JPS6318466Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、米等の穀類を揚穀しながら細穀等を
選別する穀類選別機に関する。

〔従来技術〕

この種の穀類選別機に関するものとしては、既
に特開昭58−14976号公報、特開昭58−27676号公
報および特開昭58−27677号公報において開示さ
れている。これらの穀類選別機は、第１図、第４
図に示すように回転可能に立設された選別網体１
と、その選別網体１の内部に収嵌されて同心にし
て逆回転可能に立設された揚穀螺旋体２とが、と
もに外穀体３の内部に設置された構成を成してい
る。

選別網体１は、下部筒４、中間の網筒５および
上部筒６とで構成された円筒状を有している。そ
の選別網体１の内部に揚穀螺旋体２が選別網体１
と回転軸７を同じにして設けられ、回転軸７は、
螺旋軸８の上下端で同じ軸心上に突設され、外穀
体３に回転自在に支持されている。

揚穀螺旋体２は、螺旋軸８の外周に螺旋羽根９
を設けたもので、螺旋羽根９は下部筒４に対向す
るところを供給域１０に、網筒５に対向するとこ
ろを選別域１１に、上部筒６に対向するところを
取出域１２に作用域別に分けて構成されている。
さらに揚穀螺旋体２は、下端の回転軸７がギヤボ
ツクス１３を介して駆動モータ１４に接続され、
揚穀螺旋体２の回転を約300rpmにするとともに
選別網体１を約75rpmで逆回転させている。

このように構成される従来の穀類選別機では、
選別すべき穀類が供給口１５から供給されると、
下部筒４内に落ち、螺旋羽根９の供給域１０で上
昇せしめられ、選別域１１に供給搬送される。選
別域１１では、供給された穀類を逆回転する選別
網体１の網筒５に飛散して放出する。小粒、砕粒
等の細粒等は、網目１６から抜けて選別網体１外
に篩い出され、排出孔１７を通つて排出口１８か
ら外部に排出される。選別網体１内に残留した穀
類は、次第に揚穀されて取出域１２に至り、取出
域１２では最上部まで揚穀されて取出口１９から
外部に取り出される。このように選別されて取り
出された穀類は、計量器で計量され袋詰めされて
送り出される。

ところが、上記したこの種穀類選別機において
は、排出口が一方にしか設けられていないため
に、該選別機の設置場所が限定され、作業場に合
わせて設置することができない欠点があつた。す
なわち排出口側を壁面とか柱等の障害物側に向け
て設置することができなかつた。また、稲の刈り
取り、脱穀、選別、袋詰めが終了した後（穀類選
別機の非稼動時−１年のうち約350日は非稼動で
ある）に、唯一の外部からの侵入口である排出口
から、ねずみ等が機械内部に入り生活をいとなむ
ために、ふん害および雑菌等の害が発生してい
た。

〔考案の目的〕

本考案は、上記欠点に鑑みてなされたもので、
選別網体下部の排出孔を２ケ所（左右）に設け、
この排出孔のどちらか都合の良い一方に排出口を
取付け可能として、作業場の都合に合わせて細粒
の排出を可能にするとともに、使用しない排出孔
は蓋体にて外部と遮断して、ねずみ等の侵入を許
さないようにするとともに、排出口の出口に排出
方向には移動可能ではあるが、非排出方向（ねず
み等の侵入方向）には移動不可能な柵を設けた穀
類選別機を提供するこを目的とする。

〔考案の構成〕

上記目的を達成すべく本考案の構成は、円筒状
の選別網体と、その選別網体の内部に収嵌される
揚穀螺旋体とを、互に同心かつ回転可能に設ける
と共に、上記選別網体の外方を覆う外穀体を立設
して成り、選別網体にて穀類を選別して、砕粒等
の細粒を排出口から排出除去する穀類選別装置に
おいて、上記排出口を左右に取付け可能にすると
ともに、使用しない一方に蓋体をして外部と遮断
可能にし、排出口の出口部分には軸部を中心とし
て排出方向に移動自在で、非排出方向には移動不
可として柵を設けたものである。

〔実施例〕

本考案の実施例について図面を参照して説明す
る。

第１図、第４図に示す本考案穀類選別機の一実
施例は、外穀体３の背面に供給口１５が設けてあ
り、正面上部に、シヤツタ２１を備えた整粒貯蔵
用のタンク２０が設けてあり、両側面の一方に排
出口１７と、側面に該選別機の操作、制御および
穀類の重量表示を行なう制御装置２２とが設けて
ある。また、タンク２０の下方には、重量計２３
が配置してあり、袋立器２４にて支持される袋２
５に、タンク２０から穀類を所定重量供給する構
成となつている。なお、外穀体３の内部構成は、
既に第１図第４図を参照して説明した従来のもの
と全く同じである。従つて、内部構成については
説明を繰返さない。

本考案の最大の特徴である排出口１８は、第１
図および第２図第３図に示すように、選別網体１
の下部には細粒貯り部２６が設けられており、こ
の貯り部２６の底面左右（前後）には適宜の大き
さの排出孔１７，１７が穿設されており、穀類選
別機の設置場所に合わせて右又は左の（第１図に
おいては左側）排出孔１７下に排排出口１８を挿
入して、該排出口１８を外穀体３にビス等を介し
て固定する。なお、使用しない排出孔１７には外
部から蓋体（シヤツター）２７を嵌入して蓋をし
て細粒が外部に漏出しないようにする。また、排
出口１８の出口近傍には第２図、第３図に示すご
とく、軸２８を中心として排出方向には移動可能
で、非排出方向には移動下可能な柵２９が設けら
れており、該柵２９間の間隙ｄは麦、玄米等がス
ムーズに通過できる程度、すなわち2.3mm以下に
設定されている。

次に、上記実施例の動作について図面を参照し
て説明する。

選別に当り、先づ、設置場所に合わせて右もし
くは左に排出口１８を取り付ける。そして使用し
ない排出孔１７に蓋体２７をし外部と遮断する。

このようにして、供給口１５から穀類、例えば
米を供給し、揚穀螺旋体２をギヤボツクス１３を
介して駆動モータ１４により回転させると、米粒
は、螺旋羽根９の供給域１０で上昇せしめられ、
選別域１１に供給搬送される。

選別域１１では、米粒は、遠心力により網筒５
に当り、網目１６より小さいものは、該網筒５の
外側に篩い出され、細粒貯り部２６に向けて落下
し排出口１８に送られる。一方、網筒５を通過し
ない米粒は、揚穀螺旋体２により上昇せしめら
れ、取出域１２から取出口１８を経て外部（本実
施例ではタンク２０）に送出される。

ここで、細粒貯り部２６に落下した細粒は掻出
し羽根３０に掻き集められ排出孔１７に導かれ
て、排出口１８より外部に排出される。

〔考案の効果〕 以上説明したように本考案は、排出口を左右ど
ちらにも取付け可能としたために、設置場所の制
約をうけることがなく、また、排出口に排出方向
には移動可能で、非排出方向には移動不可能な柵
を軸支したために、細粒の排出に影響がなく、そ
してねずみ等害虫が機械内部に侵入しない効果を
有し、ひいては穀類に雑菌等の付着がなくなり、
極めて衛生的に機械を使用できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の穀類選別機を示す縦断面図、
第２図は本考案の排出口の縦断面図、第３図は本
考案の排出口の斜視図、第４図は穀類選別機の外
観斜視図である。 １……選別網体、２……揚穀螺旋体、３……外
穀体、５……網筒、９……螺旋羽根、１０……供
給域、１１……選別域、１２……取出域、１６…
…網目、１７，１７……排出孔、１８，１８……
排出口、１９……取出口、２０……貯留タンク、
２０……シヤツタ、２３……重量計、２６……細
粒貯り部、２７……蓋体（シヤツター）、２８…
…軸、２９……柵、３０……掻出し羽根、ｄ……
柵２９間の間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒状の選別網体と、その選別網体の内部に収
   嵌される揚穀螺旋体とを、互に同心かつ回転可能
   に設けると共に、上記選別網体の外方を覆う外穀
   体を立設して成り、選別網体にて穀類を選別し
   て、砕粒等の細粒を排出口から排出除去する穀類
   選別装置において、上記排出口を左右に取付け可
   能にするとともに、使用しない一方に蓋体をして
   外部と遮断可能にし、排出口の出口部分には軸部
   を中心として排出方向に移動自在で、非排出方向
   には移動不可として柵を設けたことを特徴とする
   穀類選別機。