるセラミックス製基部と、該軸部の
    外周部に形成された薄膜とで構成されている特許請求の
    範囲第8項記載の無潤滑摺動部材。
  12. (12)第1摺動部は、レールを形成するセラミックス
    製基部と、該レールの外周部表面に形成された薄膜とで
    構成され、 第2摺動部は該レールにそって往復移動しダイヤモンド
    含有表面部をもつ摺動子である特許請求の範囲第8項記
    載の無潤滑摺動部材。
  13. (13)薄膜は、真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタ
    リング、イオンプレーティング、クラスタイオンビーム
    蒸着によって形成されている特許請求の範囲第8項記載
    の無潤滑摺動部材。
  14. (14)薄膜は、厚みが100オングストローム〜1μ
    mである特許請求の範囲第8項記載の無潤滑摺動部材。
  15. (15)イオン照射は、H^+、He^+、N^+、O
    ^+、Ar^+、Kr^+、Xe^+、Si^+のうち
    の少なくとも1種を照射する特許請求の範囲第8項記載
    の無潤滑摺動部材。
  16. (16)イオン照射は、被覆された薄膜の厚さよりも深
    く照射された特許請求の範囲第8項記載の無潤滑摺動部
    材。
  17. (17)イオン照射は、5×10^1^4〜5×10^
    1^7ions/cm^2の量照射する特許請求の範囲
    第8項記載の無潤滑摺動部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH08232947A (ja) * 1994-12-21 1996-09-10 Renk Ag すべり軸受
WO2003081945A1 (fr) * 2002-03-27 2003-10-02 Noriyuki Miyajima Dispositif de lecture
WO2006115182A1 (ja) * 2005-04-21 2006-11-02 Holon Co., Ltd. 超音波モータおよび超音波モータの製造方法

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