JPS6318007B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、内燃機関、更に詳細には、この発明
は、予備燃焼室で行なわれる燃料の点火、内燃機
関の効率の向上およびこの機関排気の汚染の減少
に関する。

本発明の目的は、通常使用される内燃機関の体
積に等しい体積を有する燃焼室の領域内で主要割
合の燃料を触媒燃焼をさせる内燃機関を提供する
にある。

米国特許第4092967号で内燃機関が開示されて
おり、この機関では、各シリンダの燃焼室の主要
部にはピストンクラウンで形成される凹部を設け
てあり、従つて透し孔生地、格子、穿孔してあり
あるいは焼結してあるかあるいは他の構造体の触
媒部材が、少くとも部分的に前記凹部の上にある
位置でピストンによつて担持させてある。燃料
は、前述の触媒部材と接触しかつ通過するように
前記凹部へ噴射され従つてその触媒部材との接触
によつて点火される。本発明書を通じてこの機関
は、単に触媒機関と称する。

本発明は、前述の型式の触媒機関の変更と改良
した変形である。

本発明によれば、燃料の燃焼によつて動力を発
生させる触媒機関は、１個以上のシリンダと、噴
射される空燃混合物を触媒的に点火させるため入
口を横断して設けてある触媒ユニツトから成り、
前記シリンダが、それぞれその頂部あるいはその
頂部の範囲で設けてありかつ燃焼室へ連通させる
入口および組み合わせてあるピストンを備えてお
り、前記触媒ユニツトが、複数の流れ通路即ち流
路を有しかつ熱的に安定し従つて耐酸化性を有す
る部材を含んでおり、前記流路の表面を触媒的に
活性にしてあることを特徴とする。本発明の好し
い実施例では、触媒の一体物は、ガス燃の圧力低
下を10％以上発生させるのに役に立つ。

便利なことに燃料は、燃料噴射装置によつて予
備燃焼室へ噴射され、噴射装置が、十分な速度で
液体燃料を１個以上のそらせ板の表面へ配向さ
せ、液体を小滴状に微細に分割させる。

本発明による触媒点火機関は、リーゼガングチ
ヤージ原理で作動し、その触媒ユニツトは、ピス
トン頂部よりもむしろ予備燃焼室の口の部分に取
り付けられる。好しくは燃料噴射装置は、前述の
ように、そらせ板のついたものもあるいはついて
いないものも予備燃焼室の内部に設けてある。成
層供給原理に基づいてこの機関を作動させる場
合、触媒ユニツトは、予備燃焼室の口部あるいは
入口の上部で配設するのが好しい。

触媒ユニツトのために択一的位置が採用され、
１個以上のユニツトが使用される。例えば、その
ユニツトは、ピストン頂部に形成されている凹部
の頂部であつてもよく、噴射装置あるいはそらせ
板からの燃料は、触媒ユニツトを通つて噴射され
る。あるいは燃焼室の主要部を形成する凹部の底
部にしてもよい。これと異なつて、２個の一体物
は、別々に頂部と底部のようにしそれぞれの位置
に１個づつ使用してもよい。勿論中間位置を使用
してもよいことは云うまでもない。

また本発明は、この発明に従つた機関で燃料を
燃焼させることによつて動力を発生する方法も包
含しており、この発明に従つた機関によつて発生
させる場合の動力装置も含んでいる。

本発明による機関の好しい実施例では別々の燃
料噴射装置あるいは複数の噴射装置は、それぞれ
の独立の予備燃焼室に対して使用される。

触媒ユニツトの一体物は、金属ハニカムの形状
でもよいが、しかし交織金網あるいはメツシユあ
るいは波付板もしくは箔であつてもよい。

金属一体物と接触して始められる燃焼は継続
し、また燃焼室に残つている未燃焼燃料の残部の
実質的総てを消費する。

この金属一体物は、Ru、Rh、Pd、IrおよびPt
から成る族から選択される１個以上の金属から形
成させるのが好しい。しかしながら、母材を使用
してもよくあるいは、白金族金属成分を含有する
母材合金を使用してもよい。

この金属一体物の壁は、好ましくは、１インチ
の1000分の２〜４（約0.05―0.10mm）の範囲内の
厚さを有する。触媒を溶着してある金属一体物の
好しい特性は、(i)開放面積対閉鎖面積の比を高く
してあるのでガスの通過に対する抵抗が少ないこ
とと(ii)表面積対体積の比を大きくしてあることで
ある。

１平方インチ（約6.45cm²）当り400個のセルを
有する本発明による代表的金属一体物は、壁の厚
さが、約0.05mm（0.002インチ）、91〜92％の開放
面積と４％の圧力低下を有する。約645mm^-2当り
200セルの金属一体物は95％の開放面積と４％以
下の圧力低下を備えているものもある。

金属一体物製造で使用するのに適当な白金族
は、白金、１％の白金・ロジウムおよび分散強化
白金族金属および必要に応じて英国特許第
1280815号および第1340076号と米国特許第
3689987号および第3696502号および第3709667号
明細書の合金である。

使用してもよい適当な母材は、激しい酸化条件
に耐えることのできる各種の母材である。この種
の母材合金の例は、ニツケルとクロム合金であつ
て、ニツケル集合体プラス20重量％のクロムから
成り、また各種の元素クロム（３―40）重量％、
アルミニウム（１―10）重量％、コバルト（痕跡
―５）重量％の少くとも１つを包含する鉄の合金
である。このような基質は、ドイツ特許出願公開
第2340666号明細書に開示してある。

所要の激しい酸化条件に耐えることのできる母
材合金の別の例は、イツトリウムをも含有しても
よい鉄、アルミニウム、クロム合金である。イツ
トリウムを含有する合金は、Al0.5―12重量％、
Y0.1―0.3重量％、Cr0―20重量％および鉄、残り
を含有してもよい。これらに合金は、米国特許第
3298826号で開示してある。別の範囲あるいは
Fe・Cr・Al・Ｙ合金は、Al0.5―４重量％、Y0.5
―3.0重量％、Cr20.0―95.0重量％および鉄、残り
を含有しまたこれらは、米国特許第3027252号明
細書で説明してある。

有益なものとして判明している合金例は、
Iconel600と601（登録商標）である。ニモニツク
合金、インコロイ800およびニクローム合金（登
録商標）、白金族金属を被覆したステンレススチ
ールもまた使用することができる。

白金族金属成分をも含んでいる母材合金は、例
えばガスタービン機関の燃焼の触媒作用でのよう
に極めて激しい酸化条件の触媒金属一体物として
有用である。この種の合金は、米国特許第
4061495号明細書とドイツ特許出願公開第2530245
号で開示してあり、また少くともNi40重量％あ
るいは少くともCo40重量％、Ｃ痕跡―30重量％
および金属、Pt、Pd、Rh、Ir、O₃およびRuの１
つ以上痕跡―15重量％を含有する。この合金は、
下記の諸元素のうちの任意の１つあるいは１つ以
上を痕跡―規定％まで含有してもよい。

元素名 重量％ Co 25 Ti ６ Al ７ Ｗ 20 Mo 20 Hf ２ Mn ２ Si 1.5 Ｖ 2.0 Nb ５ Ｂ 0.15 Ｃ 0.15 Ta 10 Zr ３ Fe 20 Thおよび稀土金属あるいは諸 酸化物類 ３ 金属性基質が本質的にあるいは単独に白金グル
ープの金属より構成される場合、それは織られた
金網、メツシユ、波状板あるいは薄片の形状であ
り得る。これらの型式の母材一体物は、また英国
特許第1492929号及び独国特許公開第2450664号に
記述され、またそれらは、本発明による機関に用
いることができる。かかる母材一体物は、その上
に酸素を含有する被覆よりなる第一層および第二
の触媒層を溶着させてもよい。酸素含有被覆は一
般にアルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、
ハフニア、酸化トリウム、ベリリウム、マグネシ
ア、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化
バリウム、クロム、硼素、酸化スカンジウム、酸
化イツトリウム、及びランタンドの酸化物より成
るグループから選択された酸化物である。代替的
に第一層の酸素は、クロム酸塩、燐酸塩、硅酸塩
及び硝酸塩より成るグループから選択されたアニ
オンを含む酸素として存在する。第二の触媒層は
例えば、Ru、Rh、Pd、Ir、An、Ag、より成る
グループ、上記金属の少くとも一つを含む合金お
よび上記金属の少くとも一つおよび母材を含む合
金より成る。第１および第２の層は独国特許公開
第2450664号に記述されたように溶着され、ある
いは一体物として適用され得る。代替的な触媒一
体物は英国特許出願第51219／76（1976年12月８日
付）定義された構造である。

英国特許出願第51219／76において、一般式
AxByで示される一種または複数の合金より成る
表面被覆を溶着した金属基質より成る触媒が記述
されており、ここでＡはRu、Rh、IrおよびPtよ
り成るグループから選択され、またＢはAl、Sc、
Ｙ、ランタンド、Ti、Zr、Hf、NbおよびTaよ
り成るグループから選択され、またｘとｙは整数
で、１またはそれ以上の値を有する。

英国特許出願第51219／76において、合金の表
面被覆は、厚さ２乃至15ミクロンの範囲の薄膜の
形状が好ましい。

形式AxByの多数の化合物は互いに混和し得る
もので、また、上記金属基質上に溶着した表面被
覆が形式AxByの一種以上の化合物を含む構造は
本発明の範囲内にある。

金属間化合物が金属基質の表面上に15ミクロン
未満の被覆の形で沈積されるとき、余分な脆性は
なく、また被覆された基質は普通に取扱うことが
できる。

多数の異なつた技術が、金属の金属的一体物の
表面上の金属間化合物の薄膜の形の被覆を生成す
るために用いることができる。例えば、アルミニ
ウムはロジウム―白金金網の表面にパツク―アル
ミナイジング方法によつて溶着できる。この方法
において、金網はアルミニウムが金網表面に気相
によつて付着するように適当な薬品の混合物の耐
熱容器中に充てんされる。代表的に800〜900℃の
アルミ化温度において、白金とアルミニウム間の
反応が必要な合金を生成するために行なわれる。

ZrCl₄からの薬品蒸気溶着が、Pt₃Zrの層を形成
するために代りに用いられ、あるいは電気溶着が
必要な化合物を生成するために液状あるいは溶融
塩電解によつて用いられる。

いかなる方法が用いられるとしても、その目的
は強固に密着した合金の層を透し孔生地パツクの
針金あるいは他の基質上に形成することにある。

他の技術において、合金を形成する金属は、水
または有機溶剤中の適当な溶液として用意され
る。合金は金属基質あるいは透し孔生地上に還元
剤を添加することによつて溶着せしめる。金属基
質は溶液中に置かれ、一方沈殿が生じ、また合金
の一様な、微粒結晶の層で被覆される。

本願発明の予備燃焼室をもつた触媒点火機関
は、予備燃焼室での点火及び内燃機関の動力変換
効率に優れ、しかも機関からの排気ガスの汚染が
低下するので、実用的に極めて望ましいものであ
る。

以下、本発明を添付図面の実施例について、さ
らに詳細に説明する。

図面において、同一参照番号は同一の構成要素
に用いられている。

第１図において、そらせ板付燃料噴射装置５Ａ
は湾曲せる円錐状端部を有する環状体４を有し、
直径約0.05より0.5mm（0.002より0.02インチ）間
の噴射ノズル３のリングを備えている。二つの分
離状の湾曲したそらせ板表面１と２から成るそら
せ板は、噴射装置本体に付着して、あるいは、そ
こに積み重ねて形成される。そらせ板表面は湾曲
して拡大した、又、円錐表面又は回転する構造を
代りに用いることもできる。操作上、燃料は環状
体４とノズル３によつて圧力下で供給され、そら
せ板上へ衝突する複数の流れを形成し、小滴化が
行われる。

第２、３、４及び５図において、ピストン４
Ａ、シリンダ３Ａおよび予備燃焼室２Ａの配置は
予備燃焼室２Ａおよびシリンダ３Ａ間のポート６
に置かれた触媒ユニツト１Ａを以て示される。燃
料噴射装置５Ａ（第１図）は第３、４および５図
においてＡで示された位置に設置される。触媒ユ
ニツト１Ａに関する詳細、構造および製造用材料
はこの明細書に既述されているので、繰返しては
述べない。

必要ならば、予備燃焼室とシリンダはポート６
の延長の形で、短かい通路（図示せず）によつて
相互連絡させることができる。さらにその通路
は、いわゆるホツトプラグ（コールドスターテイ
ングの補助として用いられる）中に形成され、そ
の場合、触媒ユニツトは入口６に、又はその通路
を横切つて設置されるが、しかし、予備燃焼室２
Ａ中には設置されない。

第５図においては、２つの予備燃焼室が持ちあ
げられたピストン頂部を支持するピストンの両側
に位置するように示されている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による触媒機関で使用される
そらせ板付噴射装置の概略図、第２，３，４およ
び５図は、本発明による触媒点火機関のピスト
ン・シリンダ予備燃焼用触媒ユニツト装置の４種
の実施例の概略断面図である。 １Ａ：触媒ユニツト、３Ａ：シリンダ、４Ａ：
ピストン、５Ａ：燃料噴射装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 組み込まれたピストンとシリンダーの頂部ま
   たは頂部近傍に配設され、シリンダーの外側に配
   置された予備燃焼室に通ずる入口とを有する１個
   またはそれ以上のシリンダー、予備燃焼室に燃料
   を導入する手段および燃料と空気の混合物を触媒
   点火させるための予備燃焼室及び入口を連通する
   通路またはその入口を横切つて配置された触媒ユ
   ニツトから成り、該触媒ユニツトは表面が触媒活
   性をもつた多数の流路または通路を有する熱的に
   安定で、かつ耐酸化性の部材を含んだ燃料の燃焼
   によつて動力を発生させる触媒点火機関。 ２ 前記熱的に安定でかつ耐酸化性の部材が、金
   属製モノリス、織られた金網、メツシユあるいは
   波形ホイルの形状である特許請求の範囲第１項に
   記載の機関。 ３ 前記部材が、金属Ru、Rh、Pd、Ir並びに
   Pt、およびこれら金属の少くとも１種を含有す
   る合金類の少くとも１種からつくられる特許請求
   の範囲第２項に記載の機関。 ４ 前記部材が、金属Ru、Rh、Pd、Irの少くと
   も１種と１種またはそれ以上のベース金属からつ
   くられる特許請求の範囲第２項に記載の機関。 ５ 前記ベース金属が、ニツケル族およびクロム
   族から選択される特許請求の範囲第４項に記載の
   機関。 ６ 前記部材が、ニツケルと20重量％以上のクロ
   ム含量を含むニツケル集合体をもつたニツケルと
   クロムの合金からつくられる特許請求の範囲第２
   項に記載の機関。 ７ 前記部材が、各種の元素クロム（３〜40）重
   量％、アルミニウム（１〜10）重量％、コバルト
   （痕跡〜５）重量％、ニツケル（痕跡〜72）重量
   ％、および炭素（痕跡〜0.5）重量％の少くとも
   １つを含む鉄合金からつくられる特許請求の範囲
   第２項に記載の機関。 ８ この合金が、0.5〜12重量％Al、0.1〜3.0重量
   ％Ｙ、０〜10重量％Crおよびバランス量の鉄を
   含有する特許請求の範囲第７項に記載の機関。 ９ 前記合金が、Ru、Rh、Pd、IrとPtの層ある
   いは前記金属の少くとも１種を含有する各種の合
   金でクラツドしてある不銹鋼である特許請求の範
   囲第６項に記載の機関。 １０ 前記合金が、少くとも40重量％Niあるい
   は少くとも40重量％Co、痕跡〜30重量％Crおよ
   び痕跡〜15重量％金属Pt、Pd、Ir、OsとRuのう
   ちの１種以上を含有する特許請求の範囲第６項に
   記載の機関。 １１ 前記合金が、痕跡から下記の諸元素の少く
   とも１種の特定パーセント量までを含有する特許
   請求の範囲第１０項に記載の機関。 重量％ Co 25 Ti ６ Al ７ Ｗ 20 Mo 20 Hf ２ Mn ２ Si 1.5 Ｖ 2.0 Nb ５ Ｂ 0.15 Ｃ 0.05 Te 10 Zr ３ Fe 20 Thと稀土金属と酸化物類 ３ １２ 前記合金が、これに酸素含有コーチングの
   第１層および第２の触媒層を適用した特許請求の
   範囲第６，７，８，９項あるいは１１項のいずれ
   かの項に記載の機関。 １３ その触媒層が、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、
   AuおよびAgから成る群から選択される特許請求
   の範囲第１２項に記載の機関。 １４ その触媒層が、一般式AxByを有する合金
   であり、この場合Ａが、Al、Sc、Ｙ、ランサイ
   ド、Tu、Zr、Hf、Ｖ、NbおよびTeから成る群
   から選択され、またｘとｙは整数であつて、１ま
   たはそれ以上の数値である特許請求の範囲第１２
   項に記載の機関。 １５ 燃焼室へ燃料を噴射する手段が、少くとも
   １個の噴射ノズルとそらせ板を備え、そのためこ
   のノズルを介して噴射される燃料が、前記そらせ
   板に衝突し、燃料を小滴形状にする噴射装置から
   成る特許請求の範囲第１項ないし第１４項のいず
   れかの項に記載の機関。 １６ 予備燃焼室とシリンダとの間の連通が入口
   を経由する通路で提供される特許請求の範囲第１
   項に記載の機関。