JPS631847Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は足裏に良く馴染み、足の疲れを抑制
し、かつ靴サイズに応じて容易に切断使用できる
ようになした履物用中敷に関するものである。

従来の技術とその問題点 従来皮靴、運動靴など履物内に挿入せしめる中
敷は、保温性、クツシヨン性を良くするため、ま
た足の疲れを少なくするために用いられるが、こ
の中敷は一般にスポンジその他吸湿性のよい材質
などを用いて平板上に、しかも靴内に挿入するよ
う予め足形に裁断されており、そして使用者が靴
のサイズによつて先端部を切断して使用するもの
である。従つて保温性やクツシヨン性は良好なる
も歩く度に足底を刺激して血行を良くすることに
あまり効果がない。また長時間の使用に際しては
材質の疲労によつて弾力性が失われたりして初期
の目的を達成することができなくなる欠点があ
る。

問題点を解決するための手段 本考案では従来の欠点を解消せんとしてなした
もので、履物内に挿入できるよう予め足形に裁断
された中敷基板の表面に足裏面に接するようにし
て多数の突起を形成したる凹凸表板をそわせ、こ
の両板の外周縁を気密的に係着して両板間及び全
突起を導通状態にしてこの内に空気を封入せしめ
ると共に、この凹凸表板を加圧による突起の変形
及び復元可能な材質にて形成しさらに、この導通
突起群外周の係着部の外周に各個独立し、空気封
入したる突起を配列し、かつ中敷先端部にはこの
独立突起を少くとも一列以上配置する。これによ
り足裏全面に亘つて歩行とともに適当な刺激を与
えて血行を良くし、健康の増進を図り、足の疲れ
を抑制し、足にしつかりと馴染んで履き心地を良
くすると共に靴のサイズに応じて自由に切断使用
できるようになしたものである。

実施例 次にこの考案の履物用中敷を図面に示した実施
例について説明する。図に於て１はEVA発泡板、
その他の合成樹脂板、吸湿性及び弾力性の良い繊
維をもつて不織布状の板材としたもの、天然皮革
などの中敷基板で、この中敷基板１は運動靴、皮
革、雨靴その他の作業靴等の履物内に挿入できる
ように所要の足裏形状に裁断される。この足裏状
の裁断に際しては靴のサイズや男性用、女性用等
用途に応じて適当な大きさあるいは形状に切断し
て使用されるように形成する。

この中敷基板１上には凹凸表板２をそわせ、こ
の両板１，２の外周を気密状に接着もしくは固着
して一体とする。

この凹凸表板２は足裏の荷重体重によつて容易
に変形するが、体重を解除されると復元されるよ
うな材質を用いてしかも足底面に適当な押圧刺激
を与えるように多数の導通突起３が突設されると
共に、この凹凸表板２の導通突起３のすべてと中
敷基板１間は導通状態で所要の空気量が封入され
るようになす。

従つてこの突起３はその内底部に於てすべて導
通状態で空気は自由に移動するものである。また
導通突起３は足底面全体に亘つて同じ高さ、同じ
大きさ、同じ間隔で設けることもできるが、足底
面の骨格にそうようにすることが望ましい。

このため土踏まずの箇所の突起を大きく、又高
くし、踵部や足指付根の少し後方位置即ち最も体
重のかかる位置では小さく、また低い突起とし、
これにより足底面に全体に、しかも普通あまり刺
激が与えられない土踏まずを他より強くして適当
な刺激を与えるようになす。

さらに前記導通突起３群をその内底部において
導通状態にしてその外周部を中敷基板１と接着も
しくは溶着した接着部４の外周に、さらに少くと
も一列状にして前接着部４に沿つて独立した独立
突起５を配置する。この独立突起５は一個づつ空
気が封入されていると共に中敷の先部にはこの一
列の独立突起の他にさらに一列もしくは二列以上
独立突起６を配設し、これにより底部が導通突起
群より外周もしくは先端で靴サイズに合わせて任
意に切断使用しても中敷内部の導通突起内の空気
は気密を保てるようにするものである。また中敷
基板１の裏側にはさらに別の裏板を添えることも
ある。

作 用 前述のように形成される中敷を運動靴、皮靴そ
の他の履物内に挿入して使用するが、この時靴の
サイズに合わせて切断する。この切断は接着部よ
り外周の独立突起５又は６の位置にて行なう。そ
してこの中敷を用いた靴を覆くと中敷表面の導通
突起の凹凸は足底面全体に亘つて接触するように
なす。

そして歩行などにより足を接地させ、靴即ち中
敷に体重がかかると特に他部より強く体重がかか
る箇所の導通突起例えば踵部や土踏まずより少し
前方の足裏面の導通突起はこの体重により押圧力
をうけると変形して偏平状となる。

この時この導通突起内の空気はあまり体重のか
かつていない箇所の突起内べ送られる。例えば土
踏まずの箇所の突起はあまり体重による押圧力を
受けていないのでこの部分の突起内へ空気が流入
され膨張し、これにより土踏まずを下から強く押
圧するようになる。また足を床面より持ち上げる
と再びすべての突起は元の形状に戻るようにな
る。このようにして歩行あるいは歩行により空気
入突起を有する中敷は常時足裏を突起にて押圧刺
激を与えるようになつて血行特に足裏の血行を良
くするものであり、また適当な弾性や足への馴染
みが良いため履心地の良いものとなる。

考案の効果 本考案による時は先端及び外周部を除いて中敷
の表面に空気入導通突起を有するものとしたため
歩くたびにこの導通突起が自然に出没変形し、足
裏面に適当な刺激を与え血行を良くするので健康
によく足によく馴染んで履き心地が良いものとな
ると共に、偏平足の人でも歩行による疲れを少く
することができ、さらにはこの導通突起の外周部
位に独立突起を設けて靴サイズに応じて自由に切
断して使用でき、この空気入突起のため保温性も
良くなるなど実用上数多くの効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案履物用中敷を示し、第１図は断面
図、第２図は平面図、第３図は歩行時の状態を示
す説明図、第４図は従来の中敷の説明図である。 １・・中敷基板、２・・凹凸表板、３・導通突
起、４・・接着部、５，６・・独立突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 履物内に挿入できるよう与め足形に裁断された
   中敷基板と、この表面にそわせ、かつ足裏面に接
   するようにして多数の突起を形成したる凹凸表板
   とよりなり、凹凸表板の導通突起の外周部と中敷
   基板とを気密的に係着して両板間の内底部が導通
   した突起を形成し、かつこの導通突起内に空気を
   封入せしめると共に、この導通突起外周接着部外
   周にそつて少くとも一列状の独立突起を形成し、
   かつこの凹凸表板を加圧による導通突起の変形及
   び復元可能な材質にて形成して成る履物用中敷。