JPS63168563A - 粘液溶解性を具備した細胞固定・保存液 - Google Patents

粘液溶解性を具備した細胞固定・保存液

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JPS63168563A
JPS63168563A JP61311819A JP31181986A JPS63168563A JP S63168563 A JPS63168563 A JP S63168563A JP 61311819 A JP61311819 A JP 61311819A JP 31181986 A JP31181986 A JP 31181986A JP S63168563 A JPS63168563 A JP S63168563A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は細胞固定・保存液に関し、特に粘液性の細胞診
検体の固定及び保存に好適な、粘液溶解性を具備した細
胞固定・保存液に関する。
〔従来の技術〕
噴液や子宮肺部から綿棒で採取された粘液性の検体中に
は無数の細胞が含まれており、その中に前癌杖態の異型
細胞や癌細胞が含まれていないかどうかを検査するのが
細胞診であり、この細胞診は、現代の癌の卑期発見に重
要な役割を担っている。この細胞診には顕微鏡が用いら
れてきたが、近年はそれに加えて、細胞を秒速数百側ま
たはそれ以上のスピードで流して測定するところの自動
細胞分析・分離装置であるフローサイトメトリー(fl
owcytometry)を用いて行う自動化細胞診も
適用されようとしている。顕微鏡あるいはフローサイト
メトリーを用いた細胞診のいずれの場合でも、細胞が正
確に診断されるためには、検体中の細胞が良好な状態に
固定されることが極めて重要で、固定が不良な場合は、
癌細胞が見落とされたり、逆に癌細胞でないものが癌細
胞と見誤られたりする。
細胞診の検体の一般的な固定法は、検体をスライドグラ
スに直接塗抹してそれが乾かぬうちに迅速に同定液に入
れて固定する方法(塗抹標本の湿潤固定法)がとられ、
その固定液としては95%エタノールが用いられる。し
かし、入院していない患者や集団検診の被検者について
肺癌の噴液細胞診を行う場合は、病院を受診した際に直
ちに痰が噴出できるとは限らない。むしろ痰は起床時に
出やすく、またこの起床時の痰は、就寝中に肺内から′
ifi離した細胞を豊かに蓄えているので細胞診に最も
適している。この起床時の痰を病院に持参した後に固定
を行うのでは時間が経ち過ぎ、細胞に変性が加わってい
て固定が不良であり、細胞診が不正確となる。このよう
な場合、適切な噴液用の細胞固定液があって細胞を直ち
に固定できれば、起床時の噴液を自宅でその固定液に入
れて保存し、後日病院に持参出来るので好都合である。
しかし、噴液を95%エタノール固定液に入れると、噴
液の粘液が表層から凝固し、凝固した表層は、固定液が
内部へ浸透するのを妨害して内部の細胞の固定を不良と
するばかりでなく、噴液をスライドグラスに薄(延ばし
て塗抹することをも妨げて更に標本の質を悪くする。ま
た、フローサイトメトリーによる自動化細胞診の場合に
は、細胞の固定状態が不均一なために測定誤差が大きく
なったり、凝固した粘液塊が装置のノズルを詰らせて分
析不能となるなどの重大な支障を生ずる。
肺癌検診のために、噴液用の固定液を最初に導入したの
は米国のサコマノ (Saccomanno、1963
)であり、我が国においても、このサコマノ液がしばし
ば用いられている。このサマコノ液は、50%エタノー
ル水にカーボワックス(ポリエチレングリコール154
0)が2%の割りに添加された簡単な組成のものである
。この液の中に噴液を吐き出して一定時間固定したあと
、検査室においてブレンダーにかけて強く攪拌して粘液
を機械的に破壊して細胞を遊離させ、遊離した細胞を遠
心沈澱して収集し、これをスライドグラスに塗抹して塗
抹標本を作り、染色を施して顕微鏡診断を行うことにな
る。この液は、エタノール濃度が50%と少し高い上に
カーボワックスを含むため、固定中に細胞の収縮や核の
濃縮が起り、そのため細胞の詳細な内部構造が読み取り
難く、慣れないと細胞診断に支障を来す欠点がある。ま
た、フローサイトメトリーによる自動化細胞診において
は、この液が粘液溶解剤を含まないために、溶けずに残
っている粘液が装置のノズルを詰らせて測定が不能とな
ったり、また細胞集塊が生じ易いために、細胞−個一個
の測定が不能となるなどの重大な支障をきたす。従って
、このサコマノ液は、フローサイトメトリーによる自動
化細胞診にとっては特に不適切な固定液である。
近年、我が国において、粘液溶解性の噴液用固定液が開
発されて市販されるようになったが、これらはいずれも
サコマノ液と同様に2%のカーボワックスを含む50%
エタノール水を基本とし、粘液溶解剤を添加したもので
ある。粘液溶解剤として、東北大学抗酸菌研究所式(サ
ーマル社発売)はNアセチル−Lシスティン(N−ac
etyl−L−cys−teine)を用い、大阪府成
人病センタ一式(松浪ガラス社発売)はジチオトレイト
ール(dithioLrei−tol)を用い、またY
M式喀噴液定液(武藤純薬社製、特許出願中)はジハイ
ドロキシ ジチオールブタン(dihydroxy d
ithiolbuthan)や酵素を加えたものとされ
ている。
〔本発明が解決しようとする問題点〕
近年、肺癌患者の急増に関連して噴液細胞診への需要も
急増し、老人医療法の改正によって昭和62年度から成
人の肺癌検診が義務付けられることになると、噴液細胞
診への需要増加にさらに拍車がかかる情勢である。しか
し、肺癌検診のための噴液細胞診は、子宮癌検診の細胞
診に比べて、正常細胞の数が著しく多くて異常細胞の含
有率は少ない特徴のために、顕微鏡による診断は著しく
労力がかかる作業である上、この技術に習熟した細胞除
土や指導医の数も少ない。そこで労力節減のため、近年
は、フローサイトメトリーを用いた自動化細胞診の開発
が強力に推進されている。これは、バラバラにした細胞
を螢光染色して溶液中に浮遊させておき、この細胞を装
置の中を高速で流しながらレーザー光線を当てて螢光を
発色させ、細胞−個ずつからの螢光量を測定して細胞を
定量するものであるから、噴液などの粘液性の検体の場
合はその粘液を溶解し、細胞を分散した浮遊状態として
固定(浮遊固定)し得る固定液が不可欠である。また、
集団検診において多数被検者の噴液をそれぞれ固定液に
入れて回収する場合は、通常は数日間は固定液に入れた
まま保存されることが多いので、この間に細胞の変性が
進行する危険もある。そのような場合に、細胞の固定性
と共に細胞構造の保存性も良好な固定・保存液が望まれ
る。そのような液があれば、肺癌の集団検診にも便利に
利用出来るし、また子宮癌についての集団検診において
も、検診医は、綿棒を一々その場でスライドグラスに塗
抹を廿ずとも、綿棒を固定液に投入しておけばよいので
手間も省け、かつ塗抹時に起り易い塗抹標本の乾燥とい
う重大な障害からも逃れることが出来て好都合である。
細胞の固定・保存性の良否は細胞の診断精度に重大な影
響を及ぼし、これが不良の検体では診断が不能となった
り、誤診が生じたりするので、細胞診を担当する関係者
には非常に関心が高い。このような細胞の固定・保存液
に関して要求される事項を纏めると以下の通りである。
1、粘液溶解性; 検体中の粘液は、一般に固定液に触れると凝固し、凝固
した粘液は、固定液の粘液境内浸透を阻害して細胞の固
定を不均等として細胞分析上の誤差を生み、また粘液塊
がフローサイトメトリーのノズルを詰らせて分析を不能
とする。従って、固定中に粘液が溶解される固定液が望
まれる。
2、DNAと蛋白質の固定: 顕微鏡による診断に際しては、核の大きさやその内部構
造、および核/細胞質比が診断の対象となり、またフロ
ーサイトメトリーによる自動化細胞診に際しては、核の
DNA lおよび細胞のoNAli/蛋白量比が定量の
対象となるので、核(DNA)と細胞質(蛋白質)との
両者が共に良く固定され、かつ保存されなければならな
い。
3、固定による細胞の収縮や凝集の防止:細胞の固定は
確実でなければならないが、固定を強化すると、細胞が
収縮あるいは濃縮して顕微鏡的診断が困難になったり、
また細胞同士が凝集して細胞集塊を作り、これがフロー
サイトメトリーのノズルを詰らせて測定が不能になった
りするので、固定の強度はほどほどでなければならない
4、固定液の毒性: 肺癌の集団検診の際は、噴液の固定液を容器に入れて被
検者に配布することになるが、家庭に配布された固定液
を誤って子供などが飲むという万一の事故を考慮すると
、その固定液の毒性は低くなければならない。
5、固定した細胞の保存性: 集団検診の際は、大量の検体が一時に集められ、これら
が順次検査される゛ので、その間の数日から2週間ぐら
いは固定液の中で細胞構造が保存されねばならない。
近年わが国で市販されている各種の噴液固定液を検討し
たが、0.2%アセチルシスティンを50%エタノール
水に添加した東北大学抗酸菌研究所式の固定液は、追試
の結果、粘液溶解性は良好であるが、本出願者がフロー
サイトメトリーによる自動化細胞診用に開発したDNA
蛋白同時定量用螢光染色液の成分であるヘマトポルフィ
リンとアセチルシスティンとが反応を起して褐色の紫状
沈澱物を生じ、該染色液による染色が障害されることが
欠点であった。次にジハイドロキシ ジチオールブタン
を用いたYM喀噴液定液(武藤純薬株式会社製、特許出
願中)を検討したが、これは粘液溶解性の点ではNアセ
チルムシスティン使用の固定液と同等と思われたが、独
特の悪臭があり、痰を吐きだそうとして口を容器に近づ
けると、卵が腐ったような悪臭が鼻をつく。ある地域の
集団検診で、これを配られた被検者のうちには、この固
定液の悪臭から固定液が腐っていると思い、固定液を捨
てたものがいたとする報告も伝えられた。またジハイド
ロキシ ジチオールブタンの毒性が不明な点、酵素を用
いているので約3カ月の有効期間しかなく高価であるな
どの点にも問題がある。
ジチオトレイトールを用いた大阪成人病センタ一式の噴
液固定液については今回は実験していないが、ジチオト
レイトールはNアセチルLシスティン同様去痰剤として
用いられる薬物であり、使用量も少ないので毒性面では
問題がないものと思われるが、高価である点、価格面で
の問題がある。
本発明は、上述のような欠点の無い、粘液溶解性を具備
した細胞固定・保存液を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者は、フローサイトメトリーと細胞の螢光染色に
よる細胞診の自動化を開発している途上に、当該染色液
と反応しない粘液溶解剤を種々検討した結果、メチルシ
スティンを見出した。メチルシスティン塩酸塩は、化学
的にはメチルβ−メルカプトアラニン塩酸塩(meth
ylβ−mercapむoala−nine hydr
ochloride)、 ll5C1lzCH(NHz
)COOCH,・IIcIであり、かっては去痰剤とし
て用いられたことがある。多数の患者の噴液を用いて検
討の結果、固定液にメチルシスティンを0.1〜0.2
%添加したものでは、粘液がよく溶け、細胞固定効果も
良好で、固定液に特に悪臭もなく、また長期の保存にも
変質や効力減退を示さなかった。
また、粘液溶解剤のメチルシスティンは、去痰剤として
も用いられる薬物であり、本固定液に用いられる量はご
く僅かなので毒性面からは問題にならない。
即ち、本発明は粘液溶解剤として、メチルシスティンを
含有することを特徴とする細胞固定・保存液であり、こ
れは噴液のような粘液性の細胞診検体の固定・保存液と
して利用価値が高いものであり、また、用いる粘液溶解
剤が螢光染色を阻害しない特徴もあるので、フローサイ
トメトリーと細胞螢光染色法とを用いた自動化細胞診に
も適している。
固定・保存液の主剤及び他の成分は特に限定されないが
、本発明者が新たに見出したエチルアルコールと食塩と
蔗糖又はプロピレングリコールのいずれか一方を含む緩
衝液を用いれば、細胞の収縮や凝集を引きおこさず細胞
診に適した状態に核及び細胞質を固定しろる固定・保存
液とすることができる。そのような固定・保存液の例と
しては0.8〜0.9%の食塩を含む0.01モル燐酸
緩衝液(0,01モル燐酸緩衝生理的食塩水、phos
phate buff−ered 5aline 5o
lution)(以下、PBSと略称)にメチルシステ
ィンを0.2%、蔗糖もしくはプロピレングリコールを
2%、水溶性アンチフオームを10ppm 、エタノー
ルを40%、それぞれ最終濃度になるように加えたもの
がある。
さらに、フローサイトメトリーによる分析の際には、粘
液溶解と細胞分散の目的で、検体を入れた固定液を高速
ブレンダーで激しく振盪するが、その際に無数の細かな
気泡が生じ、これが粘液塊を覆ったり粘液塊の中にとじ
こめられたりして粘液と粘液溶解剤との接触を妨害する
ので、シリコンレジン製剤であるアンチフオームを消泡
剤として加え、良い結果を得た。シリコンレジンは消泡
剤として、ビール、ブドー酒、しょうゆ、乳製品、果物
ジュースなどの各種の食品の濃縮、発酵、および蒸溜工
程などに用いられ、作業の能率化や製品の均一化などに
役立っており、食品中の本島の残留量は50ppm以下
と定められている。実験の結果、シリコンレジンの消泡
作用は10ppmで充分に発現し、30pps+以上で
はシリコンレジンの不溶解部分が残るので無駄であった
本固定液の使用法 噴液の固定の場合は、噴液を本固定液中に吐き出したあ
と、手でよく振盪しておく。2日〜1週間の固定の後、
高速ブレンダーで約2分間振盪し、遠心沈澱し、顕微鏡
標本作製の場合は、残渣をピペットでスライドグラスに
移し、−昼夜乾燥した後、95%エタノールまたはスプ
レ一式による再固定を行う、フローサイトメトリーによ
る自動化細胞診の場合は、残渣を1回燐酸緩衝液で洗浄
したのち、螢光染色を施して分析に供する。
〔実施例〕
実験例1  噴液の粘液溶解剤のメチルシスティンの濃
度を定める実験; 噴液の粘液溶解のための固定液に添加する粘液溶解剤メ
チルシスティンの適正濃度を知るため、30%エタノー
ル・PBSに、メチルシスティンを0 、0.05、o
、 i、0.2.0.5%それぞれ添加したものを準備
し、これに患者の噴液を入れ、室温で3日間放置したも
のを手で約20秒間振盪し、粘液の溶解性を目で観察し
た。
〔結 果〕 メチルシスティンの濃度が0および0.0
5%のものでは粘液の溶解は不十分で(第1図)、0.
1%以上の濃度で粘液溶解が発現した(第2図)。
第1図の写真はメチルシスティンを添加しない固定液(
30%エタノール・PBS)で固定した噴液の塗抹染色
標本の顕微鏡写真(100倍)である。
画面の下1/3に横に走る線条は粘液で、これに細胞が
からめられていて、分散していない。
第2図の写真はメチルシスティンを0.2%添加した固
定液(30%エタノール・PBS)で固定した噴液の塗
抹染色標本の顕微鏡写真(100倍)である。
粘液が溶解して、細胞は良く分散している。ひときわ大
型の細胞は肺癌細胞である。
実験例2  固定液の消泡剤として添加するシリコン製
剤の効果をみる実験: 固定液に固定した噴液は、それの粘液溶解と細胞分散の
目的のため、容器ごと高速ブレンダーにかけて毎分約6
000回の振動を与えるが、・この際に固定液が強(泡
立ち、この気泡が噴液の周囲を取り巻き、固定液との接
触を妨害する。そこでシリコン製剤の消泡剤を用いるこ
とにし、その商品であるアンチフオームを食品添加剤と
して認可されている濃度以下の10ppm添加した固定
液(2%庶蔗糖添加した30%エタノール・PBS)と
、アンチフオームを添加してない固定液とを準備し、こ
れらに噴液を入れて高速ブレンダーにより2分間振盪し
たところ、アンチフオームを添加したものが明らかに気
泡の発生が少なく、また消泡も速く、粘液溶解も優れて
いた。
実施例  固定液(0,2%メチルシスティン、2%プ
ロピレングリコールおよび10ppmアンチフオームを
含有した40%エタノール・PBS)(固定液に噴液を
吐き出すと、唾液が加わって固定液のエタノール濃度が
薄まるので、エタノール濃度は40%とした)の噴液の
粘液溶解性、細胞凝集性および細胞固定効果をみる実験
: 完成した固定液の総合的な効果をみるため、126名の
患者の噴液につき、噴液を入れた直後にこれを手で振盪
した時と3日後に高速ブレンダーで振盪した場合の噴液
溶解性、細胞の分散および固定効果などを検討した。(
表1) 〔結果〕高速ブレンダーで振動後は、1例の噴液を除き
、粘液溶解が認められた。粘液溶解が不能であった1例
は、高度に血性であったために血液が粘液をまき込んで
凝固したものであった。また、顕微鏡所見上、細胞の分
散は良好で、細胞質および核の構造は1力月以上保存し
たものでも優れていた(第3〜第6図)。
(本頁、以下余白) 第3〜6図の写真は完成した本固定液で固定し、40日
間冷蔵庫で保存された噴液中の肺癌細胞の顕微鏡写真(
400倍)である。細胞質も核もその構造が極めてよく
保たれている。第3図と第4図は肺の扁平上上皮癌細胞
の写真で、第5図と第6図は肺の腺癌細胞の写真である
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明によれば細胞固定・保存液に
おいて粘液溶解剤としてメチルシスティンを用いること
により、噴液等の粘液性検体の細胞診における細胞固定
の際に、粘液の溶解が良好であって細胞が分散した浮遊
した状態として固定することができ、また、悪臭もなく
毒性の点ても問題のない固定・保存液を提供しうる。さ
らに、フローサイトメトリーと細胞螢光染色を用いた自
動化細胞診において、粘液溶解剤が螢光染色を阻害しな
いという効果も有する。
【図面の簡単な説明】
第1図はメチルシスティンを添加しない固定液(30%
エタノール・PBS)で固定した噴液の■採集色標本の
顕微鏡写真(100倍)。 第2図はメチルシスティンを0.2%添加した固定液(
30%エタノール/PBS)で固定した噴液の塗抹染色
標本の顕微鏡写真(100倍)。 第3〜6図は、本発明固定液で固定し、40日間冷蔵庫
で保存された喀反中の肺癌細胞の顕微鏡写真(400倍
)、第3図と第4図は肺の扁平上皮癌細胞の写真で、第
5図と第6図は肺の腺癌細胞の写真。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、粘液溶解剤としてメチルシスティンを含有すること
    を特徴とする細胞固定・保存液。 2、メチルシスティンの含有量が0.1〜0.2%であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の細胞固
    定・保存液。 3、さらにシリコン性消泡剤を含有することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の細胞固定・保存液。 4、シリコン性消泡剤の含有量が10〜30ppmであ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第3項記載の細胞固
    定・保存液。
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